財団法人日本ユニセフ協会への公開質問状および追加質問状に関する中間報告
今回、財団法人日本ユニセフ協会広報室の森田さまと、直接お話しする機会を得ました。お忙しいにも関わらず、大変紳士的に対応していただくことができました。ありがとうございました。

当方から出した質問(●)と、日本ユニセフ協会からの回答(▲)は、下記の通りです。

1:第1回セミナーの報告などに関する質問(一通目の公開質問状について)
1-1●第1回セミナーの議事録が発表されないのは、いかなる理由によるものですか。

これについては既に、日本ユニセフ協会ホームページに議事録があげられています。
セミナーで話された内容を、正確に伝える、良質な資料となっていると考えます。
http://www.unicef.or.jp/kenri/kenri_8.htm
日本ユニセフ協会の紳士的な対応に、感謝いたします。

1-2●第2回セミナーの案内が日本ユニセフ協会ホームページ上に告知されなかったのは、何故ですか。

▲事務的な遅延ですとの回答をいただきました。

1-3●第2回セミナーの案内の送付先は、どのような基準にもとづいて選ばれたのですか。第1回セミナーに参加した私どもに案内をお送りいただけなかったのはなぜですか。

▲第一回セミナー開催時に際して案内書を送った先には第二回についても送っていますとの回答をいただきました。

1-4●貴協会の「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び保護等に関する法律」の改正に向けた要望書について、私どもは独自に意見書を作成いたしましたが、それについては、どう思われますか。

▲(八的より:この件は内容が大量かつ煩雑なので、後ほどコメントをいただき、対話を継続していくことを提案し、ご快諾いただきました。)

2:第2回セミナーの報告内容に関する質問(追加質問状について)
▲「第二回セミナーの報告は、時期的に早めに出したかったので、あのようなかたちになりました。誤解を受けかねない部分があることは承知しましたので、野田議員の単純所持規制に関するコメントに関しても含め、テープ起こし作業をし、全面的に書き直しています。そのため、詳細な議事録作成のために、現在、各スピーカーに対して確認を取っています。」との回答を得ました。現在、第2回セミナーの報告は日本ユニセフ協会のホームページ上から一時的に外されています。


3:会談の場においては、下記のような話題も取り上げられました。

3-1●日本ユニセフ協会として、マンガを児童ポルノに含める積極的意図の有無。およびその具体的な理由について。
・いかなる場合に「マンガが児童ポルノ」としてカウントされると考えておられるのでしょうか。
・「児童の集団的人権」といった概念がありますが、日本ユニセフ協会としては、それをどのように考えておられるのでしょうか。その概念は「マンガなどの架空の創作物」および「刑法」にも、当てはめて考えておられるのでしょうか。

3-2●子どもへの権利侵害の問題を考える時、それへの対処が法による「禁止措置」か「刑罰」か、あるいは「教育」で行うのかという論点がある。
・内心や表現の自由を国家などの権力が縛ることは、日本ユニセフ協会としてどのように考えておられるのでしょうか。
・国家が犯罪の基準を作ることは是か非か、日本ユニセフ協会としては、どのようにお考えでしょうか。
・また、今後の議論のために、どのような人々が議論に加わるべきとお考えでしょうか。

※会談時、八的からは、大要以下のような主張を行いました。
八的 性に関する教育について、現実として「社会、性」がどのようなものであるのか、客観的な真実知識を持った上でならば、その上で、純潔的な考え方もあって良いと思いますし、逆にリベラルな考え方もあってよいのではないでしょうか。「客観的な現実」情報が隠蔽されず、その上で様々な(性に対する)考え方、生き方を「選択する可能性と権利を、個人が持っている社会」が望ましいのではないかと考えます。その為に、「真実の隠蔽」はされてはならず、「共存の為の対話」の努力が必要だと考えます。

3-3●表現などをゾーニングする必要性があるとの考えがあるが、日本ユニセフ協会としては、それについてどのようにお考えでしょうか。

※会談時、八的から、大要以下のような主張を行いました。
八的 米国のテレビなどでは、科学的ドキュメンタリー番組においても“残虐なシーンがある”旨を事前に表記し、視聴者が“不意打ち”されることを防ぐと同時に、自らの表現の自由を確保している。日本のコミックに限って言えば、もうほとんどが既にゾーニングされています。少数のグレイゾーンはあると思いますが、大きな問題ではないと思います。また、性的な事柄のみがゾーニング対象として殊更にクローズアップされる現状は、性的な事柄を“公然のものとはしたくない”という意識から来るものではないかと推察しますが、そういった“偏り”は少々問題があるのではないかと思います。その上で、本質的にはゾーニングという言葉の広範さが問題だと考えます。ゾーニングという概念は書籍などに限ったことではなく、地域や職業などにも適用される概念となり得ます。そうなれば、ゾーニングというシステムは“権益”として社会で駆動する率が高くなりますので、結果的に、そこでも人権をないがしろにする危険性が高いのではないでしょうか。

これらの論点についても、「後ほど、日本ユニセフ協会より、公式な見解をHPに掲載します」との回答を得ております。


4:八的のまとめ
以上、公開質問状にて質問させていただいた点の多くについて、真摯な対応をいただけており、感謝しております。
先方の今後の対応を待ちながら、今回のテキストは、私どもの「公開質問状および追加質問状に関する中間報告」とさせていただきます。
今まで私たちは、あくまで「マンガなどの架空の創作物を擁護する者」としての立場を主軸にして、この問題に対処してきましたが、本来、この問題はマンガなどに限定した話ではなく、全国民的なものであるべきだと考えます。
今後は「(日本ユニセフ協会らによる)児童売春・児童ポルノ法への要望書」の内容と、それに対する「NGO-AMIからの意見書」に関して、先方からのコメントを待ち、引き続き紳士的な対話を続けていきたいと考えています。
また、今後の対話についても、私たちNGO連絡網AMIは、論点や見解をできるだけ広く公開し、今回の児童ポルノ法改正問題において生じた「誤解」や「こじれ」を、可能な限り是正すべく、活動を続けたいと考えています。
私たちは、「偏見」「不寛容」を望みません。
私たちは、あくまで「冷静な議論」と「共存を目指す対話」の継続を望みます。


(2003 7/15会談 2003 7/19本文作成)
NGO連絡網AMI 代表理事 八的暁

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