■AMIリーフレット2/青少年有害社会環境対策基本法案について■
<テキストデータ>  


マンガは「有害社会環境」?!
〜有害無益な「有害」指定〜


青少年有害社会環境対策基本法案=「マンガ表現規制法案」に反対します。

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「青少年有害社会環境対策基本法案」とは?
 「青少年有害社会環境対策基本法案」とは、現在、国会で自民党によるプロジェクトチームが上程を準備している法案です。性や暴カといった表現を「青少年の健全育成を阻害する「有害社会環境」と位置づけ、「青少年有害社会環境対策センター」という、国が管轄する第三者機関を通じて、あらゆるメディアや産業に対して「是正勧告」を求め、従わない事業者を「公表する」仕組みを規定する条文となっています。
私たちは青少年有害社会環境対策基本法案に反対します。

1◆この法案は、マンガ文化に大きな悪影響を与えます。
 この法案の最大の問題点は、創作物などを恣意的に「有害」と規定するところにあります。その結果、マンガは文化としての多様性を失い、衰退を余儀なくされます。暴カやセックスに関する表現を、一部の人びとの価値観にしたがって、「有害」であると判断し、一律に規制するという考え方は、『表現の価値はいわば「表現の自由市場」において決せられるべきである』とする、憲法上の人権の一つである「表現の自由」の理念に真っ向から反するものです。表現には表現をもって対抗すべきなのです。この法案は、幾世代にもわたって築きあげた国民的達成を無に帰すものです。私たちは先人が築いたマンガ文化を継承し、より一層の発展を願う者として、この法案に、断固として反対の意志を表明します。

2◆曖昧で有害無益な法律に反対します。
 この法案はあまりにも曖昧であり、社会に存在するあらゆる物事を主観的、恣意的な解釈で一律に「有害」とみなし、私たちの目の前から無くしてしまう危険をはらんだものであると考えます。この法案は「青少年」にとって「有害」であると考えられる「環境」から「青少年」を「保護」しようとする法律です。「青少年」とは18歳未満の者を言いますが、それ以外の語については、明確な定義は行われていません。特に「有害」には、青少年の性や暴カに関する価値観の形成に悪影響を及ぽすものという以上の意味は与えられておらず、法を運用する人間の価値観次第で、どんなものでも「悪影響」と断じることができてしまう曖昧なものです(法案第二条の2)。何をもって「有害」と判断するかは、時代によって移り変わります。私たちが特定の時代的価値観に基づいて、将来の青少年たちがあらゆるメディア環境から得るであろう様々な可能性を漬すことは、決してしてはならないのです。
私たちは、真に「有害」なのは、正にこの法案の方であると考えています。この法案は青少年が多様な価値観や表現に触れ、自己を発展させる機会を奪うからです。青少年もいつか大人となり、自立し、自分の人生を戦って切り開かなくてはならないことを忘れてはなりません。私たちは青少年の成長のためにこそ、断固この法案に反対します。

3◆「翼賛団体」による「自主」規制の強制に反対します。
 この法案の第15条にある「青少年有害社会環境対策協会(以下、青環協)」は、国及び都道府県の管轄下で、事業者に対し「指導・勧告」をできる強力な権限を与えられています。しかも、こうした「指導・勧告」に従わない事業者を、「公表処分」にすることができます。また、一般市民の「密告」を奨励する仕組みになっています。一見、罰則規定のない法案ですが、実質的に「自主」規制を強制できるシステムを作ることで、戦前の「翼賛団休」の復活とさえいえる悪法になっています。こうした団体が、官僚の新たな「天下り先」としての利権構造を作り出すことは想像に難くありません。
私たちは「青環協」構想に代表される「自主」規制に反対し、「表現・出版の自由」に基づいた、民間主導の公平なルールづくりを求めます。

下表は、少年刑法犯の人口10万人あたりの検挙数から、殺人・暴行・強姦の推移を示したものです。
少年犯罪の検挙数全体の増加は、窃盗・横領(万引きや自転車泥棒などを含む)などの比較的軽微な犯罪が大部分であり、凶悪犯罪の増加は認められません。また、検挙率の低下に対しても、同様です。
以上のことからもわかるように、少年の凶悪犯罪の発生率は増加していません。


(平成13年度版犯罪白書より)

【AMIリーフレット2 2002年3月版】

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