新刊批評

1997年7月

ヤ日記INDEX


7月31日

Pilotをいじる。楽しい。


7月30日

Pilotをいじる。楽しい。


7月29日

■おおこしたかのぶ&町野変丸「オタコン」ASPECT/97.7.25/900円/一般

英知の「すっぴん」連載の「えっちひみつシリーズ」。おおこしくんと変ちゃん足掛け6年に及ぶオタク物件コラムの集大成。将来的に文化史料となるでありましょう。おおこしたかのぶはジャンキーズ手伝ってもらったり色々お世話になってるのだが、こーゆー仕事をしてたとは知らなかった。変丸の6年間の絵柄の変遷を一冊で見れるというのも大きい。売れるといいね。

今日は「お札の日」というワケで午前中、妻子を引率して大蔵省印刷局滝野川工場を視察(←見学)。説明の途中でウンコに行きたくなる。トイレはキレイだが、なんとトイレットペーパーはお札の失敗作だった(←嘘)。お札の検査、裁断を見たり、1億円のシュリンクラップを持ち上げたりする。重さ10キロ。たかが1億。たかが10キロ。お土産に「万札サブレ」なんてものがあったので買う。大蔵省も隅に置けない。夕方よりメガストアの仕事でメガサトーと合流、水道橋の書店「コミックハウス」取材。成年コミックスをシュリンクしてないのは立派。人気はコミックハウス系かと思いきやなんと虹の旅出版のときずみえみしがロングセラーだそーだ。ぢたま某、秋葉凪樹、深田拓士の新刊が人気。大暮維人の連載が始まった「ウルトラジャンプ」(集英社)、大友克洋&ながやす巧の「沙流羅」(講談社)、「手塚治虫の少女まんが傑作選」(光文社)、おおこしたかのぶ&町野変丸「オタコン」(SAPECT)、長編評論用に改めて町田ひらくの2冊を購入。大暮維人はジャンキーズの表紙と連載とインタビューやってもらったワケで、知らない仲ではない。腰痛は大丈夫か? 連載開始まずは目出たい。帰り道、東京三世社の飯田哲章をアポなしで直撃。樽本一が売れてると飯田&鈴木健一コンビがニコニコ。樽本一はもっとイイ目を見て欲しいなあ。飯田はなんとリブレットをUNIXで使っている。昔はDOS使いだったのだが、最近はもっぱらコレもんらしい。このHPに原稿を依頼、「東京三世社の飯田ってだけで充分エロマンガ関係だから、競馬ネタでいいから」と説得、快諾を得る。塩山芳明首領にも頼んだし、後は誰に頼むか? 担当全員に何か書かせるというのはどーか? ほんでもってA社のアイツとB社のアイツをケンカさしちゃうというのはどーか? ああ、火に油を注いでしまいたい。後は漫画家だ。

「永山薫のHPにご祝儀イラストを送ると評論が甘くなります」

というガセネタを流すとゆーのはどーか? 勿論、んなコトで評論が甘くなるわきゃないんだが、拙者も人間じゃ、そこはそれ、魚心あればなんとやらと申すではないか、のお越後屋、ふ、ふはははは(←嘘だってば)。


7月28日

■玉置勉強他「コミック闇市場・十六」一水社/97.8.30/819円/成年

「あの玉置が帰ってきた!」とゆーワケなSMアンソ。しかし…、最大のショックは犬桜総司の休筆宣言。1〜2年の休筆だそうだが、1〜2ヶ月にまからんか? 赤丸つきの期待株なのにぃ。玉置も犬桜も良いが、今号のイチオシは赤井にぶらの「手も足も出ないケド…」、猟奇趣味じゃない純愛コメディ路線アンピュティというのは凄い。

新宿で某社部長と打ち合わせ。名刺を忘れた愉快な薫さん。その席で狩野ハスミの本が売れてると聞いて喜ぶ。カルトなファンがついているらしい。あの世界はハマると深いぞ。ブレイクして欲しいものであります。で某社部長が競馬雑誌を持っていたのでふと東京三世社のE田こと飯田哲章のことを思い出す。俺自身は競馬はやんないのであるが、周りには多いのね。


7月27日

■雨宮淳「ぷっつんメイクLOVE(1)」メディアカイト/3,600円

二枚組のデジタイズコミック。それまで美少女系で少女漫画描法で女装美少年モノで鳴らした雨宮淳がスコラに進出た作品。これでブレイクしたワケなんだけど、やっぱ女装とかフェチとか変態女教師とか出てきて、一般性の道を歩みながらも(語り口を含めて)雨宮節なのがおかしい。ま、今でもそうだね。で、これは某コラムでも書いたんだけど、既刊作品のデジコミ化はフル音声化、一部のアニメ化、パートカラーと云った付加価値付けだけでは弱いと思う。ゲームバンクのマンガCD-ROM倶楽部的な1パッケージに長編まるごとという物量戦略こそが消費者のニーズに近いんじゃなかろうか?

ニフのPalmPilot会議室に入ったり、メーリングリストに入ったりする。メガストアのMMRを執筆。雨宮淳を含めてCD-ROMを4本見る。すげー眠たい。


7月26日

■末広雅里他「ショタキング」コアマガジン/97.8.19/933円/一般

ショタの3連チャンである。コアイトー(峰)の仕事ですね。「ほめてください」なんて、けっこー自信ありな手紙付きの贈呈本である。確かに悪くはない。末広雅里はお得意の露出羞恥路線をやってくれてるし、佐野タカシはおちんちんピキピキの女装だし、久我山リカコはいい味出してるし、この三本柱だけで充分に買いだ。ただ下の「BOY MEETS BOY II」と比較すると端正というかお行儀がいい。ぼく、転校しちゃうんだネタが重複しているのと、表紙の色が変なのがマイナス点。表紙に関しては末広雅里のホームページに「正しい色」のがアップされているので見に行きましょう。状況説明もありだ。

台風である。富士山麓のロックフェスに行った元アメージングキャラクターズ、現ミニスカ倶楽部の編集者田内の安否がちょっとだけ気になる。PalmPilotをいじる。まるで初めてMacを買った時のようなドキドキがたまらん。惚れたぞ。ショタの評論同人誌の主宰者からメールをいただく。なんか書こうと思う。


7月25日

■みかりん他「BOY MEETS BOY II」光彩書房/97.8.20/819円/一般

なんか連日ショタですね。ま、いいか。えーと、大阪ぴえ郎、月森泉、阿部川キネコ、COLOR、みにおん等いかにもなメンツ。今回はなんとロリのみかりんまでがショタ作品を描いてて、これはこれでしゅごい。フィジカルでしゅ。あとCOLORの「兄ちゃんぶさいく ボク かわいい」がオオバカでマル。双子なのに可愛いとブサイクの両極端になっちゃった兄弟。兄貴が「遊んで欲しかったら…」とテッテ的に弟をイジメます。いやー、馬鹿ですねー。みにおんの女装モノもいいし、少年対少年、大人対少年とH度も満点。

 昼前からアキバに行く。モバイルっつーか、ちょいとしたした出先でのメモ用マシンが欲しかったのだ。で第一候補のInterTopを触る。キーボードが使いにくい。バックスペースキーとかよく使うキーまでちっちゃいのでブラインドタッチが難しい。おまけに電池が3時間弱しかもたないというのは致命的。IBMのパームトップも安くなってんだけど、キーボード別に買わないと辛そう。他のモバイル関係も文字入力が弱い。魔北葵推薦のリブレットは当たり前だけど高い。で、一番、理想に近いのがPalmPilot。Newtonキーボードが意外と使いやすいのだ。ただ国産じゃないので日本語環境作るのがちょい手間。キーボードが品切れなのがくやしいが、金ねーからいいや。なんやかんやで7万。これでキーボードとモデムと買って10万くらいか。モバイルギア買えるじゃんと云われそうだが、PalmPilotは面白い。いじりがいがある。それにWindowsCEってMac使いから見るとなんだかなーなのであります。Winも悪くないんだけど、いやーんな感じ。俺はHyperCardでパソコンの面白さ知ったわけだしさ。どーでもいいけどMacOSの軽いヤツ出せよぉ。もちろんハードも1キロ以下ね。しかし、事務所の経営状態が最悪なのに、こんなにお金使っていいのか? いいのだ。ちなみに魔北葵とは「PhotoShopが移植されたらBeOSに乗り換える」と意見が一致。裏切りではない。あれが「正しいMacOS」なのだ。


7月24日

■猫玄「激情! 白いうなじのわななき」司書房/97.8.25/857円/成年

女装、美少年、シーメールがガンガン出てきて、まさに永山薫好み! な一冊ですね。表題作はビデオレンタル屋に行ったら、現物のビデオ女をレンタルできてというシリーズ。レンタル少女ネタ自体はこれまでにもあったけど、これまでの「売春の一形態」ではなく、あくまでも、触れて、性交できる「電脳少女」パターン。偉いのはちゃんとビデ倫通してて、局部にはモザイク修正が…。しかも、もうひとひねりしてあって、このビデオガール、モザイク修正の下には…といういかにもな世界。この他、シーメールになっちゃったお兄さんの話だとか、女装シリーズだとか、可愛いオトコノコとジェンダーの揺らぎネタが好きな人ならば絶対的に買いの一冊。

夕方、駒込→西巣鴨→巣鴨→駒込と散歩。知り合いの事務所(漫画関係)が二つばかりあるんだけどアポなしだとまずいので素通り。外大のそばで古書店を発見。古代ギリシアの壷絵から当時のセックス観を研究した「ファロスの帝国」(岩波書店)上下を5000円で購入。少年愛関係をとりあえず拾い読み。念者が少年のアゴと股間を触るポーズが定型化しているのがおかしい。しかし、壷がポルノだった時代というのもなかなか風雅ですな。後、半世紀くらいまえの写真集「London」を500円でゲット。奥付に類するモノがないのでよーわからんが、箱形の自動車とか写っているので100年以上前のものではなさそう。ホームズやジャック・ザ・リッパーの頃のロンドンは資料も多いんだけど、こんな半端な時代なモノって珍しいかも。バスの横ッ腹に「ハロッズに行かなくっちゃ」と書いてあるのがおかしい。


■白虎かなめ他「月の天使祭(3)」虹の旅出版/97.3.15/951円/成年

虹の旅出版も健在だった。置場所が変わってたんでチェック漏れ。タイトル通りのセーラー戦士エロパロ本。


■里村柊一他「CWキャッツウォーク(3)」虹の旅出版/97.4.10/951円/成年

ネコ耳本と勘違いしそうなタイトル&表紙なれど雑誌っぽい作りの美少女アンソロジー。


■ときずみえみし「風の東月の森(3)」虹の旅出版/97.6.10/952円/成年

時積恵美之からひらがなに改名。やっぱ漢字だと読みにくいか? 好き嫌いの分かれる絵だが、解剖学的なディテールへのこだわり、ねっとりとした描写は美少女系ともエロ劇画とも違うこの作者ならではの味わい。ハマると後を引くタイプだ。今回の目玉は「黒い沼のふち」。都市伝説じみた解剖学教室の死体洗いをネタにしたネクロフィリアックな怪作だ。死人よりも生きてるヤツの方がコワイという黄金律はここでも健在。タブーに挑戦するガッツを評価。


■久我山リカコ「オメザメ。ぷりィずA・B」集英社/97.6.24/各590円/一般

センセと教え子が秘密結婚してて…てのは「おさなづま」「奥様は18才」以来、綿々と受け継がれる定番路線。ただ久我山リカコの曲者なのは、開巻直後にセンセが交通事故でずーっと意識不明(それでこのタイトルになるわけね)状態。センセの面影に出会うと欲情少女になってアッチの世界に突入しちゃうヒロインというのも相当に脳が発酵してるよなあ。山羊さんにパンツの上から舐められてセンセの舌使いを思い出すトコなんざ、完全シュール。このままシチュエーション・コメディで走るかと思いきや、終盤に大ドンデンが来ちゃう。ヒキョーとも言えるワザではあるが、この力ワザでハートウォーミングにねじ込んじゃうんだから久我山リカコの地力は相当のものという他ない。短編ではけっこう波のある人なんで、「天然」の人だと思っていたんだけどね。


■川原みんつ「キューティミントカフェ」久保書店/97.6.25/848円/成年

この人もベテランの粋に近付いてきた。ウリは巨乳。ビーチボールサイズの巨乳美女複数に仕えられちゃう小柄な少年というパターン。体格差が大人と子供ほどあるので「大林素子が好き」なんていう大女好きにはピッタンでせう。セグメントがわかりやすいので好きな人ならば買い。


■中海美影「アイだろっ愛!」ビブロス/97.6.25/571円/成年

女子の貞操を守護する超巨乳軍団にワザ師少年が立ち向かうというエロコメの定番ですね。巨乳軍団のコスチューム・デザインがなかなか変態してて笑えますぜ。それにしてもかつての勢いはないとは云え、巨乳は健在。


■冬魔乱「綬縛師夜曲(3)」東京三世社/97.6.31/800円/成年

クールでソリッドで無国籍なスタイルのビザールSM連作。今回はついにアンピュティな身体改造までイッてしまわれました。


■戸川花丸「HEAVEN'S HIP」ヒット出版社/97.7.2/924円/成年

超個性派の3冊目。


■もりしげ他「ワレメっこ倶楽部(3)」オークラ出版/97.7.7/905円/成年

ロリ本。もりしげ、グレイス石川、鎌やんというディープなメンツに加えベテラン内山亜紀に、なんと業界4コマで有名なチャコが短編に挑戦。そーいえば先月鎌やんさんと米澤さんと座談会しました。鎌やんの初単行本に入る予定なんだけど、まだ校正が来てないぞ。こりゃ9月までずれ込むか?


■上杉陽子「イケない放課後」フランス書院/97.7.10/781円/成年

女流の2冊目。ライトSMも少々あり。うたたねしてる彼氏にもたれてオナニーするエピソードなどのヒネリがH。


■美樹カズ「ぐちゅぐちゅ」一水社/97.7.10/819円/成年

とにかく液汁の量が桁違い。ストーリーよりも何よりも液汁の描写に全身全霊を傾けておられる。あらゆる毛穴から粘っこい汗が滴り、愛液と涙と精液とヨダレがとめどなく溢れ出す。特に後半のイラストストーリーからイラスト集への流れには完全にドライブかかってて、読んでるうちにラリってくる。しょーもないデジタルドラッグ見てるよか効きます。そーそーデジタルドラッグもいかにもなサイケデリック模様をぐにゃぐにゃさせてるんじゃダメよね。そんなのとうの昔にトッド・ラングレンがやっちゃってんだからさ。俺が作るなら、テイストレス系のキチク画像と宗教絵画をカットアップして、だーっと流す。音はミサ曲とか透明な歌曲なんつーのがいいぞ。誰か買わないか? 全部込みで300万でどーだ!?


■南京まーちゃん「TWIN HALF」海王社 /97.7.10/857円/成年

田中雅人系ってゆーか(^_^;)、

オンナノコの顔アップのキメとか結構キますね。表題作のドッペルゲンガーものを読めば、その実力は判る。二重人格が実体化するというアイディア自体は極端に目新しくはない。だが、そのドッペルちゃんがHで積極的でイイやつっていうキャラ設定がユニーク。そこんとこを軸に気持ちよくツイストをかけてある。だから後味もイイ。


■万利休他「B-PLAY」桜桃書房/97.7.15/880円/成年

今時珍しいブルマアンソロジー。


■DELTA・M「肉欲天国」一水社/97.7.15/819円/成年

初単行本。ワリと定番ネタが多いのだが、両性具有モノ「マーリンの迷宮」、ミニ四を使ったアイディア(読んでのお楽しみ)がおかしい「〜Habitual〜」が光る。


■秋葉凪樹「空のイノセント(1)」コアマガジン/97.7.16/1000円/成年

女だけの崩壊家庭に取り込まれた少年が、犯される喜びと屈辱にむせぶ「漫画ばんがいち」連載中の長編。少年に固執する叔母、サディスティックな従姉。快楽と、無垢な従妹(これがヒロインの空)への想いが鎖となって、少年をこの地獄の家につなぎとめる。暗くても、なおかつ目が離せない秀作といえるだろう。ただ、もうちょいキャラの描き分けが必要(これは本人も判っていることなのだろうが)、話がなかなか見えにくいのはソレもあると思う。自分の世界持ってんだから、ガンバって欲しい。


■成田那佳他「コラージュ(1)」東京三世社/97.7.20/819円/一般

一水社(光彩書房)の「JUNNY」「秘密少年」に続き、漫画屋塩山班が放つ第3のやおい本。版元は変わっても中身は塩山本。やっぱり相澤史生が小説を書いている。たった今(7/23)、塩山芳明から電話があり看板作家の成田那佳の単行本第二弾は年内に発売とのこと。大阪弁のリズムがエロティックな成田那佳とは塩山宴会で一度、おめにかかまりましたが、昔、永山薫が通ってた高校の近所に住んでおられるということが判明。


■鞍馬大他「まんがY(6)」オークラ出版/97.7.20/857円/成年

ペニシリンXI、さかきいずみと濃い目のアンソロジー。


■わたなべわたる「優しくしてね▽」シュベール出版/97.7.23/781円/成年

ゴム製バルーンみたいな巨乳&ボルト乳首は健在なり。とゆーか10年たっても揺るぎのない世界。


■ロケット兄弟他「テイゲキF」オークラ出版/97.7.24/905円/一般

ハニー&大戦のパロ本。この手が速攻で量産できるところがオークラの強味。


■南野琴他「瑠璃色戦艦ユリガンガー(2)」オークラ出版/97.7.24/905円/一般

第1号が好調なせいか、早くも第2弾登場のナデシコ本。


■大野哲也他「ラストチルドレン3」オークラ出版/97.7.24/905円/一般

エヴァ本。

永山薫「エヴァもそろそろ終わりじゃねーの?」

オークラ出版の編集「東京だと旬外れてきてますけど、地方だとまだまだ旬ですよ」

なるほどね。放映の時期もちゃうコトだしね。そんなもんか。


■ぢたま某「nothing but・・・」司書房/97.7.25/857円/成年

今回のウリはオシッコ…じゃなくって近親モノ。兄と妹の妄執が救いようのない地獄を呼ぶ「インモラル・ロマンス」はメチャメチャ暗くて、後味も最悪というバッドテイスト作品だが、読みごたえ充分な佳作。ぢたま某のダークサイドを知るという意味でもぜひ読むべきですね。

さあ、みんなで地獄に堕ちよう。

先に脳天気な近親モノ「Tender Night」読んでおくと破壊力絶大。


■山本よし文「ファイティングティーチャー」司書房/97.7.25/857円/成年

なんか笑える。美少女系にしては絵柄がやや劇画寄りでコミックリリーフがベタベタの関西ノリ。話の作りがエロ劇画みたいでもあるという不思議なミスマッチ。しかし、最高なのは「1つの愛のカタチ」。くわしくは書かないが、絵だけ横山"バビル○世"光輝風の両性具有エロという怪作。うーむ、この人にはもっともっと変なものを描いて欲しいぞ。


■摩耶薫子他「厨子王(3)」松文館/97.7.25/857円/一般

やおい系ショタ本。仮装大会に備えてネコに扮した拓美くんとタクトくんが練習でジャレ合うウチに…という尾神渚の「猫の気持ちおしえます」、頭のキレる浩史くんが悪霊に取り憑かれたいちろうくんの徐霊を試みるが…という小石川響の「うしろの正面だぁれ…」が収穫。やっぱショタはええなあ。カワイイもん。


■畔地潔地「後から前から」松文館/97.7.25/857円/成年

初単行本。絵も話も個性的でパワーがあるのだが、まだ荒削り。でも没個性よりは個性があった方がいいわけで、化けるやもしれぬという期待あり。しかし、表紙でメイドさん緊縛、しかもパンツにオモラシで黄色いシミというのにはWET好きはそそられる。


■ありのひろし「令嬢調教」松文館/97.7.25/857円/成年

ちょっちダークなSMっぽい系。ラブラブなカップルが実は変態で、ガキどもの玩具にされちゃう「いまどきの子供…」が印象に残る。絵柄に話ほどのクセがないのが惜しい。


■くれむつきゅーる「秘蜜のラブ。パーティ」桃園書房/97.7.25/857円/成年

旧作、同人誌作品のリメイクを含む短編集。連作の一部のような作品がそのまま入っているのが不親切。ベテランらしくギャグの呼吸とかHシーンとかちゃんと楽しませてはくれるんだけどね。


■安宅篤「VICTORY WAVE(2) 」ヒット出版社/97.7.25/874円/成年

もうワケわかんないですね。誉め言葉としてだけど「ムチャクチャ」ですね。大量のキャラが煩雑なプロットで右往左往しつつ、破壊された日本語を口走る。もはや誰がヒロインなのか、どんな話なのか、完璧に暴走状態。40歳以上の頭の硬い評論家には理解不能だろう。しかし、これはこれでいい。理解できる必要はない。漫画作法も正統的漫画文法も踏みにじって驀進するパワーを味わえばイイ。ノリノリのドライブ感に身を委ねればいい。高密度に圧縮されたドラマのみがもたらす圧倒的な速度感。これは年寄りには逆立ちしたってできない芸当だ。エネルギーがあり余っている若造のみに可能な力ワザだ。坂を転げ落ちるように老化していく俺はこの「若気の至り」に激しく嫉妬する。

安宅篤よ、体力があるうちに走れるだけ走れ!


■万利休「美畜女教師」二見書房/97.7.25/857円/成年

少女時代、凌辱に感じてしまったというマゾなトラウマを持つ女教師が不良生徒に調教されてマゾ回帰する調教長編。ソツのない定番路線でほどよいツイスト(女教師が幼顔)が効いていて万利休ファンならば文句はないかもしれない。しかし、俺としてはこのシチュエーションならば大人の女を幼児化するとか、生徒が先生の先生になって卑猥な教育を施すとか「生徒と教師の地位逆転」を強調する描写が見たかった。やっぱココは幼女服を着せて、ワザとオモラシさせて、お仕置きするとか、絵日記をつけさせるとか、そういう恥辱の責めをやって欲しかったなあ。


■間合来人他「COMIC14106(23)」松文館/97.7.25/857円/成年

SM系アンソロジー。西村はるかの小品「MANIAC」がイイ。アイドルを誘拐したオタク野郎の気色悪さがお人形のような西村はるかキャラと好対照。しかし、誘拐犯の名前が宮村優二とは…。


■中島史雄「むかしの名前でHです」久保書店/97.7.25/1000円/成年

旧作の再編集本。なんと400ページ近くあるぞ。劇画色の強い「黒髪地獄」なんて超旧作も収録。ワタシの記憶に間違いがなければ20年近く前の作品だ。初出がついてないのが残念。これが売れてけいせい出版等から出てた旧名作が再刊されることを祈りたい。正直云って、一番最近の絵には違和感があるのだ。私事ではあるが、その昔、俺がアップル社という自販機雑誌社で「女子高生金属バットオナニー告白」とかヤラセの告白記事を書いていた頃、編集部に遊びに行ったら「中島史雄先生から頂いた差し入れのお菓子」があった。もちろん感涙にむせびながらいただきました。ちょうど「幼女と少女ともんちっち」や「もんしろちょうちょのぱんつ屋さん」といったレモンエージ路線の頃だったかな。




■EL BONDAGE「SILENT BONDAGE」久保書店/97.7.25/571円/成年

EL BONDAGEこと牧村みきも長い。「レモンピープル」初期から描いてたもんな。今でも年賀状いただいたり、個人誌をいただいたりしておるんですが、昔から揺るがない人だ。ここまで執拗にアニパロしてる人も他にいないんじゃないか? 今回は個人誌で発表したアニパロボンデージ(魔法使い○リーからもの○け姫まで)70ページをドカーンと巻頭に持ってきてんのが凄い…と漫画ホットミルクに書いたんだけど、実は描き下ろしだったことが判明。ヤバすぎて未収録分は夏コミに出した個人誌で見れる。しかし、一点一点のデキはともかくこんだけ束になると、やっぱ脳がぐらぐらくるのだ。後半は「家族の肖像」「花月爆笑劇場」等旧作をも収録。


■上総志摩他「ピアスクラブEX(3)」東京三世社/97.7.31/800円/成年

SMアンソロジー。今回も濃いぞぉ。パラシュート部隊の「XXZ」はなんとゴキブリの卵浣腸という荒技。魔北葵はショタ味母子相姦、北原武士は臭いフェチ、ぽいんとたかしは少年少女がアナルディルド連結とまあ、みんな好き勝手に暴れておられる。こーゆー濃い目の作家陣を放し飼いにしてる編集者・鈴木健一の方を誉めるべきかな?ちなみに発行人の飯田哲章はホームページを開設している。俺は競馬はよくわかんないのだが、料理コーナーがなかなか美味しそう。美味しそうだけじゃなくバツイチ男の悲哀も漂ってて、なかなかダンディ。全然、話は飛ぶが荒俣宏が唯一漫画を発表したのが東京三世社のアンソロジーだったというのは有名な話。さらに飛躍するが、相棒の福本義裕が荒俣宏と会ったのは20年近く前のコト。

荒俣宏「少女漫画好きですか?」

福本義裕「好きですよ。萩尾望都とか」

荒俣宏「それは漫画好きであって、本当の少女漫画好きではないですね。木原敏江ですよ。ドジさまですよ。少女漫画は」

さらに脱線するが福本義裕の長編評論「殺人者の科学」(作品社)の担当編集角田健二(現・デジタルハリウッド)は荒俣番だった。

ちなみに先日、「波瀾万丈伝」を見たワケだが、俺みたいなミーハーが期待した「杉浦日南子との結婚と離婚の真実」は完全にカット。


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