リアルタイム新刊メモ&日記
1997年11月分
11月30日
高岡基文「MAID ME MAD」司書房
けなげだけど役立たずのメイド小瑠璃ちゃんが、主人公の安アパートに転がりこんで押し掛けメイドしちゃう。女ドラえもん類型の中ではメイド趣味にピタッと合わせてて気持ちいい。後半少年執事シリーズと合流する。全体で「召使い物」という上手い構成だ。
尾崎晶「幕末学園伝リョーコ参る!(壱)」ヒット出版社
バカ度の高い傑作。まず番長物のパロディというあたりまではよくある話なんだけど、登場人物が全員バカというのが凄い。クラスで転入生リョーコの紹介をやってる内に、どんどん「青春ドラマの最終回」へとよじれて行くというギャグが絶品。エロ度も高くてお買い得。前回の単行本も変な味のある女教師物だったけど、今回は完全にパワーを解放したって感じがある。
しろみかずひさ「天気輪の丘で視た世界」三和出版
何を今更という気もするが、やはりコレは買いだ。しろみかずひさについてはこれまで色々書いてきているので、永山薫の批評を読みたい人は漫画ホットミルク2月号を読んで欲しい。この人を語るためには「物語」だけではなく絵としての漫画表現にも踏み込んで行かなければならないだろうな、と漠然と考える。いずれにしても物語偏重の批評はダメですね。
馬波平「Lucky-Gray」東京三世社
相変わらず、アイディアよし、エロよしの秀作集。一番のお気に入りは「澪ちゃんのかんちがい」。アナルセックスが世間じゃあたりまえ…こんなコト信じる女なんかいねーよと思いながらも大爆笑。
笹本義隆「STANDINGS」ヒット出版社
師走の翁といい、笹本義隆といい、ヒットはいい新人出してきてるよね。本作に関してもあちこちで書いているので、ここではあんまり繰り返さないが、これは買いです。
11月29日
B・ビレッジ「D・N・A」(司書房)
明るくオチャメでH。だいたい、「積極的な女の子」が「強引」に男の子に迫って「ミイラ化するまで吸いつくす」というパターン。と書くと身も蓋もないが、定番パターンを作った上で、「寄生虫除去のためキンタマ切除されることに決定した童貞少年が去勢手術の直前に最後のセックスをとことん楽しむ」だの「成績落ちたガリ勉くんの心のケアとしてやりまくる女教師」だの爆笑物のセッティングをかましてあるので飽きずにギャハハと楽しめる。
11月28日
メガストアのばぐぴぴパラダイス用に年間ベスト10を作る。96年12月〜から97年11月までにチェックした800冊からセレクション。メガ発売より先に公開しちゃマズイので最終選考に残ったリストに最新作を加えた「永山薫の97年リスト」だけアップしときます。読みにくいと思うけどかなり絞ったオススメなので参考になれば幸い。これとは別に年末には97年分のベスト・バイ・リストを作る予定。
COLOR「ぺたぺたぱんつ」一水社
MON-MON「愛奴真奈美」富士美出版
NeWMeN「SECRET PLOT DEEP」富士美出版
ZERRY藤尾「SMILE」富士美出版
あらきあきら「ソフトにハードに」海王社
うらまっく「まにまに」司書房
おかだまつおか「E-graphy」富士美出版
グレイス石川「ルーズセックス」オークラ出版
しろみかずひさ「アルコール・ラムプの銀河鉄道(上)」 三和出版
しろみかずひさ「天気輪の丘で視た世界」三和出版
ダーティ・松本「少女水中花」フランス書院
ぢたま某「 nothing but・・・」司書房
ときずみえみし「風の東月の森(3)」 虹の旅出版
ぺるそな「隷獣生活」二見書房
みなみ遥「ストロベリー・チルドレン」光彩書房
みかりん「パチパチぱんつ」一水社
みにおん「DEAR LITTLE LOVERS III」一水社
やまいもとろとろ「ぶるまんロータリー」東京三世社
ユナイト双児「こねこコマンドー」コアマガジン
伊駒一平「奴隷少女飼育記-肉便器くらら-」二見書房
伊駒一平「SM少女の館」平和出版
果愁麻沙美「夢跡のメモリオーズ」フランス書院
海野やよい「調教医師」三和出版
海明寺裕「K9」三和出版
鬼魔あづさ「夜の燈火と日向のにおい(1)」少年画報社
佐野タカシ「天使か悪魔」フランス書院
笹本義隆「STANDINGS」ヒット出版社
山田太郎(仮名)「ORIGINAL」JC2
山文京伝「10after」コアマガジン
山本直樹「フラグメンツ(1)」小学館
山本直樹「フラグメンツ(2)」小学館
山本夜羽「キックアウト・トラヴァーズ」講談社
師走の翁「Get or Die」ヒット出版社
狩野ハスミ「FUCK・S」桜桃書房
小林少年「いじわるな私と月」富士美出版
上連雀三平「アナル・ジャスティス」フランス書院
新貝田鉄也郎「新貝田鉄也郎大百科(上・下)増補改訂新装版」コアマガジン
船堀斉晃「刹那」コアマガジン
村田蓮爾「LIKE A BALANCE LIFE」ワニマガジン社
大暮維人「5〜FIVE〜」コアマガジン
樽本一「未熟花」東京三世社
町田ひらく「卒業式は裸で」一水社
町田ひらく「幻覚小節」一水社
痛快すずらん通り「花見沢Q太郎」少年画報社
天竺浪人「ワイルドフラワー」三和出版
田沼雄一郎「SEASON(1)」コアマガジン
田中ユタカ「月とさくらんぼ」富士美出版
田中ユタカ「ボクの好きな女の子」東京三世社
田中ユタカ「初夜」竹書房
湯河原あたみ「右手の女神様」桜桃書房
猫玄「激情! 白いうなじのわななき」司書房
板場広し「エロバカ日誌」桜桃書房
尾崎晶「幕末学園伝リョーコ参る!(壱)」ヒット出版社
風船クラブ「鬼畜の書」平和出版
有馬O太郎「エロ漫王」海王社
妖刀定蜜「妖刀将軍」メディアックス
蜈蚣Melibe「バージェスの乙女たち」三和出版
かわらじま晃「レミング狂走曲(全3巻)」フランス書院
鎌やん「小さな玩具」オークラ出版
MARO「ABILITY(1)」ワニマガジン社
魔訶不思議「猫じゃ猫じゃ(全4巻)」コスミック
馬波平「Lucky-Gray」東京三世社
11月27日
折詰田如意三「密猟」(虹の旅出版)
メイン作品「ALL THE KING'S MEN」よりも「最も危険なゲーム」がインパクト強し。イジメられっこなヒロインが陰湿なイジメを繰り返す糞コギャルをカネと身体で買ったチーマーどもに襲わせる。なんとも殺伐としたお話。ストーリー自体はありがちだが、ホラー的な文法を上手く使ってて、特に後半の怖さがナカナカ。恐怖を最大限に高めておいてオープンエンドというのも上手い。
おかだまつおか「E-graphy」(富士美出版)
同人誌経験が長いのか達者な出来映え。世棄犬が出てきた時のような勢いとサービス精神を感じる。話自体面白いんだけど、エロ漫画作法をちゃんと知ってる人なのである。例えば「SHIFT UP!」なんか1ページ目でヒロインが、ジジイの後家に入った一見かわいい若妻だけど実は欲求不満で爆発寸前ってキャラであることを見せちゃう。それも台詞のやりとりだけじゃなく、目立たないところで自分で胸もんでたりという「記号」をちゃんと埋め込んである。で、残りページはクルマで街に繰り出して、男子高校生3人をナンパしてやりまくる。最初の1ページと苛立つような着替えと、暴力的なクルマの運転で性的欲求不満を表現し、一気にえろえろ大爆発という流れ、こういうのを上手いというのだ。エロ漫画でコレができるということは、どこで描いても大丈夫である。俺は昔、AV評論やってたころ、今では一流の一般映画の監督に転身しちゃってる連中のAVを何本も見た。んで、一番ダメだったのが周防監督。内容なんか忘れてしまいましたが、AVで本編(映画)みたいなことをやってんのがすげー情けなかった。エロを舐めてんじゃねーの? 本編で大ブレイクしたが、エロでちゃんとエンタテイメントできないヤツはどこ行ってもダメだと思ってるので、よほど進歩したのか、世間がアホなのか、何かの間違いであろう。その点、滝田洋二郎は上手かった。エロ度はともかくビデオのフレームとかわかってて、ちゃんと楽しい作品(蛍雪次郎とかの滝田組が出てくるヤツ)作ってたもん。友成純一に薦められて見たんだけど面白かったなあ。脱線したが、おかだまつおかはきっと大丈夫、期待してるぜと云いたいわけなのだ。
11月26日
資料を整理してたら、はらさけるが亡くなったのも11月(92年)だったことを思い出した。
はらさける 「さくら天女」(メディアックス)92年12月15 日
11月中旬肺炎で急逝した著者の処女短編集。企画段階では、まさか、こんなことになるとは本人も予想していなかっただろう。詳細は不明だが、体力落ちてると「風邪」でもすぐ肺炎になっちゃうからみなさんも気をつけて下さい。(漫画ホットミルク93年3月号)
もう5年前になるんだな。追悼文にもなっていない記事だが、今でも追悼文は書きたくない。亡くなった作家のことは時々でもこうやって思い出すことが追悼だと思う。漫画に生きて、漫画に死んだ人もいる。生前のはらさけるさんとは一度も接触がなかった。漫画をちゃんと読んだのもこれが最初だった。アップルトンさんとも会ったことがない。ただ、歴代担当編集は俺の担当でもあった。
アップルトン「シャングリラ」(コアマガジン)95年09月01日
前半は変な学園ラブコメで後半が変なファンタジーコメディ。ドテ高美少女が魅力。(HM95/11)
アップルトン「フェアリー・パラダイス」(コアマガジン)96年07月14日
プリプリに幼児的なキャラに巨乳ドテ高というアンバランスさが麻薬みたいに効いてくる第二短編集。このキャラの強烈さだけでも結構イケそうなのに、そこんとこに安住しないで、忍者モノ、アンドロイド物、嫁姑SMと回転寿司のようにバラエティかましてくれてます。(HM96/09)
よほどワシはドテ高が気に入っていたようであるが、事実、そこが好きだった。脳天気さとドテ高。
塩山さんよりファックスが届く。12月13日発売決定。まずはめでたい。
続11月25日
「熱烈投稿」(コアマガジン)から催促の電話。まだ何も考えていない。ハタと膝を打ち、「ダーティ松本と同人誌」というネタを思いつく。すごくいい企画に思えたのでダーティ先生に電話。例によって長電話になってしまう。あああああ、俺っておしゃべり。ちなみにダーティ松本さんの冬コミのブースは29日(月)東地区レ35B「DCプロジェクト」である。なんとウテナ本。少年本は別なところでコッソリ出すらしい。俺も今年はコミケ行かないとまずいよなあ。お世話になった人一杯くるだろうし…。
11月25日
20000ヒット感謝の大増大号を作成。今月はほとんど更新できなかったので、ネタはけっこう豊富。
忙しさにかまけて忘れていたが11月13日はアップルトンの命日だった。塩山さんの本の校正やってる時に、アップルトンの名前が出てきて、ああ、そろそろだなと思っていたのに、一周忌の日付を忘れていた。結構、薄情だな、俺。世間て、こんなもんか? と反省しつつ「チェリー★タウン」(コアマガジン1997年)をモニターの横において合掌&黙祷。
11月24日
塩山さんから「現代エロ漫画」の表紙カバーが届く。なんとか年内に出るのではないか? 発行日が98年1月20日になってるから、12月20日前後には出る可能性が高い。本体価格1619円。エロ漫画単行本2冊分のお値段。年末年始用に買ってあげてください。
11月22日
ジャンキーズの仕事が一段落、というワケでもないが連絡待ちなどで空白の3時間ができる。やりぃ! タクシーぶっとばして王子ボウルで家族ボウリング。20何年かぶりでボウリング再開して、再開3回目である。もちろん全然ビギナー。だからターキーは生まれて初めて。161点というのも生涯ハイスコア。すげー気持ちいいの心。晩飯はマックでテイクアウト。喰ったら仕事再開。あ、データつけるのやめた。値段とか発行日とか。資料性とかはジャンキーズの領分。俺は俺の楽しみのために書く。仕事で書くんじゃないからな。
COLOR「ぺたぺたぱんつ」(一水社)
という風に前に書いた本についてもしつこく書く。最近のCOLORの「にいちゃんぶさいく…」とか「おっちゃん好き好きぼく大好き」とか「わたし、熊美ー」つってブルマ少女が山の中で熊と新婚生活やる漫画とか読むと、この本の頃は、結構エロ漫画しようとしてたんだな、というのがわかって涙が出そうになる。ただCOLORが偉いのは、この本の一つのベクトルである「キチク系ロリー」をメインにしないで、もう一方のカエルの漫画に代表されるような「バカ系バカ」ベクトルを選んだ点だ。町野変丸よりバカ。最近のCOLOR読んだ日には全身と云わず脳味噌までへにょへにょになって大快楽ドーパミン漬けって感じ。
11月21日
実は「コミック零式」の締め切り日である。実はなぁんもやっとらんのだ。クロスレビューなので凄く楽しみ。メンツもクセのある連中なのでワクワク。なんせ、ここ最近、若造の生き血を吸うておらんけんのお。しょーもない批評書くヤツはブチ殺してくれるわ。けけけけけ。
うむ。で、最近の最大の問題作は
かわらじま晃「レミング狂想曲」(フランス書院)
である。現在第2巻まで出てんだけど、俺は第1巻は失敗作と云う評価。ところが第2巻を読むと第1巻はこの準備だったのかと思えてくるくらい狂いまくってて傑作なのである。もちろん第1巻を失敗作とした評価を変更するつもりはない。ただ、長編の場合、完結して初めて真価が問われるべきものだと云う反省はある。ちなみにジャンキーズでは泊倫人さんに評価していただいたのだが、俺とは全く正反対の評価になった。つまり第1巻傑作、第2巻平凡という評価。詳しくは12月9日発売のジャンキーズで読んで欲しい。後、まだ読んでねーけど、噂だとコミックナビでは酷評だったようで、これだから批評ってやめられねえや。批評家の評価が分かれるということ自体、この作品の凄さを物語っている。未読の人は是非読むべきだ。漫画読みの魂を良きにせよ悪きにせよ揺り動かすエモーショナルな作品である。そこんとこわかってない批評は馬鹿ですぜ。馬鹿は皆殺し。
あと、
塩山芳明「現代エロ漫画」(一水社)
が、なんとか年内発売できるらしい。俺は校正を手伝って、解説を書いた。読ませどころは第3章のエロ漫画家列伝。もちろん悪口雑言罵詈讒謗の言いたい放題である。俺も以前、罵倒されたことがあるので実感として判るのだが、云われた方はたまらん。杉作J太郎さんの後書きが涙をさそう。なんか表紙が出来たみたいなんで、手に入り次第アップする。
とか云ってるとバイク便で「コミック零式」編集部から
八神ひろき「G-taste(1)」(講談社)
が届く。話題になった本だね。大手がビニ本出してどーする? と一発ジャブ入れてといてと…。要するに漫画から、ストーリーを剥ぎ取って、見せたい絵、見たい絵だけを抽出したというフェチがウリな一冊。んなこたぁ、同人誌業界では一億年前からやってるワケで、斬新でもなんでもない。このレベルの絵描ける人だったらこれくらい抜ける本になんのも当然であろう。ただ一般誌系の限界も見える。フェチっつても「見ることのフェチ」という安全圏。パンチラとかさあ、パンストの光沢とかさあ、ハイレグの切れ込みとかさあ。これを見て勃起するのって一般人の絶対安全圏なワケ。細密描写のフェチは充分抜けるレベル。だけど、大衆の顔色窺ってる風が見え見えなのが大手系の哀しいところよ。この程度でフェチだとかなんだとか騒ぐなよ。南智子&きょん読んでみなよ。狩野ハスミの絵を見ろよ。パンストの履き心地ついてちゃんと描きましょう。あれは気持ちいいぞ。俺は試したことあるけどよ。なにカムアウトしてんだ俺は? でも、これが売れてるそうなんで、マネシンボが出ることを期待。なんのかんのゆーてもエロな絵を一枚でも多く見たいというのがワシの心境じゃ。そんなワケなんで集英社は「桂正和のお尻全集」を出すように。軽く百万部は売れるはずだ。
11月09日
比喩ではなく胃が痛い。まいったな。小林源文の「オメガJ」(集英社)を読む。純国産スペシャル・フォースの話である。相変わらず武器のディテール、容赦のない戦闘描写に痺れる。変に詠嘆趣味のないところもこの人のいいところ。
11月08日
ジャンキーズも始まったことだし、書ける本だけ書くことにしようかとも思う。しかし新刊のインフォメーションとしてデータだけでも載せた方がいいのか思案中。だいたい今現在未読の単行本が80冊ある。我ながら無謀なことしてると思うが、そのくせ合間を縫って
手塚治虫「キャプテンken」「白いパイロット」(小学館文庫)、ゲームバンクから出たCD-ROM版「明日のジョー」、太田出版の「うたたねひろゆきコレクション」、能条純一「月下の棋士」(小学館)を読んだりしているんだから漫画漬け。
11月01日
すまん。ちょっとボロボロ状態。とても今は日記を書ける状況ではないのだ。