リアルタイム新刊メモ&日記

1998年4月分

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4月30日 ムカムカ

事務所の引っ越しがらみで整理を開始。最近、ムカつくことが多いのでいずれ爆発するであろう。

春風サキ 春色のFASCINATION 東京三世社・成年

実はこの人も元少年誌組のベテランらしい。絵柄から云うと飛龍乱系なのだが、元はかなり違う絵だそーだ。お話的には定番的なラブコメ路線を手堅くこなしている。面白いのは律儀に「必ずパンチラのサービスカット」があるという点。


4月29日 旧古河庭園を散策

ノリが悪いので古河庭園で昼メシ。かなりツツジが咲いている。バラはまだちらほら。

松任知基 隷嬢美夜子 松文館・成年

2冊目。表紙からメイドさんが乳出し、尻出しで緊縛という分かり易さ。タイトルほどハードではないが、メインの「メードのお仕事」シリーズはソフトSMと納得して読めばエロ度高し。


4月28日 前哨戦再び

夜、更科くんとかかし朝浩くんが来訪。かかしくんは久住昌之の若い頃に似た風貌。俺と更科くんだけでは歯止め効かなくなる。6.5ロフトプラスワンの打ち合わせ。店長権限で壇上に上がってもらう客の順番とか、色々決める。俺としては泊倫人、更科、山本夜羽に対してそれぞれ「評価」と「批判」がある。このへんはきっと後半戦になるはず。

まんが超えっち6月号 オークラ出版

さかきいずみの連載エッセイ「AV冒険記!!」を楽しく読む。今回は山本竜二の巻。誰やねん? と思う人も多かろうが、エロビデオをコンスタントに見てる人なら絶対見てる。俺の見間違えでなければ長野オリンピックの時流れたマクドナルドのコマーシャルで店長役をやっていた。高槻真希のマンガ評論講座は五十五うねの巻なんだけど、う〜ん。地味だが玄人ウケする人を持ってくるあたりは曲者なれど、何を云いたいのか俺みたいなアホにはわからんぞ。

漫画ホットミルク6月号 コアマガジン

少しづつ良くなっていると見るのは贔屓目のみではなかろう。ただ今月の場合、ガツンとくる1本がないあたり、まだまだ苦戦が続きそうだ。とは云え、新人を中心とする得体のしれない感じがチラチラ。


4月27日 ショタとやおいとゲイコミック

クロランの仕事を片づけて25日〆切のCyberDoll10号の仕事にとりかかる。

クロランの原稿渡し。

熱烈の新担当になった河合くんから電話。河合くんも月に60冊はエロ漫画誌を読んでる人なので、どこの雑誌が元気とか情報交換。新人のイキのイイのがどんどんメジャー系の青田刈りで持って行かれている。昔はそうやって抜いた連中にエロをやらせてたもんだが、今はオタク&マニア系の作品を描かせるケースが多い。それ自体は漫画界全体としてはいいことなんだろうが、担当編集が一から育てた人材じゃないのと、エロ出身というあたりで差別がないわけでもないらしい。ハイエンド系もエロ志向が強い連中を除くと「旬のセンス」「絵が上手い」という「青田刈りにぴったんなタイプ」になっちまう。ハイエンド系にはエロ漫画界の次代を担う、あるいは一翼を担う可能性はあると思う。ただ、そうなる前に引き抜かれる可能性も大きい。はっきり云ってメジャーとは条件(ギャラ、部数)で太刀打ち不可能。となると「ある程度、制限なしで描かせる」という目しかないのだが、エロ業界でもそういう編集部はわずかしか存在しない。

櫻田女王とライターの吉田くんが来訪。吉田くんにショタ&やおい系の資料を見せる。「ゲイの人はあんまりエロ漫画(やおい系も、ゲイコミックも)読まないらしい」とか、「都市部に限れば内向的なオタクよりもゲイの方がセックスの相手や恋人と出会えるチャンスは大きい」とか、ナルホドな話を聞く。

アフタヌーン6月号 講談社

一番の注目は四季大賞の篠房六郎「やさしいこどものつくりかた」。ホムンクルスの哀しく切ない人間ごっこ。臭くなりがちなセンチメンタリズムをユーモアでくるんで、読み応え充分。ただ、これってどっかで見た絵なんだよな。選評の「個性的な絵云々」は納得しがたい。あと、須賀原洋行の「よしえサン」には大笑い。いやあ、写真ベタベタ貼りまくった家族旅行の記録ですぜ。せめて全部絵で描けよぉ。写真と合わない絵だという自覚がない。


4月26日 整理されてしまいました

大量のビデオテープを捨てる。それでもまだまだ膨大に残っている。

ミニスカの筒井くんから電話。連載一本打ち切りでがちょーん! 俺も海千山千の狸野郎なのでネチネチとからみ営業し、別ネタの企画資料を渡すことになる。ミニスカではないが…。とゆーあたりが不安。

悠宇樹 富士美出版・成年

1年ぶりの単行本。売れてる人である。


4月25日 古本屋さん3軒

散歩がてら近所の古書店をハシゴ。「ワイルド7」の最後の方十数巻をまとめ買い。いやあ望月三起也最高だぁ。古い作品なんでところどころセンスが古くなってるのだが、全体としては全然古びてない。

望月三起也 ワイルド7(23〜35) 徳間書店・一般

もう銃器の描写が正確というだけでも涙モノ。どんどこ人が死ぬのが気持ちいい。罪もない一般庶民が面白いように巻き込まれ死にしていくし、悪党どもも足手まといになればヘッチャラで仲間を殺す。こうしたサディズム満点のB級ハードボイルド(ハドリー・チェイスとかさ)活劇を浪花節でくるんで見せる手際がすげーです。暴力描写が冷血であればあるほど浪花節も効く。


4月24日 たりぃ

さすがに睡眠不足で眠い。身体がたりぃ。

ミニスカ田内くんが増刊の打ち合わせで来訪。

更科くんから、来週あたり打ち合わせしましょうという電話。なんかアルティメットの方に「ウチの本を扱うな」というお達しが来てるらしい。理解に苦しむ。更科バッシングか? AVやゲーム関係で「資料貸さないかんね」というのは日常茶飯事だが、漫画のレビューに関して、こんな話は始めて聞く。「新刊見本あげない」ならまだ判る。編集部かライターが買って書けばいいだけだしね。「扱うな」というのは明かな行きすぎだし、それに従うというのも情けない話だ。この件は詳しい話を聞きたいと思う。

田中ユタカ 気持ちいい発見 雄出版・成年

山本夜羽は田中ユタカのハメ撮り感覚を指摘していたが、そういわれて見れば確かに「一人称的なアングル」が見受けられる。漫画におけるアングルも映画系とビデオ系に分けて考えることができるのではないか? その意味で田中ユタカ作品はAV的なプライベート感覚が強い。常に「キミとボクの気持ちいい空間」作りにこだわっている。「キミとボク」以外の登場人物がほとんどいない、いてもそれは風景でしかない。ぬくい布団に二人でくるまっているような心地よさがある。男の逃避願望の露骨な形と云ってもいい。これを気持ち悪いと感じる人はそもそも田中ユタカを必要としていない人だろう。


4月23日 山本夜羽に色々突っ込む

山本夜羽(玄田生)との対談のためKKベストセラーズに向かうが、新大久保で道に迷い、さらに西新宿でも迷子になり40分さまよい歩く。線路沿いが廃墟になってる。潰れたラブホ、人が住んでるとは思えない家の庭先で猫が皿から餌と食べてる。対談は二人とも口から先に生まれて来たタイプなので盛り上がるが脱線多数。山本夜羽に「ロフトに出るけど、アンタを壇上に上げるのは一番最後」と釘。最初から上げたら、それで終わりまでブッちぎる可能性大だからな。他にも「なんで村上知彦に解説書かせた?」「山本直樹は化け物なんだから目標にしない方がいい」などとゴーマンかましてツッコム。久しぶりに写真を撮られる。対談は約3時間。終了後、ハレルヤで飯喰いながらオフレコ対談。ゴシップ、ヤバイ話題、山本夜羽の懺悔に大笑い。終わったのが2時。タクシーで帰る。

西原理恵子 鳥頭紀行 朝日新聞社・一般

行きの山手線の中で読んだ。やはりイイね。西原の現代の日本にはありえないけど実はある「最底辺」を舞台にした創作系もすげぇが、下品でアナーキーなエッセイ系も読ませる。


4月22日 思いっきり現実逃避したい

紺屋たかし 励衣ちゃんの美術部 富士美出版・成年

このクラスになると大ハズレもない代わり大バケもない。


4月21日 どこかに行きたい

西原理恵子+勝谷誠彦 鳥頭紀行ジャングル編 スターツ・一般

サイバラがアマゾンに釣りに行くという泥酔企画。最初にマンガ読んで、あとでゆっくり文章を読む。全体が楽屋オチとは云え、文章の方はもうちょい抑制して欲しかった。もしくはマンガだけとかな。


4月20日 タイトロープ

KKベストセラーズより電話。対談の日程23日と決まる。なんかスケジュールが詰まってんなあ。


4月19日 あいどる

W.ギブスン あいどる 角川書店・一般

あー、俺がやろうとしてた「ガイジンが日本に来てハチャメチャな文化衝撃受ける」ってのは上手いことしてやられてまんがな。しかし、面白い。やっぱ家元は違うぜ。最初の三部作は眠かったけど、「ヴァーチャルライト」も本作もちゃんとエンタテインメント。話は2プロット。ヴァーチャル・アイドルと結婚すると宣言したロックスタの陣営にとあるサイバーな特殊能力持った男が雇われて日本へ赴く。一方、アメリカに住んでるロックスタのおっかけの女の子がコトの真偽を確かめるべくファンクラブから日本へ派遣される。でまあ後は読んでのお楽しみだ。日本のサイバーの元締めである巽センセが解説書いておられるんだけど、いやあバーチャルアイドルってそんなに盛り上がってたか? 実感ないぞ。今どうなってんの? 


4月18日 ゴールデンウィーク進行で日記はお休み

ネムキ5月号 朝日ソノラマ

今市子「百鬼夜行抄」が好きなので掲載誌にも手を出してしまいました。川原由美子「観用少女」、TONO「犬童病院繁盛記」は単行本で読もうかと思った。あと、波津彬子が昔とほとんど同じ絵だったのにはビックリ。あららぎるるの「ぽくぽく」、みみっちさがいい味。少女漫画誌読むのは久しぶりだな。


4月17日 例の法案について書く

町田ひらく論は一回休み、例の法案について書く。煽動するつもりはないが、エロ業界人たるもの「最悪の事態」を想定しておかないとシノギにならぬ。ただ、過剰反応はやめよう。今から絶版の準備してどーする? 

PureGirl5月号 ジャパンミックス

この雑誌のお楽しみはオンライン系絵描きさんのオフラインショーケースな「VISUAL SYNDICATE」。ここで絵描きさんのURLチェックして、暇な時に鑑賞に出かけるというのが美味しい。RGBの方がキレイだしぃ。でもみんなうめぇんだよな。お陰で、カラリングの仕事来なくなるはずだよ。ゲームレビューの方は環境も時間もゲーム向きじゃないので絵だけ眺める。引っかかって来たのは「雪色のカルテ」。グラフィックだけ誰か吸い出さないか? あ、非合法か? すまん。オフィシャルで作ってほしいぜ。後「ホワイトアルバム」「スタープラチナ」もちょっとひっかかる。このあたりが海外の海賊Hentaiサイトに登場するのはまだ先の話だろう…、あ、これも非合法っすね。


4月16日 社民党にうんざりしてイタ飯を喰う

裏芸仕事であるパズル作成の〆切をぶっちぎってんだけど、仕事する気になれず、ネットに潜って社民党サイトなどを覗く。例の法案に関して「フィクションは規制しない」みたいなコトをぶっこいてるので一瞬安心しそうになるが、俺は政党の発言なるものを一切信用してないので法案にそれが明記されない限り、ヤバイと言い続けるぞ。だいたい3年後の見直しの時まで社民党が与党でいられる保証どころか、党の存在しているかどうかも不明だろうが。俺はマンガ防衛同盟とは直接的に関係してないので、誤解してるかもしれないが、社民党やさきがけの発言を鵜呑みにしてるとヒデェことになる。政治家と官僚は100%信じないのが正解。だから万に一つの僥倖で「フィクションは規制しない」ことが明文化されたとしても、俺は「社民党よありがとう」などとは思わないぞ。座長は自民党でも、立ち上げたのは社民党だぜ。

全然仕事のノリにはなれず、散歩がてら文京グリーンコートのイタ飯屋でランチ。味は悪くないがピッツァ・マリガリーテにゃちっこいバジリコが一枚というセコさにはちょっとガッカリ。グリーンコートには大きめの書店が入っているが、品揃えと分類がムチャクチャ。漫画ホットミルク、COMIC阿吽、カラフルBEEがレディスコミックコーナーに並べられていたのには爆笑。少女漫画誌とホラー誌が混ざってる程度だったら苦笑ですませたんだけどね。とりあえず平綴じのかわいっぽい表紙の漫画誌は全部詰め込んだって感じ。本を知らないヤツが本屋やってんなよぉ。でもさすが大きめの書店、近所じゃ発見できなかったCOMIC BOX、PURE GIRL、ネムキ等を購入。


4月15日 更科と6/5前哨戦

更科くんが来訪。今日は〆切3本残してんのに、結局、ロフトの前哨戦をやらかす。ジャンキーズ関連、漫画批評関連、ハイエンド関連、例の抗争関連等々。俺はフィクサーでもレフェリーでもないので泊VS更科抗争に介入するつもりはない。ぬるいオヤジの感想かもしれんが、二人ともちゃんと話せば判る人物なので、しっかり論争すりゃいいと思う。

夜、SPA!の原稿書いてファックスした後、どーしよーもなく眠くなって寝る。


4月14日 今月は不漁

漫画ホットミルク福士くんから催促電話。今月は谷間っつーか出版点数自体少ないし、ドングリの背比べなのでしんどい。こうなるとグレイス石川、ちゃたろーと云った職人芸の見事さが際立つ。電話をジャンキーズ山崎編集長に変わってもらって最新情報を聞く。次号が出るのは間違いなさそうだが、発売日は流動的。深夜留守電をチェックしたら蒼くんから「泊から手紙着ましたよ」と伝言が入ってる。泊くーん、遅いよー。今からじゃページ取れないんじゃないのか? と思わず余計な心配。


4月13日 ロフトプラスワンに、で、出るんだな…あー胃が痛い

ロフトの件で更科くんと連絡を取り合う。一応6月5日を予定。

ブブカの原稿アップ。

R.コールダー デッドガールズ トレヴィル・一般

R.コールダー デッドボーイズ トレヴィル・一般

今、小説書けないんで辛い。SFというよりはテクノ風味のラリパッパ小説。なんせウィルスサイズのナノテクで人間が人形になっちまうんだから稲垣足穂もビックリですね。マン・マシーンですぜ。すげぇな。ヒューマン・リーグだぜ。何書いてんだ俺。で、現在「蠱惑」を探索中。


4月12日 頭痛がつらいよ

頭痛がひどくて仕事にならないがとりあえず催促が留守電に入っていたブブカから手をつける。やっぱりゴルゴは面白い。

街樹るる 秘密にしようね! 東京三世社・成年

昔の少女雑誌挿し絵風の変わった画風が前から気になってる。話的にはどってことないんだけどかわいい。あ、女装美少年ものが入ってる。


4月11日 引っ越しを考える

突然、引っ越しの計画を立て始める。今の事務所じゃムダが多すぎる。御厨さと美の「ケンタウロスの伝説」を書棚から掘り出す。電話で更科くんが読みたいと云っていた本。81年の作品。17年前かよ! 読み出したら止まらない。全巻出てからと思ってた「ルサルカ」をつい買ってしまう。御厨はブランクが長いのがもったいないなあ。

御厨さと美 ルサルカは還らない1〜3 集英社・一般

一時は小説形式での発表も候補に上がっていたという骨太な国際謀略アクション長編。ソ連崩壊後、シベリア温暖化計画をもくろむ旧軍幹部と西側特務の暗闘を描いているワケだが…ああ、やっぱ全巻出てから買えばよかった。ところどころに作者の思想というか心情が溢れ出ている。つまり日本の高級官僚に対する侮蔑であるとか、国際的に見れば甘ちゃん極まりない日本人の世界観とかね。つい天下国家を語ってしまう気持ちも判るし、そうしたアジテーション部分が「物語の緊張感、リアリティ」を高める方向で作用していると思う。まあ、中にはウヨク臭いとかオヤジだとか感じて腰が引ける人もいるだろうが、これはこれでイイのである。山本夜羽もこれくらいアジプロが上手ければなぁ。

余湖裕輝(脚本:田畑由秋) コミックマスターJ・1 少年画報社・一般

先生の絵柄どころか作風まで完全にカバーし、しかも仕上げは超特急という超アシスタントJ。報酬は一本500万円。ブラックジャックつーわけで面白いんだけど、先に行くほどネタに詰まるよなあって思いながら読んでるとサブキャラに新人アシスタントが出て来て燃えペン化? 


4月10日 体重76キロ。そろそろダイエットを考える

ミニスカを仕上げる。アキバ書泉タワーに行くが探している本はなし。文芸書の海外文学コーナー小さすぎ。虎の穴に漫画ホットミルクのコラム用資料を買い出しに廻る。最近はどーも顔を憶えられてしまったらしく、黙ってても領収書が出てくる。一回ちゃんと挨拶した方がいいのか。虎の穴関係者が見てたらメール下さいね。牛丼喰ってから子供のお土産という建前でガード下のナカウラでポケットピカチュー、てくてくエンジェル、ハイパーヨーヨーなどを購入。

今日はまとまったお金が入金されていたのでちゃんこ鍋を喰いに行き、腹筋が裂けそうなくらい貪り喰う。明日からダイエットだ。

山本夜羽 ばちかぶり姫 集英社・一般

山本夜羽こと玄田生らしいオヤジ好みな「社会派」作品集。中には頼りないのかあるのか判らない自然体オタク中年が出てくる「わたしのおじさん」とか好きな作品もあんだけど啓蒙アジプロ臭の強い表題作他はどうもいただけない。啓蒙のためのご都合主義というのはあまりにも安易にすぎる。アジプロにはアジプロの技術というものが必要であり、アジプロにも面白いアジプロとそうでないアジプロがある。そこんとこを無視して「アジプロだからイイ」みたいなバカ左翼的なコト云ってると若い連中にバカにされますよ解説の村上知彦さん。己の正義を声高に叫ぶことが「イイ作品」になるんだったら誰も苦労しねーっての。自らを高みに置いた露骨な啓蒙主義を否定し、エディプス・コンプレックスを超克しなければ、山本夜羽はどこぞの啓蒙オバサンと同じことになってしまう。そこんとこが村上には判っていない。凡庸とはなんと罪なことか。山本夜羽とは某社の企画で会う予定。俺の主義として云いたいことは全部云うことになるだろう。


4月9日 電話でへとへと2

泊倫人くんから電話。漫画ホットミルクの件で反論するとのこと。他色々話すが、俺とは高雄右京やハイエンド系の評価が微妙に違う。このあたりは公の席で論争したいところだ。電話ではもったいない。

妻が友達と「タイタニック」を見に行く。うらやましい。ディカプリオはゆんべちょろっと見た「バスケットボール・ダイアリー」が良かった。ヤク欲しさにオヤジにちんちん舐められる時の表情がマゾでサイコーですぜダンナ。見てて涙出そうになった。原作は「マンハッタン少年日記」だったのね。知らなかったよ。

ミニスカ田内くんがミニスカの資料を持ってくる。ブブカがナイフ特集でコンビニ追放になった話が出る。俺も報道で知ったわけなんだけど、過剰反応だと思う。コンビニ規制で当局の顔色を窺うようになっちゃったんだろうか? 問題のナイフ特集は決してナイフを持てとそそのかすような内容ではないのに。憲法で検閲を禁じているなんて誰も知らないんじゃないか。

蒼くんから電話。ロフトの件、今の漫画の件とか色々話し込む。

SPA禰津くんから電話。またまた漫画の話で盛り上がる。なんか今日は一日中電話をしている。昼飯も一平ちゃんだもんな。でも今日は漫画の話を三人分できたのですげー幸せ。

久しぶりに目医者に行く。手術かプリズム・レンズかという話になるが、医者も強いて勧める様子もなく、俺自身今の眼鏡で不自由はないので当分このまま。予備の眼鏡を作る。

蒼くんから電話。ロフトはやることになりそう。


4月8日 ミニスカ仕事

多田編集長と会う。例の法案の話、ギャンブルの話など。BE-NEWに関しては新味がなくなりましたねと云っておく。まだまだ新人入れて変わるそうなので見続けよう。興味深かったのは以前の大弾圧直後、急激にエロ漫画が売り上げを伸ばし、その結果として命長らえた作家も多かったのではないかという説。

桜桃書房高橋部長から電話。例の法案の件。

ミニスカ田内くんから電話。全然手をつけていない。ネットにネタ探しに潜る。ミニスカ仕事で半日潰す。結局、更新を忘れる。


4月7日 電話でへとへと

一水社多田編集長に電話。明日午後にでも会いましょうという話。

そーこーしているうちにロフトプラスワンから電話。ジャンキーズでなんかやんない?というお誘い。俺個人ではなくジャンキーズという形を取るならば一存ではナニなので山崎編集長にも連絡してくれるように言う。もちろん基本的にはオッケー。5月後半以降だろうな。

別件で山崎編集長に電話。蒼くんが出る。例によって色々話す。そのうち戻ってきた山崎編集長とジャンキーズ次号について話す。俺としては5月25日発売に固執するが、どうもマズイ方向に向かっている。善後策を検討。「蒼とか編集部で俺の悪口云ってねーだろうーなー」と脅す。更科くんに電話代わったので、泊倫人批判の件に対する俺の感想からはじめて色々と情報交換。ロフトはジャンキーズの発売次第だが、あんまり間空くようだったら連続でやっても面白いなあとか。漫画ホットミルクの担当編集福士くんに代わってもらって「あのページはなんだ。菓子折かテレカセット持ってあやまりにこい」と強要罪すれすれの抗議。福士「あれは三共グラフィックが悪いんですう。青焼きまではオッケーだったのに刷り上がったらアレだったんですよぉ。テレカは無理ですけど、差し入れします」と泣きを入れる。「ちっ、うめえもん持ってこいよ」と威張りまくり。俺様またまたヒンシュクを買うの巻。ふふふ。

ダーティ松本さんに電話。例の法律の件。一部の版元で過剰反応が出てるらしい。他、ハイエンド系っつーもんがありまっせっていうような話。

えのあきら クレージーダイヤモンド フランス書院・成年

表題作は、Hコメディの連作。たまたま他人のH現場を目撃してしまった高校生の男女がそれぞれ思春期発動状態になっちゃって、悶々しつつすれ違い、男の子の方が女教師とできちゃってという青春ドタバタ物。相変わらず絵は上手いし、語り口もイケる。ただし都合良すぎる展開にはうーむ。なんか上手さで「作った」という感じ。前々から思ってるんだけどえのあきらは純エロよりも、エロもありのエンターテインメント系、つまりヤンキンアワーズとかの方が力発揮しそうな気がする。MEEくん路線っちゅーかね。


4月6日 例の法律はなんとかならんもんか。

鎌やんさんから例の法案のファックスが届く。後で調べてみたら、関大園田研究室で公開されていると同じものである。これが最終案ということだろうか? まだまだ拡大解釈の余地が残っていて胃が痛くなる。お礼の電話を入れると鎌やんは風邪でダウン中。ちなみに例の法案、最初自民党案が凄かったそうで、社民党や市民団体の抵抗があって今の形に落ち着いたらしい。

熱烈投稿の原稿アップ。熱烈サトーに渡す。

山田花子 自殺直前日記 太田出版

図書館から借りてきた。一言で云えば現世が地獄の人もいるということ。愛情を求めながらも愛のレセプターが機能不全を起こしている人もいるということ。


4月5日 今日も花見だヤッホー!

胃が痛い。ヤケクソのよーに今日も花見。KFCで軽くランチして、六義園へ。枝垂れ桜がすげーっ! ほとんど舞台装置。桜の精が宿ってても不思議じゃない偉容に感服。夢のような美しさ。園内散策後、近場にある文京グリーンコートを探検。ショッピングモールをウロウロする。

熱烈投稿サトーが資料を戻しに来る。

熱烈投稿の「永山薫の制服漫画大全」をレイアウトしながら執筆。

グレイス石川 エロティーン オークラ出版・成年

編集者、同業者間の評価は高く、仕事量も多いのに単行本が少ないグレーシー。久々である。今まで封印されていた楽屋オチ漫画や幻の処女作も収録しお買い得感が高い。中心になるのは得意のコギャルネタ。これに関しては巻末で新貝田鉄也郎が書いてる通りだと思う。


4月4日 花見だヤッホー!

妻子と旧古河庭園にお花見に。頭痛と発熱にもかかわらず、けっこー気分的にハイ。親子で延々ツッコミ合戦を展開。ウチのセガレはまだボケがヘタなので漫才が終わらない。もうちょっと鍛えねば。セガレをお笑い芸人か数学者にするのが俺の秘か野望。サンドウィッチなどを食べ散らかし、花を愛でる。次ぎはツツジの季節に来よう。帰途、図書館に子供を置き去りにして、衝動的に妻と「近所の社長が旨いと言った」蕎麦屋でもりを注文。ワクワクしたものの「流水麺かよーっ!」ロクに水切ってない更科系白い蕎麦にトホホ。近所の連中の舌は信頼できん。聖学園の桜を見ながら帰宅。仕事再開。

グレイス石川さんに電話。花粉症の病院を教えてもらったお礼。俺は今のところ花粉症ではない。妻の知人からのお礼の中継である。

PUTAO5月号 白泉社

まだ続いていたんだね。創刊号を「噂の真相」で採り上げて以来。特集「まんが文庫で世紀末を楽しもう」を資料として買う。フランス書院文庫は入ってない。ようするに漫画界の歴史の中には森山塔はいなかったってコトだ。まあ女性向けだからってことなんだろうが、永遠に無視して下さいね。お願いします。


4月3日 栗田ゆう子って実は計算高いしたたかな女?

どうも頭痛が続く。

ワニの久田くんにメンズインパクトの原稿渡し。原稿に目を通してもらうが一カ所事実誤認に気づきソッコーで直す。「美味しんぼ」ネタ。このあたりのネタはゴルゴネタなんかと合わせていずれ一冊にまとめたいね。

BE NEW5月号 光彩書房・成年

表紙の司淳を除くとプロトンザウルス、月森泉、U-K、DELTA-M、美樹カズ、織田マキ、木工用ボンド、ゼロの者、早川守、Mえっち系、ま★くわ等々、いかにも一水社=光彩書房系作家揃い踏みの印象。その意味では豪華だし、エロ度も高いのだが、新雑誌という感じがあんまりしない。中山&更科の「アルティメットコミックスレビュー」。過不足のない書き方は読者にとって親切だが一本調子。もうちょい「芸」が欲しい。


4月2日 今日も雨。わが心にもってか、おいっ!

サクサクッとメンズインパクトの原稿とレイアウトを完了。

ワニの近藤くんから新連載のデザインがファックスで送られてきたので、〆切を確認して足らない資料を送ってくれるように電話。ワニの新刊の話など。OKAMAは通受け方向に行きすぎてんじゃないかとか、SABEの本出ねぇのとか色々。

ワニの久田くんに原稿アップを知らせる。明日受け渡し。

CyberDoll小山編集長から電話。今日じゅうに取りに来る予定。だったが結局延期。

妻子が帰ってくる。お土産の羽二重団子をむさぼり食う。

本橋信宏 アダルトビデオ 飛鳥新社・一般

村西とおるを中心とした業界盛衰史であると同時に本橋の個人史的大作。本橋がシナリオを書いたダイヤモンド映像初期作品「私犯されました・トラックの中で」を「永山薫という人物」がボコボコにけなすという件があって俺様ニヤニヤ。撮影の苦労話の後に、ほとんど当時に批評文が全文引用されており、いかにも「心ない批評家」みたいである。あの当時は俺も「俺の毒舌で潰れるような監督、製作会社にどーせ早晩潰れる運命」という考えでやってたからな。俺の批評を読んだ村西監督が激怒する描写もあって楽しい。ただ当時、そうした書かれる側の抗議は中沢慎一編集長のところで処理されており、一切執筆者の耳に入ることはなかった。中沢編集長と村西監督は旧知の間柄であり、圧力がかかって当然なにもかかわらずである。トラブルは編集部で受け止め、執筆者には何のプレッシャーもかけない。当たり前だけど当たり前でないのが出版業界なのだ。本橋も後に「ワールド」の筆者同士て会うようになるのだが、そうした村西サイドの怒りを俺や他の執筆者にも伝えたりはしなかった。その点で俺は中沢慎一も本橋信宏も信頼できる人間だと評価している。周知の如く、当時の「ビデオ・ザ・ワールド」誌での村西評価は最初はズタボロだった(「私犯されましたシリーズ」「コペンハーゲン・ロケ・シリーズ」)。評価が一転するのは「恥辱の女」であり「変態ぽいの好き」で決定的になる。ちなみに今だから書けることだが「ワールド」に後から参加した本橋信宏には当初「新左翼チックなうさんくさい男」、藤木TDCに対しては「読者崩れの油断できない若造」という目で見ていた。それが俺の中で修正されて行ったのは彼らの文筆活動や言動に触れることによってである。だから、今でも俺は「ある人物の評価」には時間をかけることにしているのだ。第一印象で敵味方、有能無能を判断してたらロクなことにはなんない。

COMIC夢雅5月号 桜桃書房・成年

創刊一周年。前代未聞号である。462ページもあんだよぉ。すげーぞ。しかもゴリゴリの成年誌ですから実用度満点。エロエロ直球路線から風船クラブのハードショタや少女漫画系のロケット兄弟まで「オタクの急所全網羅作戦」って感じ。抜きたい時には必ず抜かせてくれる一冊。足らんのは「ハイエンド系」?

漫画ホットミルク5月号 コアマガジン

表紙イラストがでかくなってやれやれ。でも夢雅の下品なまでのパワー感、星組の「ウチはエロ本じゃないもんね」的スカシっぷりに比較すると大人しい。しかも、俺様のコラムが乱丁で同人誌コラムと前後ミックスしてやんの! 責任者は菓子折(あるいはテレカ)持って謝りに来ること。田沼雄一郎の「SEASON」がついに完結。俺はもっと救いのない結末を予想してたので意外とリアルな終わらせ方だったのには安心。こういう終わらせ方が一番収まりがいい。単行本待ちです。巻頭カラー4ページは道満晴明。多乳のTAGROは破壊力絶大。後たかしたたかしも描いてるし、ピンナップはおおしまひろゆきだし、徐々に新しい方向性を探っているように見えて楽しみ。フェイクの「雑誌事評」はさっさと「2」として復活。楽しみにしてた更科の泊倫人批判はまだまだ甘い。感情と政治的思惑だけじゃ打たれ強い相手にはダメージ与えられない。論理的な相手は論理でねじ伏せないとなあ。俺にまで「なんでボツにしないか」なんてツッコミ入れてるけど、俺は署名原稿は基本的にボツにしない方針。もちろんジャンキーズで更科に書いてもらう文章に関してもだ。更科も泊もそうだが(一緒にすんなって二人とも激怒しそうだが)俺は敵の多いヤツは「敵が多い」という一点でまず評価している。もちろん、俺を敵視する連中に関しても同じ。塩山のオヤジじゃないけど、好き嫌いは別として物書きとしては無能な善人より有能な悪人の方が数億倍マシ。


4月1日 接待で夕飯を喰う。ノーパンしゃぶしゃぶが近所にないのが残念なり。

先月からぼちぼち始めたんだけど、今月からはその目を通した単行本、雑誌はジャンルにかかわらずたとえ1行でもメモを入れて行く予定。記憶力の衰えをカバーする意味でもね。場合によっては続読、再読でダブることもあろうが、それはそれでいい。

匿名仕事のCyberDoll(笠倉出版社)がアップ。

メンズインパクトの原稿を書こうとしたら、レイアウト用紙他が見つからないのでワニマガ久田君に電話。わざわざ持ってきてもらって飯までおごらせるという悪鬼外道の所業。いやはや花冷えの雨の中申し訳ない。で、例の行方くらましてる某超有名ライターの件とか、某大物オタク・ライターのお噂とか色々話す。木村聡の赤線の本を見せてもらう。これは絶対買いだ。藤木TDCも寄稿してて最高。中高年にビシバシ売れているらしい。で、余分に貰ったという本橋信宏の本を貰う。俺の名前が2カ所くらい出てくるという俺様自尊心刺激本。

北道正幸 スカタン天国(1) 講談社・一般

天然不思議ちゃんモノの連作コメディ。キャラが作りすぎと感じるかどうかだね。俺は楽しみましたよ。幼稚園児風スモック制服とかロンパース風水着とかカボチャ・ブルマとか変なところのフェチが効いてて絵を見てるだけでも勃起可能(俺的外道のみ)。

士貴智志 神風(1) 講談社・一般

要するに美少女が出てくるネオ伝奇バトルもん。絵も上手い、無意味な暴力が一杯というのもよし。ただ、なんでみんなこのテの絵ばっか描くのだろうか? 絵だけ見せられても誰のかわからんぞ。

秋葉凪樹 空のイノセントII コアマガジン・成年

漫画ホットミルクにも書いたように、ますます家族版のオウムないしは連合赤軍という閉塞と内部崩壊への予兆がビシバシ。もはやエロ漫画ではなくドラゴンヘッドとかの「極限状況モノ」になってきてる。これはこれでゾクゾクできる。代表作になるんだろうな。

結婚しない男たち〜女たち〜 ワニマガジン社・ムックワニの穴

終わりの方の業界関係者知人(藤木TDCとか)のエッセイを楽しむ。ダメ連とかメンリブとかあんまし興味ない。俺自身は結婚歴10年以上。周囲も俺自身も誰も永山は結婚するなんて考えてもみなかったのに突如結婚した。結婚ってタイミングと勢いが肝心だと思う。

快楽天5月号 ワニマガジン社

ますますエロ度が急降下。「もはやエロ本じゃない」って声もあちこちから聞こえて来るが、これはこれでいい。OKAMA、うらまっく、秋葉凪樹、板場広しという俺様好みが入ってるんで充分。次号には道満晴明が登場。

アフタヌーン5月号 講談社

鬼頭莫宏の新連載「なるたる」が気持ちよさそ。木尾士目「四年生」最終話は2058年にワープ。ジジイになってる明夫の臨終を描くという凄い展開。俺は2058年まで生きてねーよなーと思う(生きてりゃ104歳)とちょっと暗い気分になる。でも、「おじいさん」「おばあさん」が臨終の床で「ヨシノ」「アキオ」と恋人時代の呼び名に還るというあたりの描写は鋭い。作者は男女関係の一種の理想型として描いてんだなということがここで明確に示されている。この回は読み手が高年齢ほど泣けるはず。

ヤングマガジンアッパーズ4.15号 講談社

ジャンキーズのインタビューではまだオフレコだった勉強堂の新連載入り新創刊誌。いやあ、超B級って表紙に書くかぁ…。作家に失礼だと思わんのかね? 勉強堂「恋人プレイ」は壊れた人たちの普通の恋愛モノになんのかな? わかんねーのが巻頭。原作が木内一雅、絵が小林まことっぽい井上祐徳。ヤンキー崩れの大工が暴れて、怪我して彼女とHして、気づいたら女になってました……。おいおいおいっ。これが巻頭か!? とはいえ小林まこと、土田世紀、こばやしひよこ、サガノヘルマー、神崎将臣、小林じんこって好きな漫画家が並んでんので損をした気はしない。士郎正宗のポスターもあるでよ。

MANGAオールマン4.15号 集英社

やっぱ江川達也「DEADMAN」。壊れてるよぉ。今回は露出度ゼロでエロエロという奇怪さ。単行本出たら買い。他は特になし。ジャンプOB用っつーかね。次からは立ち読みにしとこう。

コミックBIRZ5月号 スコラ

単行本も買ってしまったきくち正太「きりきり亭のぶら雲先生」。今回もウンコ話。狙いがミエミエなんだけど上手い。職人芸ですな。昔からだけど。他もそうだが単行本になるのが確実な作品はそれなりの出来。前にも書いたけどチャンピオンOBなラインナップであるあたり、秋田に受け皿としての「青年誌」がないことを痛感。


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