フォアグラ亭日乘2004年02月
フォア‐グラ【foie grasフランス】 特殊な飼育法によって肥大させた、鵞鳥(がちよう)あるいは鴨の肝臓。高級料理材料として珍重され、オードブルなどに用いる(『広辞苑』第五版・岩波書店)
フォアグラウンド【fore・ground】 ‖名‖[the 〜]
1 (風景・絵画の)前景(cf. background 1).
2 最前面, 表面, 最も目立つ位置.(『日英仏辞典』研究社)

■2004年02月26日:リハビリは続く
 書店を廻ったら昨年末の取りこぼしがぞろぞろ。レーダーシステムにほころびが出ている。これもリハビリの課題だ。急激に復旧させるのは無理なので、じっくりじっくり積み重ねて行きます。
しのざき嶺「はたらく奥さん」ジェイシー出版
 昨年暮れに出た短編集。珍しく直球の人妻熟女エロエロ開脚モノが中心。最後の方にはグロテスクなホラー味の短編も収録。こちらの受け止めかたもあるのだろうが、直球も変化球も余裕綽々たる描きっぷりで、エロのツボを押さえていて、心地よい。この作者には、どうしても大作、問題作を期待しがちだが、定番をキッチリと過不足なく仕上げる職人芸もまたこの人の読みどころである。
【評論】小谷真理「エイリアン・ベッドフェロウズ」松柏社
「異星人は異性人? 地球史上初のエイリアン文学論! フェミニストSF批評家として絶大な人気を誇る著者の本格SF評論&SFガイドブック!!」というわけで、これぞと思った人には「読め読め」とピンポイントで推薦中。なにしろ紹介されている女性作家によるSF作品の豊穣さに圧倒され、圧倒されてるうちにフェミニズム理論が脳内に素描されてしまう。こんなにフェミニズムがわかってしまっていいの? 残念ながら、著者が紹介し、批評する作品の大半は未訳。しかし、ノリノリの小谷節炸裂という感じで、性転換して、六つの人口膣を持ってしまった男が登場する『ヘルメティック』(ストーム・コンスタンチン)だの、犬が人間の女に変身し、遍歴する『カルメン・ドッグ』(キャロル・エムシュウィラー)だの、批評を読んでいるだけで俺はトベました。著者の意図には反するかもしれないが、英語の不得手な日本人の俺だからこそ小谷真理版『完全な真空』(レム)という読みも可能なのだ。…て自慢すべきことかどうかは謎だが。本書で採り上げられた本のうち翻訳があり、俺が読んだのは『冬長のまつり』(エリザベス・ハント)と『蠱惑』(リチャード・コールダー)のみ。蛇足ながら、この二冊とも俺の脳内殿堂に鎮座している大傑作であることを付け加えておこう。

■2004年02月21日:土曜の夜
稲葉COZY他「ショタみみLOVE vol.1」松文館
  ジャケに「超豪華執筆陣」とあるが、これはホント。『エレとタカラ』で人気の水野透子、『狐の魂呼い』が良かったカメイ与五郎太、今やショタと言えばこの人の星逢ひろ、絵を見れば一発で別名がわかる秋緒たかみ、他にも犬丸はいるわ、牛乳リンダはいるわで、もうお腹一杯。書名からもわかるように、耳付きのファンタジー中心。男女を問わずかわいいもの好きにはオススメできる。秋緒たかみのベタベタなくらいのラブラブぶりがウレシ恥ずかしという感じで萌えまくり。

■2004年02月17日:週刊リハビリテーション
 ほんとに週刊ペースに落ちて来た。
 まだリハビリ中ということで、ご容赦を。
 なるべく新刊を採り上げるつもりだが、旧作にあたるものでもこれはというものは採り上げる。

鋼鉄『Queen キリコ's QQ』冨士美出版
 ヒロインが二重人格で、普段はお人好しのグラマーなんだけどレイパーや痴漢に襲われて、ピンチ(というか、しっかり犯される)に陥り、失神するとサブ人格が出現し、レイパーどもを犯し返して成敗する。エロチック・シチュエーションコメディとしては新鮮味はないが、ソツなく笑いとエロを楽しませてくれる。フェチも濃い目。

きあい猫『甘露』東京三世社

  きいろ猫改めきあい猫。旧ペンネーム時代から一環して露出する欲望を描き続けている。今回も、全裸外出公園水飲み場自分浣腸脱糞プレイだとか、放課後校内全裸徘徊プレイだとか、マニアさんたちの世界を展開。露出と羞恥といえばすえひろがりという先駆がいるわけだが、味わいはかなり違う。きあい猫の場合はよりアッケラカンとしていて、翳りが少ない。その分、行為も過激だったりもするのだが、顔を赤らめているわりには羞恥が低めで、どこかしらスポーツ的な印象だ。そこが好き嫌いの分かれ目だろうな。露出マニアも一枚岩ではない。きあい猫が描いているのは、羞恥以上にストリーカー的なカタルシスである。

■2004年02月10日:ご都合主義でGO!
[近況] 数日、日記を休んだのは仕事のピークと体調が原因。日記に関しては書ける時に書けるだけ、好きなように書くので、もし、読者なんてものが存在するのであれば、週一回くらいの頻度でおいでになるのがよろしかろう。だって「週刊」だし。
 先日の古事記王子の項。これは「夢雅」(桜桃書房)の連載でキッチリ書こうと思う。エロ漫画における定型の功罪みたいな話になるだろう。

 俺は他人様の作品に対し、よく「定番のオハナシ」「ご都合主義が…」と書くわけだが、別に否定しているわけではない。定型、定番、型、オヤクソク、ご都合主義にも二つの側面があるということだ。おおっと、このまま書き進めると下書きになってしまいそうだぞ。気になる人は「夢雅」で読んでください。永山の文章がダメでもダーティ・松本の「エロ魂」は必読だ。
 日記では喧嘩しないと誓った俺ですが、ネット上でトホホな言説に出会って呆れることがある。喧嘩を売ってもいいのだが、単に面倒なので、今はやらない。ここで言うのは「擁護できるエロ漫画と擁護できないエロ漫画を分別して語る」ような連中のことだ。俺はそういう言説を単に「馬脚をあらわした」と見なす。そういう連中に擁護されたエロ漫画の方がいい迷惑だと思う。

田中エキス「幼なママ」平和出版
 これはエロい。田中エキスって、物凄くエロのツボが解ってる作家ですな。ジャケの競泳用水着でメガネのママ(ママには見えんが、それが幼なママ)から水着のオケツがフェチ。表題作は、小柄で幼く見えて、酔っぱらうと「あまえんぼうさん」になっちゃうママに息子の直くんが、ついつい手を出しちゃってというお話。田中エキスの上手いのは、エロにエロを重ねて行く焦らしテク。他の作品でもやってんだけど、いきなり核心を衝きません。パンツの上からねっとりとマンチョを触りまくるもんね。お前は中年スダレハゲか! と突っ込みの一発もなるくらいヤラシイ。若者だったらド〜〜ンとイケ(おっとエイジ・ロールに関する不適当な発言を二連発してしまいしたね。おまけにハゲ差別まで)。オマンコのカタチがクッキリ浮かび上がるように愛撫する(形状記憶繊維?)、田中エキスの得意技炸裂です。溜まっている読者ならずとも「はよ脱がせコラ」とポテンツ上がりまくりなること必定。
 古事記王子の項とも関連するが、「男の性的ファンタジー」を煎じ詰めて行くと「母子幻想」に至るというのはアリガチな話で、エロ漫画における母子相姦路線はそれをベタなカタチで表出しているのだと思う。その意味で表題作はベタな上にもベタ、バカ正直なくらいベタベタなベタなわけだが、ここまでイッちゃうと、もはや「これって、ひょっとしてオタク的セクシュアリティ批評?」などというトンマな深読みまでしたくなるのだ。半分は冗談ですけどね。ただ、表4の過剰なまでの「可愛いママ」幻想暴走を見てると、シャレと本気の境界が微妙という気がしないでもない。
 個人的に大好きなのはやはり「トモ」の二部作ですかね。あらすじを書いてしまえば、トモくんという少年が、セックスしたいばかりにお姉ちゃんの命令で女装させられて、公園でもてあそばれる(#1)、それをイジワルな女の子に目撃されて、またまた女装させられて、利尿剤飲まされて辱められる(#2)。でもトモくんはやっぱりお姉ちゃんが好きで、イジワルちゃんも実はトモくんが好き…というオハナシ。いやもうトモくんのダメ人間ぶりがいいよぉ。まず、いくらセックスしてみたいからってお姉ちゃんにオネガイするなぁ! それから、セックスしたい一心で命令通り女装するなぁ! さらに公園で羞恥プレイやってんじゃーぞ! 小便まで洩らしやがってこのバカ! とニヤニヤしながらヤジを飛ばしてしまいました(脳内羞恥プレイ)。確かに、そんなヤツいねーよとは言えるんだが、それを言い出したらフィクション自体が成り立たない。個人的にはダメダメなシシィ系萌えだし、ノンケの強制女装もモロに好み。シシィ萌えや強制女装プレイには性自認とか、性差別とか、色々と面白い問題がからんで来て、ソレに萌える自分を分析すると、また魂の深淵が垣間見えたりもするワケだが、「トモ」の面白味はトモがセックスしたいだけのノンケなのに無理矢理女装させられているダメ人間なのか、実は異性装願望を秘めたマゾヒストで、口では拒否しながらもお姉ちゃんやイジワルちゃんに虐待されて喜んでるチャッカリくんなのか、そこんとこが微妙であるところ。三者三様のスレ違い感もまた切なくて美味だしね。

かにかに「kuchibue fuite」久保書店

 ロリ系、貧乳系の短編集。巻頭の描き下ろしカラーを除いて久保の貧乳アンソロジーに収録された作品。萌えな絵柄とジャケに釣られて買うと、意外とハードな凌辱作品があるので、乞うご期待というか、要注意というか…。自分を捨てた彼女を元彼が集団で襲って暴行するという「好きだったけど」とかね。ああいう絵柄だから、余計痛々しいし、暴力の理不尽さが不快だったりもするのだが、まさにこの理不尽さこそがガキの世界でもあるわけだ(ガキの世界に限るこたぁないか)とはトートロジーか? ボディペインティングやってるウチに…という「部長が作品」とか、ラブラブな「可愛いロボット」のような、オポンチ系の方でも、ノリがガキっぽくて、そこがかにかに。

■2004年02月05日:熱があるのだ
[近況]不景気。ようやく食玩狂いから抜ける。後遺症としてピンキーストリート。最近聴いているのは歌曲。デセイのコロラトゥーラは麻薬的。

 今現在、熱があって批評なんかやってるバヤイではないのだが、商品としての文章ではないわけだし、このまま書く。あんまり気兼ねなしに書く。下書きを兼ねて書く。覚え書きとして書く。商品として整ったものは商業誌で読んで下さい。

ゼロの者・他「ERO-GAINER 2」一水社
 テーマ性が今一つピンと来ない。濃い目のエロをぶち込んでるわけだが、ジャケに「汁系!」とか「ドロドロ・アンソロジー」とか謳って、明確に差別化した方がいいのでは? 柱は当然ながらゼロの者の「部屋」。グレイスケールのねっとりとした闇から男の手が延びて、ミニスカ少女を…というオカルトめいた心理劇。オチは微妙。他に印象に残ったのはみきかず「不意」に登場する弟のモンスターのような血管ビキビキのチンポ。商売柄、エグイちんこ描写は見慣れている俺でもウッとなるくらいの造型である。みきかずといえば汁系番長だが、今回は汁の出口の方が目立った。

古事記王子「クローバー」コアマガジン

 コアでは初の単行本。表題作は長編。メガネっ娘で委員長タイプのヒロイン。どう見たって真面目風なんだけど「本当の私はエロだよぅ…」と呟いたりしてる。そんな彼女が公園で変質者と遭遇し、「本当の私」とも出会ってしまうという物語。人間が社会的動物である以上、他人との相互関係においてのみ「私」という自己同一性があり得る…とすれば、当然の話なのだが、彼女の場合は鏡像になる他者が無精ヒゲで社会的ひきこもり系の変質者だったというワケだ。

 変質くんのオネガイオネガイオネガイに負けて、オナニーを拝見し、その乙女の想像を超える光景に、頭グラグラの脳内麻薬出っぱなし状態になっちゃったヒロインは、さらなるオネガイオネガイオネガイに負けて、オマンコを見せ、ついには公園の便所でセックスしてしまう。当然、これが一時の狂気の沙汰に終わらずに、この一件をネタに脅迫されて、変質くんの肉奴隷へと転落して行く。このあたりで、「これが彼女自身が求めた結果であった」的アリガチなご都合主義を読み取る読者もいるだろう。確かにエロ漫画にはよくあるパターンではある。しかし、この変質くんの痛々しいまでの壊れっぷり、愛なのか快楽を求めてなのか、所有欲なのか、全部グチャグチャに入り混じった妄執なのかわかんない、ストーカー的愛情表現(と言い切ろう)が、ほとんど哀切な分、この二人の関係は共犯めいた匂いを持つ。彼女が実はエロでマゾな女だったという結論は浅薄で、むしろ、これもまた一つの母性だということに気付く。エロ漫画における「男の身勝手な妄想」の核心には常に「総てを赦し、癒してくれる母性」が存在する。とはいえ、そこが本作の底だというわけでもない。擬制としての母子関係がさらに深化し、所有と被所有の関係が、人格が、入れ子状態になり、ひとつの開かれた系を形成して行く。そういう意味では本作もまた作者のいう「ステキ」物語なのだ。

■2004年02月03日:ダメな男萌え
 昨日の飲み会で「今からでもお線香を…」とおっしゃってた方がいたので、O石さんが編集長をつとめていた雑誌の編集部の副編集長に「どうなんですか?」と電話。どうも、一通り都内での儀式は終了しているので、これ以降は墓参ということになるようです。情報が入りしだい、ご遺族のご迷惑にならない範囲ですが、続報をいれます。

ユキムラ「ダメな男ほど愛しい」松文館(マークなし)
 社会人の男同士というカップリングの短編集。ハードなシーンがあるわけでもなく、淡々と日常の中の出会いがあり、心の揺らぎが描かれ、ハッピーエンドという純愛路線。…と書くとなんてことはない話なのだが、このなんてことはない感覚が愛しい。深刻な話になりそうなところをうまくイイ話に仕上げてあって、ああ、そうか、こういう男同士の話も、肩に力を入れずに描けるんだと、今時、当たり前のことを改めて認識した。他の作家を引き合いに出すのは卑怯だが、よしながふみ、あるいは今市子が好きという人なら波長が合うかもしれない。この、二人に共通するテイストをよりマイルドにしたとでも言っておこうか。ちなみにダメ男と言っても、どうしようもないヘタレとか、無能とか、カウンセリング受けた方がいいのに系ではなく、愛すべきダメさ加減である。

■2004年02月02日:喉がガラガラ
 先月の21日、「漫画ホットミルク」の編集者だった「O石さん」こと大石裕二氏の訃報が入りました。書くべきかどうか迷いましたが、急なことであり、まだご存知でない漫画関係者もいるはずなので、書いておきます。お通夜に行ったけれど、まだ信じられないというのが正直な心境。改めて、ご冥福をお祈りします。

 A.M.I.関係の飲み会に出席。若い人が多いので、まさかとは思ったが大石氏と関係のある漫画家が二人いた。一人は飲み仲間で、一人はデビュー当時の担当編集だったそうな。
 飲み会では珍しく飲む。喰う。しゃべり倒す。〆切ブッチして来てる人もいると思われるので誰が来てたかなんてことは書きません。

えびふらい「おしえて▼お姉さん」茜新社
 なんと8年ぶりの新刊。アナルセックスもの「フロンティアを求めて」が入っていたので「お尻倶楽部」(三和出版)のレビューに使うことにする。お尻以外で面白かったのが「春に咲く花」。母娘近親という異色作だ。あまえんぼなワリに積極的にレズを仕掛ける娘というのが、当然ながら、読者の自己投影の器として設定されているワケで、形式としては母娘でも、実は「母と息子」のバリエーションなのがミソ。あくまでも「母子の関係性萌え」であり、子の性別は無関係ということだ。キーワードは[メガネ][スパッツ][貧乳][姉弟][レズ][母娘]。

■2004年02月01日:てなわけで漫画日記開始
あずき紅「ミセスの告白」(エンジェル出版)
 人妻爆乳熟女の溜まりに溜まった煩悩が炸裂する長編。あずき紅らしい濃厚な出来で、精子が溜まりに溜まった貴兄には特にオススメだ。ヒロインは子持ちで元女教師。ダンナともあんまりしてなくって欲求不満気味のところに、同窓会にお誘いが来て、教え子たちと再会し、おおいにハメを外し、ついでに教え子の一人と合体してしまうワケである。この教え子てのが、線が細くて影が薄い野郎なのだが、脱ぐと筋肉質でチンコもデカイ。たちまち欲求不満マダムは虜となって、情事を重ね、アナルバージンまで捧げてしまうのでした。こうして欲望の焼けぼっくいにチャッカマンされちゃった人妻は、教え子だけじゃ足らなくて、ミニスカ姿でアホーな男どもを挑発し、痴漢軍団と路地で野犬のようにサカリまくり、それでも足らず「オシッコ飲んだげる(は〜と)」とホテルに誘うのであった。オシッコ飲むと言われても、ちょっと困っちゃうと思うんですが、まあ、相手は痴漢ですからね。ストーリー的には徐々にオカルティックなドラマとして盛り上がって行くわけなんだけど、果たしてそれが必要だったのかは疑問。人間の欲望が暴走するカタチの方が何よりも雄弁に語ってしまっていると思うのだ。


伊駒一平「淫乱痴女子」二見書房
 「牝犬調教」に続く傑作集。淫乱女子高生のたまちゃんシリーズ、一見優等生風お下げのメガネっ娘・香山のシリーズ、「性奴教師留美香」三部作など、シリーズ物をまとめ読みするにはイイ。オーラスの「解放の時」は、女帝な女社長が、田舎の農業青年に精神分析されながら牛糞まみれのセックスを堪能し、カタルシスを得るという、秀作。ここまでセックスとカウンセリングによるヒーリングを描いた作品も珍しいわけだが、この作品の場合、それが、一時的な休息にすぎないこと、決して渇きが癒されていないことを明示しており、感動的な要素を入れ込みながら、冷徹にエロ漫画している。

火浦R他「LOCO おもらし娘 放尿×失禁」松文館
 火浦R、反対幼児、中村みずも、芥川義澄、茶否など。ロリータアンソロジー。おしょーすい好きならば要チェック。オススメはヤマラス「背のびの恋人」。キューピー系の愛らしいキャラ造型。幼児体型で唇やほっぺのぷっくり感がとてもフェチだ。しっかり個性が立った絵柄で、ペラペラとページを繰っている指を止めさせるだけの力を持っている。年上の彼氏と放尿プレイ→アナルセックスという流れ。行為自体はキチクっぽいが、あくまでもカワイイ世界。無論、毒入りだが。

ぽ〜じゅ他「少年愛の美学IV The 精通」松文館
 ぽ〜じゅ、秋緒たかみ、甘夏真琴、あらなが輝、犬丸、かるま龍狼、星逢ひろ…と並べてみると豪華な布陣だなと改めて感心。俺的にはぽ〜じゅが載っていれば買う。というのは他の作家陣はいずれ、単行本に入る確率が高いからね。ぽ〜じゅは商業原稿がたまっていないから、もうちょい待ちだろう。オリジナルの同人作品も収録して、さっさと出して欲しいと思う。どこかの会社がすでに動いていても不思議ではないが、正直、俺が作りたいくらいだ。そういえば、おととしの忘年会で斎藤環が「今度の本(「博士の奇妙な思春期」日本評論社)のカバーイラストはぽ〜じゅさんですよ♪」と俺に自慢したことを思い出した。しかも、今年の冬コミで新刊を手に入れそこなった…。なんだかすごく口惜しくなってきた。それはともかくとして、今回も全体にいい感じに仕上がっている。改めて言うまでないって感じ。星逢ひろの佳品、本領発揮の秋緒たかみ…と収穫充分。一番嬉しかったのは土肥けんすけの初ショタ「ハリ師・雀庵」。俺が少年誌や学年誌っぽい絵柄に弱いってのもあるわけですが、やっぱり変だよ土肥けんすけ。「盲目市子物語」(桜桃書房)も変だし、エヴァパロアンソロジーに収録された作品も変。こういう変な個性と出会えるのもエロ漫画や同人のいいところである。

陽炎1991「スペルマタンク〜朧月都市コミック集〜」桃園書房
 エロい同人誌の代名詞である「朧月都市」。様々な作家が参加し、拡大するこの「朧月都市」の陽炎1991集成本だ。エロいっちゃ、めっちゃエロいんだけど、これだけでは世界観が掴みにくいのが難点。とはいえスレンダー+爆乳+フタナリの警視・鈴香様が警視庁特捜本部超常対策課を率いてエロエロ妖魔とエロエロに闘う。世界観が掴めなくても強烈なエロとバイオレンスでかなりのところまで引っ張ってくれる。ただ、全く「朧月都市」バージンという読者向きの企画ではない。「朧月都市」をある程度は知っていて設定の隙間を補完できる読者向きだろう。まあ、よくわかんない人は、せめて前もって検索かければキャラ辞典とか色々見つかるはずなんでさらに面白く読めるはず。