フォアグラ亭日乘2004年06月
フォア‐グラ【foie grasフランス】 特殊な飼育法によって肥大させた、鵞鳥(がちよう)あるいは鴨の肝臓。高級料理材料として珍重され、オードブルなどに用いる(『広辞苑』第五版・岩波書店)
フォアグラウンド【fore・ground】 ‖名‖[the 〜]
1 (風景・絵画の)前景(cf. background 1).
2 最前面, 表面, 最も目立つ位置.(『日英仏辞典』研究社)

■2004年06月20日:おとなしく新刊案内2
 朝からダラダラで、体調も続悪。朝飯喰い終わったら11時。漫画学会&漫画史研究会も欠席決定。宮本大人の発表とか聴きたいんだけど、どうもダメだ。

■狂一朗『ヒナバンビ』(茜新社)はオバカなロリ系。女湯覗きをとっちめるために男湯に潜入する銭湯の娘、保健体育の自習で進みすぎた級友たちの乱交に巻き込まれるマジメッ娘、大人の玩具開発に挺身するセーラー服社長ちゃん、御神輿担ぎ志願の褌娘、白いオシッコを集めちゃう保健委員、変態戦隊に救出される女の子、愛人用のプレゼントと間違えて娘にバイブを贈ってしまうダメなパパ等々、笑える笑える。ワンアイディアを転がして、しっかりオチという教科書的な構成だが、基礎体力あればこそのお笑いだ。

■霧風『ANZU〜記憶の薄片〜』(フランス書院)は凌辱シーンがテンコ盛りの長編で、抜き用としては充分だが、プロットが錯綜し、ストーリーを追いにくい。もう少し刈り込んで、シンプルな構成にすべきだろう。

■桐火華『L-MATRIX〜エル・マトリックス〜』(茜新社)はハードロリ。ちっちゃい女の子たちがヒデェ目に合わされるという凌辱短編集だ。硬質なタッチで描き出される少女たちは魅力的なだけに、凌辱図はひたすら痛々しい。最後にはフォローを入れて、読者の罪悪感をお笑いに逃がすように作ってある作品もあるのだが、そちらの方がかえって後味が悪い。むしろ、やるからには鬼畜に徹して、読者の内なるデーモンをえぐり出すくらいの方がいいのではなかろうか?

■吉田蛇作『欲情姫』(司書房)は小太りムッチリ系の女の子が好きで、オモロイ漫画を求めている人には超オススメの短編集。いずれの作品もツカミからオチまでダレ場なく読ませ、エロ度も充分。淫乱だけどイケないという呪いを掛けられた姫君が登場する表題作や、拷問されると簡単に屈服するオマヌケなくのいちと悪役たちの絶妙なやりとりが楽しい「SUPER 9-1 KAEDE」といったおバカ系の上手さは特筆モノ。普通のぽっちゃり少女の実はエロエロな意識の流れを描く「妄想めぐみちゃん」の愛すべきダメさに萌え。直球も変化球も面白いようにズバズバ決まる。

■水ようかん『白濁図鑑』(三和出版)のジャケの端っこには「←処女蹂躙」「←レオタ娘」などのタブが並んでいる。実際にはタブの機能はない(アタリマエだ)が、カバー折り返しが目次になっているという一工夫。さて、本編の方は例によってフェチ満載の凌辱モノ。それにしても「スリル☆プレイ」のスク水はスゴイ。サイズ小さすぎのスク水(それも今では珍しい旧タイプ)を無理矢理着せて…というのにグッと来るものがありました。その流れでいうと小学制服とランドセルを無理矢理の「コスチューム白昼夢」も煩悩キック。オハナシ的には直球なので、フェチ絵に集中して楽しめる。惜しむらしくはオムツが出てこなかった点。水ようかんといえばオムツですよ、東本編集長! 次は絶対一冊丸ごとオムツ本希望。細かく注文すると、フタナリオムツより強制幼女装少年オムツ、これ最強。

■TYPE.90『妃蜜の穴園』(コアマガジン)は高貴な姫君が凌辱されて牝奴隷に堕ちるというパターン好きにはこたえられない逸品。ハイソとか貴婦人とか令嬢とかにグッと来る人は買ってみよう。エロシーンも強烈、体格差ありすぎで、下から突き上げられて、足が床から浮いちゃったりしますからね。どの作品も面白いが、あえて選べば、「居場所」。イジワルな姉が血のつながりのない妹を虐待し、浣腸し、男たちに凌辱させ、チンポ二本同時にブチ込まれているところに、かさにかかってアナルフィストファック!「すごーい…肉壁ごしに子宮の様子がわかるわ」と調子ぶっこいてたら、次には自分がイケニエにという巡る因果の小車。妹の方がはるかに達観してて、地獄にも馴染んでいくが、姉の方は不条理な運命を受け入れられずにのたうちまわる。ヒデェ話だが、鬼畜をやるならここまでやんなきゃね。

■吉川がば夫『ぱにくるクロニクル』(晋遊舎)は女子格闘系の秀作長編。オバカな主人公を巡って、未来からやってきた少女型アンドロイドが闘いを繰り広げるというオハナシ。舌足らずな部分を残しながらも、伏線を消化し、最後まで引っ張って行く。主人公の影が薄すぎるのもネタのうちで、これにもちゃんと意味があったりする。ある程度、読者のツッコミ読みも計算に入っているようだ。ただ、最後のオチは全体の構成としては間違っていないのだが、説得力に欠ける。

■2004年06月19日:おとなしく新刊案内
 結局、漫画学会には参加せずの永山です。地獄進行の後、丸一日死んでたので、体力的にちょっとヤバイと判断。

■早見純『卑しく下品に』(一水社)は相変わらず呪詛の詰まった一冊。読むと向こう7年は祟られそうである。父親によって隔離され、醜いと思い込まされて育てられた美しい娘が「美しくなりたい」という意志によって「美しく」変貌し、腐爛していく姿を黙示録的な世界の中で静謐に描き出した「私のような醜い娘」はまごうかたなき傑作。だが、この美しくおぞましい悲劇の奧には暗いユーモアが息づいており、人の妄執の愚かしさを、個人の内面と対人関係(社会)とさらにその外側に拡がる世界という三つの位相を同時に描いてみせる象徴的喜劇と捉えることもできる。今回は早見純のシニカルなユーモア感覚が前面に出ている作品が多かった。アパートの空室で部屋探し中の女が「西野亀造五十二歳。本日ただ今、魔がさしております」と宣言する不動産屋のスダレハゲにやられちゃって、オマケに「神も仏もありゃしない」目にあってしまう「セカンドインパクト」などはヤケッパチの一発だし、ネタバレしちゃまずいので詳しくは書かないが妙な方向に盛り上げといて最後の最後でボケたオチをかます作品もある。早見純には「芸術になりそうなところでスッと身をかわす」ところがあって、そこがまたこの人らしかったりもするのだな。

■琴吹かづき『先生のひみつ☆』(司書房)はこの作者らしからぬ脳天気コメディ。という決めつけ方は失礼千万かもしれんが、琴吹かづきといえばジョン・バニヤンの『天路歴程』を思わせるタイトルと難解な筋立ての長編『天界公路』(ワニマガジン)を思い浮かべてしまうのだ。コチラでは一転してオバカでライトなストーリー(でもストレートなエロ表現は同レベル)でスイスイ読ませる。エロ女教師が、教え子とできちゃうという定番ながら、呼吸もテンポもバッチリの上々吉。作者としては哲学っぽいディープな世界の方が本旨なのかもしれないが、こちらの方が圧倒的に読みやすい。

■倶利伽羅『魔宮先生の指導室』(冨士美出版)も淫乱女教師もの。琴吹かづきがかなり劇画入ってるのに対し、こちらはオタク度の高い絵柄だ。お嬢様で、女王様体質で、淫乱で、暴力的。でも好きな男の前では素直になりきれないというキャラ造型もまた定番の一つなのだが、絵柄、演出、時として投入されるSDキャラのキュートとマッチして、愛すべきキャラに仕上がっている。このテの作品はキャラで9割方出来不出来が決まってしまう。本作はその意味では秀作と呼んでいいだろう。

■R☆トンコウ『淫育〜しつけ〜』(司書房)も淫乱女教師ものがメイン。巻頭が舞姫子教授で、お次が真希子先生というわけでシリーズではない。ただ、どちらも教壇で生け贄を踏ん縛って、実験台またはモデルにして、最後は乱交というパターン。もうちょっと変化つけないとないとなあ…。あるいは逆にワンパターンで最後まで通すかどちらかだと思う。この作者、失禁マニアのOLが通勤電車の中でオムツ内失禁するところから始まる「Under Gareer」を見てもわかるように、フェチや変態がちゃんとわかっている人だと思う。ただ、勢い優先で、雑に見えるのが難点。フェチをやる以上はディテールが大事だろう。

■2004年06月17日:鬱警報
 色々あって打ちのめされ中の永山です。

■しろみかずひさ『化粧くずし』(メディアックス)は拾遺集的な内容。読み切り短編に未完の長編「球根栽培」の一部を収録。しろみの作品集としては小粒感は否めないが、この人の場合、あらゆる作品が「麻理果」宇宙のホログラム的な断片とも言えるわけで、ファンならば押さえておかねばなるまい。逆にこれから読もうという人には、ストレートなエロ漫画の形式を踏まえた作品が多い分、読みやすいだろう。

■完顔阿骨打『ROUND SHELLランドセル』(茜新社)のジャケはランドセル少女のタイツとスパッツに白いクリームが…というフェチ度の高い逸品。巻頭カラー始まりの「まゆとちさと」はベレーの制帽が愛らしい女の子がエスカレータでオナニー。そこに出くわした同じベレーの半ズボン少年がなるようになってしまう。これだけでもゴハン三杯おかわりオッケーな親不孝者も多かろうが、続編では少年が小学生女装という永山の煩悩をピンポイント爆撃! たまらんです。

■REY'S『中で出せ。』(三和出版)は初単行本。すでに何冊か出ててもおかしくない人だけに、寡作というだけでなく、巡り合わせとか色々あるんだろうな。ウンコぶりばりの調教モノを巻頭に、全体的にはダークでヘヴィなイメージなれど、しっとりとした母子相姦もの、役立たずメイドロボもの、軽い感覚の風俗業界ものも収録。けっこうなんでもできちゃう人なんだが、先を考えるとどこか得意技を絞った方がいいかも。その点では、なんということない女王様業界物「流して流される……。」あたりはイイ線かな、と勝手に思う。

■2004年06月11日:地獄進行2
 ブラッドベリが『華氏911』というタイトルは自作『華氏451』のパクリだと怒っているらしい。俺は『華氏911』は愛国法等で現実化してしまったアメリカを描くという意味で『華氏451』のリアル版だと受け取っているし、当然、オマージュも含まれているワケだ。要するにムーアとは思想が違うということなのだろうが?
 勝手な野次馬とすれば、ハーラン・エリスンが「セカチューのタイトルはパクりだ」と抗議すりゃ面白いのにと思う。どこまでホントか知らないが、セカチューはエヴァのサブタイトルからのイタダキだそうだが、どうなのか? セカチューってエヴァと共通する要素があるのか? エヴァがエリスンに敬意を表しているとはいえなくもないが。まあ、要するに、俺はエリスンに熱狂した人間なので、セカチューは正式なタイトルを書けないくらい「不快」だっつーことである。
 その意味では実は相田裕の『ガンスリンガー・ガール』(メディアワークス)もあまりいい気持ちはしない。ただそれでも、タイトルが書けないくらい不快だったりしないのは、スティーブン・キングという超ビッグネームだからだろうし、「gunslinger」というスラングが存在するからだ。要するにキングからではなく俗語からという可能性もあるわけで、そんなことで誤爆するほど暇ではない。ただ俺が「ガンスリンガー」と聞いて思い浮かべるのはキングの『ガンスリンガー』連作だし、さらには太腿にホルスターを縛り付けた西部劇の男たちだ。
 ちなみに、西部劇の荒くれたちがホルスターを低い位置に吊ったのは、腕を下ろした時、ちょうど拳銃のグリップが手にかかるようにするためである。早撃ちのための工夫というわけだが、実際にアメリカで行われているクィック・ドロウ・シューティング競技ではホルスターの位置は意外と高い。低い位置にあるグリップは「掴んで、引き抜いて、相手に向けて撃つ」という動作になるが、高い位置にあるグリップを手首のスナップを使って抜くと、その時点ですでに銃口は的に向いているのである。もちろん至近距離でないと当たらないし、手首が弱かったり、装薬量が多かったら手首をくじくことになる。
 完全に脱線してしまったな。

■早川守『生桃練乳がけ』(平和出版)ってタイトルからもう甘くて濃厚。すでにベテランの域に入っている作家だが、昔から上手かったんだよなあ。しかも個性もバッチリ。今回も奇妙な味の短編がギッチリ。この人の奇妙さというのは、非日常的な設定(例えば「桃色令嬢」における「社交界では下半身裸が常識」と言う設定とか)が、所与のものとして語られたり、大ネタ振っておいて外したり(ネタバレになるので書かないが)、登場人物の狂気が一人称視点で語られたりすることによって、コチラの脳内にある「常識の座標軸」をズラすようなところがあって、決してハデではないのだが、よく読むとヘンというタイプ。それで、その奇妙さが、エロというもう一つの「日常的な非日常」と合っていて、しかも、女体のプロポーションが絶品のラインなもんだから、「バカでー」と笑いながらもちんこが立ってしまうのだ。

■もりもと崇『難波鉦異本 第二巻』(少年画報社)は先日、第8回手塚治虫文化賞・新生賞を受賞した風俗時代劇。この第一巻は、受賞が決まった直後の漫画史研究会で購入。画報社の編集者のお薦めだったので、「ヤな表紙だけど、これも、まあ、お付き合いだし、こんな機会でもなきゃ買わないだろうし」という感じで、買って一ヶ月くらいほっぽってあったのだが(ヒデェな…)、たまたま、読んでみたら、これがすこぶる面白い! 江戸時代の大坂の遊郭を、禿(かむろ=お女郎の見習い)の少女・簓(ささら)の目を通して、描きだす。同系の時代劇漫画というと杉浦日向子の『二つ枕』(青林堂)を思い出すだろうが、江戸・吉原とは違う上方流リアリズムが貫かれていて、下品かつ痛快。セックスワーカーであると同時に、文化人相手の高級コンパニオンでもあったお女郎さんの実相を描いており、雑学的にも興味深い。チンコマンコも続々登場するが、抜き用にはキツイだろう。チンコマンゴも必然的に一杯出てくるアダルト・エンタテイメントである。

■2004年06月10日:地獄進行
 月中まで地獄進行決定なので、アップできる日はアップしとこう。

■國津武士『Empress〜エンプレス〜』(コアマガジン)にはロリ体型の皇帝陛下が登場。トホホな主人公をオモチャにして大暴れ。ライバルの夜の皇帝陛下も登場し、何故かトホホくんの争奪戦というか、アッチに行っても犯され、こっちに来てもハメさせられというモテモテ状態に。しかし、三頭身のくせにアナルまで使うもんなあ。学年誌系エロというのはトラウマを直撃って感じでイイね。

■魔北葵『淫悦の牝たち』(二見書房)は、B6判リミックス。中心になるのは前半を占める長編「堕淫天女」。地味で生真面目でいかにも抑圧強そうなメガネ女教師が、浅黒い謎の美少年に溺れて、面白いように転落の坂を転げ落ちて行く。普通の作家ならエロエロ牝奴隷がゴールとなるだろうが、身体改造メッチャ好きの魔北葵ですから、ウィンナ状の乳首で超爆乳(搾乳可能♪)、ピアス色々という生まれもつかぬハッピーなボディにモディファイされてしまうのでした。改造系が初見ならば、おおっと驚くだろうが、魔北葵ならこれくらいは当然。後半にはマゾ少女、アンファンテリブル(爬虫類みたいな顔がコワイぞ)、お嬢様奴隷、レズ調教、身体改造コメディ、爆乳×ショタ、巨根シーメール・ウェイトレス、少年同士のマジショタと、魔北葵ショーケースという感じ。これから体験したいムキにはオススメだ。

■天竺浪人・他『アイラ・デラックス23』(三和出版)のジャケにはブッ飛び。巨乳&貧乳のアンピュティ揃い踏みだもんな。注目は天竺の素晴らしいお尻が炸裂する「アナナメ」の連載開始。スカトロ好きは要チェックだろう。ベギラマは「乙女失格」にて妊娠を発表。産休に入るそうだが、ウチの事務所の仕事は休ませない(予定っつーか、たのんます! ←オニ)。先日、急逝した岡すんどめの新作は、残念ながら落ちた模様。遺稿集を出して欲しい。拙文でよければいつでも寄稿します。

■2004年06月09日:ぼちぼちギアをローからひとつ上に・アゲイン
■ハマダユタカ・他『淫欲・未亡人』(東京三世社)は文字通りの喪服系。田中ユタカっぽいハマダユタカが巻頭「さよならエボニー」がいい感じ。ヒロインは使用人時代にヒヒジジイのお手つきとなって、後妻にされて、オモチャにされまくり、未亡人になったはいいが、ヒヒジジイが事業に失敗したおかげで遺産はパアで、残されたのはエッチに開発された身体のみという境遇。ヒヒジジイの一周忌に訪れたかつての同僚と納屋で痛ましいまでのセックスを展開してくれる。ヒロインが彼氏が来るのを予期して、身体の疼きに耐えきれず、喪服の下にバイブ突っ込んでスタンバイしているというのが、なんともせつなくいじらしい。

■はらざきたくま『セキセイ』(ヒット出版社)は久しぶりの新刊。元々この人は長編描かせると、まとまりがつかなくなっちゃうのだが、今回は短編集ということで安心して楽しめた。「キタエキタエ」は、傷心旅行で北に向かった少女が、ワカサギ釣りのオジサンと小屋でやっちゃうというオハナシ。肩の力の抜け加減が秀逸。「すてきな奥さん」は、次々とオトコをくわえ込む淫乱人妻というベタベタのネタをはらざきたくまがどう料理するかというか、はらざきたくまがあの繊細な絵でベタベタのベタをやるだけで充分おかしい。オトコたちが、コトを済ませたあとで、
「本当にこんな主婦とかいるんだなぁ……」
 と述懐したりなんかして。いねぇっつーの!
 他の作品もそれぞれにはらざきテイスト。全力でオススメというわけではないが、読んで損はないと思う。実用性も高いわけだし。

■町田ひらく『あじあの貢ぎもの』(一水社)も久しぶりの新刊。かなり人間としてダメなオトコと、性に目覚めた少女の関係を描く「半仏半獣」、ピアノの視点(!)で、次々と変わる持ち主の少女たちの境遇を断片的に重ねていく「piano man」、娘に手を出してホームレスとなってしまった初老のオトコがいきなりツキに恵まれ始めるという皮肉な物語「200X」、親の都合でハゲの学園長の相手をさせられている少女を巡る「国立人喰い動物園」、別れたロリ妻とのセックス時の録音テープを聴きながらオナってるオトコが、娘の卒業式に合わせてビデオカメラを買うが、娘はそんな親心とは関係なしにすでに彼氏がいて…という「夫妻善罪」等々、じっくり読むとヒシヒシとコワイものが伝わってくる。町田ひらくは元々映像作家であることもあって漫画文法も、映画のカット割り的で、通常の漫画読みとは別の回路での読みを要求するようなところがある。それが一種の読みづらさでもあるのだが、その漫画的にはつっかえつっかえ的な語法が、かえって読む者を立ち止まらせて、その世界に引き込むようなところがある。その意味で、本短編集は、いつもの町田ひらくなのだが、旧作と比較すると、シニカルな色合いが強くなり、彼の狂気や妄執に一枚ヴェールがかかった印象。これは次のステップへの一歩なのか? それともたまたまそういう作品が続いたのか? 答が出るのはまだ先だ。

■2004年06月02日:HDアウト(6/9:まとめアップ)
 ダー松先生と近所でお茶。
 HDは結局だめだったそうで、「エロ魂」一回分を描き直すそうだ。
 バックアップ取ってない時に限ってHDは飛ぶ。
 これはもう法則としか思えない。
 また、ぐれいす誘って飲みましょうという話になる。
 そういえば最近、全然、飲み会出てない、というかお誘いもないので、久しぶりにいいなあ。月後半かなあ。

■笠間しろう・他『強姦・裸の人妻』(松文館)では70年代エロ劇画の大物(笠間しろう、あがた有為、冨田茂、羽中ルイ、三条友美等々)が揃い踏みしている。巻頭ヌードグラビアの「撮影/川本耕次 本文/高取英」の署名にクラクラきた。今はほんとに21世紀なんですか? 丸ごと高取さんの編集なのかも。注目は佐藤まさあき追悼として故人の作品「暴行」が再録されていること。合掌。

■2004年06月01日:いろいろ(6/9:まとめアップ)
 先月は張り切って始めたのに後半で更新が失速。そのままズルズル今月へ。
 ぼやぼやしている間に、俺が書くべきこと、書きたいことは誰かが書いている。

 まず、イラク人質事件に関しては、宮台真司の意見が俺に近い。
「右翼思想からみた、自己責任バッシングの国辱ぶり」
 http://www.miyadai.com/index.php?itemid=98

 Winnyに関しては予想通り「包丁を使った殺人事件が起きたら、包丁職人は逮捕なのか?」みたいな擁護論が出ているらしい。これまた予想通り、ピーコで生活権を侵害されている人々からは警察&検察同様に47氏の「犯意」なり「悪意」なりの有無を重視する意見も聴いた。前者は誰でも思い付くわかりやすい物語であり、説得力もそれなりにあるが、動き始めた司直の歯車を止めるほどの力はない。後者は土台からおかしい。
 47氏の起訴は逮捕された時から予想できた。起訴された瞬間、有罪判決まで予想できる。大抵の人がそう予想するだろう。それが今の日本の司法制度に向けられる一般的な眼差しであることに慄然とする。
 ヘンな判例ができてしまうのはマズイと思う。開発者にとっても、ITで国興しをもくろんでるエライ人たちにとってもだ。
 この件については東浩紀がブログで触れていることを最近知った(遅い!)
「hirokiazuma.com」
 http://www.hirokiazuma.com/blog/

 漫画史研究会についても書こうと思っていたのだが、伊藤剛がすばらしいレポートを書いているので、楽させてもらう。俺のよしながふみに関する感想はいずれまとめて書く。
「夏目-竹宮-藤本による「よしながふみ」」
 http://d.hatena.ne.jp/goito-mineral/20040601

■ゴブリン『孕ませろ!!』(一水社)はいつもの世界である。例によって女の子たちが、杭のように太いチンポをぶち込まれ、虐待され、嘲られ、妊娠する。ゴブリンは永遠に同じリズムを刻み続けるのだろう。ただ、そこに在るゴブリンという境地。