フォアグラ亭日乘2004年08月
フォア‐グラ【foie grasフランス】 特殊な飼育法によって肥大させた、鵞鳥(がちよう)あるいは鴨の肝臓。高級料理材料として珍重され、オードブルなどに用いる(『広辞苑』第五版・岩波書店)
フォアグラウンド【fore・ground】 ‖名‖[the 〜]
1 (風景・絵画の)前景(cf. background 1).
2 最前面, 表面, 最も目立つ位置.(『日英仏辞典』研究社)

■2004年08月24日:追悼本届く
 完売で買えなかった岩田さんの「ついとー本」が届く。イイ本である。感傷に浸りすぎず、といって逆に無理してはしゃぐわけでもなく、気持ちいいバランスの本に仕上がっていた。岩田さんらしいなあ…と笑って読み続けている間に、どうしようもなく涙腺が弛んできた。来月にはオレも岩田さんの年齢に追い付いてしまう。自分がなしえたことの小ささに悄然となるが、まあ、なんとかしよう。

■玉置勉強『夜伽ばなし』(コアマガジン)は勉強堂のコアでの仕事を集めた新刊。ジャケ絵だけ見ると一瞬萌え系かと思いましたよ、アタシャ。帯には安野モモヨのシャレた推薦と庵野秀明のコメント付き。ダブル・アンノ…。作品の方は、ネオ劇画ばりにエロ度200%増量で、ガチンコの実用作。修正が入っているとはいえ、オレオレと小陰唇をビロ〜ンと拡げて見せつけたりしますからね。でも、キャラはいかにも玉置な、業の深さ。中でも「ひきこもりお姉さん」にはちょっとジンと来た。都会で騙されてマワされて、田舎帰って、ヒキコモリになっちゃったねえちゃんと、可愛い弟がガンガンセックスします。オレ的には激しいセックスよりも、二人の相互依存の甘やかさに萌え。弟が、ガキの頃の呼称でねえちゃんを呼んでしまうくだりは脳内瞬間視聴率最大って感じ。カバー裏には雑誌での禁じ手が公開されているので、ショタとか女装とかウンコーとか好きな人は絶対見るように。お得感倍増。

■2004年08月15日:コミケ最終日
 午後1時入りの3時半抜け。体力落ちてることを実感。
 最初から外周サークルはパスしているが、リストに入れているサークルはルートに従って見て行く。さすがに列に並ぶ気力はない。
 あびゅうきょさんの新刊を買う。昔からのファンなので、ちょっとドキドキする。『プチアップルパイ』を読んでいたのは漫画評論を始めるか始めないかの頃だ。
 秋緒たかみさんの新刊を買う。本人がいたので談笑していると、某社の古馴染みの編集者もやって来た。「不景気だよなー」という話で盛り上がる。
 MASAAKIさんの新刊を買う。ほぼ初対面なので、少しお話。
 未由間すばるさんの新刊と委託の「プリックアップ」を買う。未由間さんとは久しぶり。
 三崎尚人さんのところに行くが岩田さん追悼本は完売。増刷するようだが、今夏はもう即売会には行かないので、冬コミまで待ちましょう。三崎さんとも会えず。
 このあたりになるともう体力が尽きている。
 結城らんなさんに挨拶して、隣りの浦嶋礼仁さんのところを覗くと、製本の真っ最中。大丈夫か?
 ダーティ・松本さんのところに行って「遅いなあ」と笑われる。某社の部長がいたので、「仕事くれよ〜」と泣きを入れるが、笑いながら拒否される(うお〜〜〜)。帰ったらデスノに名前書いてやる。
 環望さんは本人がいたので、ちょっとお話。遊びに行きますよと約束。
 このあたりで体力が完全に尽きる。
 歩いてると夏一葉さんに声をかけられる。当然というかコスプレしてます。細野さんもいた。なんとか身体も持ち直してきているようで安心。
 まだまだ廻りたいところは多々あったのだが、足が棒になっちゃてて、どうしようもなく離脱。不義理したとこ多数。
 他にも色々廻ってるんだけど、作家さん本人が不在ってのが多かった。それでも新刊とかCD買えたとこはいい。完売してるとこ多数。まあ時間が時間なので仕方ない。
 帰ってみたら、買ったり頂いたりした同人誌は妙にショタ、フタナリ率が高い。
 単に趣味に走っただけと言われても仕方なし。

■2004年08月08日:アンソロが面白いなあ
■天竺浪人他『アイラ・デラックス25』(三和出版)は悠々と変態。掘骨砕三「ボディ・ガーデニング」は「食べものを造ること」(『ニクノアナ』)に登場した寄生生物が登場。最近の掘骨の描く泣き笑いのようなアエギ顔がスゴイ。なんかこう、地獄極楽が一緒になったような表情で、見るたびに無性に切なくなる。氏賀Y太の読み切り「猫穴」は一発ネタのキチク。そうか、そこまでダメ押しするか。しのざき嶺「あなどりがたきボクら」は、コワイ女が玉を喰いますぜ。一個なのか、二個なのか? 全然意味が違う。去勢マニア必見。ベギラマは産休なのだが、作業量の少ない『Vコミック』(日本出版社)は、無理云って続投してもらってます。ちっちゃいコラムだけど、買って読んで欲しい。

■山本直樹他『MANGA EROTICS』(太田出版)は隔月のはずなんだけど久々な気分。印象に残ったのは山田参助「十代の性典」。この人は『さぶ』で描いてた人らしい。スッキリした線の中にも泥臭さが残ってていい感じ。溜まった男子高校生コンビが、互いにフェラチオしてんだけど、別に恋人同士ではなくって、欲望のままというのがオカシイ。ゲイとかノンケとかのレッテルはどうでもいい。ただ…、うん、ネタバレになるのでやめとくが、奥底の心のありどころはゲイなのかな。もうすぐ単行本『若さでムンムン』が太田から出る。あと、福満しげゆき「透視!! 超能力青年Zと物体X」の曲者ぶりもいい。絵も癖あるし、話もバカです。SABEの「ブルマの里物語アケビちゃん」も無駄に暴力的でいい。SABEといえば、いつぞやの冬コミで、あまりの寒さにブルマ姿の売り子さんとSABE(推定)が、ぴょんぴょん跳ねながら同人誌売ってたのを思い出す。やまだないと「6本指」はどうということもない話だがプリンスみたいな女装少年に萌え。町田ひらく「ガラスの櫂」は例によって深い物語で、何度も読んでいると泣けてくる。町田ひらくは読み解きやすい作風ではないが、そこをほぐすように読んでいくといい。砂「セックス研究会」は涼子が後輩を指導するというシスタ?フッド路線で色々仕掛けてあるのだが、その分焦点がぼやけているのが残念。

■そうま竜也『コス★プレイガール岩川さん』(茜新社)は『タヌプリちゃん』の続編。前半では強烈な妖怪土蜂との死闘の後半戦が描かれ、後半でヘンなコスプレイヤー岩川さんの登場とあいなる。コスプレ大好きなんだけど、コスプレが恥ずかしいという岩川さんのキャラが絶妙。終盤では恋愛もしちゃうんですが、これも彼氏との意識がズレまくってて笑える。どちらかというとカウンセラーが必要な人で、タヌプリちゃんがその代役というわけだ。ただ岩川さんのズレっぷりといういか壊れ方というのが、実に微妙。我々が時として感じる周囲との違和感、周りから浮いちゃう感じ、ギャグが滑った時のなんとも言えん感覚に通じるところがあって、笑いながらもヒシヒシと迫ってくる。オモロイです。絵も話も上手いし、適度に泥臭いという売れるための資質も持っている人なので、一般誌で活躍するんじゃないか?(もうしてたりして)。

■2004年08月03日:エージェント
 海外では出版エージェントが出版社と作家の仲介をするのが当たり前だ。日本でもやればいいのにと思っていた(存在はするが、まだまだ少ない)。大体、作家、漫画家なんて人種の多くは出不精かヒキコモリか対人恐怖症なのだ。つげ義春のように「他人と顔を合わさずにすむ」から漫画家になったという人もいる。そういう人が売り込みに行ったり、交渉したりしなきゃならないのが日本の現状なわけだ。
 ウチの事務所は編集プロダクションである。
 雑誌とか単行本の企画編集が主な仕事なわけだが、これをもう一歩進めるとエージェント業務ということになる。ただ、その一歩が大きいんだけどね。
 いずれはそこまでやってみたい。

■笹倉綾人『少女流幸福獲取論』(茜新社)
のジャケを見て一瞬「なんでチンコがないのだ?」と混乱しちまった。ショタ本でよく見る人なんで、そう思ったわけなんだが、一応ロリ系の本作も強い女の子が弱い男の子をオモチャにするパターンがあって、包茎ちんこの少年たちが受動的快楽に身悶えしちゃうぜ。うきー。てなコトはこっちにおいとくとして、萌え系のど真ん中な作風。実際、一ヶ月もたたないうちに増刷がかかっており、萌え系って何? という人も一つのサンプルとしてチェックするといいだろう。作品全体がキャラの可愛さを際立たせるために存在するかのように、物語はほどほどな感じ。そこを喰い足らないと感じるか、適度と感じるかということだ。

■2004年08月02日:抹茶とカルピス
 単にカネがないというだけで、こんなにも鬱になれるとは、自分でもビックリだぜ。
 まあ、鬱っていってもその程度のことで、ホンコの鬱の人に比べれば吉本新喜劇だと思うけどな。
 とはいえカネがなくても鬱さえ出なければ生活は楽しい。昨年末から月50枚ペースでクラシックCDを図書館から借りて浴びるように聴いているのだが、以前は「古楽→モーツァルト」くらいだったストライクゾーンが今や「古楽→現代音楽」まで拡張。ナニゴトによらず自分の閾値が広がるというのは快感だ。
 午頃、伊藤くんが図版持って来訪。はてな日記で「抹茶とカルピス」ついて触れていたので、俺と妻と三人で試飲してみる。……いや……不味くはないが……冷蔵庫に常備して、「いつでも飲めるぞ、わ〜い」ってモンでもねぇな。この飲料で致命的なのはローカロリーってことで人工甘味料を使っている点。俺はこういう甘みダメです。ダイエットコークとか全然ダメなのだ。普通にカルピスをお茶で薄めるた方がまだマシかも。ちなみに不思議だったのは微妙にガキの頃の「麦藁ストロー(今時どこにもない)で飲んだカルピスの風味」を思い出したこと。

■ぐら乳頭『低俗』(ティーアイネット)は例によって巨根フタナリが入り乱れる一人オンリー・イベント状態(なんじゃそりゃ)。普段は爆乳路線だが、今回はアイドルのフタナリちゃん(普通乳・ツィンテール)が登場し、ステージでしごかれまくるという展開も用意されている。チンコもほどほどのサイズなので、ほどほどサイズ好きの軟弱な俺的には結構なお手前でした。で、マニアならではのお楽しみになるだろうが、アイドルの名前が葵ちゃん(魔北葵?)、ケツ穴のあいたホットパンツとかラッキーホール(砂?)という「リスペクトを探せ」読みもできる。

■舞大夢『お嬢様の冷たいお尻』(冨士美出版)は好きなタイトル。夏向きだよなあ。この人の作品は出てくる女の子が天然というか、妙なキャラ立ちしていて面白い。面白いというか変なんだな。表題作のお嬢様は、暑いからって他人の家に上がりこんでヤラレちゃう。「あふれる気持ちイイ」は酔っぱらい系ホステスが、飲み物だららら〜とこぼす、水風呂に着衣のまま入っちゃうわのウェットな一本。「はじめてのパイズリ」はヤクザに拉致られたアイドルをパンダマスクの男が犯すという淡々とした展開。一応、オチがついてて「なるほど」という感じなれど、オチなしで、淡々だけで通してもイケそうな予感。笑ったのは、ヒロインがネコ耳コスプレ・オナニーやってるところに空き巣が登場「見てるこっちが恥ずかしいわ」ってトコ。空き巣にそんなこと言われたくないと思うぞ。

■2004年08月01日:超低空飛行中
 色々、懸案を抱えていてバビロンまで手が回らないが、早めに週刊ペースに戻す所存。要はブログの感覚で、やりゃあいいんだけどね。
 懸案の一つである書き下ろし単行本が1/4〜1/3程度アップ。
 ようやく全体が見えて来た。
 書き下ろし以外でも単行本作りたい。いしかわじゅん『漫画の時間』のエロ漫画版だったらすぐにでもできる。とにかく書き下ろしが片づいてからの話だが、色々考えているので物好きな編集者は電話下さい。
 あと編プロとしての仕事も営業中ですぜ。現在、何人かの漫画家さんと打ち合わせ中。浮いてる原稿のある漫画家さん、売れる本を出したい編集者は電話下さい。
 まずはメールでご相談を。

■ほりほねさいぞう『ニクノアナ』(一水社)は、いつもながら素晴らしい出来。巻頭の「おんなのこくらぶ」は、巨乳のお姉さんのところに男の子たちが集まって、おちんちんと交換でオッパイ吸わせてもらうというほのぼのとしたお話。で、女の子になっちゃった男の子たちはお姉さんの股間に移動した自分のちんこや友達のちんこを舐めたり、自分の女の子の部分にハメてみたりするわけだ。おぞましくも楽しく美しい悪夢のような読み心地。他の作品も申し分なし。巻末に、ほりほねさいぞう=掘骨砕三=鉈川鉱=小瀬秋葉の完全作品リスト収録というのも嬉しい。

■しのざき嶺『Camp ▼ Mission』(三和出版)は、『Camp ▼ Heaven』(同)の後日談。謎の身体改造学園の物語。シーメール少年、ちんこ付き少女、フタナリ少女が毎回、とんでもないことになるという変態ちんぽロンドだ。オレ的には貧乳女装少年が輪姦されちゃうてのがツボだったりするワケだが皆さんはどうか? 殺伐とした展開でオチがギャグというのも気が狂いそうになる。後半にはよりコメディ色の強い「プチ ▼ Heaven」を収録。アイちゃん可愛い♪