つれづれなるマンガ感想文11月後半

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一気に下まで行きたい



【雑記その3】冬眠期間
【テレビ】・「ハロー! モーニング。」(2004、テレビ東京)
・ハロプロ楽曲大賞2004、私的選考漏れ作品
・第3回ハロプロ楽曲大賞2004
【雑記その2】ドラえもん声優 イメージキャスティングコーナー
【テレビ】・「ハロー! モーニング。」(2004、テレビ東京)
・「刃(JIN)」 アルバトロス・ビュー11/5増刊号 Vol.6(2004、小池書院)
【雑記】自作のマンガについて
・「まぼろしパンティ」全3巻 高円寺博、永井豪(1982、集英社)
【雑誌】・「週刊少年ジャンプ」51号(2004、集英社)
・「マーズ」全5巻 横山光輝(1976〜77、秋田書店)
・「新編集 忍者ハットリくん」全4巻 藤子不二雄A(2003、ブッキング)






【雑記その3】冬眠期間

昨日はずっとこのページを更新し続けていて、けっこうな量を書きましたがそれを見て「バカなんじゃないかしらこの人は。」、「あら、こんなところに牛肉が。」などといった感想を抱く人もいると思います。

ひどいよ! ひどすぎるよ!!

とりあえず現状としては、体調を崩し、なおかつ仕事があまりにも忙しすぎるので、遊び的なことは年内はあまりやりません。 次回のコミティアも出ないかもしれないかもです。2月はほんと、入場者も少ないんで……。出ないって決めたらそう明言します。

正直、ここ数年いろいろとプライベートな問題で環境が激変するかも、しないかもといった状態で自分をあやしながらここまで来たんですが、まあ遊びとしてもけっこうムリしてきたところもあったんで、自分へのご褒美(この言い回し、何とかならんかね?)で遊び関係でも何にもやらないことにします。

あ、「プライベートな問題」っていうのは、勘ぐられるとイヤなので書くと収入が減るとかいった、他人にとってはつまらないが自分にとっては切実な問題とかそういうのです。
別に、私が上戸彩や石原さとみとドロドロの三角関係になるとか、川島なおみを「ダビデの星」的に支配して渡辺淳一から奪い取るとか、そういうことを想像してくれてもいいけどね。
想像は自由ですよ。

「何にもやらない」っていうのはどういうことかというと、たとえば映画を見る際に「コレ、もしかしたら自分好みじゃないかもなあ?」と感じてもムリして見に行くというようなことをしない、といった小さなことなんですけどね。

とりあえず、ザンコクものが苦手なので「オールド・ボーイ」と「ソウ」は危ないと思って二の足を踏んでます(「殺し屋イチ」も恐くて見てないし、舞城王太郎も同じ理由で1冊しか読んでない)。恋愛ものもあまり興味ないので、「今会いに行きます」とかも微妙ですね。
たぶん、みんな見に行かないと思います。

私お得意のネガティブ思考で行きますと、たぶん本は山田風太郎と鮎川哲也とディックとディクスン・カーをはしから読んでいけば、読むのが遅いんで自然と自分の一生は終わると思うんですよね。
マンガは、トキワ荘世代と望月三起也と、あとみなもと太郎をあまり読んでいないのでそれらをかたっぱしからつぶしていけばいいし。
映画も、名画で見てないのがいっぱいあるので一生困らない。

最近、ブッとんだマンガもなかなか見つからなくて、ちょっとピンチかな。
こう、「そういう目で本屋に行こう」と思わないと見つからないんですよ私の場合。

あ、あと思い出したけど、まんだらけで同人誌を3000円ぶんくらい買ったらぜんぶハズレだった。

とにかくまあ、このページで「雑記」をダラダラ書いている時期というのは、時間がないということも含めて私が活動休止期間に入っているということです。
(04.1129)


【テレビ】・「ハロー! モーニング。」(2004、テレビ東京)

11月28日放送分。

公式ページ

総勢40名近いフォーメーションで歌い踊る、ハロプロメンバーほぼ全員揃いのH.P.オールスターズの曲「ALL FOR ONE & ONE FOR ALL」をスタジオライブで。
おお、2コーラスまで歌った。
この曲、本当になんてことないんだけど、ダンスが楽しいんで何度も何度もボーッと繰り返し見てしまう。
ポップジャムのときもうたばんのときも、何度も繰り返して見てしまった。

なんかね、こうやってほぼ全員揃うと、私にとっては「番長マンガで、主人公がピンチのときに、全国の番長たちがかけつけに来る」シーンを思い出しちゃうんですよ。

それでさあ、主人公が拳と拳で語り合った過去のエピソードとかを思い出しちゃうわけですよ。
「あ、あのときの番長もちゃんと忘れずに出てるよ!」みたいな感動というか(まあ、キッズの扱いとか微妙だけど)。

個人的にすごくツボなんですよね。

あと、全員学校の制服風の衣装なんだけど、ユニットごとに少しずつ違うというのもカッコよくて。
里田の髪型がなんだかヘンなのと、美勇伝の二人がズボンであることだけが不満。

ラッキー7オーディションは、例によって飛ばし見してしまいましたが、つんくが「アクア感」みたいなこと言ってたけど何だよ「アクア感」って。いつもながらすごいねこの人も。

第1回ハロプロ超感謝祭スペシャル

H.P.オールスターズを4組に分けて、ゲームで競う。司会は中澤・安倍・保田。

・恐怖のぶ〜らぶら対決
「目かくしをして、上から降りてくるものを顔に付けてみて当てる」というゲーム。
さすがにみんな慣れちゃったかな。矢口はリアクションを懸命にやっていたけど。
もしくは、辻をあまり映さなかったのがいけない。なんか騒いでるっぽかったけど、あまり映らなかった。

で、Berryz工房はどうなったかというと……。

・エアロバイク耐久レース
4組に分けられ、クイズが行われているスタジオとは別の場所で、エアロバイクで1時間走った距離をBerryz工房が競う。その成果は、それぞれのおねえさんチームに反映されて点数が加算される、というもの。
レポーターはおじゃマルシェ保田(「このポーズで合ってるかな、紺野」みたいなことを言ったのが保田さんの誠実さだよねえ)。
それにしてもビックリしたよ。コドモがいちばん疲れることやらされてるんだもの。
まあコドモの方が元気か。そういう考え方もあるか。

・ハロプロお絵描き対抗戦
代表が一人ずつ出て、お題の絵を描き、それを各チームが何だか当てる。
ゲストに鉄拳。
鉄拳って、他のタレントとからむのがヘタだと思う。
最初、わざとやってるのかと思ったけどホントにヘタなんじゃないかなあ。
ツカミのセリフとか、マンガとかは面白いんだけど。
なっちとのやりとりとか、もう少し面白くなったんじゃないかなあ。

それと、スケッチブックに描いたマンガはそりゃうまいけど、ホワイトボードにさっさっと描いたお手本ね、あれくらいならさすがに私にも描ける……。
私も40人近い女の子に、タツノオトシゴとか描いて「うまーい!」とか言われたいよそりゃ。

亀井のスパイダーマンを笑いポイントにしてましたが、私はわかりましたよ。
嗚呼、亀井に平井和正原作のスパイダーマンを読ませたい。
亀井に、東映のスパイダーマンの歌を歌わせたい。
亀井に……。

まあどうでもいいですが。

・大物芸能人エピソード2択クイズ
原口あきまさが出てきて、大物芸人とのやりとりであったおかしなエピソードをクイズにするというもの。
鉄拳がライブの告知をしたときに、なっちが「『いいとも』みたい」と言っていたけど、このクイズも「いいとも」のパクリじゃん!!

原口あきまさのネタを実にあっさりと流すなっち。それに「おいおい!」とツッこむ原口あきまさ。
なっちは、相手の返答をバッサリ切ってツッこまれることを狙ったり、バッサリ切ることそのもので笑いをとったりすることが多い。
知り合いと話していて、「あのやり方は『MusiX!』で一緒だった、司会のキャイーン天野から盗んだ方法ではないか」という意見が出た。
なっちがふだん接するお笑い芸人って、現在だとさんましかいないかな? だとすると、天野から盗んだ(時節柄、誤解されると困るから書いておきますが、この場合の『盗む』は別にイイんだからね)可能性は高いと思う。

HPH
ゲストはH.P.オールスターズのPRに来たなっちと飯田さん。もう映った瞬間に、「交信中」の飯田さんと、必死に現実世界に戻そうとするなっち、という絵が。やっぱりこの二人はわかってるし、とくに飯田さんのコントにおけるやりきり具合は、本当にもっと評価されていいと思う。
その後、中澤さんも加わる。

メインキャスターの席が空いたので、そこに座る紺野。この場合、人が変わったようにふんぞり返っていばる、というのが定番のリアクションだと思うのだが、紺野さんの場合実にまったりとしていた。
まあ、紺野さんだからそれでいいんです。

キャメイは今週もキャメイでした。

優勝チームはイイ肉(神戸牛)のしゃぶしゃぶが商品。汗だくになったBerryz工房の子のうち2人が肉を食わせてもらっていたのでホッとしたよ。一瞬、ヨネスケがゲストに来たときの「美味しい表現をするときは首を回せ」っていうの、一人がマネしてたなあ。

なんか、あまりにも何度もハロプロの子たちがあれをやっているのを見て、だんだんヨネスケが偉大な人物に思えてきた。

それにしても、やっぱり私にとってベリーズとキッズはまだ座りの悪い存在ですね。 何をやらせても「かわいそう」とか思ってしまう。
まあ、もともとASAYAN時代の初期の娘。とかもかわいそうで正視できなかったものね。子供ならなおさら。

それで、「タレントになりたいコって、もっとしたたかなものですよ。」とかだれかに言われて、二重に傷つくんだ。私が。

前回の放送

(04.1129)


・ハロプロ楽曲大賞2004、私的選考漏れ作品

以下は、今年の楽曲大賞向けに私が絞っていった過程で、惜しくもランク入りしなかった作品に対する、勝手気ままな感想です。
これらのランク外作品については、順位は付けませんでした。
なお、楽曲のみではなく、振り付けや衣装、その売り出し方なども含めた総合評価になっております。

・恋のテレフォンGOAL(安倍なつみ)
カマトト? 何とでも言うがいい。これも安倍なっちの魅力の一部だ。

・OLの事情(安倍なつみ)
「テレフォンGOAL」のカップリング。「かわいいOL」というコンセプト自体が新鮮。話が飛躍するようだが、時代は大塚愛みたいなキャラクターが主流なんだけども、こんな可愛らしいOL像を歌えるとしたら安倍なっちだけだろう。
保守的? 何とでも言うがいい。

・白いTOKYO(ZYX)
Berryz工房に詳しくない私としては、今考えるとZYXも「あぁ!」も、後のベリ工の打ち上げロケットだとしか思えないところが哀しい。しかし、デビュー曲と合わせてこの曲も悪くはなかった。
前作が、少女が黄昏にたたずんでいるみたいな、「あえて女の子に大人っぽい歌を歌わせる」コンセプトだったのに対し、こちらは完全なるラブコメ路線。いくらなんでもつんくらしくなさすぎるという点を除けば、アイドルソングとしては佳品。

・ぎゅっと抱きしめて<FOREVER>(ミニモニ。)
「笑顔のデート 最後のデート」が、ミニモニ。の本当に最後の曲で、確かコンサートでの最後の曲もそれだったのだが、ものすごい「お別れ感」、「せつなさ」を表しているのはむしろこっち。
実際、「おはスタ」でのミニモニ。活動休止の挨拶ではこちらがバックにBGMとして流れていた。歌詞が「どこかに連れ出してほしい」っていうんでホントはちょっとそぐわないんだけどね。

・オリジナル人生(松浦亜弥)
ただひたすらにいい曲。
余談だが、モノの本によると真の恋愛は恋愛映画や小説の中にしかなく、真のセックスはAVの中にしかないという。
どういうことかというと、メディアの中にだけ真実があるとすれば、人間はテレビや本の中には入っていけないのだから、永遠に不全感を取り戻すことができない、ということ。それが現代人の不幸の始まりだというのである。
そこからもう少し敷衍させて考えてみると、永遠に満たされない理想を見せつけられた我々は、満たされないからこそ、その理想への努力が認められ、賞賛される。「みんな満たされていないんだから」という不全感を共有して、横並びになって、みんな安心する。
その理想を否定すると、積極的に何かをやらかさなくても反逆者とすら見なされる。 つまり、「オリジナル人生」とはカッコいい独自の人生というよりは、むしろ永遠に達成されない「理想」に翻弄される人々を鼻白ませる、辛く苦しい人生だということだ。
もちろん、あややの歌はそんなことを一瞬でも忘れさせてくれるのだ。あやや天才。

・奇跡の香りダンス。(松浦亜弥)
「布袋版あやや」と言われて、すべて納得してしまった。出だしの正拳突きを繰り返す振り付けが激しくていい。あややは、最近静かな曲ばっかりでちょっと寂しい。

・センチ・メタル・ボーイ(W(ダブルユー))
「キララとウララ」というマイナーアイドルの歌が、W(ダブルユー)によって蘇った。この曲はネットに限れば辻加護ファンには評判がいいようで、私は何十もの「センチ・メタル・ボーイ」の感想テキストを読むことになった。この曲がいちばん最初に出たときに、だれがそんなにたくさんの人々の感想を呼び起こすと想定できたであろうか?
それにしても井上大輔ってイイよな……。

・渚の「……」(W(ダブルユー))
「うしろゆびさされ組」は基本的に声量がなかった。それが良かったという人もいるだろうが。W(ダブルユー)が歌うと、勢いが付いた。

・Give Me Up(W(ダブルユー))
現実にはちょっとありえないが、アイドルソングにおいて傍流として生き続けている「気弱な彼氏を励ます」タイプの曲。名曲。(同系統の曲としては、森川美穂の「姫様ズームイン」がある。こっちの方が生々しいんだけどね)。
これほどメメしい歌詞の曲もないのだが、泣きゲーとかが流行っているらしいからむしろ現代の方が合っているのかも。

・天才!LET'S GO あややム(あややム with エコハムず)
年末に来てナイスな曲が! 自分のことを「天才」と連呼できる曲を歌えるのは、もちろんあややムこと松浦亜弥しかいない。

新田の投票した第3回ハロプロ楽曲大賞2004

新田の投票した第2回ハロプロ楽曲大賞2003

ハロプロ楽曲大賞2003、私的選考漏れ作品

新田の投票した第1回ハロプロ楽曲大賞2002

(04.1128)


・第3回ハロプロ楽曲大賞2004

エスロピIIで去年も一昨年もやった企画、「ハロプロ楽曲大賞」が今年も開催。投票受付が開始されました。今年は推しメン部門も新設されてます。

では、まず、私が選んだ今年の楽曲部門。
1位 ロボキッス(W(ダブルユー)):5点
2位 ラッキーチャチャチャ!(ミニモニ。):3点
3位 ズキュンLOVE(ミニモニ。):1点
4位 ジグソーパズル(ソニン):0.5点
5位 浪漫 〜MY DEAR BOY〜(モーニング娘。):0.5点

・選考理由
総評としては、はっきり言ってとにかくいい曲が少なかった。もうそうとしかいいようがない。なんか「普通」としか言いようのない感じの曲が多く、それを歌う子たちのキャラでカバーしていた部分が多かったと思う。
それのひとつの到達点が「女子かしまし物語」なんだろうな。

・ロボキッス(W(ダブルユー))
自分の中では、「アイドルは一曲はテクノっぽい曲を歌わなければならない」という基準が勝手にあり、本作は楽曲的には「テクノ歌謡一歩手前」ながらも、ロボット的な衣装やダンスで楽しませてくれた。
宇多田的・浜崎的にシャレたものを捨て去り、ノスタルジーとオマージュと、ときにはカッコ悪さの中から不思議なオリジナリティが立ち上がってくるのがハロプロ楽曲だと解釈した場合、本作は今年もっともそういったテイストを受け継いでいる曲のひとつだと思う(いや、この曲はカッコいいんだけどね)。
が、あまり売れなかったんだって? それにショックを受けて、点数の割り振りとしては8点ブチ込もうと思ったんだけど、それはあくまでも私の感情的な理由によるものであって、冷静に考えると5点くらいが妥当かなと。

・ラッキーチャチャチャ!(ミニモニ。)
ミニモニ。のラストシングル。矢口脱退・高橋愛加入に見事なドラマ性を演出したミニモニ。も、正直言って路線変更後は今ひとつ精彩を欠いた。まあだからといって急にレベルが下がったわけではなく、アルバム「ミニモニ。ソングス2」は名盤だと私は思っているのだけれども、最後はやっぱり元の路線でお別れ。
たとえば「ミニモニ。テレフォンリンリンリン」のようなブチ壊れた魅力はないが、「ラッキーチャチャチャ」という使い古されたフレーズをうまいこと使い、歌詞もわりとまともで最後に高橋愛をミニモニ。というユニットに溶け込ませ、ミカに花道をつくった曲。

・ズキュンLOVE(ミニモニ。)
アルバム「ミニモニ。ソングス2」から。アルバム全体としては、ミニモニ。の路線変更後の迷走をそのまま反映したごった煮的な内容となっているが、それもまた魅力ではあった。
本作は、その路線変更の中で、「コドモ」だったミニモニ。メンバーが恋にあこがれる女の子の心情を歌った。これは正統派中の正統派的アイドルソングだと思う。アイドルソングの好きな人は思わず、小さくガッツポーズする佳作。

・ジグソーパズル(ソニン)
もともと、「孤独な女の子」を歌うのが得意だったソロ歌手・ソニン。どんどん歌もうまくなっていて、「小娘」って感じからなんかその奥にある「怨」みたいなところまで到達しつつあると思う。売れてるか売れてないかは知らないけど、この路線はぜったいに間違ってない。

・浪漫 〜MY DEAR BOY〜(モーニング娘。)
藤本美貴と高橋愛という、歌もわりとうまいし声も合う二人に、石川梨華のヘロ声がかぶさるというアイドル的には鉄壁の布陣。
「正義」という歌詞を堂々と折り込んでいるのも、娘。の現時点でのオリジナリティだととらえています私は。

次に、PV部門。
1位 女子かしまし物語(モーニング娘。):3点
2位 ラッキーチャチャチャ!(ミニモニ。):2点
3位 ロボキッス(HAPPY Ver.)(W(ダブルユー)):1点

・女子かしまし物語
ひたすら「参った」という感じ。萌え路線と、娘。が継続して維持しているゴチャゴチャした感じが両方うまい具合にブレンドされている。狭い電車の中で踊るというアイディアも充分活きている。

・ラッキーチャチャチャ!(ミニモニ。)
「工場に忍び込んだミニモニ。の4人が、ロボットを誤作動させてしまう」というストーリー仕立て。同じロボットをテーマとしたシングルV「ロボキッス」も悪くはないんだが、本作があまりにも丁寧なのでちょっと見劣りしてしまう。ミニモニ。のPVは基本的に全部面白い。

・ロボキッス(HAPPY Ver.)(W(ダブルユー))
Wの二人が、カメラに近づいて狭い枠の中で踊ったりおどけたり。ひたすらかわいい。
なお、本編は自動車修理工風のピンクのツナギを来た二人の元に、どんどん二人そっくりのロボット(当然、二人が演じている)が送られてきて、部屋が加護ちゃん辻ちゃんだらけになってしまうというもの。
かわいく撮れているが、同じロボットネタだとどうしても「ラッキーチャチャチャ!」(→感想)のPVの方がイイんだよねえ。

<推しメン部門>

辻か道重か亀井で悩んだが、今年のバラエティでの辻があまりに天才だったので辻。
ちなみに「辻天才」とは、アニメ「マグネロボ ガ・キーン」に出てくるハカセくんみたいなやつの名前だ。

新田の投票した第2回ハロプロ楽曲大賞2003

ハロプロ楽曲大賞2003、私的選考漏れ作品

新田の投票した第1回ハロプロ楽曲大賞2002

(04.1128)


【雑記その2】ドラえもん声優 イメージキャスティングコーナー

放浪都市で、ドラえもん声優交代にともなうイメージキャスティングが行われていたので私も考えてみた。

まず、自分なりに一生懸命考えてありそうなもの(アニメファンに言わせれば「ないない」ってことになるんだろうけど)。

ドラえもん:滝口順平
のび太:タラコ
しずか:清水マリ
スネ夫:岸辺シロー
ジャイアン:六平直政

結果的にぜんぜんありえるキャスティングではなくなった。ここで「ベテランの清水マリにするなら若返りの意味がないだろ!」とツッコミが入る。アメザリの声の甲高い方から。

・ぜったいにありえないもの。

ドラえもん:古館一郎
のび太:三浦友和
しずか:杉本彩
スネ夫:哀川翔
ジャイアン:飯田圭織

・ちょっとありえなさすぎた。ではもっとありえないもの。

ドラえもん:「もののけ姫」の歌を歌っていた人
のび太:安田美沙子
しずか:熊田曜子
スネ夫:平家みちよ
ジャイアン:今、郵政省民営化運動の音頭をとってる、元農林水産大臣(名前忘れた)

・もっともっとありえないもの。

ドラえもん:骨格から再現した古代人の声
のび太:「しゃべり場」に出ていて、後にホモビデオ出演が発覚した少年
しずか:悪徳金融業者などの、高い声に改変した声
スネ夫:クラフトワークの、ヴォコーダーを通した声
ジャイアン:堀越のり

・サブカルっぽい人選。

ドラえもん:渡辺祐
のび太:かとうけんそう
しずか:ひさうちみちお
スネ夫:山田五郎
ジャイアン:空耳アワーのタモリの隣に座っている人
のび太のママ:みうらじゅん
途中に、昔の「怪物くん」風にいちいち解説を加えてくる人:宮台真司

・若手お笑い芸人。

ドラえもん:「さくらんぼブービー」のダミ声を出す人
のび太:クロちゃん(安田大サーカス)
しずか:だいたひかる
スネ夫:アメリカザリガニの声の高い人
ジャイアン:「麒麟」の声の低い人

・「時の人」
ドラえもん:ライブドア社長
のび太:イチロー
しずか:チチロー
スネ夫:バスケでアメリカに行った人
ジャイアン:青色発光ダイオードを発明した人

・「あの人は今」
ドラえもん:沖雅也の元事務所社長
のび太:ムルアカ
しずか:「愛人バンク」をつくった人
スネ夫:高遠さん
ジャイアン:雪印の元社長

・文学関係
ドラえもん:筒井康隆
のび太:モブ・ノリオ
しずか:綿矢りさ
スネ夫:町田康
ジャイアン:村上春樹

・格闘関係
ドラえもん:K−1の角田
のび太:高見盛
しずか:琴天山
スネ夫:朝日昇
ジャイアン:バンバンビガロ

・一般人
ドラえもん:年末ジャンボ宝くじを買うために、2日くらい並んでいた人
のび太:フランスのワールドカップのときに、チケットが取れなくて泣き叫んでいた男
しずか:午後6時半頃のニュースで、顔にモザイクが入った状態でエイズ検査をするコギャル
スネ夫:「いいとも」でひときわ大きな悲鳴をあげる女
ジャイアン:「アメリカ横断ウルトラクイズ」で中途半端な段階で落とされる人

・ミュージシャン
ドラえもん:ピアニカ前田
のび太:坂本龍一
しずか:藤井フミヤ
スネ夫:「スイマーズ」のヴォーカル
ジャイアン:「たま」の元太鼓の人

・ワイドショーコメンテーター
ドラえもん:大沢親分
のび太:有田さん
しずか:東海林のり子
スネ夫:名前忘れたけど、茶髪の弁護士
ジャイアン:やくみつる

・無生物
ドラえもん:ドカベン23巻
のび太:植木鉢
しずか:シリカゲル
スネ夫:ベイブレード
ジャイアン:火星の土地の権利書

・流行語
ドラえもん:「結婚しないかもしれない症候群」
のび太:「やるしかない」
しずか:「抵抗勢力」
スネ夫:「声に出して読みたい日本語」
ジャイアン:「アンノン族」

・キャラクター
ドラえもん:ミッキーマウス
のび太:ミッキーマウスの赤ん坊のやつ
しずか:ウッドペッカー
スネ夫:キティちゃん
ジャイアン:サザエボン

完。
(04.1123)


【テレビ】・「ハロー! モーニング。」(2004、テレビ東京)

11月21日放送分。

公式ページ

名人に挑戦 モーニング娘。よ 束になってかかってきなさいスペシャル
その前に、番組冒頭から「ラッキー7オーディション」の模様が流された。つんくの調子こいた無責任発言、あるいは青田買い的な興味、またあるいは七期として決定してから、後から見返して「この子、オーディション時にはこんなキャラだったんだ」と感慨にふける、それらのことにまったく興味のない私は当然早送りをしたのだが、それでも何人かの子は見えてしまった。

……かわいくない……。
かわいい子もいるんだろうけど、早送りする過程でチラッと見た子はかわいくなかった……。
しかも何か自信満々で見ていてイヤだ。

そして、番組本編。やっとかわいい子たちが見れるよ……と思ったら、綱引き名人、わんこそば名人、玉入れ名人っておじさんおばさんばっかりじゃないかヨ! 「地球戦士W」に出てきたおっさん、奥さん入れるととんでもない素人登場率だ!

「ハロモニ。」で素人見たくねえ〜!!

もうね、自分にとって現実世界にいいことなんか何にもないんですよ。自分にとっては巨大なる、方向性なき悪意の集積体、スーパーフリーもどきなやつらのへらへら笑いと、電車の中で肩が触れただけでにらみつけてくる元コギャルOLの気持ち悪い化粧のにおいで充満しているのが「現世」であって、それ以外のものではない。

だからこそのアイドルであるはずなのに、なんでわんこそば日本一のおばさんが何杯食うかとか見ないといけないんだ!

興味ゼロパーセント! シンクロ率マイナス50パーセント!!(今、あえて「エヴァ」でたとえてみる)

まあでも、どっちかというとおじさんびいきの私としては、玉入れのコーナーはなかなか良かったと思う。あらかじめ玉をいくつかのカタマリに分けてから投げ入れる「俵積み」の存在は知ってたけど、ああいうふうに遊びをとぎすましていく作業ってのはどんなジャンルでも面白いからね。

それを「わからないままマネした」という娘。たちもかわいい。

「地球戦士W」は、けんちん汁をつくってた。加護ちゃんが必ずロケ先の素人さんに結婚のなれそめを聞くのは、自分自身も興味があるんだろうけどいちばん簡単に何らかの反応を引き出せるという無意識の計算もあるんだろうな。

HPH。ゲストは「LET'S GO あややム」を出す石川梨華。
今回はキャメイになって最高の出来だったのではないでしょうか。石川、キャメイ、中澤の3人は全員バラバラなことをやっていてもどっかでまとまっていく不思議な感じがあって、今週の番組全体にイライラしっぱなしの私は最後の最後で一挙になごみました。

とにかく石川梨華のいきおいはかつてないほどに高まっている。初期チャーミーの借りてきたネコ状態がウソのよう。数年単位では、まさに勇次郎のお墨付きである天内悠ではなく刃牙が決勝に勝ち残ったくらいの意外性ですよ。
それに対抗していくキャメイもおそるべしで、コレはいちばんいいときの「ぴょ〜ん星人」に匹敵するくらいの狂騒っぷりで大満足しました。

しかし、石川梨華が抜けるということは、おそらく永遠にこのノリが「娘。」から、決定的に無くなるということで、自分にとっては石川梨華が卒業することがひとつの区切りかなと思っています。

スタジオライブは後藤真希「さよなら『友達にはなりたくないの』」。コレ、意外といいですよ。たいせーを見くびってた。
もともと、キュービッククロスの曲を何曲か聞いたかぎりでは、あまりにも抑揚がない、フックのない曲をつくる人だなと思っていたが、こういうしっとり系のものの方が得意なのかもしれない。

それと、つんくの歌詞もほどよい感じで、それがアクセントになっているということはあるだろう。「さよなら『友達にはなりたくないの』」というのは、その前に「別れても、友達でいよう」と男から言われたことを暗示しているというか、そこのところをバッサリカットしている面白さ。
そして最後に「さよなら、さよなら、自分」ってなる。つんくが一貫して描いてきた「積極的に別れを選ぶ女の子」で、自分の思い通りにならないなら恋愛を自分の手で完全に終わらせてしまうという意志力を表していて興味深い。
何度か書いているがコレは「メールは返さない」と歌った「LOVE涙色」、別れを積極的に選ぶ「byebye最後の夜」の系譜というか。

おそらくフェミニズム的批判をまぬがれない「壊れない愛がほしいの」も、「さよなら『友達にはなりたくないの』」で「がんばった自分にさよなら」と聞くと恋愛を終わらせないための擬態、とすら深読みできる。というか、そうでないと「つんく」という存在の一貫性がなくなってしまうんだよね。

前回の放送

(04.1122)


・「刃(JIN)」 アルバトロス・ビュー11/5増刊号 Vol.6(2004、小池書院)

小池一夫オンリーマガジン。まあ、「手塚治虫マガジン」みたいなもんですね。
渋谷のツタヤの入っているビルの中の本屋では、かなり経ってからも売っていましたが、次号が11月24日発売なんで、そっちを待った方が雑誌そのものの入手はしやすいと思います。

連載作品は、「魔像」(原作:林不忘)、「桃太郎侍」(原作:山手樹一郎)、「弐十手物語」、「赤い鳩−アピル−」、「牙走り」、「道中師」、「男弐」、「徳川家康」、「織田信長」(監修)、「修羅雪姫」。

とにかく初出がまったく書いてないので、ごちゃ混ぜな印象。その中で、新作だと思われるのが「桃太郎侍」(画:池辺かつみ)と「魔像」(画:田中憲)。
桃太郎侍は、テレビ時代劇しか知らないので「こんな話だっけ?」と思って驚いた。
夫・田沼意次が大悪人だったと思っている妻が、息子・伊織は世のため人のために働いてもらおうと、剣術を特訓し、二人のくのいちを与え、蛇の毒に対する耐性を鍛え、彼が三十歳になったとき、一介の浪人となって生きよと言い残して死ぬ。伊織はお坊ちゃんで、その後どうしていいかわからなかったが、自分の正義を貫くために「桃太郎」と名乗って戦うことを決意する。
「魔像」は途中から読んだのでよくわからないが、ひさびさに見るものすごい復讐劇。ただ、絵がちょっとアッサリしすぎてるかな……。

ネットで少し調べたが年譜とかないのね。公式ページにもない。だが、80年代以降と以前では明確な違いがあり、それをエンターテイナーの小池一夫に作家の思想・心情の変遷として当てはめていいものかどうかためらわれる。が、変化そのものがあることは確かだ。
おそらく70年代に描かれた「修羅雪姫」、「牙走り」、「道中師」は、明確に階級社会の下の方、もしくはドロップアウト組の怨念・復讐の物語で、その「持たざる者」のルサンチマンは圧倒的。
ところが、80年代以降に描かれたと思われる「弐十手物語」、「赤い鳩−アピル−」、「男弐」にはそういう怨念的部分は希薄になるし、あってもそれはあくまでも個人の問題になる。

それで急に思い出したのだが、私が小池一夫原作作品の凄さを知るのが10年くらいズレてしまったのは、80年代作品に対するとまどいがあったからだった。
同じ頃、梶原一騎は暗黒時代で、狂ったような作品(「カラテ地獄変」)、もしくは自作エピゴーネン(「プロレススーパースター列伝」)を書き殴り、「男の星座」で燃え尽きたのだった。まあ、そっちの方が印象には残るな。
「女子レスラー紅子」なんて、ソバ屋で1回読んだっきりだけどその邪悪さが脳裏に焼き付いちゃったよ。
(04.1120)


【雑記】自作のマンガについて

OHPで、自分の描いたマンガ同人誌「くま20XX」がホメられた!(2004年8月29日コミティア購入物件の下の方)

ギョワーイ、ウォワーイ。良かったなぁ。うんうん。思えば1999年に、パソコン通信のオフ会などで数回会った人が四季賞の大賞をとって、その人がいかにも気むずかしかったり変わり者だったりしたら「おれにはカンケイのないことさ」と思えたんだろうけど、人あたりがいいというか普通の人だったので、それにショックを受けた(それは前にも書いたと思うけど)。
まあ私の作風とはぜんぜんかけ離れた作品ではあったんだけど、その才能というか根性、持続力も含めたポテンシャルに打ちのめされ、それが直接の原因ではないがマンガ創作の同人活動に絶望して、やめてしまった。

なんで「普通の人」だとショックを受けたかというと、今から考えると「才能」というものがスタンド能力のように、一人の人間のキャラクターとは独立した純粋な「能力」として見えてしまったからだろう。

スタンドを持つ者と持たざる者(第4部あたりまで、「矢」で射られることで能力を得られる条件として唯一、「生命力」が入っていたことを思い出してほしい)。

まあ他にもいろんな、私を萎えさせることはマンガを描きはじめて二十年くらいの間に段階的に起こった。
たとえば、まあ私はまともな絵が描けないわけです。
ペンで定規を使った線が引けないとかね。学園もので校舎とか出てくるけど、ああいうのってどうやって描いているのかいまだにわからない(っていうか、そういう技術の人が描いているんだろうけど)。
あと基本的なことだと、ペン使いね。力の強弱で線のやわらかさ、暖かみを出すんですがコレがまったくできません。いまでもできない。なんか変な風になる。

あとはまあパースの問題であるとか、人間の関節の問題であるとか、そういうのがいろいろと「ぜんぶできない」ということが段階的にわかってきてた。
じゃあ何でそういう人間がマンガを描いていたかというと、「そういうのができなくてもだいじょうぶそう」な時代が80年代にあって、初期の小林よしのりとかさあ、すごいんだよラクガキみたいなんだよ。それで、「だれでも描ける」って錯覚させる時代があったの。

それとねえ、同人誌がぜんぜん売れないの。もうビックリするくらいに売れない。アニメの「こみっくパーティ」にもそういうシーンがあるけど、即売会のお客さんってシビアですよホントに。
同人誌を出す人の性格にもよるだろうけど「自分が楽しめればいい」という領域を越えてたね、あの売れなさは。
WAIWAIスタジオ内でもぜんぜん評価されなくて、「内部で評価されない」ってのも辛いでさあね。

そういうのが重なってて、「もうマンガの同人誌は二度と出さないだろう」という決意というか、自然にそういう気持ちになったのが99年だった(この「『やめる』という気持ちが自然に出てくる過程というのは、テキスト化できるけども横道にそれるので、しない)。
だいたい、このHPだって最初は同人誌の宣伝をするために立ち上げたんだからね。

それと、マンガ家さんとか、同人誌でキチンと面白いものを描いている知り合いが増えてくると、もう恥ずかしいのと、ますます自分の能力のなさがきわだつのでマンガ描く気、なくなるんですよねえ。
「この人たちがいるから、もういいや」みたいな感じになるので(そりゃなるよねえ。別に浦沢直樹は知り合いじゃないけど、近所に浦沢直樹が住んでたり、ときどき浦沢直樹がおみやげにもらった野菜とかお裾分けしてくれに家に来たりしてたらマンガ描く気なくすよ絶対)。

でも、ほそぼそと、他の人に依頼するのがめんどうということもあり、文字の同人誌の表紙を自分で描いたり、ウェブ上に何にもないのも寂しいので絵をアップしたりし続けたのが99年から現在にまでつながっているわけで、そっち方面にも感慨深いものがあるわけですよ。

あ、さらにですね、作風の怖さというのもあって、私は「カワイイもの」と、あと「展開がメチャクチャなもの」が大好きで、それらを合体させたものを描いていましたが、作劇の基本とか考えないでただひたすらにメチャクチャ描いています。で、そういうのって、失敗すると大変なことになるんですよ。
まあ面白さのレベルとして段違いで比較するのがおこがましいですが、いちばん方向性が近いのがうすた京介の作中作とかなんですよね。あおすじ五郎とか。本当はああいうのばっかり読みたいんです。あれが認められるかどうかっていう。

ドラマとしてギリギリ成り立っているかどうかということに関して言えば、テレビしか見てないからテレビだけで言うと、アンガールズがギリギリで、森三中のシュールコント(私が見たのでは、部屋にまぎれこんだ鳥を悪いやつから守ってやるというやつ)とか、カリカの能、狂言のパロディとかが完全に解体してしまってる。
で、そのネタ見せをさあ、彼ら彼女らは基本をたたき込まれた人たち、正統派の漫才やってる人とか笑いに詳しいプロデューサーとかに見せているわけでしょう。それができるかっていうことですよね。

私だったらできない。恐くて。
それはねえ、「ぶっとびマンガ」の探索とかとはまた方法論的にぜんぜん別のものなんですよね。
まあ、そういうのに悩んだりしてます。

でもまあ、いろんなお世話になった人とのつながりだなあとしみじみ思ったりしました。

あと、もう男は二度と描きません(笑)。なんか筋肉とか描くのめんどくさいし。
「女の子がカワイイ」と3、4人の人に言われたので、もう男はもともと描きたくないからいいや、ということで。

唐突に終わる。それが雑記の醍醐味。

マンガは、凹まされたらまた描かなくなると思います(打たれ弱い)。
(04.1118)



・「まぼろしパンティ」全3巻 高円寺博、永井豪(1982、集英社) →ユーズド商品です[amazon]

月刊少年ジャンプ連載。クライム学園は、東大進学率ナンバーワンでありつつ、犯罪発生率もナンバーワンという全寮制の学園。そのぶっそうな環境のため、学園は「学園警察」をつくったが、あまりの犯罪件数の多さに警視庁からスカウトされてきた藤警部も困り果てている。
藤警部の娘・寿々美は、父を助けるために少女探偵・まぼろしパンティとして立ち上がるのだった。

「けっこう仮面」は定期的に復刊されたり、他作家による新作が出たりするんだけれどこっちはサッパリなので、古書店で買っちゃいました。3冊セットで6000円とかってところもあるけど、まったくのあてずっぽうで3冊3000円くらいが妥当なんじゃないかと思います。

本作はタイトルどおり、「けっこう仮面」の自作エピゴーネン的なものではあるし、原作が付いているわりにはあまりにえーかげんな話も多いのだが、私はこの頃の永井豪とダイナミックプロの絵が好きなので、万事OKです。
毎回、他作家の他作品のキャラクターが悪役になるのも「けっこう」と一緒。「リンチにかけろ」とかね。
「寿々美はけっこう仮面より若いので、お色気のなんたるかがわかってない」のが弱点になってたりして、その辺が「けっこう」との最大の違いですかね。まあそれでどうなるっていう話も少ないんだけど。

それにしても、「けっこう仮面」に多少はあった「ハダカになる理由」が、本作では連載第1回からまったくないんだよねえ(後になって、「けっこう仮面に憧れていた」という設定は付くんだけど)。オチてない話もあるし。
少年ものの作劇としては現在では明らかにNGな話ばっかりなんで、分別のあるオトナが読む場合、どの辺がダメになってどの辺が今でも通るのかといった、まあ分別くさい読み方もできます。

後半は、突然サタンの足の爪が出てきて、展開も「けっこう仮面」とそう変わらなくなる。

でも好きなんだよな。ええ、好きですよ私は。
っていうか、ちょっとヤバいくらいに好きだね。

第3巻の巻末には「裸の覆面美少女三部作」としてもう1作描く、なんて書いてあるけど、そんなことすっかり忘れちゃったんだろうなあ……。

・参考
・【DVD】「まぼろしパンティVSへんちんポコイダー」 監督:河崎実(2004) [amazon]

(04.1117)



【雑誌】・「週刊少年ジャンプ」51号(2004、集英社)

53ページの読みきり作品、高橋一郎「スーパーメテオ」。一風変わったバレーボールマンガ。勢いはあると思うが、最初の数ページで「ちゃんとしたバレーボールマンガなのか、単にバレーボールをダシにしたコメディなのか」のサインを作品としてきっちり出してほしいと思うのは、私が年寄りだからなのかな。
それと、これはジャンプの新人さん全体に言えることだけど、ギャグのノリがうすた京介の呪縛にハマっている。「ノルマンディーひみつ倶楽部」のいとうみきおも、最近終わっちゃったピンポンのマンガもそうだったんだけど……。
絵は上手い。

もうひとつ読みきり、前田竜幸「スクールバトル'04」。コレはいきおいのある主人公と生徒会長のバトルを描いたギャグマンガ。「ドッジボール部をつくりたい」と主人公が騒ぐところから話が横道にそれていくという内容なので、上の感想に記したとおり、やっぱり「このマンガはどういうマンガなのか?」のサインは欲しい。
本作は「ギャグ」と最初から銘打ってあるから、とまどわなかったけど。
ギャグとしては、面白いけどもう一歩なんか欲しいと感じた(偉そうですいません)。

さらに31ページ読みきり川口幸範「師匠とぼく」。村を盗賊たちの殺戮から救ってくれた謎のあざらし。「ぼく」は、このあざらしを「師匠」とあがめて二人(一人と一匹?)で旅をする。村を守れるくらいに強くなるために……。

コレは、いい。変なホメ方だが、アフタヌーンとかに突然載っても違和感がないノリだ。主人公の目標である「師匠」が実に曖昧な存在で、いったい何を考えているのかわからず、結末でも「師匠」の考えは主人公の勝手な解釈ではないかと思わせるところが、ものすごくイマ風。
何よりも、イマドキ、イマドキ、イマドキとイマドキ感でたたみかけてきて、最後はジャンプ的でありながら不思議な、ジャンプ的ではないカタルシスもある。 まあ、ジャンプはセカイ系(今、もうこの言葉ダサいかな?)ノリのマンガには比較的寛容であるとは言え、化ければ化けるかもしれんよこの作者は。

大場つぐみ、小畑健「DEATH NOTE」。次週へのヒキ、賛否両論が来そうな展開だ! しかし、これが少年マンガなんだよ、と思ったなぁ。私はこういうの好き。
うすた京介「ピューと吹く! ジャガー」。なんだか芸風を変えてカルト芸人みたいになってしまったミュージシャンのポギー。彼は「ジャガーさん」という正解を得ながらあがいている点、ハマーさんとはまた違った種類のダメ人間だよなあ……。
前にも書いたけど、うすた京介はクリエイター志望の若者のダメ部分を、うまくギャグにする能力がすごい。
ラストシーン、ポギーの芸がジャガーさんにさえウケていないのが哀しい。
(04.1116)


・「マーズ」全5巻 横山光輝(1976〜77、秋田書店)  これはチャンピオンコミックスではないです。→[amazon]

少年チャンピオン連載。海底火山の噴火のため、とつぜん隆起した島・秋の島新島。そこには謎の少年がいた。彼こそ宇宙人が、地球人が宇宙侵略できるほどの破壊兵器をつくったときに滅亡させるようセットされた存在「マーズ」だったのである。
本来なら100年後に目覚め、人類を滅亡させるかどうかを判断するはずだったが、火山の噴火という事態によってマーズは早く目覚めてしまった。しかも、冷徹に人間を見て破滅させるはずだったのに、人間に味方してしまう。
マーズが死ぬか、彼を守る巨大ロボット・ガイアーが壊されれば地球を破壊するほどの爆発が起こる。マーズを監視する6人の宇宙人(正確には、宇宙人のつくった合成人間)は、マーズを殺すために6神体という、ひとつが大陸を破壊できるほどの超兵器を使い、マーズを抹殺しようとする。

まあ、ムリヤリ時勢とコジつけるなら、この間アニメ「鉄人28号」が終わったからなどと言えるが、実際は気まぐれで買って読んだのだった。
横山光輝の熱心な読者とはいいがたい私は、「マーズ」と言えばむしろアニメ「六神合体ゴッドマーズ」(1981〜82)を思い出す。やおい少女にすごく人気があったという「ゴッドマーズ」は、原作のあらすじを聞いて比較しただけでもあまりにも違う作品だったので、アニメを見てもそのときは原作に手がのびなかった。
当時のアニメ雑誌で書かれていたことを思い出すと、横山光輝は自分の映像化作品にはほとんど口出ししなかったそうで、もともと映像化しやすい原作というのもあるのだろうが(劇画家だと「さそり」の篠原とおるみたいに)、ゴッドマーズに関しては大胆に改変した、というか「自分自身が地球を破壊する爆弾である」というような悲劇性をクローズアップしたことが、人気につながったのだと思う。

逆に言うと、「地球を破壊する爆弾」として生まれたマーズの悲劇性は本作ではほとんど描かれることはなく、マーズにあまり内省はない。SFの体裁はとっているけれども、「サイボーグ009」や「仮面ライダー」などと同様に「抜け忍」を組織が追っかけるという設定をそのまま巨大ロボットものに応用した作品で、そのあまりのクールさには恐れ入ってしまう。

そもそも、マーズの監視人たちは、マーズが死んで地球が爆発したら自分たちも死んでしまうのである。しかし、じゃあどうするかというと「そういうふうにつくられた存在」だから別に何とも思わないのだ。この辺のクールさは忍者もの以上で、少し驚いてしまった。

もうひとつ特筆すべきは、横山光輝の独特のメカ感覚。ロボットというか巨大メカがガイアー、タイタン(マーズの偵察用ロボット)、六神体とたくさん出てくる。人間型、無生物的なものといろいろ出てくるが、「無機質なメカ」のカッコよさという点においては、手塚治虫よりも永井豪とダイナミックプロより上だと思う。手塚治虫はまあぐねぐねなものが好きだし、永井豪関連の人はロボットを擬人化するし。

その後の「ゴッドマーズ」は、すでにリアルロボット路線が勃興してきていた時期に、重厚なスーパーロボットものとして製作されていて、サイコロみたいにきっちり合体するぜんぜん違うデザインになる。この辺は、完全に70年から80年への巨大ロボもののパラダイム・シフトで、面白い。
(04.1116)



・「新編集 忍者ハットリくん」全4巻 藤子不二雄A(2003、ブッキング) [amazon]

月刊「少年」連載。ケン一少年の家に居候している忍者ハットリくんがいろいろなことをやるギャグマンガ。1964年から5年にわたって連載されたらしい。
81年に、たぶんアニメ化と合わせてだろうが再録も含めた新シリーズが始まっていて、コレが当時から新作なのか旧作なのか、よくわからなかった。この「藤子不二雄Aランド」のシリーズも、「新編集」だから全話収録されているわけではないと思うし、この辺はいろいろと面倒くさい(「新 忍者ハットリくん」というのが、別に刊行されている)。

獅子丸と影千代はアニメ化に際してつくられた新キャラのようだし、本作を読むともしかしたら夢子ちゃんをヒロインにもってきたのも新シリーズからかもしれない。オヒメちゃんっていう女の子が、本作では出てきているから。

今読むと、コレが意外に面白い。藤子不二雄は、Fは「ドラえもん」の洗練されたガジェット、Aは「笑うせぇるすまん」といった怪奇性が強調されがちだけど、この「ハットリくん」の頃は、「オバQ」と同じようにまだ「空き地でただ遊んでるだけ」みたいな展開が多くて、のんびりしていてホッとする。

それでまあ、詳しくは知らないんだけど少年週刊誌が出る前あたりは、子供マンガというと「野っ原で遊んでいるだけ」みたいな方が当たり前で、似たようなのがたくさんあって、その中から突出して藤子不二雄(と赤塚不二夫も?)が生き残ってきた、そういう経緯っていうのは知っておきたいとは思うんですけどね。

ロボット忍者ロボ丸、忍者怪獣ジッポーとかは明らかにブームに便乗したキャラだと思うんだけど、それもまあご愛敬ということで。ホントにこの感覚は懐かしい。81年からの新作はまたちょっと違うんだろうけどね。
(04.1116)

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