プロポを持てばキミもレーサー

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一気に下まで行きたい

・「爆走RCカー F−1ボーイ」 全2巻 たなかてつお(1991〜92、小学館)
・「ラジコンリッキー」 全2巻 大林かおる(1990〜91、小学館)
・「ラジコンボーイ」(1)〜(5) 大林かおる(1984〜85、小学館)
・「ラジコンボーイ」(6)〜(10) 大林かおる(1985〜86、小学館)
・「ラジコンボーイ」(11)〜(17)(16巻除く)(完結) 大林かおる(1987〜90、小学館)
・「ラジコン探偵団」 全2巻 すがやみつる(1979、講談社)

(以下の解説は、暫定版)
ラジコンマンガの歴史は古く(?)、私の知るかぎりテレビマガジンの「ラジコン探偵団」(すがやみつる)が最初だと思われる。その後も、講談社系では散発的にラジコンものの読みきりを、「コミックボンボン」や「月刊少年マガジン」などに掲載してきた。長期連載作品では「ラジコンキッド」、「激突ラジコンロック」ってのもある。
一方コロコロ系では、「ラジコンボーイ」(大林かおる)が長期連載として君臨していた。「ゲームセンターあらし」「プラモ狂四郎」のように、繰り返し思い出される機会がマスコミベースでは少ないにしろ、少年ホビーマンガの基本中の基本として見過ごしにできない作品群である。
(99.0907、滑川)



・「爆走RCカー F−1ボーイ」 全2巻 たなかてつお(1991〜92、小学館)
(ラジコン、フォーミュラカー)

コロコロコミック連載。F−1ドライバーを目指してラジコンを操る少年・天童銀二郎とライバルたちとの対決を描く。
銀二郎の兄・金一郎はF−3のレーサーであり、銀二郎も兄のようにレーサーになることを夢見ている。そのために、ラジコンレースのときにも命がけである。「レースばかは家族におれ一人でいい」と考える金一郎に、脅かす意味もあってF−3のマシンの前方に縛り付けられ200キロの超スピードを体感させられる銀二郎。これで懲りたかと思ったらそうではなく、笑いながら気絶していた銀二郎であった。

超スピードを体感した銀二郎は、それがきっかけで「F−1パイロットたちが求め続けてきた究極のレーシング魂」、
「ライド・オン」を身につける。
これは一種の幽体離脱で、ラジコンなどのマシンに自分の精神が乗り移り、あたかも自分が操縦しているかのように感じられる能力のことだ。銀二郎は飽くなきラジコン特訓とこの「ライド・オン」によって、ラジコンレースを勝ち抜いてゆく。

本作の特徴は、主人公の銀二郎やライバルの鷹村ハヤトが明確に「将来はF−1レーサー」という希望を持っていることだろう。レーサー希望でラジコンやミニ四駆を駆る主人公は他にもいるが、本作ではラジコンの勝負がすべてF−1レースを前提にしたシミュレーションであり、物語の後半ではラジコンではなくフォーミュラマシンに乗り込んでのレースものとなる。

また単行本第2巻の「決死のサバイバル・フォーミュラレース」は、ラジコン特訓私設のある孤島に行った銀二郎ほかのライバルたちがサバイバル・レースを繰り広げる。ちょっと望月三起也調の特殊能力を持った少年少女たちが友情を深めながら戦っていく非常にナイスな展開。
そしてそこからラストの「実際のレース」までのつながりも自然で、かつ感動的である。単行本2巻ですごくまとまった内容になっている。ホビーマンガ好きは、マストバイ。

筆者のたなかてつお氏は、飛行機や大型車両の免許を持っているという。チョロQを題材にした「コンバット弾」→感想)や、ミニ四駆もの「ミニ四トップ」でも、メカへの造詣の深さが活かされ、かつアクションものとしてもとてもカッコいい作品になっています。
(99.03、滑川)



・「ラジコンリッキー」 全2巻 大林かおる(1990〜91、小学館)
(ラジコン)

コロコロコミック連載。
ガッツのある少年・リッキーと、メカに強い少年・四輪まもるがコンビを組んでラジコンのレースに挑戦する。

レーサーであるリッキーと、メカニックであるまもるとの役割分担がはっきりしているところが特徴か。
レーサーとメカニック、2人がそろってはじめて実力が発揮できるところは、一人の主人公が直情径行突っ走り型の同作者の作品「ラジコンボーイ」との差。なお、新製品発売時に、主人公の愛機が「壊れ」、その「魂が新車にのり移る」という描写があるのは、こしたてつひろ氏の「アバンテ兄弟」と同じ。

それにしても、主人公はスゴイ眉毛だな。
(99.0208、04.1108、滑川)



・「ラジコンボーイ」(1)〜(5) 大林かおる(1984〜85、小学館)

・「ラジコンボーイ」(1) 大林かおる(1984、小学館)

コロコロコミック連載。
車剛(くるま・ごう)はスケボー大好きな元気少年。同級生、あやめの家が模型屋「ピット・イン」だったことをきっかけに、ラジコンにのめり込んでいく。剛の愛車はタミヤのワイルドウイリス、名前は「バッファロー」だ。

剛は友達の天馬薬師丸子とのレース、ライバルの木藤淳とのオフロードレース、そして「ラジコンボール」(ラジコンを使ったサッカー)などに挑む。

基本的には、読者である子供たちにラジコンでのさまざまな遊びを提供する、といった感じの内容。絵もそれほど劇画っぽくない。
(000314、滑川)



・「ラジコンボーイ」(2) 大林かおる(1984、小学館)

ラジコン好きの白バイ警官・鬼瓦一発登場。ムリヤリ形容すれば、ド根性ガエルの梅さんと両さんを足して二で割ったようなキャラクター。後々まで剛を鍛えたり応援したりする兄貴的存在である。
ちなみに模型店「ピット・イン」の店長はあやめの兄だが、キャラ的には優しいお兄さんといった感じ。コーチ役がラジコンの専門家でないところが珍しい。
(000314、滑川)



・「ラジコンボーイ」(3) 大林かおる(1984、小学館)

チームを組んでラジコンを走らせながら山越えをする「ラジコン・サバイバルレース」や、炎上したタンカーを止めるためにラジコンに停止ボタンを押させるなど、だんだんぶっとび度が高くなってくる。
(000314、滑川)



・「ラジコンボーイ」(4) 大林かおる(1984、小学館)

ライバル・沖田銀二登場。
操縦者が複数のラジコンカーに自分を引っ張らせる「激走バトルレース」。「体重40キロまで」という制限のために、小学生にもかかわらずあしたのジョーばりの減量をする剛。また、遭難者への救助を求めるためにラジコンを走らせる「激走! 富士登山」などが収録されている。こちらはプロポ(ラジコンの操縦器)を高く投げ上げて狙ったところに雷を落とし、落石を破壊するという神業が出てくる。
(000314、滑川)



・「ラジコンボーイ」(5) 大林かおる(1985、小学館)

ラジコンバトルマッチ世界統一タッグ戦、I・R・G・Pを戦う剛。戦うのはオトナのラジコンレスラーたち。ストロングマシーン風や中国拳法家風な敵が楽しい。また「ラジコンのタッグ戦」という奇想だけに頼らない、なかなか面白いアイディアが続出。
ラジコンボーイスペシャル「プロポ王国への大冒険」は、さる王国の政争に巻き込まれた剛が一発とともにわがまま王子・キムを護衛して旅する話。はっきり言ってインディ・ジョーンズなんだけど、最初はわがままだったキムが剛のラジコンへの情熱を目にして一人前の王子になっていく過程や、細かいところが伏線になっていたりなど、なかなかに感動もの。
(000314、滑川)



・「ラジコンボーイ」(6)〜(10) 大林かおる(1985〜86、小学館)

・「ラジコンボーイ」(6) 大林かおる(1985、小学館)

オフロードレーサーを憎み続けるライバル・風祭俊が登場。
この巻から、またぶっとび度は低くなっていく。
「どちらかのドライバーかマシンが倒れるまでバッテリーを交換しながら走る」、「ネバーエンディングレース」で剛に挑戦する。

「ネバーエンディングレース」は、勝利した者が負けるまでだれの挑戦でも受け続けなければならない、そして一度でも負ければ二度とラジコンができなくなる(レースにも参加できずラジコンを売ってももらえなくなるというヒドイ決まり)という禁断のレースであった。

ニューマシン「ホットショット」が登場。
(000520、滑川)



・「ラジコンボーイ」(7) 大林かおる(1986、小学館)

ラジコンを含めたモロモロをとりしきる全日本動力協会会長、大車輪夢ノ助と、テクニックは未熟だがガッツがある少年・日本力丸(ひのもと・りきまる)が登場。力丸は剛を師匠と慕う。

この巻ではかつてあやめの兄が「ネバーエンディングレース」で負けて一生ラジコンができなくなったらしいことがほのめかされているが、なんかヒドイ話である。

ニューマシン「ワイルドワン」登場。
(000520、滑川)



・「ラジコンボーイ」(8) 大林かおる(1986、小学館)

名のある木彫り職人が彫った竜。その頭部が模型業者に持ち込まれた。この頭部を参考に造られたのが、ニューマシン「スーパードラゴン」である(こうした仰々しさは実にすばらしい)。
「スーパードラゴン」は、ホーネットに竜の木彫りをモデルにしたボディーを乗せたものだが、このボディーが空気力学上、風の抵抗に対して最適の値を示すのだ。

剛のマシンとして「フォックス」というのも登場するが、機種の名前か剛が「バッファロー」のように付けた固有の名前かはめんどくさくて調べなかった。

雪上レースで2つのスキー板をくっつけ、スケボー状にしてすべるシーンが出てくるがこの頃はまだスケボーがメジャーではなかったのだ。
(000520、滑川)



・「ラジコンボーイ」(9) 大林かおる(1986、小学館)

ラジコンレーサー養成団体「ヘビの穴」日本支部RCOF(ラジコン・オブ・フォーチュン)との戦い、そしてもう一人「スーパードラゴン」を持つ少年・飛竜源登場。
なお「ネバーエンディングレース」は「剛が強すぎる」という理由で終了。
(000521、滑川)



・「ラジコンボーイ」(10) 大林かおる(1986、小学館)

身体はデカいが手先が起用でメカニック重視の少年・不動武士が登場。剛とペアを組んでレースに参加する。
「スーパードラゴン」をうわまわるマシン、「ファイヤードラゴン」登場。

カンケイないが買った本に「シンエイ動画」とマジックで書いてあるんだけど、シンエイ動画の待合室に置いてあったとか献本されたとか、そんな事情でもあったのか。
巻末にはドラえもんの人形を搭乗させたラジコンの写真が載っているのでその関係かなんかで。(000521、滑川)



・「ラジコンボーイ」(11)〜(17)(16巻除く)(完結) 大林かおる(1987〜90、小学館)

・「ラジコンボーイ」(11) 大林かおる(1987、小学館)

剛と不動武士のコンビが、「RCオフロード耐久サバイバルレース」に参加する続編。ファイヤードラゴンに続き「第三の竜」、サンダードラゴン登場。 そして静岡県の「全国模型総本山」で、少林寺三十六房のような「鍛錬七死闘」の試練を受ける剛。
(000524、滑川)



・「ラジコンボーイ」(12) 大林かおる(1987、小学館)

まるまる単行本1冊ぶん「鍛錬七死闘」での戦い。

RCカーが闘気により光を放ったり、マシンを高速回転させることによって真空状態をつくり、前方のマシンを引き戻したりと、ややぶっとび度が戻ってきた印象。
(000524、滑川)



・「ラジコンボーイ」(13) 大林かおる(1988、小学館)

書影は12巻のもの。
「鍛錬七死闘」での試練を経て、「サンダードラゴン」を自分のものとした剛は、再び不動とコンビを組んで「RCオフロード耐久サバイバルレース」決勝に挑む(まだ続いてたんです)。
懐かしい仲間たちも戻ってきて、かつて敵だった模型総本山の駿府七人衆も応援にかけつけた。盛り上がる中、史上最年少のパリダカ優勝者の栄光を目前に、「自分を燃えさせてくれるライバルがいない」という理由でレースを放り出して帰ってきた少年・飛竜源が姿を現す。剛と飛竜は死闘を繰り広げるのであった。

番外編「激走! 三龍(スリードラゴン)騎士」は、RCのにせものを大量生産する島に潜入した剛と2人の少年警察隊の冒険を描く(「燃えよドラゴン」ですな)。体中にスティックを仕込んで十数台のRCを操作する悪の首領や、実はそいつが首領ではなく本当のボスは巨大コンピュータで、しかもそいつはもともとは巨大コンピュータではなく、コンピュータ内蔵のRCカーだったのが、頭脳部分が増殖して島全体を支配するようになったとか、滑川的には大喜びの展開となった。

「無段階コントロール」であらゆるRCカーを操ることのできる敵に、剛は「闘気でマシンを操る」という神業と、3台のドラゴンの合体攻撃で対抗し、粉砕するのだった。
(000527、滑川)



・「ラジコンボーイ」(14) 大林かおる(1988、小学館)

前巻の番外編をそのまま本編に組み入れたような、「ドラゴンソルジャー編」に突入。全編を通してもっともぶっとび度の高いシリーズである。

剛は、「全国模型総本山」の道士の命により、「RCで賭けをやっている」というRC無法地帯に潜入。戦闘用に改造したサンダードラゴンで敵と戦う。「プロポのアンテナを剣がわりにチャンバラ」というのが楽しい。
そして、「ヘビの穴」による大規模なRC界征服計画を知る。
剛は道士より再び命を受け、第四の竜、セイントドラゴンを授けられる。そして他のドラゴンを駆る龍の戦士(ドラゴンソルジャー)である飛竜源(かつての剛のライバル)、甲斐龍矢鎧影虎とともに、ヘビの穴がつくった妖しげな「RC学園」に侵入する。

「RCは力だ!」「RCは武器だ!」と叫ぶ学園長が恐い。(000527、滑川)



・「ラジコンボーイ」(15) 大林かおる(1989、小学館)

RC学園をつぶすためには、5人の上級蛇戦士(ハイスネークソルジャー)と戦って破らなければならない。「円月走法」を使う剣術家・羅門邪鬼とのラジコンによる剣道対決、ローラースケート集団・ローラーエキスプレスとのRCを使ったローラーゲームで死闘を繰り広げる剛たち。

「へへ、ちょっと疲れたぜ。ひと眠りするぜ……。」「起きたらまたラジコンやろう。起きたらな……。」といいながら死んだような感じになってしまう甲斐龍矢と鎧影虎、立ち往生したかのようになってしまう飛竜源(まあ当然「死んだみたいになってる」ってだけなんだけど……)。

ほんとにコロコロマンガってなぜか「少林寺」「リンかけ」の影響が強いんだよな。

怒りが頂点に達した剛は反撃を開始、他の3人と力を合わせて、最後のスラムキングみたいな大ボスに勝ってRC学園を叩きつぶすのだった。

そしてさらに、刑事となった鬼瓦一発の命により、ヘビの穴の島へ潜入するのだった。(000527、滑川)



・「ラジコンボーイ」(16) 大林かおる(1989、小学館)

手に入ってませ〜ん。だから未読。(000527、滑川)



・「ラジコンボーイ」(17)(完結) 大林かおる(1990、小学館)

「バトルラン・スペシャル編」。剛は自分を慕う日本力丸(ひのもと・りきまる)を後継者と見込んで鍛え、2人でレースに出場する。剛はRCドライバーとしては強くなりすぎたこともあり、「足手まといな少年」がともに行動することで強さのインフレを抑えた印象。バギーに乗りながらRCをコントロールしたり、BMXに乗りながらRCしたり、という風に実にいろいろなレースが登場する。

最後は米軍基地で「武器としてのRC」の特訓をする少年、マイケル・ハマーと対決。「機銃掃射される中をRC操作する」というムチャな訓練をする彼と、最後の死闘を展開。
そして「アメリカにはもっとすごいやつがいる!」と聞かされた剛は、やや唐突にアメリカへ旅立っていってしまうのであった。
(000527、滑川)



(ラジコンボーイ・全体の感想)

確かコロコロコミックでは「ドラえもん」を除いて「ゲームセンターあらし」「あまいぞ! 男吾」「レッツ&ゴー」に匹敵する長編マンガとなっている。
「あらし」が復刻し、「レッツ&ゴー」は同人誌人気も上々、「男吾」がいまだにコアなファンを獲得しているのに対し、カルト的な人気はないように思う(あったらゴメン)。全編通して読むとわりとレース展開はしっかりしており、それほどムチャクチャな技は出てこない。「ドラゴンソルジャー編」だけ突出して珍奇だが、もしかしたら月刊と別冊で作風を分けていたかもしれない。これについてはまだ調べてません。

RCマンガはコミック・ボンボンなどでもやっているが、連載期間としてはおそらく本作が最長。だから読者は2回転くらいしているかもしれない。
現在、RCは子供のホビーとしては主役の座をTVゲームに明け渡したようだ。 「超絶プラモ道」という本を読んでいたら、小さい頃は当たり前のようにあった潜水艦のプラモが、「遊ばせる場所がない」ということでいつの間にか姿を消したことを知った。時代とともに子供の遊びも移り変わる。本作はRCを主役にしたという点において、80年代の子供ホビー史のうえでも、80年代コロコロコミックの歴史のうえでも、重要な作品であるだろう。

「それがどうした」と言われると困るので、蛇足ながらもう少しつけくわえておく。

本作にかぎらないことだがコロコロホビーマンガには一貫したところがある。
たとえば、剛の2WDにはさまざまなライバルが登場する。4駆のマシンが、オフロードマシンを憎む少年が、「RCより実車のレースの方が上」と思っているレーサー志望の飛竜源が、「RCは道具だ」と言ってはばからないヘビの穴が、「RCは武器だ」とする米軍海兵隊が、剛に立ちふさがる。

それらは「ラジコンバカ」の剛に対して、「RCはしょせん子供の遊び」というアンチテーゼを突きつけてくる存在だった。
「子供の遊び」とは何か。それは徹底して実生活に「無用である」ということ。無用であるということは多くはヴァーチャルであるということでもある(「実用性」は体験と直結する)。
だが剛は自分の操るマシンと一体化することで、疑似体験を超え肉体感覚を獲得する。……というか、「子供の遊び」が肉体感覚としては「大人の仕事」と何ら変わりがないことを証明していくのだ。

登場するライバルたちがア・プリオリに信じている「実用性」とか「実体験」といったものが、単なる制度であったり思い込みにすぎないことを、剛の走りは証明していく(これはあらゆるホビーマンガに共通することなんだが)。

多くのホビーマンガはそれが社会的に認知されているとは言い難いため、「遊びの確かさ」や「道具との、機械との交感」をより鋭く表現することができる。ミリタリーものや職人ものが「社会的にたいした行為」を描いているためにかえってボヤける部分が、よりはっきりしてくるのである(同時にその「不自由さ」、「不完全さ」をも逆に証明することになるのだが)。

「遊びの確かさ」は、「自分が何をどう楽しむか」を考えるもととなる。
非常に陳腐な結論だがそれは「生の確かさ」を考えることにもなるのだよ。本当に。
(000527、滑川)



・「ラジコン探偵団」 全2巻 すがやみつる(1979、講談社)
(ラジコン)

テレマガコミックス。ラジコン好きの少年たちが犯罪者相手に活躍するという ものですが、この中に一編、「ラジコン殺人事件」という、ラジコンマニアば かりがラジコンメーカーの社長に孤島に招待され、そこで殺人が起こる (!)、というものがあります。

79年の作品ですから横溝ブームの頃かな、と思うんですが、マンガなどの場 合むしろこういうパロディ的な作品の方が、逆説的ですが推理モノとしてはオ リジナリティを発揮します。 ストーリーはラジコンを使った殺人をラジコンで解決するという、まことに素 晴らしいものです。すがや先生ってほんとうにうまいなあ、と思いまし た。(99.0123、0907、滑川)

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