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まだ何者でもない若者たちが、何者かになろうとして、あるいは何かにならないためにもがく姿を描いた作品。などと書いたら読む気を失わせてしまうだろうか。 実際これは非常に生真面目な作品だ。 環の兄は自殺したし、孝文の父は汚職疑惑で拘置所に勾留されている。 このめったになさそうな状況設定は、読者を共感から遙かに遠ざけ、傍観者たらしめる。 環は高校生作家として活躍し、孝文は妥協しないで曲がったことに抵抗し続ける。それは真摯で結構だ。 しかし、彼らの置かれた状況も、それを克服していく方法も普通の高校生のそれとはあまりにも違いすぎる。あまりにもスーパーでスペシャルだ。 だから、くじけない二人を健気だとも思わないし、彼らが何を言おうとも、身につまされるなどということはない。生硬で小生意気だと感じるばかり。 しかしながら、力作であることもまた間違いない。 画面に込められた力は頁をめくる手を止めさせる。一本一本の線はシャープで、フレッシュだ。 なにより、光り輝く頁がいくつかある。 ストーリーに酔うだけでなく、そういう部分を見つけるのもマンガの楽しみ方の一つだ。そう思える人にだけ。 講談社 シリーズ:アフタヌーンKC 判型:B6
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