#23
00/09/12〜00/09/18

00/09/18(MON)

異形コレクションの新しいのって出てるの?

森博嗣「魔剣天翔」を読んでるんだけど、なんかぜんぜんノレないなあ。不思議だ。
 「メロディ」ってやっぱり今いちばんいい感じなのかもしれないですね。執筆陣、今第1線級の人々かって言われるとぜんぜんそうではないんだけど、作品の内容もきっちり安定してるし、売上も確実な購買層を持ってる作家さんばかりの雑誌なんでは。新しい人が出てきそうかっていうとぜんぜんそんな感じではない、新人っぽく見えてもキャリアじつは長めな人ばっかりな雑誌だけど。

【単行本 (PDF短編集) 】 津原泰水「†」 (その2) eNOVELS



津原泰水「†」 (その1)の続き。

「微笑面」 留学先で挫折した芸術家の卵とそのモデルの顔の話。夢破れ、自らの才能の無さに絶望し、狂気へと走った芸術家が筆のかわりに折ったのは専属モデルの完璧な顔面。かつて破壊したはずのその顔が7年の時を経て、男のもとに帰ってきた。珍しくストレートにホラー設定なお話。でもホラーというよりは幻想譚、怪奇話と読んだほうがより本質に近いような。初出「悪魔が嗤う瞬間」。

「約束」 遊園地で出あった2人、16歳のタカシとエリカの物語。これはあかんでしょう!なんだ、この無闇に涙腺を刺激する話は〜。初出、「異形コレクション1 ラヴ・フリーク」なんですけど、当然そういうホラー作品期待してる読者に対してこういう話をぶつけるあたりが人が悪いというか。ちょっとした偶然からかわした約束が純粋な、純粋な思いにまで昇華していくさまが優しさと残酷さを内包した簡潔な文体で語られています。すごいです、これ。原稿用紙にしたら20枚無い作品なのに。

「サイレン」 小説新潮で発表された作品。昏く貧しく淀んだ造船の町を舞台にしたお話。あまりの身持ちの悪さゆえに生家に預けられた姉と、知能が高く、生き物を殺し、生を冒涜する事で性的な興奮を得ている弟の2人が祖父を殺すまでが描かれている。淡々と描かれているが、祖父殺しの動機が彼の溜め込んでいるへそくりだったり、もっと大きな動物を殺せば性的な快感も爆発的に増幅するのではないだろうか、という実験だったりするあたりが救われない。物語の要所要所で聞こえるサイレン、女の嗚咽のようなサイレンというのはまんま、ギリシャ神話における海のニンフ、セイレンとかけているんでしょうね。幻想的なラストが印象的。

「聖戦の記録」 収録作品の中ではもっとも異色な作品でしょう。犬派だの兎派だのヒロスエリョウコだのカンノミホだのイシダジュンイチ、イシダイッセイ、ソリマチタカシだのが入り乱れ、公園環境保全同盟とまさに戦争が始まるお話。この中ではイシダイッセイとイシダジュンイチが犬だったり、ヒロスエリョウコが婆さんだったりといろいろ油断がならない。固有名詞が入れ替わってるだけの実験的小説でしょ…とかわかったようなふりをしてると最後で足元すくわれたりして。シュール。初出「異形コレクション2 侵略!」。

「幻獣たち」 ジャミラ、ダダ、ガヴァドン、レッドキング、ベムラー。怪獣たちに彩られた3つの夜からなる物語はそれぞれ小学生な少年(お子様)、少女、そして老人という3人の語り手の一人称によって描かれる。どこまでが妄想、幻で、どこまでが現実なのか、わからないままに物語はとんでもない領域にまで達し、そして着陸する。よく考えてみると、30分であんなお話、よくまとめていたよなあ。夢のように現われては消えてゆく怪獣たち。初出「ホラーウェイヴ01」。

「安珠の水」 ラ、ラスト。これ4ページ半だよ。なんでこんなに美しい話が…。海、そしてそこにある水と自分が連続しているということ。羊水の中からプールの中へと飛び出してきた時のクロルカルキの刺激臭の記憶、とか。何の説明にもなってないのは重々承知。水について考察された様々なことがらの中でもっとも美しいものをさらに蒸留したものがここに。

 普通だったらたかだか150ページくらいの短編集にこんなに書けないはずだけど仕方ない。これだけのものだし。そもそもこの分量(厚さにはならないのか)に10短篇収録されているのも凄いが。

→津原泰水「†」 (その1)へ

【雑誌】 ビッグコミックスピリッツ 10/2 No.42

 くじらいいく子「早乙女タイフーン」。時給800円で人さまの命をお守りするライフセーバーのお話。たしかにやってられません。時期的にもうちょっと連載はじめるの早いほうがよかったんでは?とは思いますが近代麻雀での連載の影響があったのかなあ?不思議です。ところで、カレント(流速毎秒1.2mで沖へものすごい勢いで流れる離岸流らしい)についてものすごく「説明的とはこのことだ!」というフキダシあったんですが、注釈で良かったんでは?とちょっとだけ思います。細野不二彦「ギャラリーフェイク」。今回登場のマンガ、アニメなどのサブカルチャー的表現を大胆に、そしてポップに取り入れて…ってまあ、あの人がモデルな事は間違いない感じです。三田村館長が最近キャラ的に薄くなってるのが気にかかるな〜。真に濃いオタクな人が六園寺とかいう人の名前を知らない、というのはあるな〜。吉田戦車「学活!!つやつや担任」ソムリエ!あまりじゃなくてぜんぜんないでしょう。「なんたらかんたら」な、なげやりな。いいねえ。「センチ…」伊藤の短歌は痛々しいなあ。相原コージは電車内の携帯以外どうでもいいらしい。「美味しんぼ」「生卵が食べられないから、ふたりは結婚できないですって!?」長い人生の中でもなかなかめぐりあうのがむつかしいシチュエーション。

00/09/17(SUN)

便利は便利なのだが。


 昨日にもちょっと書いたんですが、日記の部分、スタイルシートで管理してみようかと考えていろいろと試してみました。とりあえずcssファイルで定義して…とかできてはいるんだけどきちんと理解出来てるかっていうとぜんぜん自信ないな〜。とりあえずInternet Exolorer 5ではそれなりな見た目になった、よしよし…とか思ったオレになんとなく悪魔の囁きが聞こえたような気が。Windows2000に移行してから行方知れずになっていたNetscape(ちなみにversion4.5、古い。)ハードディスクの片隅からひっぱりだしてどんな感じか見てみたら「何これ?」ひどいひどい。ネスケだのIEだのとかまるで関係なく上のメニューバー、ネスケじゃ壊滅。誰か教えてくれ〜。とりあえずブラウザによってスタイルシート選択するようにしてネスケ用のスタイルシート用意して〜ああ、2倍の手間。一応何とか見られる段階までは直したけど微調整はまだです。それとブラウザによってトップメニューのHTMLファイル、別のを選ぶようにフレーム構成変えたくて、スタイルシートの時みたいにJavaScriptでやればいいと思うんだけど上手くいかなかった。なんかいい方法ないでしょうか。フレーム上部に読み込むファイル、たとえばtopmenu.htmとtopmenu_ns4.htmの2つをブラウザによって切り換えられるようなJavaScriptのソース、誰か書いてくらさい。

 最近どうでもいいような事で激しく時間を使ってしまっている気がしないでもない。

【単行本 (PDF短編集) 】 津原泰水「†」(その1) eNOVELS

津原泰水「†」


 さいきん自分ブームな津原泰水のPDF短篇集。e-NOVELSで購入できる。so-net会員じゃないからわざわざ普段行かないローソンまでWebMoney買いに行って無事ダウンロード。さて読むぞ〜とか思ったら手持ちのAcrobat Readerではバージョン古くて読めないんでやんの。こっちもダウンロード。大変だ。うん、やっと読書スタート。でも本当のことを言うとPDFで小説読むのまだ馴染めない、というかごろごろしながら本読まないと疲れて仕方ない、ので小出しにして今日は(その1)ということで。この人の文章だったら味わって読むよ〜。

 あ、肝心の中身について書くの忘れてた。収録されているのは「脛骨」「天使解体」「聖戦の記録」「イハイトの爪」「微笑面」「約束」「サイレン」「アクアポリス」「幻獣たち」「安珠の水」の10作品。初出は「異形コレクション」とか「Jミステリー」とか「ホラーウェイブ」とか。ああ、やっぱりいいなあ、早く復活すれ>異形コレクション。

「脛骨」 もとベース弾きの青年、彼がバンドマンとして勤めていたクラブのホステス、そして彼女が事故で失った右足の脛骨の話。車に撥ね飛ばされたままどこかに行ってしまった彼女の足。自分の一部が見つからない事が耐えられずに半狂乱になる女の感情描写が上手い。しばらく時間が経って足がきれいに骨になってしまっただろう頃にはけろっとなってるあたりとか。自分の一部がどこか知らないところで腐っているのを想像するのは確かに厭な事だ。勿論この作品の肝心なところは、無くしたはずの女の脛骨を見つけた青年の、その骨に対する奇妙な愛情だろう。まだ確かに生きている女の白い骨。耽美文学というか。初出は「異形コレクション6 屍者の行進」だけどホラーというよりは幻想、幻想でありなおかつ耽美なこの人らしい短篇。

「天使解体」 初出が「Jミステリー 2000年3月号」だから収録作品の中ではいちばん最近の作品。主人公の男が神経症を病んでいるあたり、連作短篇集「蘆屋家の崩壊」収録の「水牛群」とちょっと作者的な気分としてリンクしてる部分があるのかも。男と、自転車を漕いでた女の子と、背広の男。タイトルからはぜんぜん想像もつかないような展開で、なおかつやっぱりタイトル通り。全ての伏線が凄惨で、それでいて美しくて、どこかのどかな不思議なラストへと繋がっていく。うわあああ。暴力性とかそういうベクトル方向に向かってない、いうならばマターリとした狂気というか。面白〜。

「イハイトの爪」 イハイトとは少女の兄さんの名前。サラと名乗るその少女はクラシックギタリストである兄のために爪を伸ばしているという。ううん、また耽美〜と思ったら一種の謎解きものでした。若くはなく、物語に酔うことも適わない男の話かな。初出は「CYBIZ」。1996年の作品だから津原泰水名義で作品を書き始めてすぐの頃の作品。

「アクアポリス」 沖縄海洋博のパビリオン、なぜだか広島で建造中で造船所のすぐ先のほうで浮かんでるそれと近くの小学校に通う少年少女のお話。台詞がいいなあ。わずか9ページの作品なんだけど、最初の1文と最後の1文の衝撃だけで満点でしょう。初出は競作集「悪魔が嗤う瞬間」1997。少年少女幻想短篇って感じかな。

 短篇10本入って500円(税込525円)。ええんでしょうか?モノの価値というのがちとわからなくなるほどにお得だと思います。大プッシュ!

→津原泰水「†」 (その2)へ

00/09/16(SAT)

豪雨・肉・茸


 傘も持たずに町田へ。しばたさんトコ(本田健ハウス)の炭火パーティーにお呼ばれ。しばた兄ほか、メンツは小田中さんサイトウさん南さんええとみなさんウェブマスターですね。そういう飲み会なの?
 天頂の底が抜けたような大雨と、光、そしてそれに連なる轟音の間隔があまりに短い雷。とちゅう何回かの停電とバックライトな稲妻はたいへんドラマチックな塩梅に炭火焼七輪&テーブルその他な空間を演出しておりました。あれだけ大量な水がそこに存在していた事を考えるに、空というのは本当に広大な空間なんでしょうね。
 なんとなくそうなるだろうなあと予測はしていたんですけど肉とキノコと果物、そして各種酒と熱い語りな会合だったかな。Q:熱かったのは誰?A:ボクとサイトウさん。体温とかアドレナリン濃度は上がってないけど言いたいことは言うかな。せっかくだし。でも、いま思い返すとそんなに熱くなるような議題でもなかったか。ど、どちらかというと、て、照れくさい!恥ずかしい!「ウェブにおいてレビュを書くということについて」何が恥ずかしいってオレがそんなことを偉そうに議論したりして結果どうなるのじゃ、というあたりが恥ずかしい&照れなあたりです。恥照。
 恥ずかしついでに基本的なオレのレビュ書き方針について列挙してみると、レビュは作品への捧げもの。あくまで愛をもって。/ もし必要ならば、その作品の新たな楽しみ方の視点を読者に提示。/ 100の凡庸な形容より1のヒザポン的フレーズ。/ 読んでいただくためには見せられる芸は全て見せる。/ 1作品のレビュ、できれば1画面に収まるぐらいがいいのでは。ちなみに自分でも長すぎだと思うレビュばっかしです。/ 作品の欠点について中心に書こうとする場合には(ほとんどしないけど)相当な説得力を持って。
 こんなもんかな。そうは思えないかも知れないけど、個人的にナンシー関のコラムを目標にレビュ書いてます。でも単行本1冊も持ってません。
 たしかに文章読む上では視点の横方向移動距離、短い方が視認性高まるような気がするなあ…。どうしようかなあ。

 テーブルタグ多用すると重いんで実験的にスタイルシートによる日記部分レイアウト管理を導入、っていまのとこ定義したの2つだけだけど。→面白がっていろいろ増やした。

 FrontPage98の吐き出す小汚すぎなソースに業を煮やしてテキトーなHTML最適化フィルタを通してみたのが運の尽き。テーブルの階層構造が複雑なファイル、破壊されました。アンドゥすらもききゃしねえ。まったく、こんなのシェアウェアにすんなよな…。と怒りが沸いてきます。男らしく(大間違い)バックアップも取ってなかった上、気付かないまま小次郎でアップしてしまったので元のファイル消失です。仕方ないので泣きながら手作業で1つ1つ修正しました。破壊されたのがテキストの最初のほうだけだったのがせめてもの救いです。とほほ。よく見たらトップページも変だったのでこっちも修正。とほほほ。

 知らない間に20,000HIT超えてますね。 

00/09/15(FRI)

不定形


 ずいぶんと久しぶりな2ケタ時間睡眠。まさに泥のようになって眠るって感じ。しかし、この慣用表現はよくわからないなあ。英語だと "sleep like a log" 丸太のようになって眠るだからなんかわかるんだけど。日本人は疲れきると身体が不定形になってしまうのだろうか。

 

【雑誌】 近代麻雀 10/15 竹書房

  今号面白い。まずは絶好調、青山広美「バード」。あまりにも強引な天和席封じ。沙良ちゃんも息が荒い。力仕事だ、やっぱし。で、今回「蛇」の一人天和の秘密が完全に明かされたわけなんですが、予想当たってました。流石にあれだけヒント与えられていればねえ。でも氷水と「悪魔の指」という言葉の意味するところはちょっとわかってなかったかな。なるほど。回想シーンでの「蛇」、出て行く前に家に火をつけていくあたり、いいね〜。そしてラスト、バード、カッコいい〜。片山まさゆき「牌賊!オカルティ」。今回面白いです。刈人が操るオカルトシステムってどう考えても再現性がない現象なんだけど既視感があるところが不思議だなあ。個人的には90%くらいは正着打を打ってれば大丈夫なんだけど、残り10%くらいの局面では相手の読みを狂わせたり意図的に場を歪ませる事を目的とした不合理な打牌は戦術的にOKなんではと思います。それよりバカルトシステム、最強なんでは?天獅子悦也「むこうぶち」渋沢さつき「凌駕」もちょっと地味なポジションながら毎回ええです。両方とも冷徹な女性キャラ出てるし。毎回書いてますが函南姐さんをもっと出してください。あとは神原則夫2本立て。かほりさんの方がキャラ立ってるかな。雀鬼「ヒクソン」。原作:阿佐田哲也 作画:嶺岸信明「東一局五十二本場」。仕事しまくり。企画ページ、電影大王位戦レポ、清水の鳴きはないでしょう。清水、局面的には何やっても決勝進出間違いないんだけど、わざわざ手牌崩してチーした山下くんは浮かばれないなあ。小林くんの手牌、僕だったら跳ね満トップ条件なんで出和了OKな8索単騎のメンホン七対子に受けて失敗してるかもしれません。役牌のシャボに受けても残り2枚だし。

00/09/14(THU)

適当


 ひどいひどい。手持ちのネタほとんど無い。キーホルダー無くした。困った。古屋兎丸「プラスティック・ガール」高い。2,000円。画集とかハードカバーだったら躊躇しないのに不思議不思議。森博嗣「魔剣天翔」買っちまった。まだ買うのか、この人の本を。気が向いたら推理メモでもやるか。今夜あたり。京極夏彦「狂骨の夢」文庫版400枚加筆。ってそれはやり過ぎでしょう。ちょっと立ち読みしたけどぜんぜん違う感じ。ノベルス版持ってるのにまた買うのか?「妖都」レビュあんまりだったのでだいぶ書き直した。あ、キーホルダー別のズボンから出てきた。これは盲点。つまらん終わりだ。

【単行本・漫画】 麻生みこと「GO!ヒロミGO!」 白泉社花とゆめコミックス

麻生みこと「GO!ヒロミGO!」



 ひろみさん T大デビュー からまわり

 さて、GO!ヒロミといえばこの人ですね。違います!!!(しかし、古い写真だな〜フローレンスにジュンカッツだって!足して1引こう!)
猛勉強の末に最高学府、国立大である某T大に入学したひろみちゃん。とりあえずムダに好戦的でテンションたっか〜いので周りになじめないなじめない。「ラブひな」とおそろなのにずいぶん違うにゃ〜って当たり前ですか?最終話のブットビ展開は「ゴールドフィンガー99」の影響かしらんとか思った。メロディ誌で読んだ時どうかしてると思ったもんなあ。そんな感じ。

【雑誌】 ビジネスジャンプ 10/1 No.20 集英社


 まあ普通。作:近藤雅之+画:有賀照人「警視総監アサミ」。前々から感じていた事だが、この原作の人は安達哲「お天気お姉さん」すごく好きな人なのではないか?と思っている。でも途中で「うらあ―――っ」とかいって出て行ったらアカンのではないか、という気もする。違うかなあ…。えっと、クラブのナンバーワンホステスがドラッグの密売人に食い物にされてるところを外からアサミ達が双眼鏡使って張り込み中、みたいなシチュエーションなんだけど、アサミたち出てるの最後のひとコマだけ。あとはえんえんホステスのお姉さんの羞恥プレイ(またか)みたいな展開。実質的には6ページなとこがポイント。なんだかなあ。甲斐谷忍「ONE OUTS」。野手の経験ぜんぜんっぽい渡久地。案の定狙われてピンチ到来、のはずだが…。パワー型らしいバッター、ジョンソンとかいうのが出てきたけどこの状況だったら自分が投げてないうちに2ラン打たれたほうがOKなんでは?球団オーナーとの勝負の方が深刻な問題でしょう。後藤友彦「奥さま日和」。アホか(誉めてるつもり)。

00/09/13(WED)

ない袖は振れぬ


 うわ、今日もいいかげん。すみませぬ。最近近況がないのはないからです。とりあえず最高に手を抜いて雑誌レビュするとどうなるか実験。

 津原泰水「妖都」を読んでいる。ずっと探していたのだがなかなか見つからなかったのだ。八重洲ブックセンターで無事保護。幸せだ。しかしなんだろうか、この文章の上手さは。読めたらレビュを書こう。書きかけ「蘆屋家の崩壊」のきちんと書いて、笙野頼子「タイムスリップ・コンビナート」も実質途中なんでぜんぶ書いて…。困ったものだ。

【単行本・漫画】 津原泰水 「妖都」講談社メフィストクラブ

津原泰水 「妖都」


 東京の街で奇妙な変死事件が続発する。自殺、事故、不可解な死と奇妙な死体の山、山。原因は特定出来ず、全ての出来事をつなぐ鍵はどこにもないように思われた。しかし、馨と雛子には何が起こっているのはわかっていた。”死者”のしわざなのだ。実在する存在でもなく、霊のように純粋な存在でもない。”死者”としか呼びようの無い邪悪な存在が手当たり次第に人々を殺しているのだ。死者は普通の人の目には見えない。彼らが視えるのは馨、雛子のような、ほんの一部の人間だけ。だから次々と繰り返される殺戮も謎のままに。
 ”死者”が急に発生し始めた原因を追求する2人はやがてCRISISというバンドの「妖都」という曲につきあたる。この災厄のことを予言していたような詞の内容。しかしその詞を書いたヴォーカルのチェシャは災厄より一足先にこの世から退場していた。マンション最上階、バルコニーから飛び降りて。
加速度的に増加していく”死者”たち。かつて帝都と呼ばれていた東京の街はいまや死者たちの集う妖都へと姿を変えようとしているのだった…。

 う―――む。やはり文章上手すぎるなあ。丹精かつ華麗、とでも言おうか。あ、変幻自在も付け加えておく。裏表紙に綾辻行人、井上雅彦、小野不由美、菊地秀行の推薦の辞が載っていて、綾辻、小野、菊池の3人はこの作品をホラー作品とジャンルわけしてるけど、単純なホラー、たとえば登場人物たちが死者と戦って次々と惨たらしく死に、最後の1人(たとえばか弱い女の子)がなんとか勝利する、みたいなものを想像されると大変に困る。”怪物”(綾辻)”進化”(小野)”超新星”(菊池)とそれぞれが形容しているように既存の作品のくくりを遥かに突き抜けていってしまっている作品なのだ。個人的には井上雅彦が書いているような”稀なる幻視者”が書いた青春幻想小説なのではないかと思っている。つまり、物語の中で活躍するのはほとんどが中学生〜大学生の若者たちであり、それ以上の年齢、考えてみるとなんかしら職業を持っている人間は本当に脇役に徹している。いま気付いたのだが。そしてそれは、作者が津原泰水と改名する前、津原やすみというペンネームで講談社ティーンズハートから少女小説を発表していたのと何か関係あるのだろうかなどと考える。この作品の中では、謎の存在である”死者”たちによる大量殺戮というホラー的要素と登場人物である少年少女たちの思春期の悩み、自己存在への疑問とかそういうものが当たり前のように等価に扱われているのだ。ビックリ。この下手すると相反しそうに思える2つの要素は奇跡のように絡み合ったまま衝撃的な物語ラストへと向かっていく。

 ところでラスト、「これどうやって終わらせるんだろう?」って思いながら読んだ人ばかりだと思うのだが、みんなそうではないのだろうか?やっぱりそうだよね。読んでいて残り50ページになった段階で、どうやって終わらせる気なのか、不安で不安で仕方なかった。そして目の前に浮上する驚愕のラスト。普通の作家だったらあと200ページは使って書くだろう。こうじゃない終わりも見たい。激しく見たいのだが、この読者をけして安心させない、「ああ良かった。」みたいな気分にさせない幕引きもありなのかなあ、と思う。かなりの英断しないとこんな凄まじいことはできないだろう。怒り出す人もきっといるはず。

 ひょっとするとコレ、350ページの超絶的な幻想的文章を費やした一発ギャグ、というか地口なのか〜とも思う。ラストの一言は笑うところなのだろうか?

黄昏。たそがれ―――。




―――誰そ彼。

 この作品の読後感、何かに似てる、と思ったら奥瀬サキの作品読んだあとのソレに極めて似ているのだ、ということに気づく。都市に潜む魔と少年少女たち。高校生メインなお話だったらまんまそうだね。こっちは登場人物たち年齢層、ちょっと高い。高校生でやっても良い話だけど。

 こういうのは地口とは言わないので訂正。

【雑誌】 ヤングサンデー 9/28 No.42 小学館

 連載再開のバカップル漫画、原秀則「シーソーゲーム」。第5章大学生編突入。恵がそんな下着を着けている気はしない>扉絵。合コンで再開、恵と茂。なんと2年間も連絡取らなかったってそれはないでしょう。お隣さんじゃなかったっけ?実家帰らなかったのか。それはともかくとして、この漫画の気楽なノリは嫌いじゃないので(というか好き)最後まで恵ちゃんがレイプされないことだけは祈りたい。北崎拓「なんてっ探偵アイドル」。スゲエ扉絵。前回までの水泳大会番組お蔵入り、縁起悪すぎなんで何処も使ってくれなくなるんでは、トリコロール。今回はなぜかミュージカルってことで合宿。おい、そこのボイン。きっと梨奈ちゃんはたいしたことしてないでしょう。最近サービスが少ない。長尾謙一郎「おしゃれ手帖」。転校生、熱血夢ノ介登場。ば、万能ネギ〜。サイクロン猿橋「ときめきヒルズ高校白書」。コマッテくん!「アプサラス」のサービスシーンもなんかスゴイね。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 9/29 No.20 小学館

 作:武論尊 画:池上遼一「HEAT」。”陰茎”と書いて”オトコ”と読ます。もりやまつる「親父」。前回のスイカの皮貪りがこんなふうに今回の話につながってくるとは。柴門ふみ「非婚家族」。想像するといろいろキツい漫画だ。玖保キリコ「カエル屋敷のベンジャミン」。最終回。20数年の時が過ぎ、ベンジャミンも立派な成人に。ジジババたちは…生きてる生きてる。原作:花村萬月 作画:さそうあきら「犬・犬・犬」は本当に驚いた事に人間性回復話だ。一回出てきて忘れてる人も多そうな少年院帰り鳥井がなんかマヒケン、道男とかとふつ〜に談笑してて驚かされる。しかし、こうなると物語に動きがなくなるな〜。今回なんか喫茶店で3人サボってるだけの話だよ。

 かなり手を抜いてみたけど、いつもとデキ、あんまり変わらない気もします。

00/09/12(TUE)

いくらなんでも


 「MAJOR」はいくらなんでもハンデくらいすぎでしょう。清水さんとバッテリー組んで甲子園目指すくらいなブットビ展開だったら面白いな〜なんちて。でも正直、もうそれでもええです。


多少追加。

【単行本・漫画】笙野頼子「タイムスリップ・コンビナート」 文春文庫 

笙野頼子「タイムスリップ・コンビナート」


なんだか笙野頼子づいてるな。ええと「タイムスリップ・コンビナート」ってなんだかエスエフなタイトルなんですが内容的には違うね。「マ・グ・ロ 愛して 海芝浦」とかそんな感じの作品。

 物語の主人公である沢野という小説家は言うまでも無く作者の分身的存在だったりして「ここ八年浮世離れした夢小説を綴ってきた」身の上だったりするのだが、そんな主人公の下に「マグロともスーパージェッターとも判らん奴」から電話がかかってくるところから物語は始まる。で、何処かにお出掛けして欲しいみたいな事を突然電話で依頼してくる何者かの言葉を頭の上っ面で聞きながら、主人公である作者は夢で見たマグロとの恋愛に夢中。そしていろいろと話しているうちに海芝浦というホームの片側が東芝の工場で片側が海、東芝の社員でも魚でもない人間がホームに降りたらもうどうしようもない、という実在の(!)駅を目指す事になる、というのが主なストーリー。と、書いてみたけどよくは判らないだろう。でも本当にそんなお話。

 物語は夢とも現ともつかない状況の中を流れるように移動して読者であるわたしたちにその実像をはっきりと掴ませる事はしない。しかしそんな中ふいに現われる私小説的描写、たとえば大卒で研究員として東芝工場に採用になったものの、高卒の男子社員たちに「男と同じ給料をとりやがって」と面と向かっていわれたという主人公母親の描写、とか。これはあとがきのかわりとなっているラリィ・マキャフリィらとの対談でコメントされているとおり笙野の母親が体験したエピソードを元に書かれたものである。幻想と現実の境界でたゆたうように漂っているような感覚の中、突然に襲い来るような痛みの感覚。笙野作品を自伝的作品だと形容する人間が多いのはこの衝撃のインパクトの大きさが理由なのだろう。

【雑誌】 モーニング 9/28 No.42 講談社

 なんか売っていた。面白かった先週の反動か、今週は特にこれはという作品が無い。特に休載もないのだが。田中誠「ギャンブルレーサー特別編 ひと夏の経験」後編。ブス5万人で飛ばした前編は素晴らしかったんだけど、後編は…なんか普通に野球してるよ?うーむ。ところで話は変わるけど関の奥さん、良妻度でいったら全ての漫画の中でNo.1じゃない?とか常々思っていたのだがどうか。福島聡「DAY DREAM BELIEVER」ではカスミの能力暴走が新たなる惨劇を演出する。とりあえずスゴイ展開になっているのだがこれのどこまでが真実でどこまでが幻覚なのかが判らないところが性質ワルい。困る。かわぐちかいじ「ジパング」はやっと面白くなってきそうな展開に。遅いよ〜。

【雑誌】 ビクトリー麻雀 10月号 ナイタイ

 あまりにも酷い内容だがこの雑誌のレビュ書いてるの国内で僕1人だと思うのでしかたなく続ける。誰か他に書いてる人間がいたらすぐやめる。ところでビクトリー麻雀誌、先月号もたしかに買ったはずなのだがなぜかなくしてしまったので書けなかった。この本2冊買う気はさすがにしない。山松ゆうきち「たそがれの勝負師」。あいかわらず死なない渡辺三郎(注:ちなみにビクトリー麻雀編集長の名前は渡辺参郎。見た目も結構似ている)であったが、今月は白血病で死期がせまっている少女と、金と彼女の処女を賭けた勝負をすることに。何故だ。無表情に「私の家は病院 友達はテレビとゲーム 私はおとなよ アソコに毛も生えているわ」などと話す女の子がたいへん恐ろしい。ぱあ〜ん。劇画:二ツ木哲郎 闘牌:黒木真生「蟠牌邪(バンパイア)」…。なんかクライマックス間近にきて画が変わったような。ぜんぜん盛り上がっていない展開のコマにもまんべんなく集中線トーンを張ることでムリヤリに物語のテンションを上げる(錯覚だけど)という匠の技術が見られる。でもやっぱり内容はうだうだ。先月から麻雀だけでなくパチンコ・パチスロ・競馬など他ジャンルのギャンブルコラムが加わり、風俗情報のページ数も増えてますますヤバくなってきた。とりあえず競馬コラム「万馬券が出る日を狙い打て!!」の内容の意味不明さ加減と「女の歓喜はどこまで演技」というコラムの脳死さ加減は凄まじい。死にたいくらい。

BACK