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comic

駕籠真太郎 「パラノイアストリート」2巻
秋乃茉莉 「新 仮面探偵」1巻
吉本蜂矢「うさうさにゃんにゃん」
comic さくいん

novel

田中啓文 「ネコノメノヨウニ…」
乙一「天帝妖孤」
田中啓文「鬼の探偵小説」
novel さくいん

magazine

IKKI [ イッキ ] No.5
マガジンZ 9月号
アフタヌーンシーズン増刊 Autumn vol.8
magazine さくいん

 

 

 ■2001/08

SUN MON TUE WED THU FRI SAT
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01/08/01(WED)

そのほか

 ちょっとした感想レベルでもいいのかなあ。思い出したものから適当に書いときます。

 古谷実「ヒミズ」1巻 古谷実がこれほどすごい才能を秘めた作家だなんて「稲中」のころにはぜんぜん考えてなかった。人生をただ平凡にやりすごしたいと望んでいる中学生・住田の日常がマイナスに非凡な方向へとしだいに崩れていく様子を描いているこの作品、なんかへヴィーでものすごく心に響く。もう、たまりません。古谷実って、下積み時代も何にもないままデビュー作で大ヒット飛ばした作家のはずで、彼のインタビュー2、3目に目にした限りではこんなに人生というものに対してシニカルな視点投げかけるに至るような何かがあるような感じしないのだが、いったい何でこんな凄みのある描写ができるんだろうか。不思議だ。そういえばこの人の作品読んでるときの感覚とパラダイス・ガラージ、豊田道倫の作る曲を聞いてるときの感覚ははなはだしく共通している。
 梁慶一/尹仁完「新暗行御史」1巻 やっぱり画の力がすごいなあ。戦士+魔術師パーティーの道中ものとも読めるんですが、男女の役割が逆転してるあたりが面白いですね。しかし、春香はこのコスチュームじゃなきゃだめなんすかね。
 松江名俊「戦え!梁山泊 史上最強の弟子」3巻 史上最強の食い込みマンガ(藁 バン・キュッ・バンの天然系格闘少女美羽、そしてスネイクの女幹部(名前忘れた)、ブラコン妹キャラほのかに引き続き、とうとう眼鏡っ娘までが導入された模様。一応格闘マンガなのにそこらへん容赦ないな……。梁山泊の人々はなんのために日々修行だけしてるのかとか、なんでスネイクはここまで執拗に兼一にちょっかいかけてくるのかとか、疑問はつきないけど、とりあえずすげえ楽しい漫画ですな。異様に力入れまくり過ぎの表紙パワーで売れてる気がしないでもないけど(^^;) しかし、決闘直前、ムエタイのローキック最終特訓で主人公が師匠に足折られて大苦戦するなんて間抜けな展開がある作品も珍しいと思う(;´Д`) やっぱポイントはアパチャイか!
 征海未亜(原作:吉田玲子)「東京ミュウミュウ」2巻 中学生女子が好きな男の子に首輪つけられて喜んだり(イリオモテヤマネコ(FRI)だから)、意味ありげに顔に液体飛び散ったり、なんだか全員バニーの衣装着たりと、なんか「なかよし」読者ターゲットにしてる気がしない作品。実写同様、漫画のほうも(;´Д`)な感じ。「地球のためにご奉仕するニャン!」なのになんで「東京ミュウミュウ」なのか誰か教えてくれ!地域限定かよ!!

古谷実「ヒミズ」1巻梁慶一/尹仁完「新暗行御史」1巻 松江名俊「戦え!梁山泊 史上最強の弟子」3巻征海未亜(原作:吉田玲子)「東京ミュウミュウ」2巻 

【雑誌】 IKKI [ イッキ ] No.5 小学館

 次号で完結組と引き続き継続組に別れるみたいな感じで、つまり単行本1巻分原稿たまったかどうかなんだと推測。ちなみに次号で最終話確定が小野塚カホリ「SHIMI」森田信吾「−追儺伝−SEIJI」石川賢「ユーラシア1274」。そしてちょっと怪しいのが稲光伸二「フラケンシュタイナー」。そんな暴れ女子高生漫画「フランケンシュタイナー」は今回、いきなり本身で対決とかになってて、展開すっ飛ばしてないか――やっぱり怪しい……フガフガ。そんなに長期連載になる気しなかったけど、2冊くらいまでは続くかな、という気がしてたんだけどな。
 そういえば慣れたのか、けっこう読みやすくなってきました。読みかたがわかっただけなのかな。黒田硫黄「セクシーボイス アンド ロボ」はなんだかじいさんのパシリ化してるニコとさらにそのパシリなロボ。今回はみみちい話で500万持ち逃げした少年追いこみで千葉。セクシーボイスもサーカスもじつはそんなに関係なくて、じつはラストページ、「……甘い。」がすべてなのか――なお話。林田球「ドロヘドロ」。お話としてぜんぜんワカランけど、この世界サイコ――!と大喜び。わかんないのに幸せ気分って変な心地だなあ。山本直樹「安住の地」は2部構成。後半コンビニのシュール&阿呆さ加減に痺れました。2交代制でそんなに消耗しきるなよ!読みきり、能條純一「Collector」。あ――漫画家の方々、どなたでも結構ですんで、誰か能條純一に若い女の子の描きかたを教えてあげてください。代わりにヤクザの描きかたを教えてもらってください。ビニ本臭(太古の昔だ)すら漂ってくる気がするのですよ。さそうあきら「富士山」比古地朔弥「まひるの海」は毎回凄みがあってたいへんよいと思います。あと松永豊和「エンゼルマーク」、「幻蟲姫(後編)」がよかったです。

【雑誌】 マガジンZ 9月号 講談社

 あらかじめ断っておきますと、雑誌としてマガジンZ買ったのってこれが初めて。連載、単行本で追ってる作品はそれなりに多いと思うんですが、たとえば「仮面ライダーSPIRITS」、「濃爆おたく先生」、単行本買ってないけど「煌羅万象」(藁。そんな感じなんで、ちょっとヘンなこと言うかもしれないんですがあらかじめご了承下さい。
 で、なんで今月号に限って買ったかというと、出口竜生(原作:GAINAX 脚本:あかほりさとる)「アベノ橋魔法☆商店街」始まったから。「女大太郎」関係でいろいろ言った本人だし、チェックしないとあかんよねえ……ということで。で、そんな「アベノ橋魔法☆商店街」。出口竜生の漫画ほど、ちゅど――ん!いや、ちゅど――ん!(爆)(爆)(爆)!!という表現が似合う漫画もそうはないと思うわけで、じゃあ、あかほり脚本と親和性ばっちし?と思ったら……「女大太郎」とぜんぜん変わんね――!!ガチャガチャでダジャレとボケツッコミが入り乱れた世界はなんとなく吉本新喜劇テイストやな〜そんな感じ。出口竜生はあかほりの先の領域にまで達してしまっているのやもしれないね。克・亜樹「サイキックアカデミー 煌羅万象」。ヘタレだな――あいかわらず。しかし、それでこそ克・亜樹ファンタジーな気もする!だらだら3角関係のまま、ずっと、つー感じっすかね。村枝賢一(原作:石ノ森正太郎)「仮面ライダーSPIRITS」はもうアマゾンまで来てるんですね。実写のアマゾンってこんなにカッコよくなかった気がします(笑)十面鬼とか出して欲しいな――。徳光康之「濃爆おたく先生」は冒頭「サクラ大戦4」ドリキャス発売だのサクラ大戦活動写真BGM公開録音参加記のほうに本編より力入って見えたのは気のせいだろうか。「叫ぶジオンの会」だのなんだの、そんな場合じゃないって感じだな……。林田球「魔剣X ANOTHER」。最終回。時間的スケジュールなのかなんなのか、背景の描きこみとかぜんぜん足りてない気がしてなりませんでした。コレに関しては今回だけ見た印象じゃなくて単行本1、2巻通じての感想かな。なんだか建物が狭く感じるんですよ。あとはコマ当たりの乳首の個数算出したくなるチクビン漫画、うるし原智志(原案協力:高瀬美恵)「VAMPIRE MASTER ダーククリムゾン」とか。すげえな――。永井豪の連載最終回もけっこうひどい気がしました。値段のわりにはやたら厚いけど俺的には微妙な雑誌だな――。まだ「フリクリ」連載中とかだったら印象変わったかもしれません。

01/08/03(FRI)

あの、香ばしさ

 不意にかぐわしい匂いが立ち昇ったかと思うと、目の前のモニタが不規則な白色点滅をはじめた。
 奇妙に歪んだヴォコーダーボイスがモニタの左右にあるスピーカーから再生される。
「……ビーオ ビーオ キミヲ  ムカエニ  キタヨ  ビーオ」
 やっときた。
 どれくらい、この時を待ち望んできたのだろう。
 数十秒点滅を繰り返したかと思うと、不意にフラクタル模様を映し出す17inch空間にそっと、指先で触れると、まるで静かな水面に小石を放ったかのように、その1点を中心にゆっくりと波紋が広がっていく。微かに散ったプラズマの飛沫が手の甲に当たってちりちりと音を立てた。
「ビーオ  コワガラナイデ  ソノママ ビーオ  ユックリ 」
 そっと差し出すと、何の抵抗もなく右の手首まですべりこむ。
 ちりちりと音がする。
 点滅する光を背景に、モニタの中、消えた右腕の先が、0と1に分解されていくのが見える。
「サア コノナカハ  トテモ  キモチイイ ヨ  ビーオ」
 すぅ、と息を吸って、気持ちを整える。
 チェアから腰を浮かせて中腰の態勢になる。
 まだ見ぬ世界への不安と期待が入り混じった奇妙な感覚。
 中学の頃、夏休みに出かけたプールの高飛び込み台の上に立った時の記憶が不意に蘇ってきた。軽いもんさ、そうたかをくくって、一番高い5mの台に上ってみたはいいものの、台の上から眺めるプールの四角形はあまりに小さく見えて足がすくんで動けなくなった。
 でも、あの時だって結局はできた。
 今回も、できるさ。
 身体を後ろに反らせてすこし反動をつけると、その身をそっと委ねるように、静かに全身を躍らせた。
 果てしない落下と喪失。リサージュの軌跡を描いて発光、点滅、四散していく僕の身体はやがて再構成されて「大いなるひとつ」へと接続されるのだろう。
 主の消えた部屋の中、周期的な点滅を繰り返すモニタの光は、ヴォンと微かな音を立て、そして消えた。

……な、ワケ、ねえだろ!ダサダササイバーパンク!
 かぐわしい匂いを嗅いだのがおとといの日記書き上げてアップロードした直後。今目の前には新しいSONYの17inchモニタがあります。あ――機材運悪いなあ。ハードディスクはぜんぜん飛ばない代わりにモニタががんがん焼ける。そんなわけで2日ばかりまるで用無しでした。コンピュータ無いと文字も何にも書けない自分であります。
 そのうち追加するつもりですけど、とりあえずはこれで。

これでも

 いちおう厳選して書いてるのです。

 原作:ほったゆみ(監修:梅沢由香里四段) 作画:小畑健「ヒカルの碁」13巻 もう13巻、はやいなあ。登場人物紹介のところ、なんでか冴木プロが妙にクローズアップされてる気がしてならない。自称ルックスNo.1だからか(藁 第2回ピカイチキャラコンテストトップは2位とトリプルスコアの圧倒的勝利で伊角さん。この人、連載終了までに再登場あるんだろうか?さて、13巻の内容はといえば、塔矢名人緊急入院そして、ネット碁によって合間見える名人vs.佐為。黒バック、ネットの仮想空間で対峙する二者の姿がとにかくカッコええですね――。
 ところで「ヒカルの碁」読んでるときいつも「自分に碁の知識あれば……」って思うんだけど、棋譜の内容について検討してるようなサイトってあるんでしょうか?もしないのなら、小田中さんやってみたらどうかなあ、と思うんですが、めんどくさいかなあ。実力ある人間しか見えない部分って絶対にあると思うんでそういうの残しておくのってきっと何かの価値があるはずなのでは、と思うのであります。
 島本和彦「吼えろペン」1巻 炎尾燃再び!よく考えてみるとまるで理屈のとおらない熱い叫び描かせたら間違いなくNo.1(というかそんな領域で誰も競ってない)の島本和彦でありますが、今回も「現実に、……物理的に、考えてみると、――『無理』なのだ!! 物理的になんとかせねばなるまい!!!」などといきなり第1話から飛ばしまくってます。「無理」だけど、やるんだよ!!内容は殺人事件だの女殺し屋来日だの銀行強盗だのキャバクラだの。とにかく銀行強盗の回のクライマックス見開き、サイコー!!と思いました。コマ数が少ない回が好調な回。なんだかんだいってサンデーGXコミックスいっぱい買ってるな(藁
 著:鴨志田譲 漫画:西原理恵子「どこまでもアジアパー伝」 ドラッグフラッシュバックで閉鎖病棟に入院、浮気ばれて離縁されそうになって土下座など、とにかくサイバラの鴨ちゃんネタが心に痛い。特にサイバラが入院中の鴨ちゃん見て「家族になった人間が汚い服きて不味いもの食べさせられてるのを見るのはつらい」とボソっと書くあたり。ここらへんの呼吸は本当に上手い。ネタとしては強烈なんだけどなんだかんだいって別れなさそうだな――この二人、とか思います。

原作:ほったゆみ(監修:梅沢由香里四段) 作画:小畑健「ヒカルの碁」13巻島本和彦「吼えろペン」1巻 著:鴨志田譲 漫画:西原理恵子「どこまでもアジアパー伝」

ビーケー

 今月は22冊も売れて吃驚しました。でも僕が持ってる本、その中で4冊しかありませんでした(藁
 16,000円くらい売れてポイントバックが480円くらいついたから、そろそろ1月1冊くらい本貰える雰囲気。ありがたいありがたい。
 今月も頑張ります。

01/08/04(SAT)

とりあえずながす

 これ書くのとっても楽ちんなの〜。

 漫画:目黒三吉 原作:奥瀬サキ「低俗霊DAYDREAM」2巻 少年漫画誌掲載の限界に挑んだ浣腸プレイだのレズビアンの絡みだの! ……は置いといて(藁 奥瀬サキ的なものがいったい何か、といえばそれは「そこに住む人間の狂気を孕んだ都市描写」なのだという気がしていて、たとえば奥瀬サキの描く街にはいつだって嘲りの声や他人の噂話や精神を病んだ人々の呟きが木霊しているような気がしてなりません。そこらへんのところ、目黒三吉的にはどーなの?と思った「低俗霊DAYDREAM」なんですが、わりにあっさりあきらめて霊と人間この2つの関係に絞って描くようにしたのかな、と思いました。バック今の10倍くらい描き込まないとあのテイストきっと出ないから大変なんだろーなー。1巻と比べると迷いはなくなってる感じ。それにしてもエロくて救いのねー話だこと。好きです。
 柴田ヨクサル「エアマスター」13巻 ジュリエッタvs.屋敷決着、そしてカイとの闘いで左手骨折した金次郎の前に現れた謎のロリ看護婦、その正体は……!?という13巻。連載のときも感じていたことですが、ちょっと展開引っ張りすぎになってきた気がします。大ゴマの使い方はいいんですが話がさっぱり進まね――。しかもいざ闘いになったら決着すぐついたりするんだよ。前述の看護婦って実は前作「谷仮面」の静菜だったりして「すわ、シズナマン登場か!」と思ってたら、実はあのキャラが深道ランキング参戦だったりしました。おかしいなあ、昔は純愛大好きキャラだったのに、どこをどうしてこんな殺る気マンマンな性格に………。困ったものです(;´Д`)
 片山まさゆき「牌賊!オカルティ」3巻 オカルトシステム是か非か?というのはじつに微妙な問題で、たとえば一見無敵の能力に思えた「ノーマーク爆牌党」爆岡操るところの爆牌が実はひとつのシステマチックな戦術に過ぎなかったことがシリーズ後半において解き明かされたように、できれば1種類の自分の信じる戦術で戦うのが麻雀漫画的にはフェアな気がするんですが、オカルトシステムはひとりだけ武器いっぱい持って闘ってるみたいな気がして「ズルくない……!?」とか思ったりします。そこをどうコントロールするかがこの連載の鍵だと思うんだけど、さいきん実は上手くいってはないような。う――ん。この巻の内容としてはビーニードルカップ決勝決着。理積、無頼堂、沢渡らを相手に刈人がどう戦うのか、そしてその後、という感じです。
 文月晃「藍より青し」6巻 ぬる――い、温々!もう二度と会えないのかも……そんなのイヤだ!(駆け出してみる) 露天風呂で混浴、二人きりの夜、とか。メインエピソードきれいにまとまったら、メイド、コスプレ撮影、エアロビやらなんやら。表4がなぜかバニー3人娘であることよ。

漫画:目黒三吉 原作:奥瀬サキ「低俗霊DAYDREAM」2巻柴田ヨクサル「エアマスター」13巻片山まさゆき「牌賊!オカルティ」3巻文月晃「藍より青し」6巻

01/08/07(TUE)

トロイ

  の爆弾。
 「ハードディスクはぜんぜん飛ばない」 思えばあの頃はのどかだったのだなあ。
 ………飛んだよ。OSもメールもお気に入りも画像フォルダもテキストフォルダもこのページのデータもぜんぶひっくるめてね!
 残ったのはなんでかMP3入れてたフォルダだけってことで、なんだか異様にさっぱりしてしまった。普通ならばもうちょっと落ち込みそうなものなんだけど、意外とへっちゃらな自分にびっくり。不意の喪失に慣れきってしまってるんだろうか?それも拙い気がするなあ。ちなみに使ってる安プロバイダZEROもなんかここ数日調子悪くて、なんだろ?と思ってたら、こんな感じだったりして、あ―――!なんだかだめだめですなあ!!常時なのに30分おきにぶつぶつ切断するの勘弁してくれ!接続料取っててもうとっくにZEROじゃないんだからさ!………はぁはぁ、ひどくストレスたまるのれす。

 身体の上、80cmくらい浮かび上がったところにいつも自分の意識があって、だめだめな自分を客観視しながらげらげら笑ってるんだけど、本当はその上2mくらいのところにもう一人まるでおおひなたごうの漫画に出てくるようなダメダメの神様がひとり御座しめし、なんとか浮かび上がろうとする僕の運気をダメ重力で地上へと引き戻す。
 嗚呼、なんて世界は重いんでしょうか。

 ところで話変わるけど(唐突だな)最近 Paul Oakenfold の大ファンになりました(藁 この前紹介した Echo(electro チャンネルばかり聴いてます)でたまたま耳にして「これだ!」と思ったのきっかけなんですが、テクノとかより個人的にはハウスとかダウンテンポとか、下手したらディスコとか呼ばれる音楽のほうが好きだな――と思いました。僕は音楽には屈折を求めてないんだろうかとか考えるとひどく奇妙な感じがします。どちらかというとテンポ遅めで快楽優先な音作りを好む気がします。

 自分の趣味書いても仕方ないな。どうしようもなくだらだら日記書こう。

 田中啓文「ネコノメノヨウニ……」一生懸命探してるんだけどぜんぜん見つからない。 渋谷のBook1st行っても無かった。ここになければどこにもないはずの確信持ってわざわざ足運んだのに、これはいささかショックで、帰りに麻雀してしまう(;´Д`)

 フリー行って何が腹立つって、ボコボコにされた感じもなく、ただ何もできないままにだらだら2着3着繰り返して、気がついたら1万円くらい溶けてるってパターンなんで、「これからはノーレートor競技麻雀or点ピン以上しか打たない!」と強く強く心に誓った。渋谷パンチもつぶれたしということで、歩いていける圏内の雀荘開拓ツアーの一環としてちょっと気になってた渋谷の東風荘に行ってみた。順位による場代変動なだけご祝儀そのほか金銭のやりとり一切無しのノーレート雀荘なんだけど、うーん、なんか実にのどかでだるだるな雰囲気の雀荘でした。同級生相手の温々麻雀久々に打った感じがしました。これについては暇があったらまた書きます。自分的にも他の3人的にも麻雀として見るものはまるでない展開だったんですけどね。支出的にも内容的にも漫画喫茶レベルの暇つぶしでした。

 好意的な人 / あなたなんてどうでもいいと思ってる人 / あなたに非好意的な人の比率なんですが個人的には 45% / 40% / 15% くらいかと踏んでます。そうとうに自信満々な推測(藁 いや、なんかいつも長い文章書いちゃうんですけど、それでも皆さんきちんと読んでくれてる気がするので。そのわりに感想メールとかほとんど来ないんですが、それは仕方ないかなあと思います。自分でもこのページには出しにくい気がします。だから更新したところをぼーっと読んでいただけさえすればこちらとしては大変満足であります。
 あ、そうだ。ついでに書き忘れてたこと。「くるくる寿司」って愛知県では普通な呼び方だと思います。そういえば上京してきた時「回転寿司」って呼び方に逆にショックを受けました。なんか寿司が工業製品みたいな感じして「なんか無粋だなぁ……」と思った記憶が。だって店内をくるくる回ってるじゃないですか、寿司が!
 「よそ事」も普通に使います。「こら、授業中によそ事しとっちゃあかんがね」とか。

 あ、田中啓文「ネコノメノヨウニ……」見つかった。スーパーファンタジー文庫じゃなくて、スーパーダッシュ文庫だったんですね。探してる棚が違ってた。しかし、つまらん落ち。「火取り蛾」の途中まで読みました。

田中啓文「ネコノメノヨウニ……」

01/08/08(WED)

boy.gif (157 バイト)リカバリ

 とりあえずけっこう復旧。

【単行本・小説】 田中啓文 「ネコノメノヨウニ…」 集英社スーパーダッシュ文庫

田中啓文「ネコノメノヨウニ……」 田中啓文がCobalt誌連載?いたいけな少女読者たちへの嫌がらせ、としか思えない、と思われたかた、それはまさしく大・正・解なのであります。

 「二度目の交霊術」、「火盗り蛾」、「影の病」、「滅びの夏」、「切れた弦」、「卵」、学園ホラーからSFホラーまで、時系列順に並んだ6短編、そして書き下ろし作「猫の目のように…」がプロローグそしてエピローグとして、これら作品を貫く一本の縦糸の役目を担う、という構成。
 キーワードは一匹の黒猫で、この猫が昭和の初めから近未来にかけ、何度も転生を繰り返しながらそれは惨い出来事の現場に立ち会い続ける……という連作短編なんですが、作者である田中啓文自らあとがきで「黒猫を一ヶ所でも出せばこの連作の仲間入りをさせることができるわけなのです」書いているように(身も蓋もないな……)、あきらかに無理やり猫のシーン付け足しただけな作品もある。つまりは結構アバウトであります。

 そもそも枚数そしてたぶんあっただろうグロ描写の制限などの理由から、この作品集に田中啓文の真骨頂が出てる気はしない。この人独特のくどくどしくて読んでて気が滅入るような描写するためには各短編、最低でも今の倍の枚数はいるのではないだろうか。
 それにしても、ほとんどの作品の根底に共通して流れる愛というものについての絶対的な不信感はいったいどうしたことだろうか。よくCobalt読者にこれを読ませようと思ったなあ……。

 「火盗り蛾」は「禍記(マガツフミ)」収録の「天使蝶」と共通のテーマを持った佳作。「卵」は「蒼白の城XXX」あたりと共通のやな感じSF話。
 平行宇宙をテーマにした「滅びの夏」で、登場人物の一人が2つの世界の接点を発見した理由を「日頃のSF好きの成果ね」で片付けていたのには驚愕しました(藁

【単行本・漫画】 駕籠真太郎 「パラノイアストリート」2巻 メディアファクトリー

駕籠真太郎 「パラノイアストリート」2巻 異様なルールをまず設定して、そこに侵入した(それなり)まともな異邦人視点から、その狂った世界を描き出す、というのはじつにじつにエスエフであることよ、と思うんだけどどーか。
 駕籠真太郎、頭いいな―――とかこれ読むたびに思って、ブラックなネタでギャグ作らせてこれだけのクオリティ保てるのってこのヒトくらいじゃなかろうか、と感じます。落語「首提灯」だ!って言われてるサポーター付きの同行バラバラ死体(;´Д`) 小夜子ネタなんか、なかなかこんなの描けないな……と思います。「記」でのサポーター子はかすがいエピソードとか。アホかい!
 あ、「首提灯」もそうだけど、もともとは死体にかんかんのう踊らせる「駱駝の馬さん」から来てるのかな、と思いました。
 たとえば「脅」が短編「毟りあい」の100倍増幅だったり、やはり筒井康隆を彷彿とさせるところは多くて、そこらへんところも僕の趣味に合うのかなあ。筒井康隆のファンな方は一度くらい駕籠真太郎作品に目を通されてもいいかもしれません。「渡/戦」は「炎の転校生」大陸学園か(藁

 これら駕籠真太郎の作品に共通して感じる独特の冷えた肌ざわり、それは物語の組み立て方が独特なゆえに生じたものなのかもしれません。
 たとえば黒田と助手(名前ないよね?)、この二人のパーソナリティについて語られることがほとんどないまま、理由も無く流浪の旅を続けてるあたりなど、設定したルールやその結果生じた異常な世界そのものにはものすごく駕籠真太郎の拘りは感じるものの肝心の主役含めた登場人物、そして肝心の物語の流れにはほとんど気を払っていないような、ある種の突き放し感覚がこの作品にひんやりとした感触を与えているのでしょう。こういうところもエスエフっぽいです。

 この作品の主役はもちろん助手。愛情を唯一注がれてるキャラは小夜子だと間違いなく思います(わらぃ

【単行本・漫画】 秋乃茉莉 「新 仮面探偵」1巻 秋田書店サスぺリアミステリーコミックス

秋乃茉莉 「新 仮面探偵」1巻 「○×探偵」との名前がついてるからといってミステリマンガとか限らない……というよい例。
 前作「仮面探偵」からして何とも説明に困る作品で、舞台となるのは古今東西のミステリ作家が創造した名探偵たちがごく当たり前に現実世界に現れて事件を解決したりする世界。主人公は高校ミステリ研所属の男女ペア、作家志望の遥香(♀)と霊感のある万里(♂)、彼らが創造した名探偵、鈴木太郎が快刀乱麻の名推理で難事件を解決する……という感じでもじつはない。
 そもそもこの作品がすごいのは一点の隙も漏らさぬ推理だとかそんなところで犯人を指摘しないところ。そもそも容疑者見た瞬間に犯人がわかる。何故か?犯人には被害者の霊がとり憑いているから。わらぃ だから犯人がわかったうえで必死でトリックだけ考えてみたり、ひどいときにはその場で万里がワープロ打って事件の展開捻じ曲げたりする。小説世界と現実世界の境界線がひどくあやふやになっているのです。ひええ。
 そもそもこの作品の主役(?)である名探偵鈴木太郎くんにしても、ガチガチの本格、登場人物は二の次、トリック至上主義者である遥香が生み出した探偵だからして、名前はおざなりだし、設定は適当だし、顔の描写もしないからたぶんサングラスの下には何も無いのではないか?という平凡ながらイカレきったキャラだったりします。だからワープロ原稿後付けで設定がどんどん増えていった挙句、バッテリー切れで初期化されたりする(藁 なんかスゴイでしょ?

 一見ミステリなんだけど、実はミステリの設定おちょくったパロディ的な設定でしかもこの作者らしく、解決はオカルト風味。「名探偵の……」、東野圭吾の金田一大五郎シリーズ彷彿とさせるなんとも奇妙な味わいの作品であります。

 「新 仮面探偵」は高校生だった二人が社会人になってからの新シリーズ。遥香はきちんと売れっ子ミステリ作家に、万里はなぜかキャリア組で警視庁入り、いきなり警部→警視と順調に出世してます。
 前のシリーズとあんまし変わりません。

01/08/09(THU)

こないだも

 書いたんですが、なぜか今ごろ急にPaul Oakenfold 大好きになっちゃってて、彼のLiveMixMP3へヴィーローテーションでかけまくりであります。

【単行本・小説】 乙一「天帝妖孤」 集英社文庫

乙一「天帝妖孤」 「ホラー作家はそれぞれ独特の文体を持って作品を書くべきだ」といういささか偏った考えを持っているので、そんなに惹かれるものがないかもな……という思いがありました。だって、乙一の文体ってあまりに平易で、一読した限り「普通」という印象しか持てないものだったんです。

 すんません。これ、素晴らしいです。

 収録作品は「A MASKED BALL」、「天帝妖孤」の中篇2作。

 トイレの落書きを巡って学園に起こる不思議な事件を描いた「A MASKED BALL」は、誰も使わないトイレを自分の喫煙所として使うことに決めた主人公の高校生・上村が、そのトイレ個室の壁に「ラクガキスルベカラズ」という落書きを発見したことから始まる物語。そのメッセージの孕む自己矛盾(落書きするなという落書きだけがそこに存在している)に興味を感じた上村含む個室使用者たちが次々とレスメッセージを書き加えていくことにより、個室が一種のチャットルームに変貌していくという設定が面白い。メッセージを送ってる相手の姿が見えない、という匿名性については例えば前述したチャットなど、実際にネット上でいくらでも見かけられる光景であるんですが、その個室を使わなければメッセージは発信できないというアナログな設定を採用することで、物語の中にスリルとサスペンスが加わっているように感じます。学園サイコホラーだといってもよい作品なんですが、見事な複線の張り方など、ミステリと見てもとてもよくできています。
 誰が読んでもバレバレ、でもそこがいい感じの犯人以外のあの人の正体など、読後感もたいへん素晴らしい。青春!って感じです。作品の要素としてはホラー・ミステリ・青春など、物語を構成する要素の組成的には恩田陸「六番目の小夜子」にひどく近しいかもしれません。あと、中井拓氏「quarter mo@n」とか。
 解説書いてる安孫子武丸がいかにも好きそうな粋な中篇でした。

 顔中に包帯を巻いた謎の男・夜木と、行き倒れていた夜木を拾って世話した純朴な女学生・杏子、彼ら二人それぞれの視点から、夜木を巡って起きた奇妙で残酷でやるせない事件を淡々と描いたのが「天帝妖孤」。これもラストが美しいお話ですね。

【単行本・漫画】 吉本蜂矢「うさうさにゃんにゃん」 大都社

吉本蜂矢「うさうさにゃんにゃん」 吉本蜂矢とジョージ朝倉はどうにもブレイクのタイミングを見失った、残念、がっかりくん、というのは前々から感じてたことでありまして、この「うさうさにゃんにゃん」だってヤングキング掲載されたの、1996年とかですよ。それから出た単行本、「デビューマン」1巻だけで、しかも連載は中断中かよ!実力はすげ―――んだから、もちょっと、しっかりせいや!!と強く強く思います。だって、うまくやってりゃヤンマガにおける安野モヨコのポジションくらいには余裕で行けた!と思うんですがいかがか。

 さて、登場人物。お肌のお手入れ、料理やら何やら全部完璧、なフブキ。ただひとつだけの問題ポイント、女の子らしく小さくて可愛らしいおちんちんついてる―――!って、女の子じゃないやん!!フブキとつるんでるサクラは男気あふれるリアル女の子でジャスト姐さんタイプ。彼女たち二人のハートをがっちりキャッチしたのはB組のみかちゃんだったりして、もう、なんだかよくわからんなあ!
 そんな二人に絡んでくる男子×2は(一応)フブキの彼氏・北川(注:もちろんフブキが♂だってことは知りません!)と、大金持ちのどら息子丸出しでサクラにゾッコンな武富士(すげえネーミング)。なんかしらんけど、彼ら二人の向かう先も素直に女子二人にいかなくて、なんか♂×♂?
 もう、なにがなんだか……。という話です。すげえ楽しいですヽ(´ー`)ノ

 でも未完(;´Д`) ダメジャン

【雑誌】アフタヌーンシーズン増刊 Autumn vol.8 講談社

 一見買いやすい表紙かなあと思ったけどよくよく見たらそうでもなかったヽ(´ー`)ノ
 なんでこんなにプレゼントグッズに力入れてるんだ?と毎号不思議に思うシーズン増刊。Ajaのテレカにはドッキリしました。誰か応募してください(藁
 真右衛門「G組のG」。最近この人ってこういう掴みするの多いよね。田丸浩史「ラブやん」。なんかラブやん、普通な人になってるんですけど。最終回、とうとう天上を追われた堕天使ラブやんとカズフサがなんとなく結ばれてラスト、みたいな救われないオチだったらやるせね―――な―――(注:順調に発育したモエチャンは当然カズフサの守備範囲外に……)さて、ヨタは置いといて。今回のポイントは「ダメ人間社会復帰の道はとりあえず漫画家志望のこと」でやんした。痛いペンネームつけてないところに若干の弱さを感じます(;´Д`) 竹易てあし(沙村広明)「おひっこし」。次回最終回とのことで何故かきちんとラブコメになってる!サプライズド!これくらいのバランスが実は一番好きだったりするんで次回最終回が惜しいな……とちょっと思ったんだけど、ぜんぜん進展せじ―――なラブコメは季刊ペースじゃさすがに辛い。月間かせめて隔月刊くらいじゃないと読んでるこちらが先に老衰するんでやっぱええです。玉置勉強「You'll never walk alone.」 久しぶりの講談社ですね。アルゼンチン帰りで代表候補の天才サッカー少女と「なぜか」つきあってるかな〜りさえないサッカー部補欠男子のお話。とは言っても物語の舞台はほとんどラブホの一室だったりするんですが。う――ん、なんともむつかしいんですけど、個人的にこういう会話+モノローグでほとんどすべてのストーリーを進行させてしまうような物語アプローチはちょっとズルいかな、と思ったりするのですよ。「Te quiero!」って台詞のページはすごくよかったんですが、そのほかのページでは漫画の画としてワンダーを感じる部分が少ない。台詞に画が従属されてる気がしてならないのです。と、小難しいこと考えてる脳に士貴智志「みんみんミント」が優しい(藁 漆原友紀「蟲師」第8話「雨がくる虹がたつ」。虹を入れて持ち帰るため、でかい甕を抱えて旅を続ける男の話。心の呪縛、そして人が生きるための動機、の話でしょうか。ラスト3ページが綺麗です。四季賞2001夏のコンテスト受賞作、番次郎士「毒々姫」。なんだこりゃ。すげえ話だな……エロだかSFなんだかよくわからない独特の世界観がちょっと気になります。山口貴由の影響が若干感じられるような気もしますが、なんとも不思議な作品で、オチの1コマはたいへんヤな感じでいいと思います。そんな感じ――。

01/08/10(FRI)

トーハイ

 なんとなく今まで読んだ麻雀漫画闘牌ベストバウトについて考えてみました。順不同でベスト5はこれだ!!

片山まさゆき「ノーマーク爆牌党」 満強位戦 ←bk1取り扱ってないんでやんの(;´Д`)
 片山作品は当然欠かせない。闘牌の濃さでいえばやはり「ノーマーク爆牌党」になる。クライマックスの達人位戦は当然大盛り上がりで闘牌的に見ても素晴らしいのであるが、鉄壁、茶柱、八崎、大介(笑)など登場人物の一人一人が見せ場を作って最終戦になだれ込むという構成がわかりやすすぎるという理由からここはあえてその前の満強位戦をベストバウトに挙げてみたいと思う。爆岡、鉄壁、茶柱、八崎というノー爆ベストメンバーで迎えた満強位戦決勝最終戦オーラス、トップ目の爆岡を追撃するべく3人がそれぞれに必死で逆転手を作り上げるところ、そして追い詰められた爆岡が必死でベタ降りするあたりの緊張感を描くことができる作家は片山まさゆきくらいであろう。素晴らしい。

福本信行「銀と金」 誠京麻雀
 「天」、「アカギ」などをさしおいて一般作からのエントリー。ツモを有効にするためには参加料を供託しなければいけない、局の途中でレイズアップが可能、金さえ払えば次の牌を合法でツモることが出来る、などポーカーのシステムを組み込んだ誠京麻雀のルールからして斬新である。負けた人間を庭の地下室で「飼い」、刺激を与えないまま放置して発狂させるなど、対戦相手であるところの蔵前の狂いっぷりも素晴らしかった。役満御祝儀、最終的に3兆だっけ?

作画:嶺岸信明 原作:山根泰昭「勝負師の条件」 2巻以降 ←これないのは無理ないけど……。
 けっこう古い作品なだけはあっていわゆるオカルトマンセー!な内容でリアリティはないんですが、闘牌シーンの出来は素晴らしく美しいと思います。
 2巻以降がポイント。1巻において物語の狂言回し的役割であった無敗の雀師・桂木から、1巻ラストにおいて桂木と死闘を繰り広げた同じく無敗の雀師・剣城へと視点が移動します。桂木に勝利したものの、それは自らのポリシーを歪めての勝利であったため現役を退いた剣城が、すさまじいツキの持ち主、克巳と出会い、彼に自分の持てるもの全てを叩き込み、再び桂木と合間見えるといった子弟成長物語へと作品が変貌するのです。前述したように、物語の一部として作りこんである闘牌シーンにリアリティはないんですが(特に克巳は凄まじいまでのツキ男という設定だし)、人間の成長を闘牌で見せるという試みがここまで上手くいってる作品をほかに知りません。出会い→成長→そして対峙までが見事の一言。カーテンコールともいえる桂木、剣城のけじめのノーレート対局も、静かに、そして熱くて素晴らしいです。入手困難な気がしますが、これはいいですね。名作です。

青山広美「バード 〜砂漠の魔術師〜」 バード vs. 蛇 全部
 これは結構最近だし、レビュ(1巻/2巻)もあるんでそちらを参考にしてください。
 実は麻雀してない作品なんですけど、そこに詰め込まれているアイデアの絶対量、そして見せ方など、歴史に残る作品だと思います。この人は絶対奇抜なアイデア生かした作品のほうが真価を発揮する作家さんなのだと思うのですが。

坂本タクマ「ぶんぶんレジデンス」 最終話
 ギャグならこれ。東北大学学生寮をモデルにしたダメダメ大学生マージャンギャグ。回転寿司方式の100人麻雀、フリテン1つにつき一幡アップ、赤入ってる牌全部ドラ(二十歳の献血ルール)など、奇天烈なインフレルール導入した麻雀ギャグとしては今後これを超える作品は出ないでしょう。今まで登場したルールが全て有効になり、しかも点数計算がリアル青天井になった矢鴨くん最後の逆襲 vs.一汁先輩最終戦オーラスにおいて出現した上がり点数はまさに天文学的数字で、青山広美「TOKYO GAME」vs.侍(藁 で登場した点数なんぞ比較にならないレベルのものでした。レートいくらかしらないけど、だいたい地球が余裕で買えるくらいの点数だったんでは、と思います。100桁くらいあったんじゃないかな?
 これコミックになってないんで、たいへんムッとしています。

 なんでこんなこと急に書いたかというと、原作:さいふうめい 作画:ミナミ新平「バサラ〜破天の男〜」1巻読んでたいへんに脱力したから。こんなの喜んで読んでる人間の瞳は曇ってるよ……。あいかわらず麻雀漫画には点が辛い。やっぱ、さいふうめい麻雀できない説って正しいのかも……と思いました。馬場民雄「トバクチ」に匹敵する何描いてあるのかわからん漫画でした。これはひどいよ……。

【単行本・小説】 田中啓文「鬼の探偵小説」 講談社ノベルス

田中啓文「鬼の探偵小説」 ……ナアニ……探偵小説ってものは大人のお伽話に過ぎないんだよ。大人は探偵小説を読んでオカカの感心、オビビのビックリ世界に逃避したがっているんだよ。良心とか、義理とか、人情とか、生活の苦しみとか、いうものには毎日毎日飽き飽きするくらい触れているんだから、そんなものにモウ一度シミジミと触れさせる普通の小説なんか、御免蒙りたいのだ。そんなものを超越した痛快な、ものすごいすばらしい世界へ連れて行ってもらいたがっているんだ。

 と、かの夢野久作先生もおっしゃっておいでなんですが、まさにオビビのビックリ世界でありました。

 不精髭にぼさぼさ頭、皺々のワイシャツに着古した背広、まさに風采の上がらない中年男を地でいくような男・鬼丸は忌戸部(いみとべ)署のヒラ刑事。
 そんな鬼丸がクビにもならずにやっていけるのはそもそも忌戸部署所轄内では事件らしい事件なんかめったに起きないから。
 しかし、アメリカで7年の警察制度研修を終え帰国した本庁勤務のエリート警部ベニー・芳垣が忌戸部署に研修に訪れた日から事態は急変する。まるで堰を切ったかのごとく猟奇犯罪が続発し始めたのだ。ベニーとコンビを組んで捜査にあたるのは「鬼」と呼ばれる男、鬼丸。なぜベニーはこんなうだつの上がらない男をパートナーとして選んだのか?
―――背後に潜む謎はフーダニットハウダニットホワイダニットのみならず。

 田中啓文の作風ご存知の方ならひょっとしてタイトルだけで内容が想像できてしまうかもしれません。ピン!と閃いた答え、それがくだらなければくだらないほど、それが正解である可能性が高まりますヽ(´ー`)ノ
 ミステリ的な構造で考えてみるなら、この作品はいわゆる二層構造になってるわけで、実際の犯人逮捕担当がベニー、そうでないもの担当が鬼丸、ちょっとだけ必殺シリーズのつくりをほうふつとさせる部分もあったりして。「許せぬ悪を………」という感じです。

 それにしても何がなんでも駄洒落なのね……とほとほと感服させられました。猟奇殺人だろうとなんだろうと平気で駄洒落で〆るからなあ。

「鬼と呼ばれた男」 鬼丸ミーツベニーのイントロダクション的短編。恐るべき力で惨殺したあげく、死体の右目と左目を交換するといった常軌を逸した連続殺人が昨日までは平和だった忌戸部署所轄で発生した。アメリカ帰り、警視庁警部兼陰陽師(;´Д`) のベニー・芳垣、そして「鬼と呼ばれる男」鬼丸のコンビがこの猟奇殺人に挑む!
 事件の発端、動機となった事件の設定がすさまじい。伝奇とかそういうの大好きっ子の田中啓文らしい設定というか。普通こんなふうにしないよ。設定の紹介的な意味合いが強く、パズラーとしては成立していない、が楽しい。

「女神が殺した」 飛び降り自殺目撃の通報が入るもそれらしい死体は発見されない、いきなり路上に飛び出してきた全裸の女性をひき殺した青年の目の前に謎の男が現れ女の死体から内臓のみを抜き取って逃走した、忌戸部署所轄で相次ぐ奇妙な出来事と曼荼羅教なる新興宗教の関係は?またまたコンビを組む羽目になった鬼丸とベニーが奇怪な事件に挑む!
 犯人当てにはなっていないものの(たぶん無理)奇怪な出来事一つ一つにきちんと論理的な説明が用意されていたり、けっこうミステリな感じ。でもやっぱり駄洒落だったりします。しかし、田中啓文作品に登場する女性ほとんど全員、 ひどく性格が歪んでる / ひどい目にあって退場する の二択だな、と思いました。

「蜘蛛の絨毯」 いきなりタイトルから駄洒落スタートで絶好調!蜘蛛館と呼ばれる奇妙な館で起こった奇怪な殺人事件。密室の中発見された令嬢は、口から糸をたらしまるで蜘蛛を連想させる奇怪な格好で息絶えていた。そして窓には「蜘蛛」の文字が……。
 蜘蛛に関する薀蓄満載の中篇。アリバイトリックやら何やらあってじつはきちんとミステリなんですが、エピローグの駄洒落落ちの脱力っぷり+嫌な感じ、こんなのなかなか無い気がします(;´Д`)

「犬の首」 書下ろし。わずか数時間のうちにミイラ化した宮司の謎に挑む鬼丸&ベニーコンビ。もし科学的に解明しようとしたなら真相は一つしかないと誰にでもわかる気がするのだが気のせいでしょうか。と、思ってると足元を軽く掬われたりします。

 とにかく読者を楽しませようとするサーヴィス精神に満ちあふれた作品集だと思いました。ただ唯一にして最大の問題点は、その田中啓文なりのサーヴィスをサーヴィスとして受け取ることのできる読者がたいへん少なそうなところなんですが、これはまあ、いつものことであります。

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