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01/09/01(SAT)
ロスト
いつも使ってるディスクマンのバッテリー入れるところの蓋がなくなって往生した。なんでこんなものをなくすのか。
普段はあまり気づかないものだが、これなくなるとほとんどの精密機器がほぼ無力化するんでは、と実感した。たいへん痛い。困りはてる。
もちろん使えないことはないのだけれど、振動でバッテリーが外れたりすると曲の途中で「……チュン」とか停止しちゃうのでたいへんストレスがたまるのだ。
おかげで今日はたいへんしずしずと歩いた。
Bk1、8月の売上は14冊。自分がレビュした作品がけっこう売れていた。
【単行本・小説】 牧野修「呪禁官」 祥伝社NON
NOVEL
呪禁官―――呪術と科学の融合したこの世界で違法呪法行為を取り締まるための査察官的役職である。県立第三呪禁官養成学校の一年生である歯車創作(ギア)は殉職した父親の遺志を継ぐため呪禁官を目指す若者。上級生の望月たちに目の敵にされながらも、落ちこぼれのルームメイトたちとともに訓練に励む毎日であった。
そんな彼らに魔術結社<月の花嫁>の首領、蓮見が接触をはじめる。蓮見の狙いは世界を支配できるという伝説の呪具のうちの一つ「プロスペロの本」だ。
そして、ギアたちが国際呪禁センターを見学に訪れたその日、それは始まった。世界をその手中に収めんと呪禁センターを急襲する蓮見。一方、同時刻、呪術根絶を目的に結成された科学者集団ガリレオの戦闘部隊である<ブレーメンの音楽隊>もテロ活動を開始した。
ただの候補生、呪禁官になることを夢見てるだけの若者たち、ギア、ソーメー、貢、哲也の四人は今や人類全体の命運を左右する魔戦に巻きこまれんとしていた。彼らは生き残ることができるのか、そして、世界は。
ひゃ―――、カッコいい!!
いつだって牧野修が書くものは最高だ。もう、結婚してください。
まず驚くのは、牧野修の小説に米田仁士のイラストがついてることで、ハイパー伝奇と銘打たれているもののじつは青春小説なんですね。どこまでも爽やかです。吃驚するくらいにストレートな少年グローイングアップストーリーで、若い人に読んでもらいたい作品。この作品がNON
NOVELSから出版されたの、そういう意味ではカテゴリーエラーなんじゃないかなあと不安になったりします。ぶっちゃけた話、牧野修版「E.G.コンバット」とかそんな感じのお話なんで、ヤングアダルトで出したほうが購読対象層としては合ってるのかもしれません。「呪禁官ギア 我が呼び声に答えよ天使」みたいなタイトルで富士見ファンタジアから出してもいいぞ(藁
奇天烈設定考えさせたらまったく牧野修は凄まじくて、この本でも呪詛における深層理論、つまりは古今東西あらゆる呪術に共通のOS(!)を設定することで魔術の大量生産を可能にするシステムなど、本当に素晴らしい。また登場人物もキレまくっていて、呪術優勢な世界をはかなみ焼身自殺を図るもかなわず、サイボーグとなってこの世に復活した元科学専門誌編集長、ロボエディター(笑)の通称<イヌ>だのたいへんカッコいい。
たぶんほとんど売れないような気がするし、あまり売ってない、Bk1にも入ってなかったりするこの本だけど、ぜひ読んでいただきたい。牧野修の紡ぐ物語の魔力は本当に凄まじいのであります。あ―――、もうカッコいいなあ。読もうと思って積読になってる小説やらノンフィクションやら、今の段階で30冊以上あるんだけど、それでも買ったその日に読み出して最後まで止まらなかったよ。
ふと思ったけど、牧野修も女性キャラについての造形いびつな作家だなあとか気づいた。この作品にもマッチョな女性しか出てこない(竜頭とネコ)し、2人ともキャラかぶってるんですよね。マンガカルテットでそこらへん上手いのってひょっとすると田中哲弥だけか?そういえば<ブレーメンの音楽隊>の面々がわりとあっさり物語から退場しちゃうのは分量的に削ったんだろうか、と思った。
【単行本・漫画】
伊藤伸平「素敵なラブリーボーイ」 少年画報社
あとがきで伊藤伸平本人書いてたりするんだけど、そもそもこの人に「ラブコメ」発注するってのもすごいな、と正直思って、だって素直に描くわけないじゃん、そんなの!
だからこの連載がアワーズLiteではじまった時、絶対に「素敵でも」「ラブリーでもない」ボーイの話になるのだとばかり思ってた。こんなタイトルわざわざつけるかよ!って思った。
でも、予想は見事に外れて、本当に「素敵なラブリーボーイ」だったよ。これはいったいどうしたことだ。
演劇部の黒1点として、パシリだの雑用だのお使いだのに日々東奔西走する高校1年生、通称サキの日常を描いた物語で、ラブコメなんだけど、ラブのパーセンテージはそんなに高くない、というかあんまりない。何も起こらない日常が淡々と描いてあって、それがたいへん気持ち良い。由也さんといっしょに花見場所取り(またパシリか)するところ、桜の花びらが舞い散る中でふたりがただ無言でいるシーンの静寂感なんかすごくいいです。眼鏡の部長、幼馴染のジンコなど(表紙の3人ね)脇を固めるキャラもすごくいいしな―――。
連載中、アワーズLiteの楽しみの3割くらいはこれだったかななあ。単行本にまとまってすごく嬉しいのでありました。
【雑誌】 近代麻雀 10/1 竹書房
なんといっても、みやわき心太郎(協力:堀達哉)「植物麻雀!!(後編)」でしょう。こんなヤバい漫画は久しぶりに読みました。こ、怖―――。「植物麻雀!!」?「地球少女アルジュナ」?さて、物語の筋はというと、木の供養をきっかけに植物の意思が目に見えるようになったOLが、処分待ちになってる倒木を救うために最強戦読者大会に出るというもの(;´Д`)オイオイ……。電位変化かなんかによって植物に意思らしきものが存在するのが観測されている、というのはライアル・ワトソンの本か何かで目にした記憶があるんですが、それにしてもなんで植物に麻雀がわかるの?しかも卓のそばにプランターなければ終わりじゃん!なんかもう、吃驚!!後半唐突に登場してオチまでさらう桜井章一といいい、もう、本当にどうかしてる!ページを開くのが恐ろしい漫画もなかなかないのではないでしょうか。なんじゃこりゃ、とにかくスゴイので読んでください。しかし2週間前に買った前号掲載の前編はいまだに読めてないのだにゃ〜。怖いから。デジタル・オカルトのオカルトってこういうこと?(違います) ほかは普通。「アカギ」、「牌賊!オカルティ」なんかはこれから先の展開どうするんでしょうね。偉そうに出てきてたマリオネットっていったい何だったんでしょう?真右衛門「少年ジャンブ」。面白い。神原則夫「西校ジャンバカ列伝 かほりさん」は単行本が11月17日に発売決定。初めての単行本は竹書房からか。ヘレンケラーとミサさんのウサギがけっこうよかった。
01/09/02(SUN)
ふつうのにっき
妹からメールが来ていて、そこには「歌舞伎町の火事と関係ないよね?」と書いてあった。関係なかった。「死んでないよね?」とも書いてあって、死んでなかった。
実家の母親からも電話がかかってきて、「爆発しなさそうなビルに行きなさい。爆発しそうなビルには近づかないこと」と言われた。爆発しそうなビルというのが具体的には思い浮かばないのであるが、点滅を繰り返していたり、裏のほうから導火線が伸びていて、しかもそれが着火されてたり、ボンバーマンが煉瓦の向こうから顔を出してるようなビルには行かないようにしよう、そう、心に決めた。しかし、いくら大惨事とは言えどもその場に居合わせることはなかなかにむつかしい。心配して電話かけてくるほどのことでも流石にないような気もした。
これは昨日の朝のこと。
今朝目覚めると体調は最悪で、全身酷くだるい。久しぶりに今日こそはコミティア行こうかな、と思ってたんだけど気分が萎えた。これはなんだろう、奇病かな不治の病かなと不安になる。よく考えてみたら昨日は夢中になっていろいろ本読んだりこのページの更新したり細細としたこといろいろしたりで1日が暮れたが、ご飯食べるのをまるまる忘れていた。24時間食べてなかった。だるいのも当たり前だ。出かける前のエネルギー補給として朝っぱらからロース焼肉弁当食べてビール飲んで気持ち良くなって寝て起きたらとんでもない時間だった。みりめとる(小田扉)の新刊には間に合いそうもないのですっぱりとあきらめてビデオに撮った「コメットさん☆」(しかも今朝の)だらだら見たりしてさらに事態を悪化させる。「風が吹いたら遅刻して 雨が降ったらお休みだ」という、まるでカメハメハ大王のような生活を送っていた高校時代の記憶がフラッシュバックする。でももう大人だからしかたなく出かける。
会場となる東京流通センター第2展示場に着いたのは午後1時過ぎであった。知り合いの人たちのところに挨拶に行ったり、いろいろ新刊買ったりして時間を過ごす。松明さんところの新刊「みるく☆きゃらめる」最終号の表紙が嫌がらせのように恥ずかしくてとても困る。新田さんのスペースにも挨拶に行く。新田さんも「みるく☆きゃらめる」読んでいて、唐突に新田さんが読んでいたあたり、後半で特集されてる「2001年上半期アニメ総括」とかの話題になった。「シスタープリンセス」の妹たちの顔、二人称(兄くんとか)、特徴、CVを一致させる前期試験問題(何の?)なんかを見ながらそのシスプリの話なんかをだらだらする。話が一段落して「みるく☆きゃらめる」閉じるととんでもない表紙なんで他の同人誌を上に載せてカバーする。またべつの話題になって(「コメットさん☆」とか)再び本を開く。閉じる。とんでもない表紙なのでひっくり返す。表1は上半身で表4は下半身なんで再び他の同人誌を載せてカバーする。(以下、限りなく繰り返す)そんな不思議な動きをずっとしていた。今日の「コメットさん☆」の話題で、「メテオさん★、ジョーズ手なづけてトローリングしてるんですよ〜まったく、何してるんだ、あの女は〜〜!!」と言ったら、新田さんのサークルの人に「メテオさん★の悪口を言うな!!」と叱られた。あいすみません。そんなことを40分も繰り返していたら、隣のサークルの女の子の眼差しがとても冷ややかなものになってくるのを感じた。冷・視・線!!しかし、いまさらどうすることもできないので ―――そのうちカーズは考えるのをやめた。
やがて飲み会。なぜか待ち合わせ前に回転寿司に行った。その寿司屋の同じネタ連続回転っぷりにはひどく感銘を受ける。鮪、鮪、鮪、鮪、メロン、鮪、鮪、鮪、鮪、メロン、海老、海老、海老、海老、メロン……である。ライン作業の寿司工場にバイトに来た気分であった。そして飲み会。1件目に入った居酒屋は筆舌に尽くしがたい酷さで30分くらいで退席する。ひどかった―――。その反動か、2件目のかなり良心的な店でやったら食べまくる飲みまくる。デザートを4種類も1人で食べてみたり、出鱈目なことばかりしていた。(酔ってるよりはむしろお腹いっぱいで)ふらふらになりながら帰宅。そういえば帰りのコンビニで「Oh!スーパージャンプ」を確保することをすっかり忘れていた。
どこの同人誌買ったかとかは面倒なんで書きません。
01/09/04(TUE)
【単行本・漫画】 川上弘美「蛇を踏む」 文春文庫
蛇踏んだら蛇が婿入りしてくる話だとなんとなく思ってた。多和田葉子「犬婿入り」とごっちゃになってた。
「蛇を踏む」、「消える」、「惜夜記(あたらよき)」の三篇を収録。
「蛇を踏む」
蛇を踏んだら女になった。部屋に居ついて「あなたのお母さんよ」とか言い出す。なんだ、だいたい合ってるじゃないか!
「消える」
家族が消えたり出たり縮んだりする。
「惜夜記」
十九章の断片からなる短編。そのそれぞれはつながってるようなつながってないような。馬になったり少女といっしょにいたりでっかい歌手がいたり海産物をぱくついたり少女と混じったりニホンザルが笑ってたりしまわれたりする。つまりは粗筋書いてもしかたない。
生物専攻した内田百フ(ひゃっけん)というイメージで、登場人物たちの状態変化、たとえば溶けたり気化したり縮んだりひょんなことから互いに混じったりが連発される。
これはたしかにどうカテゴライズすればいいのかとても困る作品で、物語の中に不意にあらわれるありえない前提、たとえば、「蛇を踏む」から「
秋の蛇なので動きが遅かったのか。普通の蛇ならば踏まれまい
」、そして「消える」に登場するありえない断定、「
団地と団地の間を吹きぬける強風によって、帽子や手荷物は見る間に遠く高く飛ばされて二度と戻ってくることはない
」などという強引極まりなく現実にありえそうもないルールメイキングが繰り返され、そのたび読者の思い描く世界ビジョンはまたたくまに崩壊させられ再構成される事はない、という点を考えると、幻想文学というよりはむしろシュール文学に属する作品なのかなあ、という気がします。ここにない世界の構築ではなく、言葉のつらなりがおりなす奇妙な感覚を楽しむための作品でしょう。
「惜夜記」には個人的にかなり衝撃を受けて、しかも
何かを書くのは大好きなのですが、ほんとうにあったことを書こうとすると手がこおりついたようになってしまいます。
からはじめる「うそばなし」に関する作者あとがき読んでさらにショックを受けた。なんというのか、俺の、俺の芸風がここに……もちろん、川上弘美のほうが百倍上手いので図らずも劣化コピーになってるがな―――!これからは別な感じで書かなければ。
「惜夜記(あたらよき)」の中では、5.ニホンザル冒頭のフレーズと15.キウイがとてもよかったです。
【単行本・漫画】
諸星大二郎「栞と紙魚子と夜の魚」 朝日ソノラマ
なんというのか、なんでもかんでも見なかったことにしすぎだな、キミたち……。
どんな摩訶不思議な事件が起こっても不思議でない胃の頭町を舞台に、栞と紙魚子の二人がが遭遇する奇奇怪怪な出来事を描いた作品。「……の生首事件」、「……と青い馬」、「殺戮詩集」に続く第四篇。
惨殺女流詩人、きとらさんがテンション高――い。
ちょっと目を離してるうちにとんでもないことが起こりそうで、実際死にそうになったり人殺しちゃったり食われかけたり料理されちゃったりする、まったくのっぴきならねえ状況なんだけど、「ま、いいわよ」とかであっさりすましたりしてて「え!いいの?」な相変わらずの展開。こんなヘンテコな味の作品は諸星大二郎ギャグ作品の中にしかないであろう。ホラーというよりは奇妙な話。ほとんどのカットに味があってじっくり見れば見るほど可笑しくてしかたなくなるので困る。どこまで本気で描いてるのかよくわからないんだよね。
【単行本・漫画】 天獅子悦也「むこうぶち」 4巻 竹書房
今一番面白いかもしれない麻雀漫画。
ここでいう麻雀漫画とは「麻雀が出てくる漫画」のことで、これはつまり、「ONE OUTS」って野球漫画でいいの?とか「泣くようぐいす」って野球漫画でいいの?(ダメです)とか「行け!! 南国アイスホッケー部」って(以下略)とかそんな感じ。
ちなみに、甲斐谷忍「ONE OUTS」(野球)←→青山広美「砂漠の勝負師 バード」(麻雀)と対応させるならば、ひょっとして細野不二彦「ビールとメガホン」(野球)←→天獅子悦也「むこうぶち」(麻雀)がある意味一番近いか?無茶苦茶かなあ。
この作品の主役は高レート麻雀という場の魔力に囚われた人間たちであり、彼らがやがてギャンブルの業火にその身を焦がし、自らの人生を滅ぼしていく様子を描くのがこの作品のメインテーマなのだ。この世界で無敵を誇る男、人に鬼と書いて傀(カイ)も実は彼らを地獄へと案内する御使い、物語の狂言回しに過ぎないのである。
そういうわけで主役な彼らが見せてくれる素敵なじたばた、たった一声で伝説となった江崎の「チィッ!」、佐野の「ポン!」、「イントロネーション」など素晴らしい台詞をじっくり楽しみましょう。ダメ社員と賭場の付け馬(取り立て屋)ヤクザのお話、個人的にすごく好きだなあ。あとは江崎のなれのはて。
【雑誌】 Oh!スーパージャンプ 10/1増刊 集英社
確保したぞ――という報告も兼ねて。じつはこれ買うまで何が載ってるのかぜんぜんわからない雑誌であった。高橋ゆたか「世界一さお師な男 伊達千蔵」ってここに掲載されてたのか。あと、巻来功士「迷宮魔術団」とか。この中では原作:浅田次郎 作画:幸野武至「天切り松闇がたり」の天才詐欺師話がくさいとしか表現しようがない演出ながら良かった気がする。ラストシーンよりは三菱銀行相手に2000円の詐欺働くところかな。単行本でチェックしてない(出てない)作品では後藤イチオ「美人物語」。どんなのか先入観ないまま読んだらオチでギャフンでした(藁 あと巻中カラー、小谷憲一「DESIRE -the best shot-」の脳溶けレベル、なんとかならないものだろうか。本編もひどい作品だけど、こ、これはひどすぎる(;´Д`) シ・ゲ・キ・テ・キ……!!じゃないよ、まったく。
01/09/05(WED)
ミステリ特集のはずが……
コミック売れまくりアニメの視聴率取りまくり映画の興行成績安定しまくりで向かうところ敵なしな「名探偵コナン」でありますが、「小学○年生」などで連載中の「名探偵コナン特別編(通称バッタもんコナン)」まで結構売れてて、やっぱスゴいなあ、と思います。ところで、そのバッタもんコナン、「名探偵コナン特別編」3,4,8,9,14巻の作画担当してる阿部ゆたか+丸伝次郎というのは実はロケット兄弟だったりして(画を見れば一発だし、まいとしろう(ex.舞登志郎)も「メジャーデビューへの道」で書いてた)びっくりします。
コナンはおいといて、今日は推理もの漫画の話。
映像化した瞬間に大爆笑の嵐になってしまうのがミステリというジャンルの弱み、という気がしてなりません。とくに本格作品、頭の中でいろんなシーン思い浮かべてみればわかると思うけど、たいがいそうであります(断言)
映画化された作品でいえば、バレバレじゃなく映像化するのは不可能な気がする「オリエント急行殺人事件」、こんな状況に呼び集められてる初対面の人間の言うこと鵜呑みにするなよ、な「そして誰もいなくなった」、うーん考えてみるとアガサ・クリスティ作品多いなあ。今まで観た映画の中で考えてみるに、市川昆監督「犬神家の一族」が一番笑った映画かもしれません。スケキヨ(白ラバー)、湖からニョキッと突き出た2本の足、菊人形に生首(藁 もう、最高―――!!エラリー・クイーン「チャイナ橙の謎」とか映画化してくんないかなあ、笑うから。
という感じで、元からある原作をコミカライズするのはたいへんむつかしい。そんな茨の道をあえて選択し、新本格作品を漫画化してるレーベルとして、サスペリアミステリーコミックが挙げられるんですが、これらの作品をいくつか読んでみました。他ではあまり取り上げられる機会も少なそうな作品たちであることですし、せっかくなんで軽く感想書いてみたいと思います。
【単行本・漫画】
原作:麻耶雄嵩 作画:風祭荘太「化粧した男の冒険 メルカトル鮎の事件簿」 秋田書店サスペリアミステリーコミックス
短編集「メルカトルと美袋のための殺人」収録作品を漫画化。表題作「化粧した男の冒険」を始め、「彷徨える美袋」「小人閑居為不善」「水難」を収録。
世界一の鬼畜探偵、メルカトル鮎と彼に玩具としていたぶられ続ける推理作家、美袋三条のコンビが事件を解決したり起こしたり見てみぬふりしたり(;´Д`)
するシリーズ。
メルカトルと美袋が若い!個人的に、メルカトル鮎についてはもうちょっとロシア系とか東欧系の顔のイメージで日本人ばなれしてる面持ち、そして流石に二人とももうちょっと歳くってると思っていたんですが……。これじゃ、美袋とか学生だよなあ。
よく考えてみるとマトモな方法で事件解決してる話がないな……、これは前述したように、銘探偵(変換ミスじゃないです)メルカトルが鬼畜すぎるゆえ、まっとうにのんびり事件解決するには辛抱が足らん、ということなんでしょうか。
ほぼ忠実に漫画化されているんで、とりもなおさずこれは麻耶雄嵩原作が面白い、ということに他ならないんですが、映像化してみることで収録された個々の短編群が(異様な形で)バラエティに富んでいることが浮き彫りになりました。エラリー・クイーンオマージュな「化粧した男の冒険」がまだマシなくらいで、あとは全部ヒドイ!
なかなか面白いです。
【単行本・漫画】
原作:二階堂黎人 作画:あさみさとる「薔薇の家の殺人
二階堂蘭子の事件簿」 秋田書店サスペリアミステリーコミックス
「薔薇の家の殺人」はじめとして短編集「バラ迷宮」収録の短編群を漫画化。
二階堂蘭子シリーズ、やっぱり設定に無理がありすぎ(;´Д`)
というのがよくわかりますね。ディクスン・カーだとか江戸川乱歩ら先人の作品の持つ怪奇趣味+本格推理という構成使って書いてるのはわかるんだけど、映像化した瞬間にそのトリック全て爆笑ものになってしまってる気がするというか。
原作でももちろんその傾向はあって(ちなみに短編集2つ以外読んでない人間であります。「人狼城」長いし……)、年代設定がいくら昭和40年代の小昔だったとしても怪人vs.名探偵みたいな話の展開はないだろう、とか思ってしまったりしますが、これはもちろん作品の欠点ではなく作風の問題です。これも原作に忠実に漫画化されていて、逆にそこが極まってなかったのがいけなかったのかも。e-NOVELS二階堂黎人特集で円堂都司昭氏が書いてるみたいに、もっと歌舞伎の様式美みたくド派手な演出使うとよかったのかもしれません。もっとも、ひとつひとつのトリック自体を取ってみると全部が全部「なんでこんな殺しかたしてるんだ?」みたいなド派手で得体の知れないものなのですが……。
「少女革命ウテナ」みたくビーパパスに映像化してもらうと面白いかもしれません。
01/09/06(THU)
遭難か?
「そうなのか!」ってばかり最近思っていて、じっさい僕が知らないことは世の中にあふれている。ほっておくと知らないままに老衰で死ぬ。消える。では、さようなら。
さいならしたらあかんあかん。
何が「そうなのか!」かといえば、こないだ書いた牧野修「呪禁官」についてで、たとえばペインキラーさんとこだと「朝松健の『魔術戦士』と『マジカル・シティ・ナイト』と『マジカル・ハイスクール』と『逆宇宙レイザース』を足して割ってバラバラにしたものを繋ぎ合わせ軽く油であげて出来たものに牧野スパイスをたっぷり振り掛けたような小説」とか評されてて、「え、そうなの!」 こと朝松健の作品群にかぎらず、伝奇ホラー関係の知識ぜんぜんないのでなんとかしたいなとずっと思いつつも今更どうすればいいのかよくわからない。とほほ。かと思えば、田中啓文さんとこの9月5日付けでは「全編ギャグとパロディの洪水で、私は冒頭いきなり大笑いしたあと、読み終えるまでだいたいずーっと笑っていました。レベルの異様に高いギャグ小説というのが私の認識ですが果たして作者はどう思っているのか」とか書かれてて、「え、そうなん?」 もう、おんなじ小説読んでても僕が見てるものとほかの方々が見てるものはぜんぜん違うわ―――。最近ずっと驚きっぱなしです。
ああ、二階堂黎人の作風が長編向けだってのは流石にそうなんだろうな、と思うんだけどやっぱり「人狼城」長いしな……。「聖アウスラ修道院の惨劇」は読みたいな、とずっと思ってるんでこちらから手をつけてみます。と、これは麻耶さんとこへのレス。
つーか、最近の読みかけ本の溜まり具合には正直腹に据えかねるものがあって「訴」とだけ記した書き付け片手にお上に駆け込もうと思ってしまう今日この頃であるが、とにかく長いよ!みんな!人を撲殺できる厚さのノベルスやら何やらは法で規制してくれ!凶器なんちゃらの条例とかでなんとかできんのか。
そういえば、別に厚くもないんだけどグレッグ・イーガン「宇宙消失」をここ2週間くらいかけて読んでて、ぜんぜんわからん!ただ読み終えるだけならすぐできそうだけど、観測者の問題やら波動関数の収縮についてがどうも理解できなくて、死ぬほど時間がかかっている。なんとなく自分の能力の限界を感じている今日この頃でもあった。
01/09/07(FRI)
つくもはじめ
片っぽしかない靴下がどうにも多すぎる!
付喪神になるほどには使ってないはずなんだけど、洗濯機が半分食べたのかなあ、それとも寝てるうちに垢なめみたいな妖怪が天井から降りてきてぺろり食らってしまうんでしょうか。もうちょっとしたらイングランドの田舎に引っ込んで旧家継ぐつもりなんですが、代々伝わる黒い魔犬の伝説と靴下の紛失となにか関係が……?!そんなのただの迷信だと思うんだけどね。
【単行本・小説】上遠野浩平「殺竜事件」 講談社ノベルス
今ごろ。
未読のままにたまっていく講談社ノベルスの山をなんとかしたい、というのがちょっとある。そして、プラス上遠野浩平読み期間。非常にくだらない理由からあとがき読みたくて、この人の本はほとんど揃えてしまった(ワイは阿呆や……)のですが、肝心の本編はまだほとんど読んでない。これから頑張るぞ。ちなみにブギーポップシリーズ読んだのはたしか3つで、初代、パンドラ、ペパーミントかな?ペパーミントはもう1回読み返したほうがいいかも。ほとんど忘れてる。デュアルから出てる「僕らは……」「わたしは……」については今読んでる最中であります。
と、こんな人間の感想というのをまず前提に。レビュは上遠野あとがき文体模写でぜんぶ書こうかなと思ったけど、労多くして(頭ぐるぐるする)しかもファンの反感買うだけ、という気がしたんで断念。無駄無駄。
「これってある意味アンチ・ミステリなんじゃないの?」という気がしてまず驚きました。
剣と魔法の世界を舞台に、神にも等しき能力を持った圧倒的な存在である「竜」を誰が殺したのか、という謎に挑む3人の男女の旅物語なんですが、これって(以下ネタバレ)、メーテルリンクの青い鳥じゃん?
クリスマスイヴの夜、貧しい木こりの子供達、チルチルとミチルは隣人のお金持ちの家のクリスマスをのぞき見しています。
そこへ、妖精のベリーリウンヌがやってきて、女の子のために幸福をもたらす青い鳥をさがしてくれと、頼みます。
こうして、二人は、夢と現実が錯綜する世界に入っていきます。
けれど、どれほどさがそうと、幸せの青い鳥は見つかりません。1年後、2人は家に帰ってきます。するとそこに幸せの青い鳥がいたのです。
チルチルミチル → ヒースロゥ、「ED」、そしてリスカッセの3人、幸福をもたらす青い鳥
→
調停のための「竜殺し」の真実。う――ん……。じつはかなり楽しく読んだんですが、月紫姫だのソーニャナーニャだのゲオルソンだのそこらへんの魅力的な人々はただ通りすぎていっただけのキャラだったのか……。あの旅は、旅はいったい……。
上遠野浩平、そんなにミステリに思い入れないんだろうな―――という印象で、こういうオチつけるつもりだったら普通旅はさせないなあ、という気がします。目の前にずっと置いとかないとラストのサプライズにはつながっていかないんだよね。麻耶雄嵩「鴉」とかと比較するとそのアプローチの違いが際立ちます。もちろん麻耶雄嵩のほうが圧倒的に濃縮還元1000%なミステリものであります。
なんというのか、不思議な作品でありました。
これから上遠野作品感想が連発するかも。
【単行本・漫画】 原作:清涼院流水
漫画:蓮見桃衣「エキストラ・ジョーカー / JOE」 角川ASUKA COMICS DX
民衆が蜂起する可能性があるゆえ、原作そのままに漫画化することは不可能だ!
そんな問題作、「ジョーカー -
旧約探偵神話 - 」ですが、清涼院流水自らオリジナルストーリーとして別シナリオを書き下ろすということで「エキストラ・ジョーカー」と名を変えてコミカライズされました。作画を担当したのは蓮見桃衣。ソニーマガジンズきみとぼくコレクションから「神異伝」、「無慈悲な女王は夜に囁く」を発表されてる方です。あとは桜桃書房からも。タイトルやら出版社やらからだいたい想像つくでしょうか。
まず思ったのは、画がつくとわかりやすいな―――!ということでした。JDCの探偵1人1人の顔がわかって(あたりまえだけど)面白いです。
あ、一応説明しておきますと、清涼院大説(否小説)の世界にはJDC(日本探偵倶楽部)なる組織が存在してまして、普通では手におえない難事件を解決するため、常時350人在籍する名探偵たちを全国各地津々浦々に派遣する、といったことが行われています。そしてそれら個々の探偵たちが自分独自の推理方法を確立してまして、たとえばそれは「集中考疑」だの「彷徨探知」だの「神通理気」だの「傾奇推理」と呼ばれてます。まあ、とんちとかなんとなくとかそんな感じ。
京都市郊外にヨーロッパの古城をそのまま再現した幻影城なる館で合宿中の推理作家が殺害され、現場に「芸術家(アーティスト)」なる人物のメッセージが残されていたところから事件の幕は上がります。「四大ミステリ」だの「ノックスの十戒」だの「ヴァン・ダインの二十則」だの「推理小説の構成要素三十項」だの、そこらへんがすっぱり無くなっててずいぶんあっさりとした連続殺人になってしまってるのが不思議なんですが、たぶん忠実に漫画化したところで誰もついてこれないし、ラストのオチとかそのままやったら角川書店が焼き討ちにあうので、シンプルにしてしまったのはまあ仕方ないといえるのではないでしょうか。もちろん濁暑院溜水も登場しません。
竜宮城之介が若くて可愛らしかった(←の表紙がなんと竜宮。嘘!)のと、なんか主役に抜擢されていた事にとにかく驚きました。JDC探偵マル秘ファイルという巻末オマケがついてるのですが、原作にいない探偵がものすごく適当にいっぱい載ってて、たとえば市村節子(ミタ探偵)だの碇屋シンジ(キレる探偵)だの八王子光(つるつる探偵)だの、もう、いい加減にしろ!!
しかもJDC探偵の募集までしてるよ!なんかキン肉マンの超人募集みたい!!「あなたもJDC探偵になっちゃえ!!」だって!なるなる!いれていれて!!してして!!
優秀者30名が「エキストラ・ジョーカー」下巻に登場できるらしいよ!みんな、応募しようぜ!
01/09/08(SAT)
つれづれくさ
「ボボボーボ・ボーボボ」の笑いって、故フォークダンスDE成子坂の笑いにかなり近いような気がしていて、たとえば「鼻毛真拳」のくだりは「砂場で子供がしらないおっちゃんとよくわからん競技はじめて理由はわからないけど勝つコント」(説明むつかしい)、ボーボボボ・ボーボボがいったい何者なのか、なんで中からいろんなものが出てくるのか、のあたりは、桶田が落語の師匠、村田がその弟子に扮し、前半まっとうに桶田が説明した落語表現(肩を揺らして歩く、扇子の使い方など)を後半でぜんぶ崩して(誰か知らない人が急に話に加わってきたりする。怖!)、それに村田がツッコみまくる「落語」に近い気がしている。一見お決まりのパターンのように見えるそれを完膚なきまでに崩しまくるあたりが。解散しちゃったけど、今の若手でフォロワーみたいな存在っているんでしょうかね。
舞城王太郎の新作、というか講談社ノベルス新刊もう出てるんだ。買いに行こう。「煙か土か食い物」感想書いてから読もうと思ったのにな。石崎幸二ってどうなんでしょうか。地雷っぽくて手が出せないでいるんですよね。なんだか買うべきものがいっぱい出てるような気がしてます。「エイケン」とか。
こういう、モノ・モノ・モノって感じの日記ってどうかと思う。もっともっと内省的な、センシティブな、自己の内面を掘り下げたような日記を書こうと常日頃から思ってるのだが。よーし、今日は書くぞ――!心の底にある思い、きらきらと輝くような純粋な気持ちを、今、呼び起こそう!
………………………(データ検索中)………………………
「 該当するデータは見つかりませんでした 」
【OVA】 エイリアン9 vol.02 「退屈 宇宙船
過成長」 バンダイビジュアル
ふえええええぇぇ(泣)。ずっとずっとおびえっぱなしなゆりちゃん萌え〜。
AT-Xの先行放映で観た。OPとED曲、第1話では3人一緒に歌ってて、この第2話では両方それぞれくみちゃんが歌ってるバージョンになってる。全4話構成であと2回、かすみ、ゆりの順番でバージョン変えるんでしょうね。EDの「rebirth」って曲がすごくカッコいいです。なぜか3バージョン持ってます(笑)
エイリアンにとり憑かれたクラスメート3人に狙われて、ゆりちゃんが「ふえええぇ、怖いよ〜」って涙浮かべて逃げまくるってお話(藁
なんだけど、エイリアンついてない授業中とかにも意識されて「あの3人 また、こっち見てる。困るよ――」だって。萌え。たぶんCG処理されてるドリルのカットなんか縦横無尽に飛びまくりで1話目よりハードですごいかも。涙やらエイリアンの体液やらでゆりちゃんの顔面べちょべちょになっててヤバいなあ。冨沢ひとし作品の何たるかを完璧にわかってる感じですな。えらい!これでもかとばかりにどうでもいいCMテロップ流しまくるAT-Xえらくない!萎え。

【雑誌】 近代麻雀オリジナル 10月号 竹書房
片山まさゆき「スーパーヅガン!アダルト」。まだまだ明菜ちゃんは出ないのね……という感じで今月はヤス登場。あれ?なんか成功してる……。なんかしらんけど中国で強制労働中の井出プロ(ええのか)呼びよせて、豊臣、信太郎、ヤス、井出プロで卓立て。やっぱレギュラーメンバーそろってくると面白いね、って、「牌賊!オカルティ」の向かってる先が読めないぶんだけ意外とコッチに期待(藁 沖本秀子「Bluff
- ブラフ -」。最終回。なんか女の子が急にいないも同然になっちゃったな(;´Д`)
エンディングにも出てこねえ。ところで迷走する本編のかわりにコッチが好調、な、本そういち「麻雀新世紀 赤の伝説」。「愛人」ペナルティかかったご祝儀麻雀。女子大教授の魔の手からキョマキちゃんを守れ!編の後編。つーわけで西とゴローちゃんが女装して女子寮に潜入してるんですが、なんで誰も気づかないんだ!?こんなに雄雄しい麻雀打ってるのに(笑) よく考えると本編に女の子ってもう何年も出てないんじゃないの?そんな感じで女の子乱舞なこっちのが面白いんでした。オチはギャフン!ところでこの2人は何のために全国行脚してるんだっけか?北村永吾(監修:村木昴)「鴉の城」。ギャンブルの泥沼にはまりこみ、破滅へと突き進む男たちの顛末を描くドラマ、と書くとわかると思うけど、オリジナルでの「むこうぶち」ポジション的作品。面白いです。黒咲一人「代打ちサラリーマン龍太郎」。「サラリーマン金太郎」みたいな作品です。オワリ。「何を切る!?2001」。先月の問題の読者解答、マジョリティはダントツでドラ四萬のアンカン(40%)だって。マジ?みんな元気いっぱいすぎるよ……。ちなみに僕が選択した四筒1枚外しはわずか8%でやんの。次回の何切る↓はけっこうむつかしい。萬子で3面子つくるには四七萬がもう1枚必要になるしなあ……。八萬頭固定でドラの九萬てばなしてもそんなに問題ないような気もします。先に六筒引いてイーペイコー確定すればリーチで満貫だしね。ドラ使い切れるいい形がそんなに思い浮かばない。
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ドラ:![]()
【雑誌】 ビッグコミックスペリオール No.19 小学館
巻頭カラー、星里もちる「本気のしるし」。よく考えてみると、こんなあからさまに足絡ませてなベッドシーンこの人が描くのってはじめてなのかも。「今までの 女の人と、 全然 違う。」 違っちゃったらヤバいよね―――。最新刊3巻もそれなりに売れてきてるような気がする。こんなどろどろなのに、いいのかな。愛は逃走……だそうです。原作:久部緑郎 作画:河合単「ラーメン発見伝」。今回出てきた「麺砦」の主人、なんだかすごく正直だな……。営業時間内に自分の店で勝負したあげく、「小学生の作ったラーメンのほうが俺のより美味い!」とか叫んでる。そりゃ店の客ビックリだわ。店閉めて当然だわ。なんだかんだいって料理漫画の中ではコンスタントに面白い連載だと思います。ところで他誌なんですが、ヤングジャンプ連載中の「華麗なる食卓」がちとまずいなあ、と思う点はどんなカレー登場しても頭の中で思い浮かべる味のバリエーションが毎回ほぼ同じになってしまう点かな。「辛いんだろうな……」くらいしか想像できないのは僕だけなんでしょうか。まだラーメンのほうがバリエーションあるつーか。原作:秋月戸市 作画:吉本浩二「こまねずみ常次郎」は見事に「カバチタレ!」と明暗分けてるというか。同じようなシチュエーション読みくらべてみればわかるけど、やっぱ「カバチタレ!」の人のほうが漫画上手い。原作:花村萬月 作画:さそうあきら「犬・犬・犬」は本当に3人の再生漫画になってるので驚き。しかし1ページ目の佐和子と道夫、死んでるのかと思った(藁 原作:大西祥平 漫画:高橋のぼる「警視正 大門寺さくら子」。なんだこりゃ。
01/09/09(SUN)
タイトルがおもいうかばない
麻雀したり、酒飲んだり、爆睡してたりしたら土曜日が終わってて日曜日の午前中もなくなった。
最近達観してしまったようで麻雀で何が起こっても驚かない、たとえ親の倍満振っても心に何の動揺もなく、にこやかに24,000点払う。配牌で2,000点が見えていたら慌てず騒がず静かに2,000点あがる。右の頬を打たれたら左の頬もそっとさしだす。そんなんじゃ勝てやしね―――!ずっと3着ばかり。下荘にいた人間がずっと五月蝿くてげんなりした。雑談したいから麻雀してるわけでもないからなあ。
「あずまんが大王」3巻レビュどう書いていいのかわかんね―――。
井上雅彦監修「異形コレクション 玩具館」に収録されてる竹本健治「フォア・フォーズの素数」ってすごくない?4という数字を4つ使って100までの自然数をすべて作る、といったことをえんえん綴った短編小説で、たとえば、(4+4)÷(4+4)=1といったもの。最初は四則演算だけだったのがしだいに、ルートだの階乗だのコンビネーションだのを使うようになっていく。新しい知識を学ぶと同時に数学の美しさに心を奪われていく少年の心情描写が素晴らしい。うっかりとあっさり読んでしまったのだが、じつは1ヶ月くらいかけて実際に同じことをしてみる、というのがこの短編の正しい読み方かもしれない、と感じた。
ところで、田中啓文「救い主」のメインともいうべき駄洒落をいきなり井上雅彦が冒頭文でばらしてしまっているのはいかがなものかと思った。こういうものに田中啓文がどれほど心血を注いでいるか、ということがまるでわかっていない。まったく、芸人殺しの天然とはこのことである。プンプン。もうちょっと読んでから詳しく書きます。
【単行本・漫画】 うすた京介「ピューと吹く!ジャガー」1巻 集英社
新作は久しぶり。
ミュージシャン志望の熱き若者、ピヨ彦(清彦)は今日もオーディションを受ける毎日さ!(ヘンな日本語) そんなピヨ彦(清彦)の前にピューと吹く男が現れた。縦笛持参であらわれたその男のプレイはたいそう心に響いたが、無駄だった(ギタリストのオーディションだから)。ジャガーと名乗るその男はたびたびピヨ彦(清彦)の前に現れて、さいしょはいやだったけど、さいごはどうでもよくなった。一緒にくらしはじめた。ピヨ彦(清彦)はダメになった。
やはり、たいそう面白い。とても、面白い。
普通な子がヘンな子とかかわってくうちにダメになる、といういわゆるうすた京介共通の構造を持ってる作品で、「ガビ――ン!」、「危ねぇ――!!」、「だばだばだば」もあいかわらず。毎号8ページくらい連載ということで、ジャンプの中ではいわゆる箸休め的ポジションのギャグ作品なんだろうが、1冊にまとまるとやはり強力だなあと実感させられる。
けっきょく、すべての大前提が間違ってる作品で、ほぼ全員ボケといっても過言ではないんだけど、ピヨ彦(清彦)という中庸なつっこみキャラが「ガビ――ン」しまくることで作品に1本筋が通った感じになっている。また、ピヨ彦(清彦)が流されがちなところもよい。
ほかの登場人物としてはヒップホップ術の忍者教師(NARUTO?)、エンプティー浜がたいそう良くて、「なんとかだYO!」とかヒップホップ語(?)使いまくりなのにあからさまに忍者で、手裏剣のことを「ヨーメラン」とかいってるのには大爆笑した。またヨーメランの思い出ですべて眉間を割られてるのもたいへん素晴らしい(死んでるYO!)。
ただ、第18笛に登場したセーソームーンとかいうのはたいへんつまらなく、この回だけ破り捨てたいほどにレベルが低い。じつはうすた京介も自らのギャグについていろいろ悩んでるんだな……と思った。ハマーがしめてるところだけがよい。
そういえば、この人が単行本表紙によく描くなんだかよくわからない風景はたいへんに好きである。
【ANIME】 コメットさん☆ 第3話〜第6話 東宝・日本アニメーション
登場人物が出そろってきてたいへんほのぼのマターリと素晴らしいエピソードが続く。
第3話「星のトンネル」
ケースケとの出逢いエピソード。しかし、まだ若そうなのにヨット持ってたりママの店がどう考えても道楽以外でありえない藤吉家ってけっこうスゴイ。なんの躊躇もなく海上を滑走するコメットさん☆とコメットさん☆追跡で海を割る(;´Д`)
メテオさん★にはビックリ。星力足りなくなって溺れてケースケに助けられたあげく、「いけないわ、およしになって、そのようなこと」、なんで時代がかっているのかこの娘は……。
第4話「わくわく動物園」
ギャグエピソード。つよしくんねねちゃんの遠足保護者として遠足についてくコメットさん☆。パニっくんの家って音楽関係なのか?「メゾフォルテおちつくんです〜」、「ゆっくりはアダージョ〜」 コメットさん☆の存在についてそんなに誰も疑問に抱かないのが不思議やな〜。王子様探しにやっきのラバボーと喧嘩したあげく動物園サル山におきざりにして帰るコメットさん☆。ラバボーってやっぱ玩具であった。結論はなんだろ、幼稚園児=動物?
第5話「ゆっくり王国作り」
裏山に畑まである藤吉家。なんというのか、アクティブだな〜。「聞こえないかい、生き物たちの声が」 「木です」 「花です」 「雑草とよばれています」 ここは笑うところなんだろか?畑仕事まで手伝うケースケ。藤吉家べったりやね。コメットさん☆の星力安直利用はあいかわらずでなぜかメテオさん★に助けられたりする。あれ?
第6話「お店に置くもの」
「困ったわね〜困ったわ〜」 やっぱどう考えても趣味でやってるとしか思えない藤吉家ママのお店。心がこもってるから捨てられないといいつつ、メテオさん★の買占めにはなんとも思わないんだろうか?流木を餌に瞳に輝き宿す者罠にかけようとするけど、王子様じゃなかった。「たいへんだね お互いに」 ムークとラバボー、ふたりでマターリの2ショット、なかなかに笑える。わりにアバウトなコメットさん☆の後フォローするメテオさん★なんでした。そんなふうに持ち帰らなくても〜。






【単行本・漫画】 松山せいじ「エイケン」1巻 秋田書店
たいそう禍禍しい。
私立ザッショノ学園(…)。なんの取り柄もない転校生、三船伝助は、あまりに影が薄いゆえ部活の勧誘すらされずにひとりトボトボ。そんな幸薄そうな彼のもと、謎の美少女軍団がコンタクトを開始する。謎の部「エイケン部」に無理矢理入部させられた伝助の、明日はどっちだ!?
12人の妹との同居生活がいきなりはじまる「シスター・プリンセス」しかり、学校の女教師5人が家に帰るといきなりママになってる「Happy Lesson」しかり、萌え設定に理屈なし!というのは既に明らかになってしまってることなんですが、それにしてもこれはスゴい。
しいていうならば、「『ビックリ人間大集合』見せられて、これに萌えろっていわれてもなあ……」、「ジーザス、あなたはこれに萌えろとおっしゃるのですか」といった心持ちで、たいそう、辛う御座います。だってさあ、三国志に出てきそうな、世が世ならひとかどの武将として名を残すだろう身長3mは余裕でありそうな女(霧香)だの、バスト111cmの小学生(小萌)だの、巨大コンツェルンの後継ぎでしかも雑疑団少女(鈴)だの、パワードアーマー駆る科学少女(京子)だの、クマの着ぐるみの中の娘(…?)だの、なんだこりゃ?
萌えの属性方程式として考えてみるならば、たしかに男勝り、眼鏡っ娘+巨乳、財閥のお嬢様+チャイナ服、マッド・サイエンティスト、マスコットと、そんなにまちがってない気もするんだけど、やはりまちがってて(断言)、物語の中のシチュエーションすべてが唐突かつ無意味でシュールすぎるよ!「そもそもエイケン部とはなんなのか」という非常に根源的なクエスチョンはともかくとして(ええのか)、「なんで風が吹いたのか(パンチラ描きたかっただけだろう)」、「なんで料理教室なのか」、「部活勧誘でなんで人間大砲なのか」、「なんで女装してるの?(霧香が届けりゃいいだろ)」、なんで?なんで?なんで?
また、そんな常人の理解の範疇を超えたさまざまなイベントにたいする伝助の反応がトゥーマッチストレートだったりシュール極まりなかったりすぎるんだよ!伝説になったヒトコマ「でかっ!!!」とか、「な……なんだコレ……? ウォーターベッド?」とか。どうしてそんなことを思うのだこいつは。
と、ここまで書いて気がついたけど、正統派ヒロインであるはずのちはるがまったく印象にのこってないのが驚き。死なない程度の毒が入ってないと「エイケン」の世界では逆に生き残れないのだろうか。
あと、液体のカットすべて参考資料としてぶっかけ系のビデオ使ってるのかな、と思った。液体の粘度が高すぎるんだよ!
01/09/10(MON)
部屋
↓の「煙か土か食い物 Smoke,Soil or Sacrifices」が見つからなくて、布団の周辺の本だけ片付けたら未読の文庫本だけ(漫画/ハードカバーは除く)だけで高さ3m近くになっていささかブルー。もちろん3m積み上げてるわけではないけど、こんな部屋はもう、誰にも見せられない……。住んでる俺がいうのもなんだけど、たいへん恐ろしい。地震があっても火事が起きても確実に死ぬ。ここが俺の墓標だ!
【単行本・小説】 舞城王太郎「煙か土か食い物 Smoke,Soil
or Sacrifices」 講談社ノベルス
新作「暗闇の中で子供 The Childish Darkness」読んでる途中なんで、先にこっちを書いておく。
アメリカはサンディエゴで救命外科医として働く奈津川四郎の元に凶報が届く。主婦連続殴打生き埋め事件の被害者の一人となった彼の母親が意識不明の重態だというのだ。地元・福井は西暁へと舞い戻った四郎は母親の敵を取るため独自の捜査を開始する。
と、あっさり書くとずいぶん普通の小説みたいに思えるだろうが、少なくとも普通のミステリではない。ノベルスでは珍しい一段組使って、読点(、)ほとんどなし、会話以外の改行もほとんどなしに綴られた文章の疾走感は正直ただごとではなく、血と暴力にまみれながら駆け抜けていくように感じられる。「密室?暗号?名探偵?くだらん、くたばれ!」と書かれたキャッチコピーが示すとおり実際いろいろくたばってて(笑)、このジャンクな文体やあからさまに本格ミステリを馬鹿にしたような暗号、密室トリックから好き嫌いがたいへんにわかれる作品なのではないかと思われる。
と、書いてはみたが、「ジャンク文体が合わない」、「暴力描写がダメ」とかそういう部分でこの作品を敬遠するならともかく、「密室トリックが……」、「犯人解明のカギが……」とかいって批判しても詮無い気もする。出版されてから半年たつからネット上でいろいろ書評は目にしてるのだが、60ページの段階で登場する犯行現場の規則性、そしてそのすぐ後に登場する世にもくだらない暗号みた瞬間に「あ、この本はそういうものなんだ」と理解しておくべきな気がして、作者である舞城王太郎自身が「はい、これはパズラーなんかではありません!べつな部分でお楽しみください!」って教えてくれてるも同然なので。その時点であきらめるべきだろう。ある意味じつに親切設計な作品だ(藁
むしろこの作品の主題となっているのは暴力渦巻く奈津川家の「血」、すなわち「血族」、「家族」についてであり、これは奈津川家の血を巡る闘いの物語なのだ。ここで浮上するのはもう1つの謎、14年前、密室状態の三角倉の中から奈津川家次男の二郎が消失した事件であり、連続殴打事件の陰に「移動式地獄」なる異名を持つ男、父親である丸雄の虐待によって類いまれなる暴力性を秘めた少年として育った二郎の姿が見え隠れする……といった感じ。つまり物語が家族の外部(一般的にみて犯人がいそうなところ)と内部(二郎、いやその他の誰か?)で揺れ動いてるようにみえるところがたいへんに面白い。個人的には冒頭、サンディエゴのシーンでの文体こそ暗黒小説(ノワール)風であるけれど、西暁に戻ってからのシーンはどちらかといえばダークな戸梶圭太に中上健次が憑依して酔っ払ったあげく紀州サーガ(「岬」、「枯木灘」、「地の果て 至上の時」)の続きミステリで書いてみた感じ、という気がしている。自分で書いてみてどうかと思うが、わかる?
とりあえず「論理的に犯人導き出せなけりゃミステリじゃないやい」という人は手を出さないほうが無難でしょう。このひとの作品の魅力は一見ジャンクなもので組上げられてるように思える物語が思いもよらない輝きをみせるところにあるのです。妙に心をとらえてはなさないガラクタ細工、といった感じでしょうか。
「暗闇の中で子供」ですが、はじまってすぐのところに本作の犯人の名前と事件の経過がばっちり書かれてるので、こちらから読まないと流石にあかん気がします。正直、トリックだとか犯人だとかにウェイト置かれてない作品だと思うけど、それでもやっぱりねえ。
【ANIME】 コメットさん☆ 第24話
「タンバリン星国の姉弟」 東宝・日本アニメーション
イマシュンの街頭ライブ聞いてなごみ中なコメットさん☆とラバボーラバピョンけもの2匹。ふと物陰に目をやると、そこには涙するお下げな眼鏡っ娘の姿が!なんとなく追跡してみるコメットさん☆。彼女はなんとタンバリン星国の人間だった!失踪した王子を探すために地球へと派遣された少女ミラとその弟カロン、慣れない地球の生活により心身ともに疲れ果てたミラはコメットさん☆に助けを求めに来たのであった。一方メテオさん★のもとにはあの謎のバイク男が出現、一本釣りの要領でバイク男をお縄にしてみるメテオさん★でしたが、逆に引きずられて(当たり前)とんでもないことに。タンバリン星国の姉弟とこのバイク男の関係は!?
もうラバボーとラバピョン、隠そうともしてないな……。盛大に送り出してるわりには滞在先だのなんだのまったく用意しないのね、とか、捜索隊なのになんで学校行くかな(大人が来い)、とかいろいろあるけど、なんとも盛りだくさんで展開の予想がつかない回でした。メテオさん★の「シュテルン」も久しぶりに聞けたし。しかし「呪文省略」には「そりゃね―よ―」とみんなが思ったはず。ヒゲノシタなんぞのを用意して、かんじんのメテオさん★変身カット作らんとは何事ぞ。しかしメテオさん★、最近妙にいい役もらってるな、正直今週の見て星国束ねる人間としてはコッチかな?とか思った。3つの星国を強力に統治しそうだ。友達ができないとか一時期悩んでたらしいが、コメットさん☆もべつに友達多いわけじゃないしな〜。むしろ下僕が3人いるメテオさん★のが強固なコネクションを地球で築いてるような気がしないでもない(笑)。なぜか居候キャラがもうひとり増えて、まさに来る者拒まずだな、藤吉家、と思った。




【単行本・漫画】 あずまきよひこ 「あずまんが大王」 3巻 メディアワークス
やはりあんましかくことない。
ネタだけ抽出してみるとそんなことはぜんぜんないし、あえていうなら木村の存在くらいなんだけど、なんでこの作品がオタク御用達みたいないわれかたされにゃならんのかは非常に不思議。
たしかに掲載誌電撃大王だし、雑誌としてみたときの購買層はそんな感じなんだろうが、実際刷りをめちゃめちゃ重ねてるこの状態でもまだそんなふうなんだろうか?
強力な笑いをとるというよりはどこかにありそうな(でも本当はない)ほのぼのボケツッコミ学園生活を切りとって4つ並べたような4コマ作品で、ネタの題材となってるものもものすごく普遍的なそれだし、再読性に優れてるというのもそういう戦略でやってるからだと思うんだけど、一般の人にどれくらい受け入れられるのか、ってのはぜひ聞いてみたい。こと漫画に関しては、とっくのむかしに普通な感覚はなくしてしまったと思ってるんで正直わからないのです。
しかし、ビックリするくらいに男子が描いてない。共学だと思ってない人も多いのではなかろうか。そういえば、新キャラ登場させたりNextジェネレーション引継ぎしたりしないまま3年に進級させたのはものすごく評価しています。
カラー口絵のちよちゃんは持つところが微妙にちっちゃいんで一瞬「誰?」とか思ってしまいました。
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