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comic さくいん

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小田扉「(被)警察24時」
magazine さくいん(更新停止中)

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連城三紀彦「戻り川心中」
今年読んだ小説作品総括
コニー・ウィリス(訳:大森望)「航路」(上・下)
novel さくいん

etc.

オーバーマン キングゲイナー 第15話「ダイヤとマグマの間」
第3期ギャラクシーエンジェル 第23話「重々焼き肉食べ放題」/ 第24話「ギラギラガーンのミックスジュース」
映画「火山高」
第3期ギャラクシーエンジェル 第25話「ポンコツラーメン替え玉有り」 / 第26話「おしまくり★おしるこ」


 2002/12
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02/12/22(SUN)

■book【単行本・小説】 連城三紀彦「戻り川心中」 ハルキ文庫 [bk1][amazon]

連城三紀彦「戻り川心中」  不勉強なことに今まで未読だったのですがたしかにこれはすごい。情緒にあふれた瑞々しい男女の恋愛を描いてるふりをしながら、それらすべてをラストでひっくり返してしまうという連作短編集。強烈な幻惑感にくらくらきますが、しかし連城三紀彦、性格が悪いとしか形容しようがありませんね……

「藤の香」、「菊の塵」、「桔梗の宿」、「桐の柩」、「白蓮の寺」、「戻り川心中」、「花緋文字」、「夕萩心中」、題材として花を取り上げた「花葬」シリーズ、8篇を収録。

 色町で起こった連続殺人の真相を巡る物語である「藤の香」については、ミステリーと恋愛の結合というシリーズ当初に設定した作者の狙いどおりであろう作品だといえます。しかしながら、シリーズ後半へと近づいていくにつれ、作品の中のミステリ要素は読者に対する衝撃度をいや増さんとばかりに暴走していって、事件の真相はどんどん身も蓋もないものへと近づいていく。それは精巧極まるジオラマをその上に作り上げた後、おもむろに卓袱台をひっくり返す感覚に似ています。
 情愛や嫉妬などといった人間の情念を描いて見える物語が不意に破れて、その中から機械仕掛けが顔を覗かせるような、そんな印象を受ける作品ばかりで、普通の作家が書いたならその歪な構造がほの見えてしまうところを、卓越した文章力で装飾して恋愛ものとして無理矢理に仕上げてしまう強引な力技というか。

 なるほど、あの作品の元ネタはたぶんこれだったのだな……と思う、ホワイダニットの傑作「桔梗の宿」、同じく、そんな理由で! という「桐の柩」、あまりの真相に頭がくらくらする「白蓮の寺」、日本推理作家協会賞受賞はだてではない「戻り川心中」、ひ、ひどい、ひどすぎる……な、「花緋文字」が特に印象に残りました。「白蓮の寺」、「戻り川心中」、「花緋文字」の3作は古今東西のミステリ合わせた中でも傑作に認定される出来だと思いますね。素晴らしい。マニエリストに徹したこの人のスタイルはかなり好みですね。

02/12/23(MON)

○【ANIME】 オーバーマン キングゲイナー 第15話「ダイヤとマグマの間」 (→公式

 それにしても楽しいなあ。なんかまた濃いのがひとり出てきた。

 神がかり動画が見られた前話「変化ドミネーター」(→感想)の後なので息切れしちゃうかと思いきや、結構大丈夫、というか……意表をついたエピソードでありました。ネットでアポとってシンシアとのデートに臨む青少年ゲイナーくんのお話。あのサンドウィッチマンみたいな格好はなんなんだろう? 画面に登場するたびに乳が揺れるアデット先生と同じく揺れないサラさんがコンビ組んで後つけてみたりする。心底面白がってるアデット先生とは対照的に「あいつめ〜」とか思ってるサラさんの表情がええですね。 と、いってるうちにまたも出てきた濃すぎキャラ、カマ部長ことカシマル・バーレ@藤原啓治と接近遭遇したりする。なかなかの策士みたいで、こういう味のある中年役やらせたら藤原啓治はすごいですね。ゲイナーくんの到着ゲーム感覚で待ってるシンシアさんのベロが妙にエロかったりもします。普通に食べればいいのに……
 関係ない複数エピソード同時並行させながら物語を進行させるのはいつものことで(前回のママドゥ先生とリュボフ嬢の恋ネタはは必要なかった気もしますが……)、シンシアとの初デートのため、都市ユニット右往左往するゲイナーくんの活躍(?)の裏で、自ら穴掘りオーバーマン駆ったカマ部長の作戦が発動して、みたいな展開。キングゲイナーのオーバースキルはどうもその場その場の思いつきのような気がしてなりません。 「キングコールド!」 なんにでも「キング」つければいいと思ってるだろ! 「私が予定したダイヤを乱すものは潰しますよっっ!!」 とはいうものの…… 策士の本領発揮という展開。派手な戦闘描くには人数足りなかったからかもしれないけど、それをこういうシナリオでカバーするのは上手いですね。 「させさせ、なさせっ!!!!」 どこの言葉だ…… ケジナン&エンゲの三下コンビは最後まで生き残りそうな気がしますね。それにしても、ザッキたんの安否が気にかかります。ゲイナーくんの布団に乗ってるティッシュケースと振り回してるモップも気になるけど……
 サラさんの表情とカシマル部長の知能犯ぶりがポイントの回でありました。

「最近のガキはっ!」とか言いつつきちんと講義したげるカシマル部長@藤原啓治誰これ? + ちょっとジェラシー + 乳揺れ

02/12/24(TUE)

○【ANIME】 第3期ギャラクシーエンジェル 第23話「重々焼き肉食べ放題」/ 第24話「ギラギラガーンのミックスジュース」 (→公式

・ 第23話「重々焼き肉食べ放題」 →ストーリー紹介

 脚本担当:堺三保、だからなのかもしれないけど、ガラクシにしては珍しくSFっぽいネタ。多重世界扱ったエピソードだから「重々」というわけであります。
 とはいうものの、萌え+ギャグ作品たる(notシチュエーション・コメディ)ガラクシならば、べつに多重世界だという設定の枠にはめなくてもそういうことできるんじゃ? と思ってしまうので、逆にそれが面白さの枷になってしまってるように感じられました。第18話「数珠つなぎ手打ちそばつなぎなし」(→感想)で、何の説明もなしに平気で空飛ぶエンジェル隊みたいなの見せられたあとでは余程の展開をみせなければみんな驚かないだろうし、「ロストテクノロジーの……」という説明がマイナスに働いている。初脚本ということでガラクシならばどこまでやって問題ないのか? というぎりぎりのポイントが見切れていないのかな。その点では野尻抱介脚本回のほうが普通によくできていたと思います。
 脚本以外でもアイドルコンサートのカットなんか使うなら動かしてみてなんぼなのでは、という気もするし、尺くんな状況も勘弁していただきたい。

世にも珍しいアイドルコスの姐御

・ 第24話「ギラギラガーンのミックスジュース」 →ストーリー紹介

 ところでこっちはめちゃめちゃですね…… と思ったら、佐藤勝一脚本だった。
 豪華客船を借り切っての合コンに気乗りがしないフォルテとやる気満々な蘭花さん。男性側メンバーをみれば、蘭花さんが狙ってる空軍エースパイロットのなんかヘンな人以外はあからさまな人数合わせ、なぜか瀕死の半死人やウォルコット中佐、タコそして電子ジャーまでが並んでるというとんでもない状況であった……というお話。ここまでの状況でもじゅうぶん常軌を逸したものであるが、なぜか王様ゲームがはじまって、フォルテの姐御がこぶし利かせてみたり、3番が8番を目覚めさせてみたり(w もう、どうしようもない。これだけ平気で暴走させられるのはやはりガラクシという作品をわかってるからという気もする。作画の点では覚醒カット以外はずいぶん手を抜いてた気もするが…… 使いどころがいよいよ怪しくなってきたショタコンビ+メアリー少佐と、素顔での登場はできないだろうか? な汎用悪役3人組のガスト・ジョナサン・パトリックが唐突に王様ゲームのメンバー入りしていたのは笑った。が、キャラクターCDノーマッド編[amazon] 収録の「わるものが行く!」ひっぱりだして聴いてたらちょっとだけ泣けてきた…… 「誰! 俺たちは誰!」

いきなり覚醒するふたりいきなり熱唱しはじめるフォルテの姐御

02/12/25(WED)

○「総括クリスマス、理屈か嘘!」

 裏クリスマスブックというのをなんとなく考えてみました。

 西澤保彦「仔羊たちの聖夜(イヴ)」(→感想
 たいへん気まずい展開、救われないオチ。

 佐藤友哉「クリスマス・テロル」(→感想
 生 ま れ て す い ま せ ん


 上連雀三平「アナル・ジャスティス」(→Google検索
 「素敵…… ホワイトクリスマスだね」

 新しめなところでは、私屋カヲル「青春ビンタ!」3巻のサンタネタも思いついたけど、ちょっと小粒かも。ほかにもあったら教えてください。

02/12/27(FRI)

○「アナも変え、年末つまんねえかもなあ……」

 とくにこれといって書くことがないので(雑誌は山ほど出ていたが……)、今年読んだ本の中で印象に残ったものについてピックアップ。漫画については面白いと思ってもコメントしてない本が多々あるので、そこそこ感想書いている小説について先にやっつけてしまうことにした。
 そもそも点数評価はしていないし、読んだ時点での感想と今のそれとは微妙に異なってしまってる作品も多い。そこらへんの補完についてもついでにやってしまうつもりだ。 赤:今年出た本(文庫化、復刊含む) 青:それ以外

・ グレッグ・イーガン(訳:山岸真)「祈りの海」 [bk1][amazon] (→感想
 琴線にそれほど触れたわけではないが、やはり凄みは感じる。

・ 稲生平太郎「アクアリウムの夜」 [bk1][amazon] (→感想
 青春小説の皮を被った怪奇幻想文学の傑作。

・ ダニエル・ペナック(訳:中条省平)「人喰い鬼のお愉しみ」 [bk1][amazon] (→感想
 マゾ兄貴の妹萌えコミカル・ミステリ。続編「カービン銃の妖精」「散文売りの少女」ともに積読のまま。来年こそは……

・ マイケル・マーシャル・スミス(訳:嶋田洋一)「オンリー・フォワード」 [bk1][amazon] (→感想
 理由ははかりしれないが、なぜか途中でいきなり幻想小説になるSFハードボイルド。へんてこ。

・ 津原泰水「蘆屋家の崩壊」 [bk1][amazon] (→感想
 津原泰水入門用に最適な傑作怪奇食道楽短編連作。「少年トレチア」もなかなかよかったが、「ペニス」の異様なうねりと比較すると普通に感じられてしまった。

・ 舞城王太郎「世界は密室でできている。」 [bk1][amazon] (→感想
「熊の場所」よりは青臭すぎるこちらを。舞城初心者にもおすすめ。

・ 牧野修「傀儡后」 [bk1][amazon] (→感想
 オズの魔法使い+サザエさんだった、「だからドロシー帰っておいで」よりも、牧野流「カエアンの聖衣」+仮面ライダーなこちらを。

・ ミッシェル・フェイバー(訳:林啓恵)「アンダー・ザ・スキン」 [bk1][amazon] (→感想
 メタ・ゴシック・ラブロマンスな「祈りの階段」よりも、暗いビートが反復を繰り返す異様きわまる雰囲気のこちらを。

・ ルパート・トムソン(訳:雨海弘美)「ソフト」 [bk1][amazon] (→感想
 装丁も紹介文も、内容とはぜんぜんちがう。知らないで読んでたいへんショックを受けた。

・ 西澤保彦「仔羊たちの聖夜(イヴ)」  [bk1][amazon] (→感想) / 「聯愁殺」 [bk1][amazon] (→感想) / 「黄金色の祈り」 [bk1][amazon] (→感想
 西澤保彦作品はたくさん読んだし当然のように大ファンでもあるので3作選んでしまった。匠千暁シリーズとしては意表をついて「仔羊たちの聖夜」を。同じビルから無関係の人間たちが次々投身自殺するというプロットに惹かれるものがあった。今年出た作品の中では「聯愁殺」。「毒入りチョコレート事件」っぽい推理合戦ものの最新型と思いきや……というひねりの効いた展開が素晴らしい。読後の印象より現在の評価が上がっている作品だ。最終章の内容を蛇足とみる方もおられるようだが、あの展開こそが西澤保彦らしさだと思う。そして、ミステリとしてはともかく、痛々小説の極みとして「黄金色の祈り」を。

・ ロバート・R・マキャモン(訳:二宮磬)「遥か南へ」 [bk1][amazon] (→感想
 アウトサイダーたちの奇妙な救済の旅路を描いた物語。「泣かせ」だとわかっていても大泣きしてしまう。

・ 麻耶雄嵩「まほろ市の殺人 秋 闇雲A子と憂鬱刑事」 [bk1][amazon] (→感想
 400円文庫でも凄みのある人。

・ ミック・ジャクソン(訳:小山太一)「穴掘り公爵」 [bk1][amazon] (→感想
 稚気に溢れた老公爵の奇矯な行動の顛末を描いた、面白く、やがて哀しい物語。

・ エリック・マコーマック(訳:増田まもる)「隠し部屋を査察して」 [bk1][amazon] (→感想
 いくらなんでも異様にすぎる短編集。

・ フレッド・ヴァルガス(訳:藤田真利子)「死者を起こせ」 [bk1][amazon] (→感想
 仲良し無職3人組(+α)が活躍するほのぼのフランス・ミステリ。ポール・アルテのあおりを食らってか、意外に話題にならなかった。

・ アーヴィン・ウェルシュ(訳:池田真紀子)「トレインスポッティング」 [bk1][amazon] (→感想) / (訳:早川敦子)「マラボゥストーク」 [bk1][amazon] (→感想
 この人も才能あると思う。明日なきドラッグ生活の顛末、そしてフーリガン・ライフのつけがもたらす悪夢の物語。

・ ジャン・ヴォートラン(訳:高野優)「グルーム」 [bk1][amazon] (→感想
 ひきこもり系妄想ノワールとでも形容すればいいのだろうか?

・ イアン・マキューアン(訳:宮脇孝雄)「最初の恋、最後の儀式」 [bk1][amazon] (→感想
 長編「セメント・ガーデン」やブッカー賞受賞作「アムステルダム」よりも、鮮烈で屈折しまくってるこの短編集を。「夏が終わるとき」なんかものすごく好みであります。

・ 佐藤友哉「クリスマス・テロル」 [bk1][amazon] (→感想
 鏡家サーガ3冊読んだ人間のみが味わえる驚天動地の結末。なんだかんだいっても衝撃的であった。

・ 乙一「GOTH リストカット事件」 [bk1][amazon] (→感想
 新作ではこれでしょう。「暗黒系」「リストカット事件」はたいへん好みだったが、うしろにいくにつれてどんどんダメになっていく不思議な連作集ではあった。

・ ジム・トンプスン(訳:三川基好)「ポップ1280」 [bk1][amazon] (→感想) / (訳:三川基好)「死ぬほどいい女」 [bk1][amazon] (→感想
 ともに異様な迫力がある。いかにも書き飛ばしてそうなのに…… 空洞な魂そして痙攣するような文体。

・ パトリック・マグラア(訳:宮脇孝雄)「グロテスク」 (→感想
「スパイダー」→感想)よりもこちらを。感想きちんと書いてないこの作品がじつはいちばん好みであった。

・ 法月綸太郎「密閉教室」 [bk1][amazon] (→感想
 最新作「法月綸太郎の功績」→感想)も、もちろんいいけれど、気分的には青臭いこれを。ノーカット版は買ってない。

・ 桐生祐狩「夏の滴」 [bk1][amazon] (→感想
 荒唐無稽にすぎる…… というか、はっきりいって目茶目茶だが、そこがよい。

・ ロバート・J・ソウヤー(訳:内田昌之)「イリーガル・エイリアン」 [bk1][amazon] (→感想
 ソウヤーの大雑把なところが奇跡的に大幅プラスに働いている作品。ホワイダニットの部分にはちょっと感心。

・ 鳥飼否宇「非在」 [bk1][amazon] (→感想
 人魚伝説フィールドワークが頭の体操みたくなるヘンテコミステリ。荒唐無稽だが、そこがよい。

・ 連城三紀彦「白光」 [bk1][amazon] (→感想) / 「戻り川心中」 [bk1][amazon] (→感想
 今年出た作品では幻想味あふれる「白光」のほうを。そして、いまさら読んで本当に傑作だと知った「戻り川心中」も当然のように挙げておこう。

・ 古川日出男「アラビアの夜の種族」 [bk1][amazon] (→感想
 2,000枚あったけれど中盤以降引き込まれるように物語に没頭してしまった。凄まじい筆力で紡がれた馬鹿話で傑作。

 む、無意味に長くなった…… 失敗した…… と途中で思ったけど、いまさらやめられずに大後悔。

02/12/28(SAT)

■book【単行本・漫画】 小田扉「(被)警察24時」 [bk1][amazon]

小田扉「(被)警察24時」  小田扉、なんと今年2冊目の単行本。
「サンデーはサンデーでも、少年じゃないサンデーってなあんだ……?」 という未確認オヤジ雑誌(すくなくとも小田扉読者にとっては)、週刊漫画サンデーにおいて1年間連載された作品を単行本としてまとめたもの。また、雑誌連載作だけでまとまった(同人再録もない)初めての単行本ともいえます。

 当初の予定としては、雑誌購買層を考慮した人情刑事コメディをやるつもりだった気がしないでもないけれど、それは小田扉のこと、第2話にして刑事ものというフォーマットはあっという間に崩壊して以降はなんだかよくわからない展開がえんえんと続く。かと思いきや、サイコ・サスペンスみたいな第13話「テレパシー」があったりして、でもその直後おとぼけ女刑事であるところの藤蜂子さん(藤峰子でないところに注目)をはじめとする愉快な新メンバーがぞくぞく登場する。再びギャグへと路線変更か? と思いきや、そんなおとぼけ連中を血生臭いシリアスな展開の中に容赦なく放り込んだりする。一筋縄ではいかないとはまさにこの作品のこと。

 刑事ものパロディをすることに主眼が置かれているわけではなく、思考回路があからさまにおかしい(しかしサイコではない)登場人物たちを使い、ツッコミ役不在のままドラマを無理矢理動かしている印象で、それはフォークダンスDE成子坂のコントと「シティ・オブ・グラス」のあたりのポール・オースター作品をミックスしたかのような(うわあ、めちゃくちゃ書いてる)独特の小田扉ワールドであります。ギャグなのかシリアスなのか、向かう先のまるでみえないことろが奇妙にスリリングであります。やっぱり唯一無二の存在かも。

 登場したての頃の多感な蜂子さんも、ムボー君登場を皮切りとするシリアス展開の蜂子さんもどちらも好きかな。ダンディ老警察犬ホルモンの異常に長すぎるしっぽなど、(隠された)見どころも多い。

■book【単行本・小説】 コニー・ウィリス(訳:大森望)「航路」(上・下) [bk1][amazon] / [bk1][amazon]

コニー・ウィリス(訳:大森望)「航路」 上  やっと読めました。長かった…… 病院を舞台にしたアクションゲームみたいなお話で、「あの世は実在する」ウイルス撒き散らしながら院内をうろつき回るマンドレイク氏から身を隠し、臨死体験者を一番乗りでゲットするのが第1ステージの目的。お腹が減るとストレス値が上がっていくので、気を抜くとすぐ閉店してしまうカフェテリアにすべり込むか神経内科医のリチャード・ライトを見つけてポケットの食料をゲットしなければいけない。リチャードと何回か遭遇すれば信頼度フラグが立って第2ステージへと進める。臨死体験プロジェクトの志願ボランティアを面接して「頭がおかしい人間」か「そうでない人間」かを選別するのがこのステージの目的。新たなお邪魔キャラとして、捕まると一定時間足止めを食らうミスター・ウォジャコフスキーが出現するようになるので気をつけよう。頭のおかしいボランティアが一定数たまると(どうしようもなくなって)ステージクリア。3Dアドベンチャーパートの第3ステージへと移行する。目の前に広がる擬似臨死体験空間の謎を解き明かせ! とか、そんな感じ。

コニー・ウィリス(訳:大森望)「航路」 下  宮部みゆき、瀬名秀明絶賛! なるほどな! という作品で、力作ではあるけれど傑作というほどではなし、素晴らしい職人芸ではあるけれど、天才の仕事ではない、そんな印象でした。

 これから書く文章は、コニー・ウィリス日本語サイト内コンテンツ、「航路」コメント・感想・書評リンク集にある絶賛コメントの数々をふまえたものであることをまず断っておきます。そうしないと不公正になる気がするので。絶賛コメントがあって、↓の意見もある、とお考えいただければと思います。

 え、えーと…… 正直、判断に困る作品でありました。

 勿論、けして悪い出来ではありませんが、2,000枚を費やした大作にしては登場人物たち、とくに(主人公のような気もする)ジョアンナとリチャードのキャラはどうにも薄っぺらい気がしますし(リチャードなんか、おおまかな容姿とポケットの中身について以外はほとんど語られなかった気が)、伏線製造マシーンとして以上の役割が与えられていない人も何人かいたような。それなりに血肉が通っていたのはメイジーとキット、このふたりくらいなのではないでしょうか。そして、そのまま怒涛の展開へと雪崩れ込んでしまったので、感情移入できないままに置いてけぼりくらった気分で、たとえばリチャードが追っかけていくシーンなんかは、もうちょっと科学者としての内面の葛藤について描いてみてもよかったような印象を受けました。ここはかなり重要なところだと思うのにな…… あのままではただ( ゚д゚)ポカーン になるような気が。(しかし、結局はタイタニック世界だった事にはひどく納得がいきません

 では、構造でみせる物語なのかといえば、先にも述べた伏線製造マシーンの薄っぺらさがちょっと気になったりして…… とくにブライアリー先生の行動などは御都合主義が過ぎるような感じがします。
 これでもかとばかりに繰り返され、伏線とメタファーが散りばめられた風景が不意に瓦解し、新たな世界を再構成するという物語構造はなかなか面白いと思うのですが、そこまで過剰にディティールを書き込まなくてもなんとかなる方法があるのでは、と思ってしまうのです。

 結局、泣けるいいお話を読ませたいのか、ミステリ的な構造で見せたいのか、どっちつかずな印象を受けてしまったのが、個人的にだめだったのかも。感心はするんだけど、心の琴線には触れなかったな。「伝言」はまず伝わらないよ、というお話でありました。

02/12/29(SUN)

○「恵美、毎回来てるかい? 怒る敵意かいまみえ」

 どうにも微妙な評判の映画「火山高」(字幕版)観てきました。今年最後の映画がこれか……

 見たまんま「私立ジャスティス学園」、「炎の転校生」の弱肉学園、「天井天下」、「速攻生徒会」、「要塞学園」、「魔界学園」、「処刑教室」 etc.etc... 弱肉強食の学園を舞台にしたいわゆる覇権争奪番長もの(超能力バトル風味)でしょうか。脳みそ取り外してから観る作品だとは重々承知なのですが、それにしてもメチャメチャなので驚きました。
 制御不能のパワーを持て余し、暴力沙汰による退学処分を9回も受けた主人公が荒廃した学園「火山高」に転校してくる。彼の願いは平穏な毎日と卒業証書だったが、この「火山高」は秘伝書を巡って教師生徒関係無しに覇権争いを繰りひろげる無法地帯であった。学園の実力者たちの誘いや挑発もはねのけて我関せずを決め込む主人公であったが、副校長が召還した学園鎮圧教師部隊の横暴に怒髪天を突き、秘めた力を解放して彼らに立ち向かうのだった…… みたいな話。
 主人公よりはるかに目立ってた、池田貴族みたいな怪力番長(いかにもやられ役)がいきなり強力になって復活してきたのには驚きました。ベジータみたく死にかけると強くなる人なんでしょうか? キョトンとした表情で突っ立ってるだけの主人公より、むしろこいつの大暴れのほうにカタルシスがあったのは問題かもしれません。また、ナンバー1の存在も謎。
 主人公がロンドンブーツ1号2号のどっちかだったり、最終教師1号の学年主任が「ガチンコ!」の竹原そっくりだったり、ヤンキーというかドキュンというか、そういうツラの俳優ばかり集めてるのはわかりやすくていいですね。こういうのはアジア共通の概念なのかな。木造校舎なのにメタルっぽい質感に仕上げられてる色彩処理はなかなか面白いと思いました。

 しかしまあ、勢いだけでなんとかしている作品なので、できるだけ大画面かつ音響設備が整っている劇場で観るのが正しいと思われます。劇場で観るのと家のモニタ画面で観るのとでは評価が10倍くらい変わりそう。

○【ANIME】 第3期ギャラクシーエンジェル 第25話「ポンコツラーメン替え玉有り」 / 第26話「おしまくり★おしるこ」 (→公式

・ 第25話「ポンコツラーメン替え玉有り」 →ストーリー紹介

 なんだかヴァニラさんらしくないお話で、あからさまに怪しいロボットにすりかわられてる彼女にエンジェル隊の面々は誰も気づかない…… というエピソード。しかしその実、ショタコンビ+メアリー少佐と今シリーズではマスクマンとしての登場を余儀なくされてるジョナサンパトリックガストの番組内ポジション争いだったりして。 「あたし、こう見えて本当は普通の人なんだから〜〜」 っていうメアリー少佐の絶叫はなかなか萌えたけど(w 個人的にはショタコンビvs.エンジェル隊という図式はそのまま常識vs.非常識に転化されてしまうのでちょっとわかりやすすぎ〜 と思ったりします。汎用悪役3人組だとそこにダウナーな「ダメ」が加わって味が出るのだけど。

覆面3人組(泣怯えまくるメアリー少佐。ちょっとよい。

・ 第26話「おしまくり★おしるこ」 →ストーリー紹介

 ところで、こっちはなかなかよい。押しボタン型ロストテクノロジーを巡る物語で、これはネタバレしないほうがいいと思われるので詳細は省きますが、ミルフィーユ・ヴァニラの白ガラクシ、ミント・蘭花・フォルテの黒ガラクシで明暗がはっきり分かれた物語でありました。こういうオチでフォロー無しというのは大好きであります。あと、流れ星なんかも。ところで蘭花さん、最近強欲女役ばっかりですね…… ミントたんと同様、ちょっと邪険な扱いを受けております。オチの意味はまあ、「1クールじゃないだZE!」って、ことなんでしょう。

ポチッと押したいし あ わ せ そ う だ

02/12/30(MON)

○「嘘臭い意図からか? と言い、錯綜」

 さて、帰ろう。

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