![]()
![]()
03/01/21(TUE)
【ANIME】 オーバーマン キングゲイナー 第17話「ウソのない世界」 (→公式)
ガンガランの難民に食糧配給を行うペローの近くを謎の波動が通り抜ける。 「やっかいなもの抱え込んじまったなあ、俺たちヤーパンの食料も足りないっていうのによ〜」 「俺たちが厄介者だと言ったな?」 「え、俺が? 言った?」 人の内なる声がそのまま周囲に聞こえてしまうという怪現象によって、各地で同じ種類のいさかいが起こりはじめる。最初は小さかったそれはピープル間の不平不満を飲み込んで成長を続け、やがて大規模な抗争へと発展していく。しかしそれは、新オーバーマン・プラネッタのオーバースキル、「表層意識の音声波動化」を使ったカシマル運行部長の新作戦だった。このアゴ割れオカマはまたも姑息なことを…… それにしても、アホ能力オーバーマンばっかりですね。
たとえば、顔赤らめながら走るサラを正面から捉えたカットなど(正直、ここは今回のエピソードの要だと思う)、動画枚数とかクオリティに若干の不満が残るカットも見えたりして、動画としてみれば前回より1段落ちる印象を受けましたが、シナリオ的にはめちゃめちゃ強引な力技でインパクト大かも。いかにもアホ作戦 → しかしあっという間にシビアで陰鬱な展開に → アホ能力かと思えば、あれ? 意外と…… → 予想外の絶体絶命ピンチ → 視聴者全員の予想を軽く上回るゲイナーくんの捨て身アホアホ作戦発動! → なんかスゲエな、オイ……とにかく、ご尊敬申し上げます、という、「アホは世界を救う!」を地で行くようななんだかすごいストーリー。とうぜんのごとく、心の叫びコピペジェネレータもできてたりするんで、実人生に役立ててみたりすると有用やもしれません(嘘 「ボクの思いのたけを、世界に向けて、大・発・信!」なところにアデット姐さんがからんできたら完璧だったのにな―― でも何組かの老夫婦がいい味出してたので、こっちのほうが正解かも。うん、やっぱり面白いです。
しかし、とんがりリーゼントことペローくんはいつまでたっても超脇役やね…… それなりに彼もがんばってるのになあ(w ママドゥ、リュボフのラブラブゲームは正直どうでもええ。さりげなく黒い影を覗かせたりするガウリ隊長の描写なんかもソツがなかったです。

【ANIME】 第3期ギャラクシーエンジェル 第31話「サインはブイヨン」/ 第32話「演じるエンジェル潮汁」 (→公式)
正直、このOPにはいまだに慣れない…… 本編の出来はAパート/Bパートでバラエティに富んでいたのでよかったような。
・ 第31話「サインはブイヨン」 →ストーリー紹介
いきなり出てきた「ショムニ」なライバルキャラ5人組のひとりに肩ぶつけられたミルフィーユが唐突に死んで(w 「こうなったら、バレーボールで勝負よ!」 というとうとつな展開。5人対5人の勝負のはずなのに、はじまる前からひとり死んでるのはいかがなものか…… そして、また死ぬ異常な展開がえんえんと続いていく。(参考:「カエアンの着ぐるみ」元ネタ) これは見てもらわないと説明のしようがありません。ノーマッドもいっしょに火葬しちゃえばよかったのに。蘭花さん携帯電話カットが「少林サッカー」パロって言われてるけど「少林サッカー」のカット自体がありがちシチュエーション、でもここでやるか! 的パロディカットだと思うからなあ。亡くなられた4人(+α)が天上からミルフィーユを励ますシーンとそのあとに続く展開はえかったです。ときどき馬鹿ミュージカルアニメになってるような。作画は気にしてもしかたないっす。


・ 第32話「演じるエンジェル潮汁」 →ストーリー紹介
蘭花さんの姪っ子とその友達がエンジェル基地を見学に来るといういかにも普通なお話で、自分がエンジェル隊隊長だとミエ張ってる蘭花さんの嘘に全員しかたなくつきあうハメに…… という展開もきわめて真っ当。めずらしい。ゲストキャラとしては、ハリウ・フランボワーズ@千葉千恵巳、エリカ・タンデム@松岡由貴 という感じ。作画はまあ、微妙。フォルテ姐さんの土下座が死を呼ぶところなんかええですね。知能指数は3ですか…… ヴァニラさんの嘘設定は本当にそう勘違いしてる人も多そう(腹話術だと思う人も多そうだし) 「ひでぶっ!!」 これでショタがロリにいきなし変わったら、ちょっと面白いけど、まあどうでもええ。

【ANIME】らいむいろ戦奇譚 第3話「軍人として、教師として、」 (→公式)
あれ? 木綿くんのおぱんつが見えないですよ……!? 「いまは非常事態だ」 とかいう便利な一言だけで単なる民間人をらいむ隊隊長に据えたりするのはすごい展開だ、とちょっと思ったけれど、飛んでるから人員補充できないんだな……と思い直した。ところで、なんの授業するのかな? とか思ったりもした。非常事態って言ってるのに、そんな妄想してんじゃないYO! つるぺたボーイッシュ少女な麻くんは普段ノーブラなんでしょうか。この脚本書いた人間は氏んでください……とか思ったけど、今週はあかほり先生なのでべつに氏ななくてオッケーです。すべてをあきらめた。でも、現実の戦争なんて、実際にはこんなものなのかもしれませんね! ノーパンでパンツ洗ったりとか(嘘 イヤボーン効果で成長とは、それにしても安い、安い。
03/01/22(WED)
「破天荒コンテは……」
第10回日本ホラー小説大賞落選作「みんな落ちるだろう」
書いてるうちにどんどんジョナサン・キャロルっぽくなっていって、最後まで結局コントロールができなかった作品。中盤あたりに登場する作中作の意味がさっぱりわからないところにも注目したい。とほほ。
【ANIME】 ストラトス・フォー #02 「FOX ONE」 (→公式)
ケツが宇宙に飛んでいったよ! ケツが! ケツが! 娘さんばかりが目に入るヴァンドレッド風視覚フィルター + 妙にアレなナジカ的視点位置 + 無意味に風呂につかって会話進行/風呂上りのウェイトトレーニング(もう1回入るんか)な、無理矢理視聴者サービスによって、2番手ポジションにいる主人公たちの地味目な日常を描いたドラマを強引に盛り上げてる作品という印象は第1話から変化ないけれど、エリートパイロット家庭に育ったプレッシャーに押し潰されそうになってる主人公の成長をコレでもかとばかりにクローズアップしてるところがプラスに働いて、きちんと観られる作品に仕上がっている。
美風さんほかコメットブラスター4人娘はじめての出撃を描いた今回のエピソードも、4者4様のキャラクター、そして美風の心的克服がこれ以上はできないくらいにわかりやすくドラマ演出されていて、非常に安心して観ることができた。主役の4人娘のみならず、整備官のおっちゃんとか、活躍もできなければ中華屋「広陳」で飯も食えなさそうな男子パイロットコンビなど、脇役がいい味を出しているのもマル。
【ANIME】 ストラトス・フォー #03 「DECISION HEIGHT」 (→公式)
またも飛んでいったよ! ケツが! ……というわけで、初めての出撃にて自らの目標定まってしまった美風さんがやる気満々に急激変貌してしまうお話。なんて、わかりやすい娘さんなんだ…… なんとなく、もう1回くらいは挫折を経験しそうですが、それもまたよしかな。整備官のおっちゃんほか教官連中が味を出してるのもひきつづきよし。プラグスーツっぽい宇宙服と同じく、ボディライン浮き浮きの水着カットはやたらにエロい。前回に続く主人公の成長をわかりやすく描写 → 緊張緩和でお水着カット挿入しつつ美風たんの心象風景描写してみせる → 迎撃祝賀パーティーで次なる展開の示唆 → 迎撃訓練ながらやけに緊迫した展開、と非常にわかりやすいライトノベル的青春ストーリーになっててかなりいい感じ。このまま不完全燃焼ドラマになったらどうしよう……と第1話みたときは思ったものですが、それは杞憂に終わりました。ダサいながらも直球な演出(美風さんの目に炎が燃え上がるのには参った)、ソツのない音楽など、安心して観られる安定作ですね。なかなかええかも。
03/01/27(MON)
【単行本・小説】 貫井徳郎「プリズム」 創元推理文庫 [bk1][amazon]
小学校の女教師が自宅で殴殺された。凶器はその部屋にあったアンティーク時計。落下による不慮の事故という線も考えられたものの、ガラス切りを使って外された窓の鍵、何者かに送られた睡眠薬入りのチョコレートを被害者は口にしていた、などの事実から事件は殺人と目された。宅配便で送られたチョコレートの差出人とされる、被害者の同僚が容疑者として浮かび上がり、あっさり事件は解決すると思われたが……
あとがきにもあるように、アントニイ・バークリー「毒入りチョコレート事件」で使われた「多重解決もの」というジャンルに貫井徳郎がいかに挑戦したか、という作品であり(薬入りチョコレートの箱が送られるというギミックをあえて使ってるあたりからも明白)、ある意味においてこのパターンの究極系ともいえる作品だと思われます。この作者のものとしては、デビュー作である「慟哭」(→感想)と同じく、ミステリとしての構造美でみせるタイプの作品で、小池啓介氏による巻末解説でも名前が挙がっている連城三紀彦の作風とも通底する部分があるように感じました。たとえば「白光」(→感想)なんかは、作品のありかたとして共通する部分は多いように思いますが、このほかの連城作品にはもっと似ているものがありそうな気がします。
これはきっと、マニエリスム的ともいえる無理矢理な構造美をもって物語が構築されているという点で共通しているのだと思いますが、貫井作品の場合は構造がわかりやすく提示されている半面、若干小説としての味わいに欠ける部分もあるように感じます。たいへん感心はするのですが、それから先にはいかないかなあ。作家として生真面目すぎるぶん、ワンダーに欠けてしまうのかもしれません。また無責任な物言いですが。
とはいえ、「慟哭」と同じく、ロングセラーを重ねても不思議ではない作品で、形としてのミステリ美というものがみたい方にとってはたいへんオススメできる作品だと思います。「プリズム」なるタイトルはなるほど、言い得て妙。
03/01/28(TUE)
【ANIME】 魔法遣いに大切なこと 第3話「最高のニュース」 (→公式)
うーむ、やはりこの作品はすごいような…… 一見古風な純愛アニメのようでありながら、じつはドキュンストーカー娘葵たんをヒロインにして、成立するはずもないハーレム展開を強引に加えたこのスタッフ前作「藍より青し」やら、キ○ィガイ娘さんたちが「にこにこりん♪」な「ココロ図書館」やら、見た目は純度の高い萌えアニメ、されど作品の本質はそこにはない、いわゆる「萌えの皮をかぶったキ○ィガイアニメ」の系譜上にあることはまずまちがいない作品だと思われますが、前述の「にこにこりん♪」みたく、「このアニメはアホアニメですよ――」 みたいなサインが視聴者に提示されることもなく、淡々と盛り上がらないまま終わってしまうので、「ひょっとして、ただのいいお話としてこのような異次元エピソード繰り出してきてるんじゃあるまいな……スタッフ……」 と、そこはかない不安にかられます。
今回の依頼人である新宿のキャバクラ嬢綾乃さんの 「服役中の恋人に自分の気持ちを伝えたい! だからわたしをニュースにして!」 という発想自体はドキュンながらそれなりのリアリティがあるような気がするものの(絶対に彼氏が目にするのかどうか確実性の問題もあるし、もし冤罪気味が真実ならば彼氏の正義を証明しようというのが当然の発想、という気もしないでもないけれど……)、このエピソードで見せたかったものがなんなのかというのはよくわからない物語展開だったし、あらゆる意味においてどう取り扱ってよいのか困る、「ありえなーい」 お話ではあります。
ユメとアンジェラコンビの努力にもかかわらず依頼はうまくいかなかったという展開を描きたいのなら、Aパートラストで端折られた魔法失敗カットはもっとしっかり描くべきだと思うし、宝くじの当選などという蓋然性の低い展開にエピソード全体をよりかからせなければならない理由もよくわかりません。シナリオにしても、演出にしても、物語の焦点がどこにあっているのか判然としない作りをしていて、どう贔屓目にみても理解が難しいお話であるとは感じます。 「とにかく、お金でなんとかする!」 が制作側の一貫した主張な気がしてならないのですが、それはこちらの受け取り方がまちがっているのでしょうか? ちがいます。かくもコミュニケーションはむつかしい…… しかし、なんだかんだいいながら視聴継続してしまいそうではあります(w

【ANIME】 オーバーマン キングゲイナー 第18話「刃の脆さ」 (→公式)
これは安いキングゲイナーですね! 人々の不安感をつのらせるオーバースキルを使ったカシマル部長の姑息作戦がまたも発動、心の闇をひときわ抱えたガウリ隊長がその虜となって、みたいなシビアな展開ながら、うーん、微妙だなあ……。心細くて泣きじゃくるアナ姫など、良好作画でみたいカットがたくさんありました。惜しい。 「こんなんじゃもう、お嫁にいけません」 「厚生局に相談しなさい!」 「お婿さん、探してくれるんでしょうね」 「おいら、今からでも実家の農場継いだほうがいいんでしょうか……」 「いっそのこと、自分もエクソダスを!」 三下コンビとカシマル部長のやりとりは楽しい。ジャボリ嬢がめずらしくいろいろ出張っていた。
【ANIME】 らいむいろ戦奇譚 第4話「名探偵更紗!?」 (→公式)
客観的に考えてかなりの普通人な勘違いお嬢さま、更紗さんメインエピソード。なれど、いきなり綸子嬢にお株奪われてる気がするのもまた彼女らしい。安いわなんだわ、もうたいへんですね。脱衣所にて大阪製の舶来時計を盗まれた更紗嬢がバグパイプ抱えながら捜査してまわるお話で、名探偵って、こんな展開なんですか…… 風呂 → おぱんつ → おぱんつ、な、びっくり価格の激安エピソードながら、それなりにいいお話なのは驚き! やってみれば意外になんとかなるものなのですね!


【単行本・小説】 倉阪鬼一郎「鳩が来る家」 光文社文庫 [bk1][amazon]
光文社に移籍してからの異形コレクションを中心に、1999〜2002年の間に発表された短編作品を1冊にまとめたもの。「鳩が来る家」、「骸列車」、「片靴」、「裏面」他、13編を収録。
この人の作品の場合、長編にいきなり手を出すとラストまで読んで怒り出してしまう可能性が高い気がするので、倉阪初心者の方には短編集をおすすめします。短編作品の場合、怪奇小説のフォーマットに忠実な構造に、どこかとぼけた印象のある奇妙な感触、そして暴走するスプラッタ・グロ描写が加わるという、この人の作品独特のなんともいえない味わいがよりダイレクトに伝わってくるような気がするのです。なんとなく労働者風味があるところが素晴らしいような。
収録作の中で気に入ったのは、「難破筋」なる造語センスが生きる一種の幽霊船ものともいえる表題作「鳩が来る家」、中途半端なペダントリーがたいへんこの人らしい「裏面」、そういえば「文字禍の館」(→感想)もやばかった漢字ホラー「布」、そして、なんといっても、うらぶれたスーパー奥で奇妙な缶詰を見つけた無職青年の遭遇した怪異を描く「蔵煮」が素晴らしい。田中啓文も真っ青な吐き気を催すナスティな描写に不気味な可笑しみがくわわって、不思議に奇妙な印象を受けます。これはやっぱり「クラニ(−)」と読むのでしょうね。タイトルがアーチを描いてる目次にも注目。
03/01/29(WED)
【ANIME】 ストラトス・フォー #04 「TALLY HO!」 (→公式)
いやあ、すごい。こんなベタベタなシナリオもなかなかないですよ……
無気力の反動から気力も充実 → 初出動で初手柄 → 成績も向上 → わかりやすく増長、というストレートな公式により、えらいことになってる美風さんが取り返しのつかなそうなことしでかして、そして、というエピソード。構成がしっかりしてるぶん、何が見せたいのかがはっきり伝わっていいですね。無駄がありません。
ただの彗星と思ってたものが実は……!? という新展開もあったりして、これからも楽しみ楽しみ。あまりのベタぶりに、「あの金髪男子は美風さんかばって殉死したりするんじゃあるまいな、10話くらいに……」とか思ったりしますが、どうなんでしょうか? そんなにシリアスになりすぎないほうが個人的には好みであります。下手したら実習オンリーでよかったくらいなのに。ところで、仮にも競争相手がおぱんつ見えそうなミニのチャイナドレスで昼食出前にやってくる環境ってのも何気にすごい。ブルマもセットでイメクラ青春ストーリーという感じであります。
そういえば、3DパートはLightwave3Dでレンダリングしてるのかも、と彗星と爆煙の質感から感じました。そんな詳しいわけじゃないから、まちがってるかもしれんけど……


【ANIME】 第3期ギャラクシーエンジェル 第33話「特級イシモチのつみれ」 / 第34話「バラバラ湯の花せんべい」 (→公式)
・ 第33話「特級イシモチのつみれ」 →ストーリー紹介
正直、オチの理解に苦しむエピソードではあるけれど、わかったところで大爆笑というわけでもなかろう。
トランスバール皇国に突如巻き起こった反乱の火。反乱軍のロボット兵はエンジェル基地にも襲来して…… 石を金に変えてみたたり、万病を癒してみたり、不老長寿をもたらしてみたりする「あの石」を反乱軍に渡すまいと捨て身の活躍をするエンジェル隊の姿を描いたエピソードで、半分本当で半分嘘。こうでもしないとなかなか登場の機会がない困ったちゃんメアリー少佐にやたら迫力があったり、あの花柄チェーンソーがまたも登場したりと、それなりに見どころは少ない。

・ 第34話「バラバラ湯の花せんべい」 →ストーリー紹介
エンジェル隊全員バラバラにすると微妙な出来になるの法則。
温泉の星に慰安旅行にやってきたエンジェル隊の面々。当然みんなで温泉大満喫するものと思っていたミルフィーユさんでしたが、各人それぞれ予定を決めていていきなり現地解散するはめになってしまう。とほほほ。超がっかりのミルフィーユさんは温泉宿で哀しみ独り芝居くりかえしてみる。可哀想だね! でもそんなミルフィーユさんをお地蔵さんは見捨てはしなかったよ! という民話調エピソードで、展開的にはさほどハジけてないものの、新谷良子の喋りがけっこう萌えていい感じ。悪くはないですよ―――


03/01/31(FRI)
【単行本・小説】 舞城王太郎「阿修羅ガール」 新潮社 [bk1][amazon]
ついつい一気読みしてしまう。恋する女子高生の物語。
講談社ノベルス刊ではなく、新潮社からの初単行本で、だからなのかはしりませんが、「群像」に掲載された短編作品と感覚的には近しく、本格ミステリをおちょくったような例のガジェット群が作品内に登場しないぶんプレーンな印象を受ける作品であります。「バット男」+「ピコーン!!」っぽい雰囲気かな。(注:収録されているのはともに講談社刊の短編集「熊の場所」:→感想)
なんだか普通に改行してあって、読みはじめた当初は 「あれ? これ舞城?」 とか思ってしまいましたが、第1部終盤においてアルマゲドンが勃発してからはいつものごとく混沌の極みともいえる怒涛の展開になります。物語の横のほうからしゃしゃり出てきたキャラがいきなりいい味を出しはじめるその唐突さにも驚愕。
さまざまな形の愛が表現形式を変えてあらわれたものだったり、本当にただの安い破壊衝動だったりする諸々の暴力行為がストーリーを強引に牽引していくという物語構造についてはいつものことですが、群像掲載の短編「熊の場所」、「バット男」、「鼻クソご飯」についてはどれももう一味たりないという思いがあって、これはたぶん、作品主題の処理の仕方、メタファーとしての非現実的な展開もしくは妄想の使い方がすべて似ているからだと思います。調理方法がほぼ同じなんですよね。
物語の中における世界の扱い方についてこの「阿修羅ガール」にいちばん近しいと思われるのは、妄想のアフリカ大陸におけるマラボゥストーク狩りがメタファーとして用いられ、それに回想と現在起こってることが交錯していくという構成の、アーヴィン・ウェルシュ「マラボゥストーク」(→感想)なのですが、世界の階層が少ないぶん、この「阿修羅ガール」はストレートな作りでそこが少々味わいに欠けるような気がします。もっとぐねぐねしてるほうが好みかな。
見立て殺人や密室などのほとんど意味をなさない本格ガジェットがふんだんに振りまかれ、非現実的なトンデモ展開と内省的な心情吐露の間にもう1階層存在する講談社ノベルス作品のほうが小説として興味深いと感じている自分としては、「たしかに面白いんだけど、もうちょっと何かが……」 と感じてしまうところはあります。もうちょっと意識的に引き出しの数を増やすようにしたほうがいいような気もしますね。
【単行本・漫画】 ばらスィー「苺ましまろ」 1巻 メディアワークス [bk1][amazon]
シュール系小さな娘さん日常コメディ。ばらスィー初めての単行本で、「……子供が描けりゃなんでもいいんだ」 だそうであります。
普通に自動車通学してみるヘヴィースモーカーな女子高生、伊藤伸恵(16)を中心に、その妹の普通少女、千佳(12)、同じ6年2組のお友達で異星人的な思考する暴れ系不思議少女の美羽(12)、ご近所の泣き虫眼鏡少女、茉莉(11)のどーでもいいような、でもちょっとシュールで不思議な日常風景をさりげなくえっちく描いた作品で、これはなかなかすごいと思います。深夜アニメ化すればぷにhackくらいの祭りは起きそう。(お兄ちゃんは出てこないけど)
なんとなく美羽が死んだふりするだけのお話と、猫耳帽子装着した茉莉が騙されて語尾に「にゃー」とかつけて街中連れまわされる話がいいですね。
about this file
■ InternetExplorer5.5
/ Netscape6 で確認しています。
■この日記へのリンクについて
□ 日にちにリンク:ページ上部のカレンダー、リンク張りたい日にちにカーソルを合わせ、「新しいウインドウを開く→アドレスに表示されるURLにリンクしてください。
□ レビュにリンク:MONO INDEX / QUICK REFERENCEからリンクしたい項目にカーソルを合わせ、「新しいウインドウを開く」→アドレスに表示されるURLにリンクしてください。