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福澤徹三「廃屋の幽霊」
一騎当千 第1話「壱」
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03/08/11(MON)
→第1話あらすじ
三国志、豪傑たちの魂が現代高校生に憑依した! 関東の覇権を争って、こぼれそうな爆乳やおぱんつ晒して闘いまくれ! というお話。1,800年にものぼる悠久の因果を継承し兵ども、だそうです。しかし、おぱんつ、おぱんつ。乳揺れ、縦すじもあるでよ! アイキャッチがこれということから内容は推して知るべし、であります。原作は塩崎雄二で現在5巻まで発売中。大暮維人「天上天下」かこれか、という感じでしょうか。監督:渡部高志、シリーズ構成:吉岡たかを、キャラクターデザイン:長谷川眞也。
うーん、あんまり書くことがない。サブミッション得意とするショートカット眼帯娘が超ミニメイド服着て襲いかかってくるというのはなかなかすごいですね。すさまじい狙いかたであります。しかし、あられもないアニメだ…… お母さんまでもがなぜ脱いでいるのは謎。基本的には原作に忠実な内容ですが、若干エスカレーションしているところもあるようです。
→第2話あらすじ
キモい男(注:四天王)が襲いかかってきた! いっぽう、能ある鷹は爪を隠していた! という展開。トンファーの撃でブラまで破れないところにアニメ表現の限界をみました。戦闘馬鹿おぱんつ見せ能天気娘、孫策伯符とサブミッション使い眼帯サド娘、呂蒙子明のバトルまでなし崩しにはじまって、テンポ早い早い。失禁ありのキャットファイトなんて、なかなか見られませんよ! ブラ破れはダメでこっちはオッケーなのか…… 決め技もこれで、思いっきりエロアニメですね。
【ANIME】 エアマスター 第19話「忍べ! 尾形小路」 (→公式)
VS.忍者。原作でもいちばん印象に残らなかったバトルをなぜか単独エピソードとして取り出してみせた回で、まあ、こんなものでしょうか。尾張忍者の末裔である尾形小路のキャラ造形がうれしくない方向で人間ばなれしている、マキの瞬殺技もいかがなものか、という二重苦でありました。超淡白な沢村戦と異常な方向性で熱かった長戸大暴れで魅せた第17話(→感想)と同じく、カイと金ちゃんの肉弾バトルとの2元中継でやればいいのに。なんで今回に限って素直に原作どおりやらなかったんでしょう? バカが功を奏するという展開はこの作品らしいですが、ふだんが熱すぎるだけにちょっともりあがらず。尾形小路の声担当は緑川光で、あいかわらず声優陣はやたらに豪華。
【ANIME】 住めば都のコスモス荘 すっとこ大戦ドッコイダー 第5話「小遣い値上げでドッコイ」 (→公式)
鈴雄ひとりが貧乏でした! 賃上げ交渉したいです! という早口言葉ネタ回。見せ方工夫で動画枚数節約しまくりなんでしょうけれど、演出がやたらエキセントリックになっててなごみ系ムードは霧散していたのでした。小鈴たんはじめ全員が毒キャラになってた。EDとのギャップがはげし――! 原画クレジットが東出太さんひとりだったのはビビりました。ほほう。
【ANIME】 グリーングリーン 第5話「保健室でばたんきゅー」 (→公式)
ストーカー的な天神の漢気に早苗たんが怯えまくり、ピルケース落としてえらいことでした! その場を救った裕介に嫉妬した天神がさらに空転して、またもや早苗たんは恐怖する、というお話。うーむ、書くことがない…… テディベアネタはちょっと面白かったけど、それだけかな。策士以上の役割を与えられてない麗華、一瞬だけ登場する千種先生、ちょっとしょぼめな学園コメディでした。いまさら!
03/08/12(TUE)
【単行本・小説】 福澤徹三「廃屋の幽霊」 双葉社 [bk1][amazon]
「怪しの標本」[bk1][amazon] も、「幻日」[bk1][amazon] も見当たらなくて、最新刊である本作をいきなり買ってしまう。シリーズものでもない短編集だからぜんぜん問題なさそうだけど、どうかな、と思いながら読みました。「春の向こう側」、「庭の音」、「トンネル」、「超能力者」、「不登校の少女」、「市松人形」、「廃屋の幽霊」計7篇を収録。
ベストは「庭の音」。リストラによる失職で自己存在が否定された40男がしだいに精神に変調をきたしていく様子を丹念に綴ったこの作品は、しかし、怖い、そして、すばらしい。家族に内緒で書いている失職日記という体裁を取って、朝夕の献立が並ぶ横に不意に顔を覗かせる狂気の描き方などはとても効果的だし、仕事がなくなればあとは食事メニューくらいしか書くことがないという主人公内面のさりげない空疎さ表現なども非常にリアル。 「とにかく、いまの関心事は、あれのことだけだ」 怖ええ。
なんらかの形で社会からつまはじきにされている主人公を描いた作品が妙に多い気がしますが、これはこの作者の傾向なんでしょうか。先に書いた「庭の音」もそうですし、「不登校の少女」主人公の教師も教育に対する当初の情熱を失いかけてます。「春の向こう側」では、主人公の雇われバーテンダーが羽振りも風采もよく人生勝ち組っぽい常連客に抱く嫉妬の感情が物語の牽引力になって、いささか唐突にも感じられるラストへとなだれ込んでいきます。これはけっこう意外でした。焦燥感や嫉妬心など、感情の爆発と超自然的な怪異の結びつけかたはちょっと興味深いものがあります。
若くしてほとんどホームレスに近い日々をすごしている男の受難を描いた「市松人形」も一見そんな感じですが、じつはかなりの変化球作品。「不登校の少女」は、少女が見るという幽霊の正体とラスト5行の展開のコントラストが強い印象を残します。
よく読むと変なことばかりしている短編集で、なかなか面白いです。お約束をいかに外して、でも怪談として成立させて、という工夫が凝らされているのがよい。書き下ろし作である「超能力者」はその点非常にストレートな作りですが、それは1冊の本としてのバランスをとるためにあえてそうしたのでしょうか。そういう気もします。
03/08/14(THU)
【単行本・小説】 法月綸太郎「ふたたび赤い悪夢」 講談社文庫 [bk1][amazon]
法月綸太郎の長編作品ではこれだけ残してありました。一番最後に読んだのはさいわい。
というのは、「頼子のために」(→感想)の完全なる続編であって(「頼子のために」、「一の悲劇」(→感想)、そしてこの作品で三部作を形成するらしい)、この作品から手を出したら本当にどうしようもなかったからです。つまり作中でネタバレされまくってるということ。笠井潔の解説もネタバレ全開であります。注意! 注意!
法月綸太郎、名探偵としての落とし前、という感じの内容で、つまり、作家、法月綸太郎が敬愛するエラリイ・クイーン作品に登場する探偵、エラリイ・クイーン(ああ、ややこしい!)がちょうど「九尾の猫」(→感想)、「十日間の悲劇」にて受けた衝撃、「名探偵ヅラしておいて、お前が果たした役割はいったいなんなんだYO!」を、探偵、法月綸太郎ならばいかに回復せしめるか? というシミュレーション、苦悩する探偵役の再生物語なのだと思います。
アイドル業界のどろどろとした内幕とクイーンと同じく法月が敬愛するロス・マクドナルド風の家庭内悲劇を絡めて描いたストーリーなんですが、息子の名探偵としての回復を願うあまり、独断にもほどがある行動をとりまくる法月警視は困ったものだと思いました。あんた、そこまでやるなら辞表出してからやりなさい。作家、法月綸太郎の探偵、法月綸太郎に対する子煩悩がそのまま反映してたいそう過保護な物語でありました。しかし、なんであそこまで大林宣彦なんだろうか……
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