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03/09/21(SUN)
前売りも買って公開初日に行く予定がなぜかここまで延び延びになりました。「呪怨」(→感想)と同じ映画館で観ました。前作の時は風邪でぶっ倒れて、雨風にさらされてびしょ濡れで劇場入りした今回はお腹が冷えて下痢をした。毎度毎度健康を損ねてる気がします。理性が恐怖を否定しても身体にはダメージがきてるんでしょうか。
前作の舞台となった家をネタに心霊特番組もうとした製作会社スタッフと女性レポーター、ホラー女優が怪異にみまわれるという展開で、各人のパートごとにそれぞれ異なった怖さの演出を採用してるのが伺えるのは好感触。しかしながら、そこがわかりやすすぎるところがちょっと減点だったりします。自分的な怖さのツボは前作と変わらず、ただいるだけの俊雄は怖く、殺る気マンマンな迦椰子はそれほどでもない、家族ネタがぞくりとして、ラスト近くの病院シーンはちょっとやりすぎ、という印象でした。前作の女子高生ゾンビカットもそうなんですが、恐怖が笑いに転じてしまう域に達してしまうことがあるようです。ちょっとガチャガチャしてますね。もし観るのならば、劇場の大画面で観ましょう。
DVDは10/24発売で予約受付中。新橋文化会館の二本立て再上映、最終日の最終回に足を運んできました。これもいまさら。
たしかに面白いけれど、めちゃめちゃだ――― 人心を惑わす絵画・音楽・詩など、文化遺産の徹底的な破壊と使用が義務付けられている感情抑制ドラッグによって秩序が保たれている第3次世界大戦以降の世界を舞台に、本来ならば感情違反者を摘発する立場であるはずの取締官のひとりが感情に目覚めて苦悩するさまを描いた近未来アクション。クリスチャン・ベール演ずる主人公プレストンが、「この、胸に沸き起こってくるものはいったい何なんだ……!? うおー! 仔犬タン可愛い!!」 と、居合わせた警官隊を皆殺しにしてみたり、その後も気が向いたらちょくちょく周囲を皆殺しにしてみるお話で(この社会を変えようとか明確なビジョンは特にない)、彼の上役である副総統のあまりのインチキ臭い雑魚っ面に「こいつはすぐ死ぬな……」と予想してたらまったくぜんぜんそんなことはなくてたいそう意表をつかれたりしました。ダメ国家ですね。感情の吐露が死に匹敵するという重罪にもかかわらず、無表情の人々の間を全力疾走で息せき切って駆け抜けるやけに隙だらけな主人公など、突っ込みポイントも数限りなく、しかしながら、なぜ強いのか、なぜ弾丸に当たらないのかわからない謎のガン=カタ・アクションがやたらカッコよいのでそれだけで許せそうにもなります。(それにしても中枢部、警備が杜撰すぎ) 脳を空っぽにしながら大画面で見て大盛り上がりできればそれで問題なさそう。少ない予算で目いっぱい頑張った、ただ面白いだけのB級アクション映画でしょうか。めちゃめちゃですが、面白いです。(繰り返し)
03/09/23(TUE)
【麻雀】 アナザ・グリン・ヘヴン at 渋谷メカバビイ(→公式) ![]()
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きょうは、とてもかなしいことが、あったよ。せっかくのおやすみ、お買いものとか、いろいろしようとうきうきして、でもそれだけだと味けないから、ちょっとだけまあじゃんしよう。昼まえに雀荘にはいって、5回くらい遊んで、そのあとで本屋やおもちゃ屋や、秋もののお洋服を見たりしたいな、とぼくは思ったのさ。でも、それは、うまくいかなかったよ。
思えば、さいしょの半荘から、いやな予感はしていたんだ。
「さきに入れるほうにしてください」とお店の人に伝えて、温かいお茶をすすりながらまってたら、0.5の卓にあんないされたよ。上家はいかにも麻雀はじめたばかりの若者くんで、下家には妙にはしゃいでるオヤジ、対面には気どったフレームのメガネをかけた男がいて、こいつがクセモノだったんだ。見た目についていえば、そうだなあ、いろんなところで話題ふっとうのせいのゆういちろうプロに似てたよ。せいのプロをお日さまに当てて、むだに明るくした感じかな。いけない、悪くちっぽくなっちゃった、はんせい、はんせい。上家にすわってる茶髪ロンゲの若者に、下家のオヤジが「さいきんの若いこはさあ、みんな、カッコいいよね」とかこびた口調で話しかけてて、「イタタタタ……」と思ったよ。なんて反応すればいいのかわからなくて、若者くんはこまってた。若者くんは、きっといい子だったよ。かれのいる卓に座ってれば、よかったよ。
対面の気取りメガネがこんなしかけ。
チー:![]()
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「うわ、いいとこばっかり鳴かせちゃったなあ」とか、下家のオヤジがつぶやいてて、「まったくだ」と思ったよ。でも、ぼくは親だからがんばらなきゃ、いけないんだ。ドラまたぎ、もしくはドラうけの苦しいしかけが、赤がもうひとつくわわって満貫になったのかも。ドラが四筒だから、そのしゅうへんは切りたくないよ。
でも、こんな手牌。
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ツモ:
ドラ:![]()
ドラいっこだけで役がない。出したくない筒子があまるかたち。いやだけど、まだ東2局の親番でまわるのはいやだなあ、って考えたんだ。二索だって、安全はいじゃないよ。ならば攻めのしせいで、三筒か六筒を切ってリーチ。カンチャンの薄い待ちにふりこむのはいやだったから(対面の捨てハイに九筒が切れてる)、六筒をすてて「リーチ」って、げんきよく発声したよ。
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チー:![]()
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たしか、こんな待ちだったよ。ドラかんけいなしの3,900点、えらんでふりこんじゃったんだ。そのこと、ボソッとつぶやいたら、下家のオヤジに「えらんで、うったら、いけないなあ〜」なんて、妙なイントネーションでいわれて、ぼくは、とっても、とっても、悲しくなったよ。
それをきっかけにして、気取りメガネのひとが爆発をはじめちゃった。ぼくのせいなのかな。
その後、ピンの卓にうつったんだけど、その人もいっしょについてきて、またぼこぼこにされたよ。ふたつポンして、ドラの赤五筒単騎ツモって、4000オールの1枚オールとか、されたよ。すごいしかけだ。 「たての流れが見えてたからね」 見えてたんだ。へぇ〜。
対面にあたらしく入ったのがけっこう強そうな人で、この人は踏みとどまってたんだけど、メンバーの人とぼくは嵐にホンローされまくってたよ。きんさでむかえたオーラス、1,300、2,600の親かぶりで100点差でラス落ちしたりした。こころのなかでなみだの海におぼれそうだったよ。
まだきて1時間半くらいなのに「もしラス」かけた。「もしかしたら次で終わりかもしれないです」って、ことだよ。まだ昼まえなのにそんなことしたのはじめてだ。メンバーのひとがぬけて、下家にこないだも打った、ふつうにちゃんとした人が入った。卓としてはかなり真っ当になったけれど、自分はどうしようもなくビリなんだ。打かいさくがみあたらないよ。何もしないまま座ってるうちにダンラス。ぜんぶ七対子になって、待ちはいの選択はつねにダウト。ありえないはい(ドラひょうじハイとかフリテンじごく待ちとか)ばかり引いてきて、まちごろのはいはすでにだれかに暗刻か対子だったり、だれかからリーチかかったあとに3枚目を引かされたりするんだ。そして、それは当たりはいなんだ。
オーラス、左右のどちらからハネ満ちょくげきしたらやっと3着、というぜつぼう的な点ぼうじょうきょうで、
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ドラ:![]()
5順目にしてこんないいかたちなのに、上家のメガネからこぼれる七索、八筒にチーがかけられない。とほほ。そんでメガネから2着決定リーチかかって(トップからハネ満ちょくげきすればオッケーなんだけどそんなことは起こりえない)、ぼくもなんとかドラを3枚にして、
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ハネ満リーチかけたよ。でも二萬と九筒のシャボ待ちに負けて、終わった。何もできないままチップもお金もジャカジャカ出てったよ。買い物もできないままに、おうちにかえった。
ふとんの上でごろごろしながら、いろいろかんがえた。
「奴あ、牌じゃなく、人と闘ってる」(うろ覚え) 「天牌」の市居さんはやっぱり正しいことをいうなあ、とおもったよ。
追記:そのあと腹いせにやった東風荘はやけにちょうしがよくて、こんなかたちでの公平さはいりません、と神様につぶやいたんだ。
03/09/24(WED)
【単行本・小説】 テッド・チャン(訳:浅倉久志他)「あなたの人生の物語」 ハヤカワ文庫SF [bk1][amazon]
うわー、おもしろい!!
皆さんいってますが、今年の最新海外SFならばグレッグ・イーガン「しあわせの理由」(→感想)と、この「あなたの人生の物語」だけチェックしとけばオッケーなのかも。それほど待ちに待たれた1冊。イーガンみたく日本オリジナル編纂の短編集ではなく、「Stories of Your Life and Others」(2002)を邦訳したものです。
「バビロンの塔」、「理解」、「ゼロで割る」、「あなたの人生の物語」、「七十二文字」、「人類科学の進化」、「地獄とは神の不在なり」、「顔の美醜について ――ドキュメンタリー」の8篇にくわえ、著者による「作品覚え書き」を収録。
「バビロンの塔」。デビュー作にしてネビュラ賞受賞短編。こんな快挙はテッド・チャンだけ。<バベルの塔>神話をモチーフに、神に抗おうとした人々の目にしたものは、を描いた物語であります。わりとアイデア剥き出しで、普通ならばもうちょっとドラマを加えてみたりしそうですが、そうしないところもイーガンと共通してたりします。鉱夫たちの生活や彼らが目にする塔からの光景など緻密かつ執拗な描写がよいです。でも、全体的にわりと普通。オチも普通。 「理解」。うわ、これはすごい! 「90年代SF傑作選 下」 [bk1][amazon] にも収録されてる傑作短編で、テッド・チャンのすごさを知るにはまずこれが最適でしょう。ホルモンKの投与によるニューロン再生促進により知能が加速度的に向上していく男の主観によって描かれた物語で、終わりの見えないエスカレーションがほとんどギャグの領域に至ってしまうところがすごい。最後のほうなんか、ありえません。「そんな馬鹿な……」と思いつつも描写が凄すぎるゆえぐいぐいと読まされてしまう不思議。SFというジャンルの醍醐味がここに凝縮されております。素晴らしい! 「ゼロで割る」。これもまた長年の思索の末に女数学者が辿り着いた結論は? というお話で、行き着いた果ての地平の光景を描いた作品がこの人には多い。それにしてもキツい話…… 鬱に陥った奥さんを気遣う夫という比較的よくあるストーリーを数学SFに仕立てることでより重く、逃げ場にないものにしているというか。「君の苦悩は俺にはわかる/わからない」のジレンマにまつわる話でもあるのかな? もう、どうしようもない。 表題作「あなたの人生の物語」。エイリアンとのコンタクトを担当することになった女性言語学者が地球人とはまったく異なる彼らの言語形態を学び、そして人生が変わってしまうというお話で、とある物理法則が物語自体に干渉することを描いた作品でもあります。最初はぴんとこなかった物語構成が最後に至って腑に落ちるあたりも巧い。ミステリでいうならば小説自体の構造がトリックになってるというか。ネビュラ賞、スタージョン賞受賞。しかし、感動ではないような気が…… どちらかといえば「ゼロで割る」のほうが切ないと思うのです。 「七十二文字」。これはオモロい。「名辞」なるコードによって神の御力をものに与えることができる、もうひとつのヴィクトリア朝を舞台にした作品で、産業革命やら錬金術やらさまざまなアイデアを惜しげもなく投入しています。なんで、これが短編なんだ? 一応アクションがあるのはテッド・チャンなりのサービスなんでしょうか。 「人類科学の進化」。科学雑誌の記事を模したショートショート。これといって書くことも無し。 「地獄とは神の不在なり」。これも面白い! 怪獣みたいな天使が降臨して奇跡とともに多数の人的被害が出たり、地獄の光景がいきなり生中継されたりする世界を舞台に、天国やら地獄やらに翻弄される人々の姿を描いた作品。天使を仏とか変えて田中啓文が書けばいいと思います。これ、怪獣小説だし。その場合、短編にはならないな―― 神への信仰やら何やらをものすごく身も蓋もなく書いていて、日本人だからぴんとこない部分はあるだろうけど、敬虔なクリスチャンの人が読んだらどう感じるのだろ――とちょっと思いました。映画で観たいな、これは。 「顔の美醜について ――ドキュメンタリー」。認識野の一部を麻痺させることで不細工か美人かの判定をできなくして多感な少年少女たちに比較的無難な青春時代を送らせようという「カリー」なる技術にまつわる出来事をドキュメント形式で綴った作品。これも面白い。そういえばこのネタは某ミステリ長編でも使われてました。シンクロニシティ! でもまあ、変化球だと思うのでトリを飾るならば表題作か「七十二文字」あたりがよかったような。
やたらに濃密なんで読むと流石に疲労しますが、それだけのことはある出来。テーマがわかりやすいからイーガン作品よりこちらのほうがより一般向けかもしれません。これはいいですよ。
03/09/25(THU)
【麻雀】 アナザ・グリン・ヘヴン at 渋谷メカバビイ(→公式) ![]()
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ついでにちょっと前のことも書いとこ。
ピン卓、来店後早々の東1局、上家と下家にメンバー2入り。
下家のメンバーさんが起家の親でいきなし激しい仕掛け。
チー:![]()
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ポン:![]()
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この時点でぼくの手牌が、
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えーと、七索、八索どうすればいんでしょうか? 字牌ばらまかれてる河を考慮するに、混一色飛び越えて清一色になってそう。しかも赤五索格納してそうだから18,000点コース。とほほほ。七索か八索外したいけど、捨てた瞬間どちらかがシャボとか何かで突き刺さりそうなんであります。だって、こんな状況でただの1枚も切れてないよ! そのまま両面固定するとして、残りの六索1枚も上家の河に切れてて九索がたったの1枚しか残ってない。対面の人は都合よく親の現物の字牌やら何やらを連打して店じまいの模様。とにかく身動きが取れん! いっそのことトイレ代走を頼んでしまおうかなどと考えつつ、流局めざしてびくびく打牌を続けていると、なぜだか上家に座ってるもうひとりのメンバーから「リーチ!」の発声が。うへえ。こちらの捨て牌を見ると索子と字牌、萬子と筒子の端牌がばらまかれてて、実質安牌ゼロ。やけに自信満々そうだから萬子か筒子の多面張の可能性大ですなわち、完全に詰んでます。切る牌がありません。嫌な予感全開でツモ山に手を伸ばすと、
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嗚呼、テンパった。四萬か七萬切ってダマ? 地獄待ち両面で追いかけリーチ? とにかく、七萬切りました。
「ロン!」(元気いっぱい) ……あれ、なんか、ドラだった。
パニクっててドラの存在を忘れていた。一発で切っちゃった。両面ならばまだあきらめがつくものの、七対子のドラ待ちにジャストミートして12,000点+チップ1枚の支出でした。ダメだこりゃ、寝ぼけすぎ。その後、案の定ぼこぼこにされたのでした。
03/09/29(MON)
【ANIME】 住めば都のコスモス荘 すっとこ大戦ドッコイダー 第12話「熱血バトルでドッコイ」(完結) (→公式)
いきなりだな! 無理矢理だな! 展開早いな! シリーズ構成的にはガチャガチャしてたけど、製作陣の頑張りがひしひしと感じられる作りだったので個人的な評価は高いです。ええもんをみせていただきました。
阿智太郎原作といえば、コスモス荘住人たちの秘密が明かされるという小説単行本にして4冊ひっぱった肝心かなめな描写について、鈴雄の 「なんとっ!」 一言ですませてしまうその異様なまでの淡白さが魅力のひとつなわけですが、流石にそれだとアニメにならないわけで、真っ当に熱血アニメに仕上げてきました。本当に熱かった! でも、それは普通に普通なパロディなんですよね…… むつかしいところであります。でも、お約束攻撃の連打により不覚にも涙腺がちょっとゆるんでしまったりして、あー、やっぱりなんともいえないな―― ああ終わるのも当然お約束なわけで、ならばばたばたと倒れていく仲間たちカットみたいな見せ方しないでもよかった、みんなで力あわせたら最強でした! みたいな全員大暴れ → 雪崩れ込みエンディングでもよかった気がします。演出の選択にかかわる問題なんでこちらが口出しても詮無いことは承知の上ですが、うー、あー、やっぱりむつかしいな。ツッコミ視聴とかじゃなくていろいろいいたくなる最終話でした。全体的に唐突すぎ、というのがすべてか? しかし、タンポポたんは相当にひどい女だと思うのは気のせいかしらん。いきなりやってきた朝香にも吃驚。
03/09/30(TUE)
【単行本・小説】 アーヴィン・ウェルシュ(訳:池田真紀子)「トレインスポッティングポルノ」 アーティストハウス [bk1][amazon]
うーむ、あいかわらずめちゃめちゃ面白い。一気読みしてしまいましたよ。
ダニー・ボイルによる映画も大ヒットしたり、(意外なことに)実はブッカー賞候補にあがってたりと、新人作家アーヴィン・ウェルシュの名前を一躍世界的に有名なものにしたデビュー作「トレインスポッティング」(→感想)の続編。あのラストから9年の時が流れて、ドラッグ+暴力+セックス+窃盗という最底辺の青春を送ったあのメンバーたちもクズ青年からクズ中年へと変わった。それなりの分別とそれなりの脂肪がついて、以前ほど刹那的ではない、でもまるでうだつの上がらないやっぱり下のほうの日々を送っていた。物語視点を次々と変えての一人称語りによって物語を進行していくという形式は前作と同様で、実質的な主役の座もレントンからシック・ボーイへとバトンタッチしています。シック・ボーイ主役らしく、ポルノ映画でひとヤマ当てようというお話。ロンドンのショービジネス界(本人申告)で燻りつづけたあげく当然のように都落ちしてリースに帰ってきたシック・ボーイがエディンバラ大学映画学科の生徒を巻き込んでポルノ映画製作に乗り出すというストーリーであります。そんなもん即物的なの撮ってさっさと売りさばいて「極悪がんぼ」の神崎くんみたく金だけ手にすりゃよさそうなものですが、そうしないところが不思議。田舎者の野心、精一杯という感じでちょっと笑ってしまいます。アーヴィン・ウェルシュ自身、映画脚本にかかわってるらしいし、「エクスタシー」(→感想)収録の「ロレイン、リヴィングストンへ行く」の中で変態的に歪んでいくハーレクイン・ロマンス小説みたくメタ的な趣向もけっこう好きな人なんでこんなふうになるんでしょうか。
半自伝的な側面の強かった前作とくらべて今回はプロット中心、登場人物たちの年齢も近しい「フィルス」(→感想)あたりと似通っていて、それに「劇画・オバQ」をくわえたという感じ。つまり、幼い頃からの力関係がまったく変わらないまま残っている空間の中でこの蟻地獄の中からなんとか抜け出そうとあがくクズ中年の姿が描かれます。「最強伝説黒沢」といい、最近こういうの多いなあ。気のせいでしょうか。
たとえるならば、出来杉くんとドラえもんがいなくて、のび太がふたりいる「ドラえもん」という気もして、逃げ出せたちょっと賢いのび太がレントン、逃げ出せないままあいかわらずのダメのび太がスパッド、シック・ボーイがスネ夫、そして、「本当に殺す」ジャイアンがベグビー。ベグビーは前作ラストのすぐあと殺人罪で逮捕されてずっと刑務所の中、つまり、ベグビーの時間だけは止まったままなわけでそれがたいへん恐ろしい。こういう暗黒の精神、頭のたがが完全にはずれたヤンキー思考を描写させるとウェルシュの筆は冴えわたります。セミレギュラーとして数々のウェルシュ作品に登場するレクソもまたまた登場、過去にあれだけ酷いことしときながらちゃっかりタイ風カフェ経営してたりするのが憎たらしく、なんだか嫌なリアルさがあります。
前作にみられたドラッグ青春小説の味わいを期待すると裏切られるかも。懲りないクズ中年小説でしょう。でも、やっぱり面白い。ダッチな奥さんが「帰ってきたぜ!」とか叫んでる装丁はものすごいインパクトで、これはさすがにカバーつけてもらうほうが無難かもしれません。
【ANIME】 グリーングリーン 第12話「鐘の日にサヨウナラ」(完結) (→公式)
え、それはいつまでも一緒ということなの……!? 1ヶ月がすぎて、娘さんたちとの共同生活にもお別れ、なんとなくいい感じに終わった。教え子、そして親友が瀕死なのに、さっさと寝てしまった千草先生、そして3馬鹿には吃驚。あまつさえオパーイまろびだしてたり、ちんちんいじりながらだったり、友達がいがないことこの上なし。観ていてそんなにもやもやしたものが胸におこらない、馬鹿+スケベに割り切った作りはまちがってなかったような気がしますが、感じたことはやはり萌え全盛スケベ不遇の時代なんだなあということでありました。「パラダイス学園」みたいなアニメはもっとあっていいと思う(嘘 しかし、毎度毎度思うけれど、あの涙の処理はすごすぎ。
【ANIME】 D.C.〜ダ・カーポ〜 第13話「さくらの胸騒ぎ!?」 (→公式)
なんかいきなり感想書いてみた。おっぱいネタとダチョウネタの二重奏(なんだそりゃ)、貧乳ロリ(見た目が)芳乃さくら@田村ゆかりメインエピソードのようですが、実質、巨乳ボケボケお嬢さん・水越萌先輩@伊月ゆいメインのような。彼女の胸からインサートだし。 「大は小を兼ねるといってな……」 いきなり本音結論が出てるのでした。風呂入ってる間にブラシャッフルされててたいへんだったらしい。アニメ表現におけるありえない胸揺れについてはいろいろ考えてみたい気もちょっとだけします。 サイドエピソードはロボ娘・美春@神田朱未メイン。デスクの下から舐めるようなカットなど、思いっきし盗撮アングルだったりして、なんというのかあられもない。えろえろです。さて、内容はといえば、思いっきりラフな格好の娘さんが真夜中に2ちゃん巡回して厨房カキコしてみたりヤフオク入札したりグロ画像踏んでダメージ受けたりエロサイトみてハァハァしたりするというもの。現実世界でもこのモニターのむこうでこんな光景が! ある種、理想のファンタジーが提示されております。もりやまゆうじ担当なのか、なるほど。
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