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03/10/12(SUN)
スランプに陥った天才研究者・早崎の周囲で奇妙なことが起こりはじめる。そしてある日、その原因が彼の目の前に姿をあらわす。それは外見がそっくりの、でも性格はまるでちがう、早崎のドッペルゲンガーだった。
黒沢清の新作。「アダプテーション」(→感想)で目にしたようなシチュエーションが出てきて、そういえば「アダプテーション」のことを最初こういう話なんだと勘違いしてたのだ……と思い出しました。自分の内なる欲望をストレートに実行してしまうドッペルゲンガーの存在に悩まされる男の物語、のように思えて、ラスト近くの展開は誰にも想像ができないような気が。とりあえず「凶悪」の一言に尽きます。工具が大活躍してました。嗚呼、イヤだなあ……
役所広司の演技力頼みの作品なのかなと思ってたら、ユースケ・サンタマリアも悪くなかった。コメディタッチで物語が進行していきながらも、容赦ない展開や登場人物のひとりひとりに冷え冷えとした狂気が感じられるあたりはたいへん好みです。永作博美はよくもあんなおぼこそうな役を演じられるもので、彼女、70年生まれですよ。びっくり。不毛にむかって大爆走する皆殺しロード・ムービーみたいな作品でした。ケッチャム「ロード・キル」みたいなオフビート感覚。ふええ、こんなふうに物語を終わらせるんだ! と感心したことでした。
【ANIME】 GUNSLINGER GIRL 第1話「兄妹 - fratello -」 (→公式)
またも変態アニメ! 「ちょびっツ」に続く浅香守生新作。
さまざまな理由により再起不能の少女たちを薬で洗脳して機械の身体を与えた上で少女暗殺者として甦らせるというお話。総じてとてもよいできであります。OPもカッコいい。しかし、原作ほどではないにしろ、物語の端々にほの見えるやらしい表現に「えーっ!」とか思ってしまうのでした。剃毛、ピアッシング、強制刺青はもとより人体改造も厭わない系の鬼畜エロ漫画ラストのコマで 「いろいろありましたが、私、今、とってもしあわせです」 とぜんぜん変わらない。うーむ。エクスキューズつきの変態は嫌いなのかな。細かいところでは 「まさしく、あなたがたの助けを必要としています」 という医者の発言やら、この世の苦悩を一身に背負ったようなジョゼの表情やら、なんかもう、困ったものですな。社会福祉公社はもっと生粋の変態だけを雇うようにしたほうがいいと思われます。そのほうが観ていて安心できる。さて、アン・マキャフリー「歌う船」でも読んでみようか……
【ANIME】 藍より青し〜縁〜 第1話「桜春〜おうしゅん〜」 (→公式)
フジだとばかり思ってたら今度はテレビ神奈川で意表を突かれました。
前作から1年、桜庭屋敷ではあいもかわらぬハーレム共同生活が続いていた…… 褐色ロリちかたんとその友人たちがセミレギュラー化してなぜかロリっ娘パーセンテージが上昇する模様であります。しかしまあ、なんともないお話だなあ…… そこが「藍より青し」のいいところなんですが。この第1話にしてからも、「ねえ、みんなお兄ちゃん(=薫様)のこと好きなの?」 っていう核心ストレートクエスチョンをちかたんが投げかけてみるというだけのお話。あとはまあ、明け方、こっそりと添い寝にはせ参じる葵たん(うーむ……)、買い物につきあってほしいのだけれど、レポートに忙しそうなんで薫様に言い出せない葵たん、仕事中、なぜか勝負下着に着替える眼鏡っ娘巨乳メイド、あたりでしょうか。(忘れてた、薫様の葵たん裸エプロン妄想) うわあ、生温い生活。視聴者を引きつける強力なフック的要素はないと思いますが、前作同様、安定した出来となりそうです。
【ANIME】 おねがい☆ツインズ 第11話「あなたに好きと伝えたい」 (→公式)
恋愛同盟解散。いまでは廃屋となった生家(今住んでるところはまちがい)に肉親さん情報書かれた母親のノートだけ落ちてるってのはRPGみたいであります。秘密の祠を発見した! で、思い残すことがないよう、緑は麻郁くんをはじめてのデートにお誘いしてみる、というお話。そんなこと露知らない麻郁くんが緑に手を出しちゃったらこれからずっと気まずくなりそうだけどね! というか、デートだけでものちのち恥ずかしくならないのだろうか。まあ、いいか。そんなにもりあがりません。廃屋のクローゼットの中にミイラ化した男子と女子の死体発見! 俺たちはいったい誰なんだ! とかそういう衝撃展開を所望します(嘘)。あれ? 小石たん出てた?
メカ沢特集。このレベルで続くんなら毎週チェックしてもいいかも。機械音ともなってウインウイン首回すメカ沢はすごくよい。とてもよい。しかし、ほっとくと収録現場に野郎しかいなさそうな作品であります。珍しい。林原のぴよこだって「デ・ジ・キャラットにょ」のついでにちょろっと録ったんじゃないでしょうかね。
03/10/13(MON)
【ANIME】 プラネテス 第1話「大気の外で」 (→公式)
→第1話あらすじ
「わたくし、このたび、第2事業部デブリ課に配属されました田名部愛ですっ! ハタチ、独身、日本人!」 アニメオリジナルシナリオということで、ハチマキ視点からタナベ視点へと変わっておりました。アニメオリジナルの登場人物もたくさん追加されてて、えーと、「プラネイバー」? 特車2課とデプリ課がかぶったりして。朴訥としたイメージあったユーリの声優が子安なのはびっくり。宇宙勤務とのことで理想に燃える新人タナベと、先輩としてゴミ処理屋としての現実を直視させながらもさりげなく心憎いことしてみせるハチマキ、このふたりの対比が面白い。いいですね。
【ANIME】 プラネテス 第2話「夢のような」 (→公式)
→第2話あらすじ
2075年、宇宙を漂うゴミが深刻な問題となる時代。これらスペース・デブリ回収を生業とするサラリーマン宇宙飛行士視点から人類の宇宙における日々を描いた作品。……と第1話のとき、書き忘れたこと書いてみた。
またも、夢と現実という展開で、花形部署で出世していく同僚を尻目に、宝くじ目当てでなきゃ自分の宇宙船を持つという夢を果たせそうもない自分を鑑みて落ち込むハチマキが、3年前の新人時代に失敗した衛星回収ミッションに再び取り組むが、またも新たなトラブルが! というエピソード。またも悪くない、というかいい出来。あえていうならば、これ以上ないほど基本に忠実な物語運びなんで感想として何書けばいいのか逆に悩んでしまうあたりが困りものでしょうか。
【ANIME】 円盤皇女ワるきゅーレ〜十二月の夜想曲 第1話「時の鍵」 (→公式)
なんやかやあって時乃湯も復活して、いつもの面々もいつもの日々に戻っていた。うーん、前のまんま。真田さんも猫耳侍女部隊のかたがたも前のまんまだ〜 しかしあの、パンテーラ真田さんを下から舐めるようなカットはいったい……!? 道場通いでチャンバラに精出すちびハイドラも可愛い。時の鍵の暴走によりちびワるちゃんが古典的魔法少女化して、なんでなんだ――というお話で、しかし後半の展開は唐突だな―― 怪獣あつかいですよ。頭上に鳥の群れが舞ってるし。意外なシロの強さにビックリしました。オールスターキャスト勢ぞろいでドタバタしていて第1話として悪くない出来なんじゃないでしょうか。いきなりやってきたライネが変身しなかったことくらいでしょうか。またもOP担当してるメロキュアの曲、じつはけっこう好きなんですよね―― ED介錯イラスト、真田さんのケツが!
【ANIME】 円盤皇女ワるきゅーレ〜十二月の夜想曲 第2話「機械皇女コーラス」 (→公式)
時野家にお化け出現! と思ったら、ヴァルハラ星のひきこもり皇女コーラスさん@桑島法子だった! いろいろまどろっこしい。 「ボクは…… キミたちとは…… ちがうの……」 自らの忌まわしき秘密について唐突に語りはじめ、そして嘆くコーラスさん。 「ボクは、キカイだから……」 「ヤサシイイロ、ヤサシイニオイ」 ほへ―― 最後の動きはやめてくれ―― どっと疲れたよ――
03/10/15(WED)
【単行本・小説】 沙籐一樹「不思議じゃない国のアリス」 講談社 [bk1][amazon]
沙籐一樹3年ぶりの新刊は「小説現代」に発表された短編をまとめたもの。表題作「不思議じゃない国のアリス」、「青い月」、「飛行熱」、「空中庭園」、「銃器のアマリリ」の5篇に書き下ろし掌編「旅をする人」を加えて収録。
「乙一絶賛!!」 「この本、運転手が沙籐一樹でなければ、きっと旅は快適だったでしょうに」 うーむ、言いえて妙。平易な表現で淡々と綴っていくその文章はけっこう乙一のそれっぽい(ので意外)、でも作品のありかたは似ているようでぜんぜん似ていない、自分では真似できないから乙一が絶賛してるんだと思います。世の中の作家を乱暴に二分すると乙一は「普通の人」もしくは「普通にやればできる人」、この沙籐一樹は「普通にできない人」なわけで、そこがぜんぜんちがう。もう、まったくちがうわけです。
たとえば、中学の修学旅行バス転落事故の生き残りである平凡な信金OLの前に木彫りの熊を従えた奇妙な少女「アリス」が出現する表題作にしても、青いフィルターごしに世界を視る男の悲恋話「青い月」終盤における物語処理にしても、もうちょっと上手くやれそうなところができなくて、どうしてもこうなってしまうあたりがこの人テイスト。前作「X雨」(→感想)あたりを読まれた方にはおわかりの「だいなし感」「がっかり感」が持ち味であります。
いちばん気に入ったのはラストを飾る銃殺少女と苛められっ娘の出会い話「銃器のアマリリ」。箇条書き中心で構成されてるちょっと不思議な短編。「空中庭園」はチャット混じりのネットRPG話で、ほとんど工夫がない気がしますが、なぜか面白い。「飛行熱」はちょっとだけ「プルトニウムと半月」テイストのお話。「旅をする人」はまあ、掌編ですね。
自分の中の作家マトリックスでは佐藤友哉と小川勝己の中間に位置してる作家さんで、友哉たんや滝本竜彦みたくそれを売りにしちゃってる職業的ひきこもり作家よりは奥ゆかしくて愛らしいと思います。今回は短編で味わいがちと単純なんで、今度は長編にて、この人特有のぐねぐねひねくれて奇妙な熱のこもったおおまちがい世界を描いてくれるといいな――と思うのでした。
【ANIME】 おねがい☆ツインズ 第12話「3人でツインズ」 (→公式)
うーん、赤の考えることはわからん、理解の範疇外だ…… 「女の子は複雑ですから」 ええー この露天はなんなの? とか思ったことでした。たかだか1クールの作品でここまで構成ぐだぐだになってしまう理由はよくわかりませんが、たぶん黒田洋介が仕事入れすぎなのでしょう。思いつきみたいな唐突な展開をサービスカットでフォローするみたいな作品はあまりみたくないのでした。なんとなくいい感じに〆たからって、誤魔化されないゾ! どっちつかずに過ぎるし、流石にもうちょっと何か欲しいですよ…… またしても俺のがっかり指数更新でありました。しかし、エンディングのあの台詞が近親姦黙認宣言だとしたらものすごい。どんなオチだ……
【ANIME】 まぶらほ 第1話「きちゃった……」 (→公式)
→各話あらすじ
原作は未読。そうか、最近の富士見ファンタジアは堕落しているのだな…… エリート魔法学園に魔法使用回数8回のダメダメ男子くんがいて、ある日唐突に押しかけ女房転校してくるわ、タカビー女に服脱がせ脱がせされてみたり、いきなし人斬り包丁突きつけられたり、あげく魔法大戦はじまったりして、エロエロなんだか、物騒なんだか。 「キミ自身が撒いたタネだからなあ……」 要は、主人公の家系が凄まじいんで優秀な遺伝子が欲しい女子が群がってくるというお話。ま、なんて、はしたない! 年寄りなのでついていけません。
03/10/16(THU)
【単行本・小説】 深堀骨「アマチャ・ズルチャ 柴刈天神前風土記」 ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション [bk1][amazon]
深堀骨(ふかぼり・ほね)初の作品集。「ミステリマガジン」、「SFマガジン」に発表された7篇に書き下ろし1作を加えた「バフ熱」、「蚯蚓、赤ん坊、あるいは砂糖水の沼」、「隠密行動」、「若松岩松教授のかくも驚くべき冒険」、「飛び小母さん」、「愛の陥穽」、「トップレス獅子舞考」、「闇鍋奉行」、以上8篇を収録。
ものすごく勝手にカテゴライズしてしまえば「口上小説」とでもいいましょうか。シュール系の落語、たとえば「あたま山」、「こぶ弁慶」、「犬の目」、「地獄八景亡者戯」とか、そういうのを小説として書き下ろしたような、そんな印象。
コインロッカーの溜息を聞いた男の物語「蚯蚓、赤ん坊、あるいは砂糖水の沼」における 「グウォーッ」 「ポッ」 、「隠密行動」における主人公の諜報員イモ健の加藤剛に対する異様なまでのこだわり、なぜか回想形式で語られる「愛の陥穽」など、読者を物語本筋に没入させないための何かが用意されているあたりも間の手っぽくて、古典芸能のようであります。まあ、たぶん意識はしてるのでしょう。これだけ奇怪なこと書いてもまるで悪夢めいて感じられないのはそのせい。無機物が意識をもった(ような)展開が多いのはSF的? (これはちょっとわかりません)
だんだんエスカレーションしていくので慣れないうちは収録順に読むのが吉のようです。なかなか面白いのですが、書き下ろし「闇鍋奉行」まで行きつくと流石にちょっとついていけません。これは自分が小説読みとして体力不足なのかも。
【ANIME】 R.O.D. - THE TV - 第1話「紙は舞い降りた」 (→公式) [amazon]
わーお、面白い! 素晴らしい! 日本では4年間も何も書けない大スランプ、すでに過去の人へと、されど海の向こうでは自作の出版&映画化される大ヒット、単独、香港でのサイン会に飛ぶことになった菫川ねねね先生でしたが…… しかしまあ、なんでまた少女小説家が爆弾で命狙われなきゃいけないんでしょうか。どうやら紙使いさんにやたら御縁あるようで、長らく音沙汰無しの読子・リードマンさんの代わりに香港で出会ったガイド三姉妹がやってきた! という展開になるようであります。ビブリオマニアの話がなぜか壮大なスパイアクション馬鹿騒ぎになってしまうという設定と展開のアクロバットがもうたまりません。あのテーマ曲流れると激しく燃え上がってしまう俺の心。これは恋!? それにしても激しく動いてましたがアニメーターさん大丈夫なんでしょうか? 違和感なくできるならば、こういうのこそCGAでできればいいのにね。流石は舛成孝二。いい仕事です。しかし、あの三姉妹、このまま日本にいつくのだろうなあ。このクオリティが続けば、今期No.1期待。ねねね先生の乳がさりげなくやらしくてえかった。
【ANIME】 GUNSLINGER GIRL 第2話「天体観測 - orione -」 (→公式)
原作1話の内容を前後編で放映。全体的に淡白な演出で、第1話回想を交えながらという構成のせいか、物語のインパクトが弱くなってるのは残念。ヘンリエッタ暴走という緊張を緩和させてこそサブタイトルにもなってる屋上での天体観測シーンが生きてくるような気もします。また、物語を2話に分割したせいで、すべてがジョゼの罪悪感を埋めるための補償行為みたく感じられてしまうのも、いいのかしらん。(自らの手を汚そうとはしない弱く偽善的な人間だとは思うけれど) 次週、原作の少年エピソードを1話にまとめるならそこらへん大丈夫かな。またも視聴者に一発ショック与えて終了、みたいなエピソードにはなりそうであります。しかしまあ、わかりやすくショックアニメ。
03/10/17(FRI)
え! クロマティ高校って共学だったの? なるほど、林田の髪の毛はこんなふうに使うのか。ヤンキーたちのハミング曲思い出し大会がえんえん続いて動かないことこのうえなし。どんな画面だ…… 拓郎さんの実写カットは親切すぎ、いらなかったかも。
03/10/18(SAT)
→第3話あらすじ
ステーションでの保険勧誘合戦とものすごい偶然からデブリとして回収された宇宙葬棺桶をからめたエピソード。 「愛が、愛が足りないッ!!」 とタナベが叫ぶ。ひさびさに原作再読してみたら、登場人物ほぼ全員がイッちゃってて吃驚。アニメではわりかし普通人として描かれてきたタナベも、急激にエキセントリックにそれらしくなってきました。これまではどうも泉野明の感覚で彼女を見ていました。個人的にはハチマキ寄りの考え方なので物語の決着については微妙な感じ。人と人との関係性を愛のみで語ってしまう姿勢というのもまた歪な気もするのです。保険関係の描写は長すぎで展開が幾分ダレた気もしましたが、毎度毎度のクオリティに文句つけるのが忍びない気はしてしまって、やはり感想が書きにくい作品ではあります。しかし、宇宙関連の素材並べてみました! OPだけはどうかと思って、印象に残るカットがまるでありません。
【ANIME】 円盤皇女ワるきゅーレ〜十二月の夜想曲 第3話「電波皇女コーラス」 (→公式)
なんだこりゃ、しょもない。機械じゃなくて電波だったコーラスさんがひとん家の押入れで荒らし行為をしたり街角でデマを飛ばしまくるお話でした。かといって、最後のオチにコーラスさんがかかわってくるわけでもなく、なんか、不完全燃焼。てっきり、荒らされたページの管理人が苦情を言いに来たものだとばっかり…… コスモなんか感じなくてええですよ! ライネさんがただうろちょろしてるだけの人になってるのでたまには変身させてあげてもよい。
03/10/19(SUN)
【単行本・小説】 築地俊彦「まぶらほ 〜ノー・ガール・ノー・クライ〜」 富士見ファンタジア文庫 [bk1][amazon]
「原作は未読」とか書くのが微妙に屈辱なので。「YO!」(注:18禁)みたいな即尺♥乱交系・学園ラブコメ(どんなだ)なのかと思ったらぜんぜんちがって、ずいぶん殺伐とした内容でした。いろいろ意外だった。
東京国際貿易センター開催の「大ドイツ展」観にいった一行が現地でドンパチ、そして奪還に! というお話で、てっきりコッチだと思ったらソッチか! アニメ版だけの人間にとってはいささか意外な展開でありました。囚われの姫が主人公なのかとばっかり。しかしまあ、主人公が何もしないお話ではあります。そんなんでええのか。
アニメではあんなだった玖里子さんも凜さんもそれなりの苦労を重ねてきた普通の人間として描かれていたのも意外でしたね。敵役の連中については意味なく(おもに性的に)歪みすぎ! と思われました。ほとんど無関係な船員とかがばたばた死んでる中、最後のとどめだけ躊躇するという行為にどれほどの意味があるのだろうか? とこういうシチュエーション目にするたびいつも思ってしまって、まあライトノベル的意図なんでしょうけど、なんか釈然としません。
そういえば、夕菜さん押しかけ女房エピソードなどが主人公の回想オンリーでやけに淡白に流されていて驚きましたが、これはどうやらこの作品がスペシャルバージョンに近い位置付けの長編だったからみたい。短編読まないとあかんのですね。まちがえた! 駒都え〜じによる本文イラストはあいかわらずぱんつはいてない疑惑。
【単行本・小説】 東野圭吾「予知夢」 文春文庫 [bk1][amazon]
いまいち読書に集中できないのでとっかかり用として。どうも東野圭吾の作品は軽いものばかり読んでる気がします。「探偵ガリレオ」(→感想)の続編。「夢想る」、「霊視る」、「騒霊ぐ」、「絞殺る」、「予知る」の5篇を収録。
前作ほどには物理物理してません。また、事件の内容も「気のせい、気のせい」程度ですんでしまいそうなものが多くて、全般的にずいぶん普通になりました。しかし、天才物理学者のわりにはNHK教育の番組みたいな実験ばかりしている人ではあります。
03/10/20(MON)
【単行本・小説】 ミヒャエル・エンデ(訳:田村都志夫)「自由の牢獄」 岩波書店 [bk1][amazon]
「遠い旅路の目的地」、「ボロメオ・コルミの通廊」、「郊外の家」、「ちょっと小さいのはたしかですが」、「ミスライムのカタコンベ」、「夢世界の旅人マックス・ムトの手記」、「自由の牢獄」、「道しるべの伝説」の8篇を収録。
うーむ、感想が書きにくい。どれもなかなかおもしろいけれど、ぴんとこない部分も散見して、これはまあ、文化的な理由によるものかもしれません。最近読んだ本の中で(自分の中での)読後感が似てるのは、スタージョンの「海を失った男」。
ある特殊な構造をした空間を彷徨うような物語が並んで、ボルヘスへのオマージュである「ボロメオ・コルミの通廊」と、「ボロメオ・コルミの通廊」を目にした読者からの手紙という体裁をとっている「郊外の家」が、空間そのものの怪異を描いた作品になっているのに対して、その他の作品は規模の差こそあれ、旅を描いた作品となってます。「遠い旅路の目的地」、「夢世界の旅人マックス・ムトの手記」が個人的ベスト。「ミスライムのカタコンベ」も圧倒的な作品なのですが、ミスライム世界の世界構築に対して何か必然性があったほうがいいのでは、と思ってしまうのがちょっとネック。若干腑に落ちないものが残りました。その点、「夢世界の旅人マックス・ムトの手記」は「白い都市」構造の異形性と物語の結末にそれなりの関連性があるような気がして、こちらをベストとしました。「千一夜物語」パロディが映画「CUBE」っぽくなる表題作「自由の牢獄」はその堂堂巡りな会話がよい。優秀なれど周囲に無関心で感情の振幅がない貴族の跡取りによる故郷探しの魂の遍歴を描いた「遠い旅路の目的地」と、ラストを飾る「道しるべの伝説」は、求めるものを得るためにその生涯をかけた男たちの記録という点で呼応しているようでおもしろいです。
しかしまあ、甘くない。読むのに体力が必要でしんどいです。「鏡のなかの鏡」 [bk1][amazon] もこのタイプの作品集らしいので読んでみよう。もうちょっとしてから。
【ANIME】 ヤミと帽子と本の旅人 第1話「葉月」 (→公式)
16歳の誕生日迎えたら姉の初美さんがどっか消えちゃった! ボク女さんの葉月さんは初美さんにのラブラブ♥なんで時空を超えて追っかける! みたいなお話。きんしんかん・れず・えろ・あに〜め? いきなりシベリア超特急みたいなのに舞台は移って、あれ? なんか、よくわからん! この劇画調止め画演出はなんなんだ! と思われました。大爆笑してしまった。エロス&バイオレンス&ギャグ? OP曲といい、このBGMといい、狙ってるのでしょうか。時系列シャッフルと回想交えて語る形式なんで、それなり真面目に観ないと筋が追えないような気もするんですが、しかし、エロっちい雰囲気を楽しむ作品という気もして、ぼーっとみててもかまわないのかもしれないなあ。主人公、蚊帳の外なんですが、これはいったい…… やったら異様なムードでした。音楽のアナクロさ加減がたまりません。
【ANIME】 ヤミと帽子と本の旅人 第2話「蓉子」 (→公式)
え、えろあに〜め! 「ならば身体に聞くとするか、ぬうぅ〜ん?」 シベリア超特急へと男装で潜入した(なぜだ)諜報員さんの素性がばれて、なんか古典的なシーンへと! しかし、こぼれんばかりの巨乳でバレないわけがない。誰か教えてあげなさい。ところで主人公の葉月さんはどこにいるんでしょうか? 得体のしれない盛り上がりであります。 「素直に白状せんと、この身体に傷がつくことになるが、かまわんか?」 ただごとでない帽子かぶったロリっ娘までも登場した。夢魔とか、その系統の人でしょうか? チャイナ服に着替えさせてアクションさせたりして、とにかくエロいね! やたら皆さん頬を上気させております。葉月さんは最後のほうでちょろっと活躍した。世界を放浪する傍観者、というポジションなんでしょうか。いかがわしい雰囲気に、ひさびさに深夜アニメを見たような気がします。ある意味たまらん。
【ANIME】 ヤミと帽子と本の旅人 第3話「ジル」 (→公式)
ん? これはどうやら第1話Aパートの続きっぽい感じ。図書館に転送された葉月がリリスちゃんケンちゃんと本の世界を旅することになる導入部ですな。素直に第1話でこれやればよかったんじゃないのか? わざわざ葉月スク水に着替えさせて秘密の隠れ家でバカンスさせた理由がわからん…… が、エロいのでよい。百合百合三角関係の旅のようでありました。あまつさえその格好のまま観覧車乗ったりする。バックにはバイオリンの旋律が鳴り響く。なんじゃ、こりゃ――! 破廉恥かつ狂っておりまする。へぼい同人がアニメ化されたのを目にしたようで、しかしこれはこれでなかなか面白い。妙に癖になります。
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