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03/12/11(TUE)
【単行本・小説】 田中啓文「陰陽師九郎判官」 集英社コバルト文庫 [bk1][amazon]
田中啓文、コバルト文庫に進出! (しかし、最初で最後であろう)のこの新作は、なんと源義経を陰陽師に仕立て上げた荒唐無稽伝奇アクション。
コバルト文庫というレーベル、皇名月の美麗なイラストにぎょっとしますが、肝心の内容はあんまりいつもとかわりません。ただ、ツッコミ役が不在のまま、まるで駄洒落なぞなかったかのように物語は進行していくので、相当にうかつな人はごくごく普通の退魔物として読んでしまうかも。いや、いくらなんでもそんなことはないかな……
源氏の世になってもしぶとく安倍晴明が生きてたり(御年263歳)、洋の東西を問わずオカルトネタが詰め込まれていたり、さりげない呪文もじつは……だったり、いささか強引で無理のある設定を駄洒落で繋ぎ止めて突っ走っております。しかし、ラストに登場するアレは毎度毎度だね! と思ったりもしました。んー、そんな感じ。
【ドラマ】 TRICK3 episode #01「言霊で人を操る男」 (→公式)
第1話あらすじ/第2話あらすじ
未見のまま小馬鹿にしてたんですが、ためしにみたらえらく面白かった。ごめんなさい。今までに放映された第3期全エピソードの感想をとりあえず書いてみました。「1」も「2」も観てないので、そのうち観ようかな―――と思いまふ(ただし今さらなので感想は書かないかも)
いわずもがなですが、貧乳奇術師とウドの大木物理学者コンビがニセ超常現象のトリックを暴く、みたいなへっぽこ馬鹿ミスドラマであります。言霊で人々を意のままに操る謎の男・芝川玄奘に森本レオをフューチャーしたこのエピソードは、遠くの山を丸ごと消失/自殺に偽装した密室殺人/心理操作に見せかけた殺人そして自殺の謎がメインでしょうか。しかし、山消失(なのか?)のトリックの大胆さには驚きましたが、村の人間である井上兄弟がなんで驚いていたのかはちょっとわかりませんな…… 雷の説明ってあったっけ? どのツラ下げて依頼にいったんだろう? というガッツ石松の起用(虫けら役)にそれなりの意味があったのもビックリ。ははは。トリックレベルとしては金田一とかコナンとか霧舎巧とか、そんな感じでありました。 「ベストを尽くせ――!!」 ハルク化する上田のたいそうくだらないCGカットには大爆笑。楽園崩壊に絶望した玄奘が身を投げちゃうくらいの諸行無常カットがあってもよかったかも。野際陽子の登場もいいアクセントになってました。
【ドラマ】 TRICK3 episode #02「瞬間移動の女」 (→公式)
第3話あらすじ/第4話あらすじ
空間に裂け目を生じさせることで瞬間移動できるという怪しげな女・スリット美香子が村の遺跡から出土した貴重な土偶を狙ってるらしいとの情報を得て、神ヶ内村へと向かった上田と山田。村では1年前、調査に訪れていた考古学者が変死を遂げ、彼が発見したはずのミイラも行方不明になるという事件が起こったという。遺跡を荒らす者には祟りが降りかかるらしいのだ……
うーん、なんかよくわからん。あんな大掛かりな装置使ったらあかんやろ! (とくにぐるぐる回ってるの)とか、最終目的があれなら行動の必然性があんまりない気がする、とかいろいろ。芥川は最初チューヤンかと思ったら黒田アーサーだった。スリット美香子@高橋ひとみが自分を捨てた熱演しておりました。そういえば、矢部の記憶力が無駄によかったのでビックリ。博物館への侵入トリックはいかんせんシチュエーションに無理がありすぎですが、美香子のスリットドレスにそれなりの必然性が用意されていたのは合格かも。とっておきの消失トリック目の前で披露してみせたのに、目撃者たる矢部たちがアホすぎて無視されてしまう、という展開もたいへんに好みであります。
【ドラマ】 TRICK3 episode #03「絶対死なない老人ホームの謎」 (→公式)
第5話あらすじ/第6話あらすじ
復活トリック大全というか。上田次郎フェアに目がくらんで、死んだ老人すら復活させるという奇跡の老人ホームを調査することになった上田と山田であったが…… という内容で、いかにも胡散臭い復活能力者・赤地を高嶋政伸が好演しておりました。この人、あんまり見た目が変わらないね…… 学芸会の出し物みたいなおてもやん復活トリックはよい。準備段階の映像にちょっと笑ってしまいました。全体の趣向もチェスタトン的逆説にさらに逆説をくわえてねじったようで面白いですね。動機もそれなりにわかりやすいし、最後に残った真実が逆に牙を剥くという後味の悪い幕引きといい、ミステリ的にもストーリー的にも見ごたえあったと思われます。
【ドラマ】 TRICK3 episode #04「死を呼ぶ駄洒落歌の謎」 (→公式)
第7話あらすじ/第8話あらすじ
横溝パロディ。平安時代の歌人、亀山道貞が確立した「亀山歌」は単なる駄洒落歌だった! 名家・亀山家の屋敷が人手に渡ることとなり、開けた者に災いをもたらすという市松模様の扉をなんとかせねば! とのことで上田・山田コンビに白羽の矢が立った、というお話。珍しくフーダニット(犯人当て)の趣向ですが、毒殺トリックの伏線があまりにもわかりやすいがゆえに犯人はすぐわかることでしょう。哲也役がIZAMだからあの振り付けなのね、とか。そういえば、入江雅人を久しぶりに見た。一族姉妹の頭がちょっと弱そうなところとか、なんとなく琴を弾いてみたりとか、ラストの幕引きとか、最後の最後に影で糸引く人間が登場したりとか、横溝的趣向はうまく取り入れられていたと思います。トリック2の「六つ墓村」って、どうなんですかね……
03/12/13(SAT)
【単行本・小説】 レックス・ミラー(訳:田中一江)「壊人」 文春文庫 [bk1][amazon]
たぶん、肉食人種にしか書けないスプラッタ・アホ小説。「かいじん」と読みます。
200キロを超える巨体にヴェトナム仕込みの殺人術、抜群のIQと研ぎ澄まされた状況察知能力で捜査の手をかいくぐってきた残虐殺人鬼<チェーンギャング>がシカゴの街にやってきた! 殺した人間の数は体重くらい(しかもポンド換算)、女は犯せ、男は殺せ、子供も殺せ、とにかく殺せ、ナイフで切り裂け、臓物取り出せ、心臓喰らえ!
ほとんどジェイソンな怪物キャラ<チェーンギャング>と元アル中の孤独な中年刑事アイコードの闘いを描いたジャック・アイコード・サーガ第1作らしい、というのは作者のデビュー作にして、初の邦訳だから。正直、ほとんどアホみたいな小説で、特にラストの鬼気迫る攻防で刑事アイコードが取り出した最終兵器は? というので大爆笑しました。残虐の極みなのに、<チェーンギャング>ことバンコウスキーがどこか憎めないところがなんとも奇妙であります。気配より先に漂う悪臭、面白半分の出鱈目な殺戮にカニバん坊万歳! な展開、怖気が立ちそうなものなんですが、なぜなんでしょうね…… こんな内容なのに食欲が湧いたりします。春巻食べたい! ほぼギャグといってもいいような殺戮劇と、アイコードと<チェーンギャング>被害者未亡人とのぎこちなすぎる中年ラブロマンスが繰り返され、いつしかだんだん愉快な気分になる不思議。殺戮! ラヴ! グルービィー! 脳みそを使いたくない時にもってこいの1冊ですね。
それにしても、ヴェトナム戦争の狂気だの児童虐待だの、便利設定てんこもり。スプラッタ・パンク小説の「パンク」って、いったいなんだろう? わかるような、わからないような……
【単行本・小説】 牧野修「黒娘 アウトサイダー・フィメール」 講談社ノベルス [bk1][amazon]
長身痩躯のクール美女アトムとアニメ声のゴスロリっ娘ウラン。アマゾネスと電波といういかにも牧野キャラな娘さんふたりが死屍累々の山を築き上げながら旅をするというロード・ノヴェル。
「プッシー・トーク」、「グリーン・ドア」、「ディープ・スロート」+書き下ろし「ワイルド・パーティー」の4篇を収録。
裏チャーリー・エンジェルズだの、牧野流「バカなヤツらは皆殺し」だの、そんな感じ。犯ることしか考えていないバカ男、悪夢のように甦ってくるストーカー、無神経を通り越してコミュニケーションが成立しないセクハラ上司、自らの「正義感」からAV女優に私的制裁を加える善良なる一市民、拉致した女たちを檻に入れて嬲り殺すのが趣味の集団……、彼らの前にあらわれて、血の雨を降らせ、またどこかに消えていく黒い天使ふたり、という「必殺」シリーズにも似た殺戮復讐劇の中に古来より水面下で綿々と続いている女と男のジェンダー闘争という壮大な嘘を盛り込み、果ては神話の領域に達してしまうのがいかにもこの人らしいところ。「このネタを、こんなふうに料理していいものかしらん」と不安にもなってしまうのでした。インモラルの極み。
さすが、厭描写させたら凄まじいものがあって、粘着質な侮蔑の言葉や凄惨な拷問シーンなど本当に容赦がありません。個人的に、この手の類にはそれなりに耐性があるほうだと思いますが、それでもこれはわりとキツい。ケッチャム「隣の家の少女」(→感想)マイナスマイナスくらいかな。「壊人」に登場する<チェーンギャング>になんで愛嬌があるのかと思ったら、やつは誰も分け隔てなく殺すからなんだ、差別的な視点が登場するとキツいな――と思われました。心の底に嫌なものが残る感覚はこの作品のほうがはるかに上。女性読者の方は耐えられないかも、捨てちゃうかも、とか思いました。なんかもう、厭だなあ。
追記:そういえば、感覚的にいちばん近いのは花小路小町「牝の牙 死んでもらいます」だ。
【ドラマ】 TRICK2 episode #01「六つ墓村」 (→公式)[Amazon]
第1話あらすじ/第2話あらすじ/第3話あらすじ
毎年1月11日に人が死ぬという旅館「水上荘」の謎を解くべく向かった田舎村には忌まわしき伝説が残されていた。財宝目当てに斬殺された落ち武者六人の呪いが現代に甦っているのか……!? というお話。「たたりじゃ〜」みたいなこと言ったり、呪いの数え唄を口ずさんだりして(ほとんど意味なく)周囲を不安に陥れるあき竹城と和田勉や、やっぱり洞窟が出てくるあたりは横溝正史「八つ墓村」ですが、むしろ1発ネタを膨らませてミステリに仕立て上げたような物語でした。しかし、旅館ごと買収して改装なりなんなりすればそれで終いのような……? いきすぎ丁寧語で事態を混乱に導く番頭役を渡辺いっけいが怪演しておりました。そういえば、犬山犬子も出ていた。「TRICK3」最初に観たせいか、ひどくさらっとした印象で、変なCG演出してないぶん、こちらのほうが好印象。任侠かぶれの馬鹿刑事石原のほうが東大くんよりもよい。そういえば、矢部の髪形も違った(w
03/12/14(SUN)
【映画】 「ハムハムグランプリン オーロラ谷の奇跡 〜リボンちゃん危機一髪!〜」 (→公式)
伝説のハムスター・スノーハムたちが暮らすオーロラ谷にはここのところさっぱり雪が降らない。このままでは暑さに弱いスノーハム一族は絶滅してしまう。雪ごいの儀式のため、スノープリンセスを探す村人たち。魔法の鏡の中に移ったのはなんと、リボンちゃんの姿だった! 氷の神殿の妖精・プリンちゃんはさっそくリボンちゃんを拉致してオーロラ谷へと連れてくる。ハム太郎はじめとするハムちゃんずはそうはさせじと谷へと乗り込む。しかし、寒がりの海賊・ハムクック船長が、雪ごい阻止のため、再びリボンちゃんをさらった! なんかしらんけど、ハム太郎とハムクック船長のリボンちゃん争奪レース合戦がはじまった!
テレビではちょろっとみたけれど、劇場版ははじめて。監督:出崎統だからか、敵役・海賊ハムクック船長が正々堂々と妙に紳士的で「ガンバの大冒険」的な正しい海の男たち、という感じ。リボンちゃんさらって村に爆撃しかけときながら(ここはヒデェ)カチこみにやってきたハム太郎たちに「とりあえず、話し合いで」みたいなこと言い出すところは大爆笑しました。ほかにも、「お前、友達は多いのか」とか。(ちなみにハムクックのCV担当は大塚明夫で、「ガンバ」ノロイの息子さん)ミニハムずとゲッツハム@ダンディ坂野は本当にゲストという感じで、ゲッツハムは腹立つかと思ったらそうでもなかったよ。むしろスノーハム一族の他力本願ぶりのほうが腹立たしい(w
聞くところによれば、歌のシーンなどで客席の子供たちが大合唱したり踊りはじめたりするとのことだったのですが、皆さんおとなしかったですね。物語自体もけっこう普通だったらしい。ぼくの感覚では「テンション上がりっぱなしだなあ……」でしたが、ほかはこれ以上なのか! すごいことであります。
【映画】 「ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS」 (→公式)
考えてみれば、平成ゴジラシリーズ劇場で観たのもはじめてだ! 去年公開の「ゴジラ×メカゴジラ」も未見なので、メカゴジラが自衛隊製だというのもビックリなのでした。
1年前の壮絶な戦闘で破壊された個所がいまだ直らないままの機龍(メカゴジラ)。機龍修復に携わる整備士・中條とその叔父、甥っ子の前に小美人とモスラが姿をあらわした。 「人間がゴジラの骨から戦いの道具を作ったのは大きなまちがいです」 機龍のパーツとして使われているゴジラの骨を海に返してほしいと言うのだ。いざという時には、機龍のかわりにモスラがゴジラと戦うという。そして、ゴジラは再び東京湾に姿をあらわした。
物語としてはかなり納得いくレベルだとは思います。ただ、住民全員避難完了した街で怪獣が戦うというシチュエーションはかなり萎えるところがあって、それではちょっと脅威になり得ないなあ。もっともっと人が死なないと! その点ではガメラシリーズのほうが好みであります。モスラはそれなりに善戦しておりましたが、やはり昆虫だなあ。燐紛攻撃に粘液じゃあ、普通に考えても勝ち目ないでしょう。しかし、母モスラの自己犠牲にはちょっと涙。「まともに考えて、中條くんは10回くらい死んでるのではないか?」とか「メカゴジラの操縦がラジコンなのはやっぱり萎える(その設定を生かしたシナリオにはなってたけれど)」とか、いろいろありますが、なかなか面白かったのではないでしょうか。とくに戦闘が派手だったのはよかったと思います。
【ドラマ】 TRICK episode #01「母之泉」 (→公式)[Amazon]
第1話あらすじ/第2話あらすじ/第3話あらすじ
いちばん最初のエピソード。売れないマジシャンで失業ほやほやの山田奈緒子は「超能力者であると証明できたら賞金を支払う」との記事を見て上田次郎なる若手物理学者に会いに行った。適当なマジックで上田を騙して、まんまと賞金を、と思ったら、話がちがった。「母之泉」なる新興宗教にはまった大学事務長の娘を説得すべく、教祖である澄子のインチキを暴いてほしいというのだ。上田本人はすでに澄子の呪いを受けているらしい。最初は断った山田であったが、なんやかや(金の問題)あって、上田とともに母之泉本部コミューンに潜入捜査することになった……
怖――! 教祖・澄子役@菅井きんと教団を取りまとめる津村@山崎一の熱演もあいまって、味方不在のまま信者たちが集う閉鎖空間で不利な戦いを強いられる不安感・孤独感などが上手く表現されていたと思います。なぜそこまでして脱退した信者たちを始末しなければならなかったのか(地震うんぬんはどこいったのだ)など、疑問は山のように残ってますが、最後まで目の離せない緊張感にあふれていたと思います。山田・上田・矢部などレギュラー陣の人となりがきちんと演出されていたのも好印象。しかし、水と風車が絶対絡んでくると思ってたんですが、ちがうのか…… 荷物運搬用のレール使って上田が脱出するカットは好み。あんなすぐばれそうな仕掛けまでして空中浮遊術を見せなければいけない理由もよくわからないし、ラストはやけにあっけなさすぎ、とも思いますが、はじまりのエピソードとしては上出来でしょう。しかし、山田故郷の幼なじみ、ボンボン医師はこれから何か関係してくるんでしょうか? 「3」ではまったく姿を見ませんが。
【ドラマ】 TRICK2 episode #02「100%当たる占い師」 (→公式)[Amazon]
第3話あらすじ/第4話あらすじ/第5話あらすじ
なかなか面白いのですが、考えるほどにわけがわからんお話ではあります。上田に弱みを握られて、的中率100%という噂の占い師・鈴木吉子のインチキを暴くことになった山田でしたが、「私の言うとおりにしなければ、大事なものを失う」と逆襲され、直後、上田と連絡が取れなくなってしまう。拉致されているのでは? と、急遽、吉子の屋敷に向かった山田と矢部だったが……
信者たちが集う閉鎖空間に乗り込んで教祖のイカサマを暴く、という毎度のパターンながら、山田のコンビ役が矢部なところが珍しいかも。しかし、これは職務なのか(w 管轄関係なしにあらわれて現場で間抜けな行動をとるのはミステリシリーズのお約束を皮肉った設定ですが、警察と名乗れなかった今回はストーリー内での矢部のポジションがなかなかむつかしかったですね。しかも、事件らしい事件が起こったころには消えている。
意味なくやっさん似の不動産屋など、キャラが立っててなかなか楽しかったですが、なんといっても吉子@銀粉蝶と、貢ぎ芋のサラリーマン@伊藤俊人の対決は鬼気迫るものがありました。レギュラー陣全員呑まれていました。それにしても、伊藤俊人、惜しい役者を亡くしたものであります。トリックに関していえば、なんのことやらな漢字トリックはじめとしていろいろ苦しすぎでした。
03/12/15(MON)
【ドラマ】 TRICK episode #02「まるごと消えた村」 (→公式)[Amazon]
第4話あらすじ/第5話あらすじ
宝女子村という離村に赴任したばかりの駐在・前田が血相を変えて本署に飛び込んできた。駆けつけた警官たちが目にしたものは、まるでバミューダ・トライアングルで発見されたセレスト号のように住民だけが忽然と姿を消した村の姿だった。この不思議な現象は村住民に深い憎悪を抱いている消失能力者・ミラクル三井の仕業らしい。そして、村に潜入した上田・山田の前にミラクル三井はあらわれ、怯える前田を消してしまった……
消失トリックものと見せて、実は……というお話であります。小説でやったら普通に受け入れられそうな仕掛けなんですが、映像で見せられると「やはり無理があるんじゃないか」とか感じてしまうのはむつかしいものだなあ。特にこの先どうする気なんだろうか? という疑問についてなど。(とくに儀式に使う遺跡「溶岩流が」のくだりもいきなりすぎ) 頭がおかしいミラクル三井の演技と不気味な村の雰囲気はよかったです。
【ドラマ】 TRICK episode #03「パントマイムで人を殺す女」 (→公式)[Amazon]
第6話あらすじ/第7話あらすじ
矢部・西村のコンビが上田の研究室に連れてきたのは、離れた場所から人を呪殺する能力があるという女・美幸@佐伯日菜子だった。さっさと帰ってしまった矢部のかわりに彼女を監視する上田・山田の前で美幸は絞殺のパントマイムをはじめる。そして、美幸が指定した場所には彼女が言った通りの死体が転がり、凶器となったベルトには彼女の指紋が付着していた。美幸はあと2人殺すという。
ゲストが佐伯日菜子と綺麗どころだからか、上田が発情している(w 捨てトリックな死体移動の謎もなかなかだし、遠隔殺人とみせて実は……そして……という展開もスリリングでよい。しかし、最後の殺人の時刻誤認トリックについてはさすがに苦しいかも。(ターゲットの部屋にあるパソコンが使用可能なのが前提条件というのは…… 自動終了するタイプのアプリじゃないと工作したのバレバレだろうし) クライマックスの多分に唐突な展開も佐伯日菜子ゆえなんでしょうか。パントマイムと音楽が怖すぎなので、つらい。佐伯日菜子のツラとやけに力の入った演技は個人的にちょっと苦手……
03/12/16(TUE)
【単行本・小説】 ジスラン・タシュロー(訳:吉田良子)「悪党どもはぶち殺せ!」 扶桑社ミステリー [bk1][amazon]
スペクトゥールは世界一の腕利き捜査官。なぜ? それは悪魔と契約したから! 世界にひとつしかない〇.六六六口径リボルバー片手に、悪党どもをぶち殺す。それ以外もけっこう殺す。
寝ぼけて書いたような小説で、思いつき以外に何かあるのか、これ? という気がしないでもありません。ひどい!
架空の国フリアンの首都カピを舞台に、悪魔と契約して世界一の捜査官となったスペクトゥールが謎めいたバラバラ死体送りつけ事件を解決しようと奔走するお話なんですが、わけがわからないにもほどがありまする。スペクトゥールの親友であり、コカイン常用者であるレ神父(ちなみに、スペクトゥールが神父の身体に触れると互いに大火傷する。たがいに悪魔と神のしもべだから)、脂肪の塊で全身がぷるぷる震えてる上司のマンダン警部、執事の格好をしたチンパンジーなど、登場人物全員きわめて個性的ですが、小学生が文集にはじめて書いた物語に出てきそうな人々のようだといえなくもないです。 「スペクトゥールは、女の固い胸をなでるように銃床に指を滑らせ、クリトリスを愛撫するかのように(原注1)引き金を探り当てた」 「原注 1 おわかりだろうが、著者はひどく興奮している。早くこの章を終わらせたいものだ」 みたいな、なにいっとんじゃワレ的原注ギャグも明後日の方向に炸裂しておりなんとも形容しがたい読後感が味わえます。スペクトゥールが悪魔と契約するにいたったエピソードは脱力の極みかも。舞城王太郎の某作品、小川勝己の某作品との共時性を感じますが、そんな偶然があるかYO! 本国カナダではシリーズ第3作まで書かれているらしいですが、これ、続編出るんでしょうか?
【ドラマ】 TRICK2 episode #03「サイ・トレーラー」 (→公式)[Amazon]
第6話あらすじ/第7話あらすじ
佐野史郎がノリノリで変な顔をしまくるエピソード。「どんとこい! 超常現象」なる本を出版して、いつのまにかテレビにレギュラーコーナーまで持った上田とあいかわらず貧乏な山田のもとに奇妙な依頼人がやってきた。サイ・トレイリングなる能力を持つというサイキック・アカデミー主宰者・深見の能力が本物かどうか真贋を見極めてほしいというのだ。彼の婚約者は、3年前、人面タクシーに乗り込んだまま行方不明になり、その行方を深見に探させたいらしい。上田のワイドショーコーナーで山田が深見と対決したり、なんなりがあって、いよいよ深見のサイ・トレイリングが開始された。そして、深見が指定した場所からは次々と白骨死体が発見された……
これはなかなか出来がいいエピソードなんではないでしょうか。登場人物たちの矛盾してみえる動機や一見安っぽいトリックにもそれなりの意味が用意されていてたいへんよいです。上田以上の超エリートである深見というキャラを中心に据えたのもよかったかも。そのあおりを食ってか、上田の活躍が目立たない(怯えているだけ、という気がしないでもない)お話ではあります。失踪した恭子の叔父である小早川に妙な共感と熱視線を送る矢部が微笑ましい。俺たち、不自然な頭部仲間! あのパタパタ・ストラップはなんなのだろう。そんなことわざわざした理由がわからない人面タクシー演出(どっちも)ですが、すり抜けトリックはなかなか楽しい。期待しないで観たら予想以上でビックリでした。しかし、ボケ演出がどんどん全開になっていきますね。この作品については、怖すぎないほうが実は好み。
03/12/17(WED)
【ドラマ】 TRICK2 episode #04「天罰を下す子供」 (→公式)[Amazon]
第8話あらすじ/第9話あらすじ
天罰を下す「御告者」なる存在がある。一時の怒りに任せて天罰の依頼をした女子大生・恵美だったが、ターゲットとして選んだ従兄弟は本当に転落死してしまう。上田の研究室を訪ねた恵美は、自分を天罰のターゲットにすることで「御告者」の真実を暴くよう上田に依頼したのだったが……
恵美の身辺警護をする上田パートとお金大好き洗脳セミナーに潜入捜査をする山田パートがそれぞれ独立して進行するという展開。自分を慕う恵美のために発奮、やたら犯罪行為に手を染めてみる上田と、不自由なはずの留置所生活をなぜか満喫しまくる山田の対比が楽しい。そもそもの動機からして「事故扱いされてるならそれでいいじゃん!」とか「見栄春殺す動機がそんなにないような……」などなど、いろいろ思うところはありますが、いつにない上田の行動理由が物語終盤で明らかになるあたりの見せ方はたいへん面白く、堪能しました。また、それ自体が謎を解くための鍵となるあたりも上手い。矢部が完全にヅラネタ(だけ)の人になってるあたりは、えーと。まあ、楽しいですが。光太役の少年はやはり魔太郎のイメージでキャスティングしたのかな? (追記:「針生光太」でハリポタだったようだ。また、パロディが見抜けなかった……) 一見賢そうな痴呆面がじつによかったです。ああいうな後には何も残らない、みたいな後味悪いラストにするならば、もうちょっと逃げ場なくしてみたほうがよろしかったかも。「友達がゼロ」あたりを抑えたカットを用意してもえかったかも。って、ひどいですな…… こういうの大好き!
03/12/18(THU)
んー、つまらなくもなし、されど、面白くもなし。一般料金払って劇場でこれ観たら、たぶんむっとします。
「300年にいちど、大きな災いが訪れる」という言い伝えのある糸節村で神を演じてほしいとの依頼を受けた山田が村を訪れると、そこには先客の自称神たちがいた。命を賭けた「誰が本物の神だ」トーナメントに参加する羽目になった山田。きしくも「どんと来い! 超常現象」第3弾の取材にやってきた上田と合流して……
自称神たちとの世にもくだらないマジック勝負やら論理パズルやら、小ネタの集合体。ランズデールのハップ&レナードシリーズ的ともいえそうなクライマックスも一応用意されてはいますが、視覚効果としてはお世辞にも劇場公開作とは思えないショボいレベル。たぶん、そんなに予算がなかったのでしょう。ゲスト俳優陣としては、伊武雅人、竹中直人、ベンガル、石橋蓮司、また、上田の同級生役としてみのすけや三宅弘城らが鼻持ちならないエリート役を演じていて……うーん、けっこうありがちなキャスティングかも。TVスペシャルとしてなら無難な出来かな、くらいの評価であります。矢部のカツラネタについては一部冴えておりました。しかし、山田と上田のラブ展開はちょっと勘弁していただきたい。だって、そういう話じゃないでしょう。
【ドラマ】 TRICK episode #04「千里眼の男」 (→公式)[Amazon]
第8話あらすじ
全10話で第1エピソードの3話使ったせいか、この回だけ1話完結。商店街びっくり人間コンテストで優勝してこいと大家に言われる山田。払えない家賃のかわりに賞品の温泉旅行を取ってこいとのお達しだ。山田には珍しく受けがよく、「もらった!」とばかりだったが肝心の所で大失敗。会場いっぱいのブーイングを受ける羽目となる。そこにあらわれた眼帯の男・桂木が「本物の超能力をお見せしよう」という。桂木の超能力とは、家の間取りを透視するというもの。透視ついでに運気を変える分銅を高価な値段で売りつけるという、まんま霊感商法であった……
「見間違い」が「聞き間違い」にすりかわったことから千里眼のトリックを見破るというあたりはたいへん面白いんですが、透視の内容には多分に無理があります。そもそも労がやたらに多いわりには益が少ない、たいへんショボい商売な気もしますし…… アシスタントの人たちは全員薄給なんじゃないでしょうか。車椅子の少年についてもいかにもとってつけたようで、同じ後味悪いラストのTRICK2#4「天罰少年」、TRICK3#3「老人ホーム」のほうが見せ方は格段に上手くなっているようです。まあ、小エピソードですね。
【ANIME】 R.O.D. - THE TV - 第8話「夜に惑わされて」 (→公式) [amazon vol.01 / vol.02 / vol.03]
「どうしよう、どうしたら、捕まえられるかな……」 ポルターガイスト捕まえて来いたあ、部長さんも無茶いいよりますな。変質者だったら、殺されて犯されて埋まられちゃいますYO! なんか面白そ――てな感じで夜の図書館ドキドキ♥探検ツアーが企画されたりしたのでした。まあ、隠された稀覯本をJr.くんが探してるんでしょうけど、当のポルターガイストさんをアニタたんは誘ってみたりするわけです。しかし、何クラス? とかその長髪、大丈夫なの? とか、そもそもあなた男? とかいろいろ疑問に感じたりしないんでしょ――か。と、萌え萌え学級エピソードなんかと思ってたら、読仙社に潜り込んだカーペンターさんの目の前で大量知識インストール実験で披見体が失禁したりして、ただごとではありませぬ。いっぽう、夜の図書館ではゆかりん突っ走りまくりですよ。やっぱり一瞬でだらだらしてお楽しみ会になってしまうんでした。10分間休憩ってなんだよ! ありがち〜 「ひとりじゃ、危ないだろ いっしょに行く(断言)」 「こりゃ、オバケより、ビックリだよね」 やっぱし萌え萌え学級エピソードでした。見え見えの誘導工作に女子の友情を感じるね! ここからの会話は頬が赤らみます。 「いまはおれのほうが高いんだよ だから徹ちゃんって、呼ぶな」 とか。実際に頬赤らめカットも多いです。長女はやっぱり来た! コスプレして来ればいいのに…… 最後、Jr.の選択などが見所でありました。可愛くて、よいよい。
03/12/19(FRI)
【ドラマ】 TRICK episode #05「黒門島」 (→公式)[Amazon]
第9話あらすじ/第10話あらすじ
第1シリーズ最終話。日本の南の外れにあるという小島・黒門島を舞台に、山田母の過去、山田の出生の秘密、そして山田父・剛三の死にまつわる真実など、ここまで引っ張ってきた謎がそれなりに明らかになるというエピソード。
自分の物語だからか、シリアスで通す山田とは裏腹に、山田に飲ませて実験するはずの媚薬を自ら飲んでしまった上田は終始発情しっぱなし。そのギャップがたいへん面白い。大掛かりなトリックがあるわけでもなく、「TRICK」らしいお話かといえばちょっとちがうんですが、物語として意味があるから当然といえば当然なんですが、中身スカスカな劇場版よりもこちらのほうが数段よいですな。元男、三男役の人がなかなかよかった。次男役の鴻上尚史は、えーと…… ところで、結局、瀬田くんの存在理由は最後までわかりませんでした。ラストカットもピントあわないまま流されていた。合掌。
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