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マーガレット・ミラー(訳:吉野美恵子)「殺す風」
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04/01/02(FRI)
【単行本・小説】 マーガレット・ミラー(訳:吉野美恵子)「殺す風」 創元推理文庫 [bk1][amazon]
わたしの心に、殺す風が
遠くの国から吹いてくる。
なんだろう、あの思いでの青い丘は、
あの塔は、あの農園は?
あれは失われたやすらぎの国、
それがくっきり光って見える。
幸せな道を歩いていった。
わたしは二度と帰れない。
A・E・ハウスマン「シュロップシャーの若者」
まさにこういうお話。友人の別荘に向かった金持ちのボンボンが消息を絶ち、残された妻や友人たちがやきもきする、というミラーお得意の失踪もので、運命の悪戯から罪を犯してしまった普通人の苦悩が描かれているせいか、この人の話としてはめずらしくたいへん後味がいいように錯覚してしまいます。べつにハッピーエンドでもなんでもないのですが…… 男性キャラのパシリ感が異様に強いのも特筆すべき点かも。また、カリカチュアされた登場人物たちのドタバタ劇としてもけっこう楽しめて、特にしゃらくさい若造新聞記者ブレイクが登場するパートは大爆笑しました。ミラー作品としてはまちがいなく万人向けでしょう。
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