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04/04/21(WED)
【単行本・小説】 貴志祐介「硝子のハンマー」 角川書店 [bk1][amazon]
スバラシイ! めちゃめちゃおもろい!
なんと「青の炎」以来、4年半ぶりの貴志祐介新刊。キミはいったいなにをやっていたのだね。
犯行現場廊下には監視カメラ、暗証番号入力が必要なエレベータ、受付には秘書という状況で老人ケア会社社長が撲殺された。監視カメラの目を逃れてただひとり社長室に侵入可能だった専務に疑いがかかるも、凶器らしきものが発見されないなど、不可解な点は多い。専務の家族から依頼を受けた弁護士・青砥純子は防犯コンサルタント・榎本を訪ねた。
なるほど、なるほど。防犯コンサルタントな探偵役・榎本と、正義感にあふれる女弁護士にしてワトソン役・青砥の推理合戦により難攻不落と思われた人間+機械監視による密室状況が解き明かされていくあたりはミステリの醍醐味たっぷり。セキュリティの専門知識を駆使する榎本と、トンデモ推理を連発する青砥の対比も面白く、(こと推理については)ワトソン役が善良でお馬鹿っぽかったり、ロジックではなく、おもに物理トリック検証だったり、第1章タイトル「見えない殺人者」が、勿論チェスタトン「見えない男」から来てたり、容疑者に介護ザルがいたりして(w スタイルそのものは結構古典的なスタイル。糸などの古典物理トリックをセキュリティハックに変換することで舞台を現代に移しているわけであります。
ただまあ、某所の痕跡が鑑識に見落とされるあたりまでもが昔のミステリレベルなのはちとバランス悪いかも。(むつかしいんですけどね)
ちょいキャラまできちんと立ってるし、リーダビリティ激高だし、提示される情報、表現などに過不足はないし、貴志祐介、本当に匠の技術だな――と思うのでした。ちょうどよい、という感じ。防犯コンサルタントとは名ばかり、本職であることを隠そうともしない榎本は、伊坂幸太郎作品の黒澤さん+殊能将之作品の石動戯作な雰囲気でしょうか。再登場の期待が持てますね。
で、どうなるのかなあ、と読み進めていくうちに…… ええ――!! まごうごとなき貴志祐介小説だ――!!
まあ、読んでみてくださいな。一粒で二度美味しいといいましょうか、ミステリというジャンルにも飲み込まれなかったといいましょうか…… えーと、たいへんおもしろかったですよ!
04/04/22(THU)
【単行本・小説】 森博嗣「迷宮百年の睡魔」 幻冬社ノベルス [bk1][amazon]
一夜にして森が消失し、海に囲まれた――迷宮の島イル・サン・ジャックにはそんな伝説があった。外部との接触を絶っているはずの島になぜか取材の許可を得たサエバ・ミチルと同行者ロイディは女王の宮殿、モン・ロゼを訪ねた。そしてその晩、砂で描かれた曼荼羅の中央に僧侶の首なし死体が転がった。現場は密室であった。
なんとなく書けば書くほど散文詩っぽくなるという森博嗣の作風がよく出ています。「女王の百年密室」に続くミチル&ロイディシリーズ(でいいのかな?)第2弾で、やろうとしていることもまあ似たような感じ。伝説・密室・首切りなど不可解な謎はてんこもりなのですが、サプライズはあまりありません。細部のディティールがどうでもよくなっちゃうような解決ではあるんですよね。練りこみ不足のままざっと書いてしまったのかも(森博嗣にはよくあることです)。ただし、シリーズ統合としての意味合いはあって、上遠野浩平と似たようなことをしていますね。
んー。面白いけど、とことん貧乏臭い雰囲気なのはなぜなのだ。「鳴り響け、僕のメロス!」 のあとに弾けた学生服の左袖繕ってるボッカくんの姿はなんともいいがたいムードがあります。熱海っぽいのに伊東のハトヤだったり、そもそもここ、白夜なのでしょうか? 小夜子嬢の存在からしてやたらに安いし、いきなり金なくなって野宿してるし、えーと。でも好き、見逃せねえ…… メデューサ→へび花火という発想にかなりやられました。
04/04/23(FRI)
こ、こいつは…… もう、変態アニメなんだから! 「あれは妹なんだから、誤解すんなよ!」 というありえない言い訳のために元カノ呼び出した挙句、ふたりで小料理屋連れ立って、一応下心ありという耕四郎の煩悩っぷりには吃驚! そして、さらなる驚愕が! お前は、もう、ダメすぎる! こんなしょうもない展開を詩情たっぷりにアニメで描ききるって、頭おかしいな、と思いますね。クレイジー。素晴らしい! と思うのでした。「忘却の旋律」と並んで気狂いアニメのあっちとこっち、という感じ。
【ANIME】 鉄人28号 第2話「28号対27号」 (→公式)
暴走した鉄人が腕を取り返しにやってくるというのに、とうとうと回想話はじめるあたりとか、ブッ壊そうと思ってるのに、あれはもうひとりのキミなんだ! みたいな事言いはじめるあたりとか、あげく勝利したら28号大絶賛してみる敷島博士は性格歪んでるとしか形容しようがありませぬ。f陰惨きわまる状況にあんまり動じてない正太郎君もちょっとおかしいですが…… 村雨弟の主張がいちばん正しいね、と思ったり。しかも、敷島博士その他が逮捕されず、あんな酷い目にあった弟さんだけ連行されていくというのはどうにも理不尽な。ナレーションがとてもよいですね。
【ANIME】 鉄人28号 第3話「怪ロボット現る」 (→公式)
きちんと説明しないままに現場をまかせて何処に去る敷島博士と署長にしても、「鉄人は、役に立たないってことです」 と爽やかに言い訳する正太郎くんにしても、責任転嫁の嵐ですな。村雨弟が悲惨で悲惨で。高見沢秘書は可愛い。
04/04/25(SUN)
【単行本・小説】 ルーファス・キング(訳:押田由起)「不思議の国の悪意」 創元推理文庫 [bk1][amazon]
エラリー・クイーンの選出したミステリ短編集ミシュラン「クイーンの定員」にも選出された1冊。「悪意」とあるものの、わりと普通なお話が多いです。表題作「不思議の国の悪意」だけ飛び抜けて出来がよくて、あとの作品はそれほどでもない、という印象でしょうか。
「不思議の国の悪意」 近所に住む”魔法使いのお婆さん”が開いてくれた誕生パーティーの席上で配られた魔法のクラッカー。9歳だったアリスはそれを信じて宝物入れの中にしまった。さっさと開けて封印されていたお告げを読んだ親友のエルシーは失踪した。そして10年の時が経ち、窮地に陥ったアリスのもとに1本の電話が――「だったら、それをいまお開けなさい」 迷宮入りした事件の真相がまるで魔法の世界からの声のような電話をきっかけに露になっていくという不思議な構成が奇妙な美しさをたたえています。真相当てミステリと幻想領域との交錯。
表題作以外の作品については伏線の張り方が見え見えだったり唐突だったりして、ちょっとどうかな……でした。いちおう次点は「黄泉の川の霊薬」、「淵の死体」。しかし、ブランド、ハイスミス、ミラーあたりの女性作家ならば、もっと上手く書きそうな気がしないでもありません。全体的なムードはストリブリング「カリブ諸島の手がかり」(→感想)、「ポジオリ教授の事件簿」あたりとちょっと似ているかも。
【ANIME】 ケロロ軍曹 第4話「ギロロ 宇宙で最も危険な男であります」「ケロロ 雨時々危険な男であります」 (→公式)
ギロロ伍長@中田譲治の声は渋すぎる……と思ったらわりとすぐ慣れた。「ここは笑いどころですよ!」的な今風バラエティ演出が合うか合わないかだけの問題な気がする、って何度も何度も書いてますけど。しばたさんの感想に同意で、詰め込んだネタすべてをわかってもらおうというのは無粋だと思われます。きちんと動いて面白いのに、勿体無いなあ、でも、ターゲットとしている低年齢向けだと考えるとこれくらいのわかりやすさが望ましいのかな。ガンダムやドラゴンボールっぽかったのはともかく、千と千尋? と思ったBパートにはビックリでした。原作ってこうだっけ? 忘れてしまいました。
04/04/28(WED)
【単行本・小説】 パトリシア・ハイスミス(訳:森田義信)「ゴルフコースの人魚たち」 扶桑社ミステリー [bk1][amazon]
善良に生きる人々の生活が、ほんの些細な、取るに足らない出来事をきっかけに狂いはじめ、やがて取り返しのつかない悲劇が…… というお話ばかりを集めた短編集。あからさまな加害者や悪意を持った人間をただの一人も登場させていないところが逆にすごい。
表題作「ゴルフコースの人魚たち」、「ボタン」、「狂気の詰め物」、「たぶん、次の人生で」、「僕には何もできない」あたりがお気に入り。
大統領を凶弾から救うという英雄的行為が平和で穏やかな生活の歯車を狂わせる「ゴルフコースの人魚たち」、重度の障害児を抱えた男の苦悩が思いもよらぬ形で爆発する「ボタン」、剥製ペットたちが遊ぶ庭を持った男の悪夢「狂気の詰め物」、超自然的な存在を通じて老女の圧倒的な孤独を描き出す「たぶん、次の人生で」、鎧戸のペンキ塗りに失敗したことをきっかけに順風満帆だった男の人生が転落の一途を歩む「僕には何もできない」、それぞれ、「〆」、「解決」、「展開」、「表現」、「起点」に着目して読みました。静かな悪意が素晴らしいです。もう、本当に、匠の厭技術というか。
【単行本・小説】 東野圭吾「超・殺人事件 推理作家の苦悩」 新潮文庫 [bk1][amazon]
くすっと笑えて、楽しい。文庫で買うのがちょうどよいくらいの作品かもしれませんね。
天下一大五郎は出てこないけれど、路線としてはほぼ同一。「名探偵の掟」がミステリのお約束をパロディにしたものなら、こっちは今日のミステリ界をとりまく状況をパロディ化した作品が続きます。「超読書機械殺人事件」(よく考えると人が死んでない話ですが、もちろん意図的なものでしょう)をラストに持ってくるあたりが小憎らしい構成ですね。これといって言うこともなし。無難に安定であります。
【ANIME】 忘却の旋律 第4話「モンスター・ユニオン」 (→公式)
台詞もろもろ言葉のセンスが、センスが! 流石は榎戸洋司〜♪ 「ハマザキさんは、なんか陰がありますね!」 「どうして妹のことはキューちゃんと呼ぶのに、私のことは浜崎さんなの……」 客観的に考えてボッカはお馬鹿な子の気がするのですが、そこがよい。「ミッドナイトひよこ」「ディスカウントうりぼう」「あることないことインコ」 笑笑笑。もう、たまりませぬ……。うわあ、なんだこのエロくていかがわしいムードは。地域振興・秘宝館アニメと呼びたいですね! しかし、これぜんぜんロボット戦になってないな(w 白夜岬編まだ続く。
04/04/29(THU)
わりかし普通の映画になっててびっくり。vol.01観たときには(→感想)、こちらが引いてしまうくらいに怒り心頭、鬼神の如くだったブライドですが、今回はわりと淡々としてました。「ザ・ラブストーリー」とのことで、ビルとブライドのふたりにスポットが当たってるはずなのですが、ビル弟バドのうらぶれっぷりと悲哀、エル・ドライバーのイカれっぷりのほうがむしろ印象に残りました。とにかくビルは無意味に饒舌すぎ! ユマ・サーマンについては、出演時間の半分くらいドロドロの顔してたので、それよりは(たとえ便器の水でも)洗ってあるダリル・ハンナのほうがいいかなあ。もうちょっとシナリオが腑に落ちる出来だったらよかったかも。狂気の師匠パイ・メイによるカンフー修行がピンチ打破のためのスキル取得以外の意味をほとんど持ってないのと、「魁!! 男塾」や「バキ」などの漫画でトンデモ修行を見慣れすぎているせいか「べつだん厳しいというほどでもないよなあ……」と思えてしまったあたりが弱かったですね。ほとんど意味不明なインサート・カットもある。なんだったんだろう? デビッド・キャラダイン主演の「燃えよ! カンフー」未見だったり、元ネタぜんぜんわからなかったので、理解できてないところは多々あるだろううえでの感想であります。しかし、てっきりカンフーファイトで〆るもんだと思ったら、そうしないのか! タランティーノの考えることはあいかわらずよくわからん……
【単行本・小説】 平山夢明「東京伝説 死に逝く街の怖い話」 竹書房文庫 [bk1][amazon]
全部は読んでませんが、平山夢明の都市伝説怪談本は好き。生理的に嫌な話を読みたくなった時におやつがわりに読むと楽しいです。
ある女の拒食症の原因「闇鍋」、どこまでも膨れる借金の返済方法「バルンガ」、喧嘩の絶えない夫婦の謎「香港奇譚」など、そのままホラー短編として使えそうなくらいネタが作り込んであるものは、流石に実話な気がしませんが、平山夢明独自のセンスが出ていて印象的ですね。
04/04/30(FRI)
【ANIME】 花右京メイド隊La Verite 第4話「コノヱ、立つ」 (→公式)
当主に抜き身突きつけるって、どこが守ってるんだ、オイ! パタパタアニメっぽいデフォルメ画ががちゃがちゃ動いてました。センスないとこういうのはなかなかできません。眠たげにしてる落書きシンシアとかお気に入り。腑抜け当主を叩き直せ! の命受けた褐色戦闘メイドの八島さんがいろいろ必死だな、が前半パートで、このままじゃ埒あかんぞ、とコノヱさん自ら出陣! が後半パート。コメディとして安心して見られる安定した出来ざんした。このレベルが維持できるならばなかなかすごい。やたらいい話っぽくなってるし…… しゃましゃま言ってる八島嬢@渡辺明乃もよろしかと。
【ANIME】 鉄人28号 第4話「もうひとつの鉄人計画」 (→公式)
性格破綻者ばかりですね。村雨健次がいちばん人間味にあふれてるのでは? うろたえながら姑息な説明と証拠隠滅を図る敷島博士、「化け物には、化け物だ!」 と爽やかに言い放ついけ好かない餓鬼(正太郎くん)。まあ、育ての親が親だから…… そんな子供に本気で飯をたかろうとする高見沢秘書は素敵。
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