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novel

ヤンソン(訳:山室静)「ムーミン谷の仲間たち」
ヤンソン(訳:鈴木徹郎)「ムーミン谷の十一月」
殊能将之「キマイラの新しい城」
ヤンソン(訳:小野寺百合子)「ムーミンパパの思い出」
ヤンソン(訳:小野寺百合子)「ムーミンパパ海へいく」
novel さくいん

etc.

ニニンがシノブ伝 第4話「忍者、暑がる」「雅、恋をする」 サムライチャンプルー 第10話「以毒制毒」
アガサ・クリスティーの名探偵ポワロとマープル 第4話「申し分のないメイド」
ニニンがシノブ伝 第5話「音速丸、地獄に行く」「忍者、夏祭りをする」
鉄人28号 第18話「正太郎一人……」
ギャラクシーエンジェル第4期 第9話「じゃんじゃん炊飯じゃー」第10話「愛米(コメ)」
アガサ・クリスティーの名探偵ポワロとマープル 第5話「ABC殺人事件(その1)」


 2004/08
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04/08/01(SUN)

■book【単行本・小説】 ヤンソン(訳:山室静)「ムーミン谷の仲間たち」 講談社文庫 [bk1][amazon]

ヤンソン(訳:山室静)「ムーミン谷の仲間たち」  ムーミン谷住人たちの単独エピソードを中心とした短編集。さらなる物語の深化、そして枯淡の域に達したカット、子供対象とは思えません。連想したのはサキとかデュ・モーリアとか。

「その調子でいくと、おまえはたちまち、おとなになるな。パパやママみたいになって、さぞ世間の役に立つことだろう。そうなったら、おまえはただありきたりのことしか、見たりきいたりできないんだ。いっとくけど、そりゃなんにも見もせず、ききもしないってことだぞ。そうなったら、もうおしまいだな」

 幻想と現実の境界があいまいな幼いホムサの世界を描いた「ぞっとする話」がよいです。

「この国のくだものだって、みんな毒がはいってるんだ。それに、見ろ、みんながおれたちをわらいものにしているじゃないか。これもおまえのおかげさ」
 えんどうまめのうねをこえて、ふたりの斥候が、鼻歌をうたいながら、こちらへやってきました。でも、ホムサは「えいっ!」とばかりに、それをつきころしてやったのです。


 強迫観念に囚われた中年女の崩壊と再生を描いた「この世の終わりにおびえるフィリフヨンカ」、毎日毎日皮肉を浴びせられつづけたせいで言葉も感情もそして自分自身までも消し去ってしまった子供の話「目に見えない子」、伝言ものこさずふらっとひとり旅に出た(それは世間的には蒸発)ムーミンパパがなぜかニョロニョロに憧れて追っかけをする、正直どうかしてるお話「ニョロニョロのひみつ」など、どれもこれも(どいつもこいつも)癖がありすぎ。市井の人々の心の底に眠る奇妙な感情をテーマにしたお話が多いですね。
 個性が確立しているキャラたちは脇役に徹しているという印象で、ボヘミアンな性分のはずのスナフキンが人間関係にいちばん気を使っているように感じられるところが面白いです。あと、ミイはやっぱりよい。「スニフとセドリックのこと」でもあいかわらずであんまりなスニフに作者自ら後フォロー入れてるあたりも微笑ましい。

○【ANIME】 ニニンがシノブ伝 第4話「忍者、暑がる」「雅、恋をする」 (→公式) [amazon: 原作:1/2

「この物語は、おっぱいマニアの、おっぱいマニアによる、おっぱいマニアのための、おっぱいがいっぱいアニメであーる」 素晴らしい! 大絶賛の一言であります。しかし、先週みたいにひとり原画の回もあれば、今回みたく人材大量投入もあって、どういう基準で割りふってるのかわかんないことだ。8ページ原作をどのほうにふくらませればいいのか掴んだ感じでしょうか。まあ、百合とエロいれときゃ文句ないダロ! と書いちゃえばそれで終いなのかもしれませんが…… Aパート:猛暑どころではないんで大水着大会。なぜか一部エロアニメになってましたが、娘さん連中とぼんくら忍者連中(+音速丸)が直接絡んでいないところが中学生レベルでええです。 「今がたぶん人生のピークだ――!!」 水に濡れた水着描写とかシノブと楓が流されるとことか、いろいろ(えろえろ)よかった。 Bパート:タケル君の前ではいたいけな女の子でいたいの! な雅たん話。こちらも作画が最高レベル。ろくでもない茶々を入れまくってるわりには、後味悪くならないよう気を使っていてよろしい。前半百合かと思えばこっちは薔薇でした。雅たんがえらいことになっていて、術着のすそをたくし上げるところとか、怒り心頭の音速丸タコ殴りカットとか、こっちもいろいろ(えろえろ)よかった。

○【ANIME】 サムライチャンプルー 第10話「以毒制毒」 (→公式) [amazon: 1/2]

 ムゲンvs.カンフー侍。弟子の不始末から仏門に入る前に死合ってみるべき(死ぬけど)だと思った。「無限の住人」+「KILL BILL2」でしたが、面白かったですよ。動くし、動くし。トリオで物語機能させるのはやはりむつかしいのかな、ですけど。意外にきちんと修行してるムゲンに驚き。そういうのがあるから、決闘に快楽ビンビンなところが生きます。あっけない引きも今回は成功してましたね。

04/08/02(MON)

■book【単行本・小説】 ヤンソン(訳:鈴木徹郎)「ムーミン谷の十一月」 講談社文庫 [bk1][amazon]

ヤンソン(訳:鈴木徹郎)「ムーミン谷の十一月」  残り二冊は若きムーミンパパの冒険の日々を描いたもので、ムーミン谷エピソードとしてはこれでおしまい。

 ムーミン谷の十一月。フィリフヨンカ、ホムサ、ヘムレン、スクルッタおじさん、ミムラねえさん、スナフキンはそれぞれの理由からムーミン屋敷を訪ねる。しかし、ムーミン一家は旅行に出ていて、屋敷には誰もいなかった。

 神経が昂ぶってるひきこもり中年女、自閉気味の少年、空疎な自分を嫌悪して無理に快活なキャラを演じている中年男、自分の名前も思い出せないボケ老人、あくまでマイペースな女、もっかスランプ中の吟遊詩人――心の隙間を埋め合わせるべく人々はムーミン屋敷にやってきて、しかし誰もいないムーミン屋敷はひどく淋しい場所になっていて、失望の中、彼らは屋敷で共同生活をはじめる。

 じつはシリーズ通してスナフキンより出番の多いフィリフヨンカとか、なにゆえこんなヒステリック中年女の内面描写ばっかり読まされるんだろうと思いますが、彼女はわかりやすくヤンソンの分身だからですね。
 この物語に登場するのは現実世界の隣人としていそうな人ばかり。ムーミンママ、パパ、ちびのミイ、スノークのおじょうさんなど、理想化された存在であるファンタジー世界の住人は誰ひとり出てきません。欠落を抱えた登場人物たちが、彼ら不在の世界で心の隙間をいかに埋め、いかに回復していくかを描いた物語なのです。物寂しい表紙イラストがすべての内容を物語っていると思います。なんとも大人の味わいです。

 たいへんぎこちなく進行していくパーティーのシーンがあって、ヘムレンさんという人は悪い人間じゃないんだけど無神経で空転気味のキャラなんですが、それにしてもこの台詞はないと思いました。
(註:ヘムルという種族の男性総称がヘムレンさんなので、アニメでお馴染みのヘムレンさんとは赤の他人)

「いよいよ、余興のはじまりですが、ぼくたちの中で、いちばんぱっとしないやつから、やることにしましょう。つまりですね、いちばんびりっけつのやつを、いちばん先頭に出してやるのは、もっとも正しいやりかたじゃないでしょうか。でしょう? では、指名します。ホムサ・トフトくん」

○【ANIME】 アガサ・クリスティーの名探偵ポワロとマープル 第4話「申し分のないメイド」 (→公式

 今回もセント・メアリー・ミード村にてミス・マープル編。ブローチ盗難の嫌疑をかけられて暇を出されたメイベルの友人グラディス。代わりにやってきたのは何一つ申し分のない完璧メイドだった…… 声優初挑戦らしいメアリー役の川中美幸は達者でした。事件が起こる前に証拠を用意しておくミス・マープルはやっぱり恐ろしい。付近住人の指紋は全部採集済みでしょうか。

04/08/07(SAT)

■book【単行本・小説】 殊能将之「キマイラの新しい城」 講談社ノベルス [bk1][amazon]

殊能将之「キマイラの新しい城」  愉快愉快。

 剣と魔法のテーマパーク、シメール城に招かれた石動戯作とアントニオ。殺人事件の捜査依頼らしいけれど、肝心の被害者はどこに? 「我が死の謎を解き明かしてくれ」 欧州から移転した中世の古城に領主の霊がついてきて、不動産会社社長に取り憑きました。依頼人が被害者で唯一の証人。なんせ750年の昔のこと、現場検証だけはできるけど、密室殺人の現場状況も容疑者もすべては社長の頭の中だけにある。魔術師イスルギーに扮し、無理難題に(いやいや)取り組む石動戯作、ところが、現代の古城で再び殺人が!

「ケルベロス第五の首」から「キマイラの新しい城」へという流れなのかと思ったら、たぶんあんまり関係なくって、ディクスン・カーネタでした。二階堂黎人みたいな人も出てきます。

 中世貴族の一人称視点によるカルチャーギャップ・ドタバタ劇と、三人称視点による「ある意味、名探偵」石動の活躍が交錯して、シメール城にまつわるさまざまな真実が浮上する。ミステリの構造としては「鏡の中は日曜日」→「樒/榁」そして、この「キマイラの新しい城」という流れから出来上がった作品なのだとわかります。詰め込まれた小ネタのつなぎかたがポイントで、たいへん殊能将之らしいセンス。
 レギュラーメンバーの使い方も堂に入ったもの。(しかし、毎回このパターンというのは苦しいかも)石動のボンクラっぷりと得意の屁理屈推理、お爺ちゃん大奮戦、やっぱり雷鳴轟くのか、などなど、いろいろな意味にて楽しかったです。

04/08/08(SUN)

■book【単行本・小説】 ヤンソン(訳:小野寺百合子)「ムーミンパパの思い出」 講談社文庫 [bk1][amazon]

ヤンソン(訳:小野寺百合子)「ムーミンパパの思い出」  家庭に安住する冒険家なんて、ただの無職だ! 冒険家なんて気取ってるけど、本当は宿無しだ!

 超絶的大爆笑小説。捨て子だったムーミンパパが大冒険の果てにムーミンママと出会うまでの武勇伝を自ら書き綴ってみましたという趣向で、「俺も昔はちっとは知られたワルだったんだよな……」レベルに嘘くさい。ムーミントロールはまだ小さく、時系列順でいえばいちばん最初になるはずなのに、「ムーミン谷の彗星」(→感想)でムーミントロールと出会うはずのスナフキンがすでにムーミン谷にいたりと、設定がいろいろ変わってます。

「ふふん、かがやかしい手がらだ。ひとりでやってのけたんだぞ」

 ムーミンパパ、最初の英雄的行為とその顛末を描いた第3章がとにかくスバラシイ。こういう種類のユーモアは大好き。発明家のフレドリクソン、スニフの父親ロッドユール(親子で外見はぜんぜん似てない)、スナフキンの父親ヨクサルがパパの冒険の友だったこと、ミムラとの出会い、狂った園遊会などなど、ありえないレベルの荒唐無稽展開が連発されて、あげくママとの出会いもあんなで、「あちゃー、いくらなんでも……」と頭を抱えた刹那、天から光が降りそそいでくるかのような、楽しくも美しいエピローグに突入します。こんな嘘くさいお馬鹿な話で感動させられてしまうなんて、とっても不覚。

■book【単行本・小説】 ヤンソン(訳:小野寺百合子)「ムーミンパパ海へいく」 講談社文庫 [bk1][amazon]

ヤンソン(訳:小野寺百合子)「ムーミンパパ海へいく」 「ムーミン谷の十一月」(→感想)でムーミン谷を留守にしたムーミン一家はその間こんなことをしていたんですよ、というシュールな家族小説。なんともヘンテコな味わいです。

 ママは家事をして、ムーミントロールやちびのミイ(養女にきました)は子どもらしく遊んで、でも父親である自分にすることはなんにも残っていないじゃないか! 父性の喪失に怯えるムーミンパパが、自分が家族を養ってると自覚できる生活を求め、一家とともに孤島に渡り灯台守として生きることを決意します。

「まあ、パパは、自分のやっていることは、ちゃんと知っていらっしゃってよ」
 と、ムーミンママはいいました。
「そうは思わないわ。パパはちっとも知っちゃいないわ。そうでしょ」
 と、ちびのミイはあっさりといいました。
「ほんとうはね」
 と、ムーミンママもそれをみとめなくてはなりませんでした。


 影の薄い父親が家族キャンプではりきって大惨事、という筋をシュールに、そして幻想的に描いています。あからさまにまちがってたり、すねてみたり、弱音を吐いてみたり。父親には絶対的な存在でいてほしい子どものころに読んだら衝撃の内容でしょう。大人になってから読めば、ムーミンパパの空転具合もまた理解できるんですけどね。誰もが導き出せるだろう答えをこれでもかとばかりにスルーし続ける呼吸も絶妙で、空疎や不毛をこんなに可愛らしく描いて感動を呼ぶとはなかなかできることじゃないと感服しました。さみしいキュートな挿画も内容にぴったり。

○【ANIME】 ニニンがシノブ伝 第5話「音速丸、地獄に行く」「忍者、夏祭りをする」 (→公式) [amazon: 原作:1/2

 OPに変更なし。Aパート:お痛がすぎた音速丸が頭蓋骨骨折で地獄に行く(骨あったのか)。音速丸+忍者連中のダメトーク+微妙なエロアングルでとりあえずネタ連発、という構成。面白いけど、正直ぐだぐだでしょー、これは。巨大化したグリーン音速丸がガチャピンライク。 Bパート:夏の夜は怪談+盆踊り。またも炸裂するダメモテトーク。当たり前のようにいる楓さんはここの家の子になってしまったのですか? マニアックエロ本の大胆な隠し場所、「ぼくがトイレさ……」 意味わからん。シノブはまたも百合式ハァハァしてるのでした。構成はまたもぐだぐだー、というか、とうとうB-1,B-2パートに分けましたよ。シノブ音頭がはじまった日にゃあ、私はいったいどうすればいいのかと思いましたとさ。合いの手のタイミングはいまいち悪し。

○【ANIME】 鉄人28号 第18話「正太郎一人……」 (→公式) [amazon: 1/2/3/4

 敷島博士の遺影の後ろにどーんとそびえる鉄人に爆笑。「轢死」「所持品から身元判明」どうせ死んでないんでしょうけどね。大塚の更迭により権限を失った正太郎をこれでもかとばかりに苛め抜いております。無力を実感させる → さりげない言葉攻め → 強引な家宅捜索 → 金田博士に対するスパイ嫌疑。ああ、やらしいなあ。ニ、ニコポンスキー! げらげら。

○【ANIME】 ギャラクシーエンジェル第4期 第9話「じゃんじゃん炊飯じゃー」第10話「愛米(コメ)」 (→公式) [amazon]

→第9話あらすじ
 本当にツインスター隊参入してた烏丸ちとせ。ロストテクノロジーの炊飯ジャーで炊いたご飯をエンジェル隊の面々にふるまったらヒゲ。もりもり食ってパワーアップ! しかし、わからんオチやなあ。このちとせの惨い扱いは、ちとせ+マリブ+ココモのエロ同人拒否の姿勢なんでしょか。
→第10話あらすじ
 合体ロボ、魔女っ娘ときて、今度はときメモ風味のギャルゲ。金月真美に主題歌「もっと!エンジェル」歌わせてました。学園に潜入捜査するエンジェル隊メンバーでしたが、任務そっちのけでラブコメはじめてみる、というアレで、で、そんだけ。

04/08/09(MON)

○【ANIME】 アガサ・クリスティーの名探偵ポワロとマープル 第5話「ABC殺人事件(その1)」 (→公式

 ポワロ長編初のアニメ化。この作品が選ばれたのはいろいろわかりやすいからでしょうね。A.B.C.という署名のある挑戦状がポワロの元に届いたのち、アンドーバー(Andover)でA.Aというイニシャルの老婦人が殺害された。そして、これは凶行の皮切りにすぎなかったのだ…… 奇怪なる連続殺人の犯人をポワロが追いつめていくサスペンスタッチのお話。まだ一人目だし、連続殺人予告があったわけでもないのに、ポワロ事務所一同雁首そろえて出かけちゃうのはすごい。ヘイスティングスが八百屋女主人への聞き込みに失敗して、ここでメイベルたんの登場か! と思ったら、そうでもなかった。展開がのんびりしています。

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