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04/08/11(WED)
【単行本・小説】 倉阪鬼一郎「呪文字」 光文社文庫 [bk1][amazon]
大病を患って余命幾ばくもない作家・
まあ、なんと申しましょうか…… ラスト近くが袋綴じになっていて、それまでの展開から何が待ち受けているのかを当てるという趣向。難易度はそんなに高くないと思われます。またもや呆れ返る不毛な努力っぷりですが、鯨統一郎作品のほうがわかりやすいぶん感心されたりして。うまくいかないですなあ。
「42.195」(→感想)もそうですが、仕掛け、伏線(というよりヒントか)など小説としての骨格が剥き出しすぎて、「へえ……」とは思いますが、吃驚してそれで終わりかもしれません。同様の趣向を凝らした過去作品のほうが味わい深かったような気も。倉阪さんの分身を主役に据えないとダメなのかしらん。
04/08/12(THU)
【単行本・小説】 清水マリコ(イラスト:toi8)「ゼロヨンイチロク」 MF文庫 [bk1][amazon]
人気TV脚本家の母親が突如失踪した。高校1年の岸本めぐみはミステリ好きの級友「明智」とともに行方を探すことにしたが、なぜかめぐみを憎んでいるらしい謎の美少女・トオの出現で事態は混迷を極めていく。この娘は誰? お母さんはどこ?
うーむ。児童文学系ダーク・ファンタジーの中に、ブッ飛びとなごみの萌えキャラさんおふたり和えてみました、でしょうか。土踏まず日記における、天沢退二郎「光車よ、まわれ!」を思い出したという指摘は頷けるんですが(清水マリコ、読んでないことはまずないと思うし)、前述した児童文学描写と萌え描写の乖離とか、説明ないままの唐突な展開とかからくるものなのかもな――という気も同時にします。ばらばらな要素をうまく制御できてないところが奇妙な味わいを生み出しているだけなんじゃ、というか。瑞々しい描写の背後にも都市伝説の持つダークな部分を透かせてみせるようなところがもう少しあってもよかったと思います。憎んでるにしては他愛無さすぎるトオの嫌がらせなど、娘さんたちの可愛らしい絡みがすべてだ、という言われたら返す言葉はありませんが……
特殊能力者で続刊展開よりは、ジョナサン・キャロル的な重複キャラによるシリーズの繋げ方のほうが作品傾向として向いているような気もします。
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