突起物

 ノーベル賞もののアイデアを思いついた俺は忘れないようにと、それを記録しておくことにした。旧式のラジカセのRECボタンを押す。ガチャッ。

 ―――とっても素晴らしい仕事を思いついたんだ。聞いてくれるかい?「突起物占い」っていうんだ。いいかい、暗がりの部屋の中、俺は一人座っている。下半身には何もつけていない。占って欲しいやつは俺の下腹部の突起物をいじるんだ。そうさ、ちんちんさ。ちんちんをいじってもらうことで、俺は、神様とチャネリングする。そして、天啓を、得るのさ。もちろん、客は選ぶぜ。可愛い娘っ子以外、お断りだ!不細工なのが来たら、チェンジさ、チェンジ!どうだい、いかしてるだろう?これは俺が想像しているより、ずっとつらい仕事になるだろう。でも、そのほうが達成した時の喜びは大きくなるはずだ。それにこれが俺の天職ではないだろうか、今ではそんな気すらしてるんだ。俺はきっとやり抜くぜ。だから応援してくれよな。ああ、神様……ハァハァ………

 そこまで言うと、俺はSTOPボタンを押した。ガチャッ。

 この素晴らしい思いつきを誰かに聞かせてあげたい。そんなことを思ったが、あいにく友人と呼べる人間はただの一人もいない。しかたがないので、テープを入れた茶封筒に「カミサマ」とだけ書いて、ポストに投函することにした。

 その茶封筒は神様のもとに本当に届いて、激怒した神様は七日七晩、火の雹を地上に降らせ、そうして、世界は滅びた。

(2001/02/06)


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