◆ 雑誌を読もう! ◆


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 漫画に関する情報を得る方法はいろいろある。パソコン通信、インターネット、漫画情報誌などなど。でも、こういったものから得られる情報はしょせん2次的なものであり、漫画そのものではない。いくら作品に関する情報を得たところで、実際に読んでみないと本当にその作品が面白いのかどうかは分からない。当たり前のことだ。
 そんなわけで最終的には作品を読むことになるのだが、漫画読者は大ざっぱにいうと「雑誌チェッカー」と「単行本チェッカー」に分かれる。もちろん「両方チェッカー」もいる。
 世の中には漫画雑誌ってものすごい数が出ている。とうてい一人ではチェックしきれない。そんなわけで最初っからあきらめて、雑誌を読まずに単行本だけチェックしている人もけっこう多い。だから俺のホームページを見に来てくれているという人もいるかもしれない。でも、そんな人たちにもぜひいいたい。「雑誌を読もう!」と。


雑誌は最高の情報ソース

 単行本チェックでも、たくさん買えばたくさんの作家さん、作品を押さえられる。しかし、基本的に1冊の単行本でチェックできるのは一人の漫画家さんだけなのだ(アンソロジーとかは除く)。雑誌は1冊買えばたいてい10人以上の作家さんの作品をチェックできる。しかも、かかるお値段は単行本よりもはるかに安い。
 雑誌を4冊も買えば50人くらいの作家さんの作品を読むことが可能だ。それなのにかかるお金は少年誌なんかだと1000円以下。これは情報源としておいしすぎるくらいおいしい。
 単行本チェックの場合、ジャケット買いして失敗するケースは多い。とくに最近はビニールカバーがされている書店が多く、中身を確認しにくいのでとくにそうだ。だが、雑誌の場合はカバーをかけてあることが少なく、立ち読みでのチェックは容易だ。よってハズレをつかむ確率を低くすることができる。失敗したとしても、投資金額は単行本よりもはるかに少ない。「漫画を読もうとは思うんだけど、どれから読んでいいか分からない」という人はまず何はともあれ雑誌から始めることをオススメする。そこからじょじょに幅を広げていけばいいのだ。
 雑誌のおいしい点はまだある。読切作品だ。とくに新人の場合、作品数が少ないのでなかなか単行本にまとまらないし、単行本が出ても読みたい作品が収録されていないというケースがままある。こういった作品を押さえておくためにはやはり雑誌を買っておくしかない。
 余談だが、次号予告と「単行本のお知らせ」、それから同じ出版社の出している漫画雑誌の広告もかなり有益な情報源となるので、雑誌を読むときは忘れずにチェックしておきたい。


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 通常、単行本よりも雑誌のほうが判型が大きい。大きな判型で読まないと映えない作品というのも中にはある。大ゴマを効果的に使う漫画はもちろんだか、1ページのコマ数が多い漫画も判型の小さい漫画だと読みにくくなってしまう。
「単行本はビデオ、雑誌は映画館」。たしか三代目魚武濱田成夫がいっていた言葉だ。同じ作品を読んだ場合でも、雑誌と単行本ではノリがやはり違うのだ。「次はどうなるんだろう」と待つワクワク感、さまざまな作品がごった煮で詰まっている楽しさ。雑誌でなければ味わえない楽しさというのが確かにある。また、単行本でまとめ読みする楽しみというのももちろんある。俺としてはできるだけ雑誌も単行本も両方チェックする人が増えてほしいと思っている。
「これ以上漫画にかける時間とお金を増やしたくない」という人もいるかもしれない。でも、楽しみはたくさんあるほうがいいに決まっている。そして読まないよりも読むほうが、楽しさに出会える機会が増えるのだ。俺もわりと雑誌を読んでいるほうではある。だが、正直いってまだ足りないと自分では思っている。だからこれは自分に対する提言でもある。

もっと雑誌を読もう!