塀内夏子単行本リスト

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■作家名:塀内夏子(へいうち・なつこ)
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「ROAD」

「ROAD 〜輝ける道〜」 ■出版社:講談社
■シリーズ:少年マガジンコミックス
■巻数:全3巻
■判型:新書判

●「ROAD〜輝ける道〜」 1〜3巻
 今回塀内夏子がテーマとして選んだのは、実業団・学生の別なく争われる日本唯一のオープン駅伝。各チームでレギュラーになれなかった選手で作られる「混成チーム」の面々の活躍を描いていく作品である。このチームに集められたのは、かつて「天才」といわれた少年や、今まで選手になれずずっとマネージャーをさせられ悔しい思いをしていた大学生、それから将来を嘱望されながら事故に遭いそこからの復活を目指す選手などさまざま。彼らの力走を、それぞれのドラマを交えながら描いていくという形式。

 さすがに塀内夏子らしく構成が手慣れていて、最初雑誌で読んでいるときはそのおかげで若干印象が弱くなっていたんだけど、単行本になって読み返してみたらこれがちゃんと面白い。それぞれのドラマはクサいくらいだが、物語展開がスムースで読みやすいし、気づいてみると引き込まれている。何より走ってる姿が気持ちいい。たぶんそんなに長くはならないと思うけど、まとまった佳作となりそう。
(以上2001/10/23)

 各団体からのハズレ者だけを集めて作られた混成駅伝チームのドラマ。この巻できれいに締めくくり。2巻は天才ランナーの如月くんがメインだったが、この巻で最後のタスキが選手生命を失いかけないほどの大けがから復活したベテラン室堂へと渡る。物語としては花形的存在である天才少年ではなく、あえてベテランのドラマで締めくくったのは、ベテラン選手好きの塀内夏子らしい。ベテランだけに、ライバルとの関係や挫折、そこからの復活の描写などに重みがあって、構成的にもバッチリ。ボリュームもちょうどいいし、白熱しつつまとまりもいいスポーツ漫画となった。天才ランナー如月くんのほうもまだまだ主役を張れそうな余力を残している感じなので、そのうち続きもあるかも……と期待を抱かせる。
(以上2002/01/22)


●「ROAD〜ふたつの太陽〜」 4〜5巻
 「ROAD〜輝ける道〜」で駅伝チームの一員だった天才ランナー如月が今回は完全に主役に昇格。駅伝編でも良きライバルであった期待の大学生ランナー、沢田とともに福岡マラソンに出場。「輝ける道」のほうが終わったときに続きがあるかなと思っていたら、案の定という感じだった。この二人の友情を軸として、2巻で1レースをきっちりまとめ上げたソツのない作り。マラソンの駆け引きはしっかり描かれていて、短いながらも読ませる。ただ最近の塀内夏子は、「Jドリーム完全燃焼編」とかもそうだったんだけど、友情や恋といったウェットな方向に流れる割合が多いのはちょっと気になる。もちろん選手の内面を描くという意味でそういう部分は必要。でもスポーツ部分、その競技ならではの技術論や厳しさのほうに、もう少しだけ重心が乗っかってたほうがスポーツ漫画としては読みごたえがあると思う。あと「輝ける道」のチームメートたちが、今回まったく出てこなかったのはちょっと寂しいような気はした。
(以上2002/12/19)

ISBNコード初版年月日価格購入
1ISBN4-06-313035-5 C99792001/10/17400円[bk1][Amzn]
2ISBN4-06-313049-5 C99792001/11/16400円[bk1][Amzn]
3ISBN4-06-313069-X C99792002/01/17390円[bk1][Amzn]
4ISBN4-06-363184-2 C99792002/12/17390円[bk1][Amzn]
5ISBN4-06-363185-0 C99792002/12/17390円[bk1][Amzn]