「DEI48」表紙 作:島久+画:前川かずお
Story:Shimakyu+Art:Kazuo Maekawa

DEI48

全1巻 講談社 ヤンマガKCエグザクタ
ISBN:ISBN4-06-335026-6 C9979 本体価格:505円
初版発行:98/01/07 判型:B6 4色カラー含む

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 すんごく馬鹿。ものすごく笑えたのでこちらでも紹介することにする。
 絵柄は「蹴速の闘魔神」などの岡村賢二系。この力強い絵柄でどうしようもない展開をしてくれて、思わず吹き出してしまう。岡村賢二の漫画もけっこうたわけたものが多いが、「DEI48」はそれ以上。一見マジメそうに話は展開するのだが、実は最初っからウケを狙っていたとしか思えないような馬鹿っぷりだ。

 主人公は沖縄で漁師をなりわいとしていた青年・ケイジ。ある日、ケイジの左腕にハブの紋章が浮き出てくる。実はこの紋章は、空手発祥の地・沖縄に古くから伝わる謎の格闘技「裏手(うらでい)」の正当なる継承者であることを示すものだった。この裏手はその威力ゆえに空手に組み込まれなかったもので、その技は「繋ぎ女(つなぎめ)」と呼ばれる48人の女性に伝授されていた。継承者は繋ぎ女と交合することによって技を伝承する。

 裏手の技は48手あり、SEXの体位の48手の形だったりするわけだ。繋ぎ女が継承者に技を伝授すると次の繋ぎ女が発情する。繋ぎ女が発情中でないと技が伝授できないので、リレー形式で女から女のもとへと継承者は走ることになる。繋ぎ女が発情すると、なぜか「熟練した格闘家だけに分かる香気」を発し、その匂いを頼りに継承者たちは繋ぎ女を探し当てる、という仕組みである。

 まず「熟練した格闘家だけに分かる香気」ってのからしてヘンだ。そして、発情した繋ぎ女と最初に交合した格闘家に技は伝授されるのだが、出し抜いた敵から技を取り戻すために主人公は筋肉ムキムキの格闘家を強姦したりする。しかも、ムキムキ男どもが目を見つめ合って「コクッ」とうなずいてからおもむろに行為に入ったりするのである。
 さらに最終回では、死んでしまった繋ぎ女から技を伝授するために死姦までする。それが普通の死体ならいいのだが、首の骨が折れて顔が背中のほうに向いている死体としたりするのである。

 細かなところでもギャグは利いている。主人公の旅に同行する妹が、裏手について記された文献を持ち歩いているのだが、「そういえば文献に……」とかいってなぜかパンツの中に入っている文献を取り出したり。何もそんなところに入れんでも……。また、敵の格闘家が「コイツの毒でオレのコーフンを静められるかなァ?」とかいって、いきなりハブをズボンの中に突っ込んで自分のモノをかませてみるだとか、もうやりたい放題。

 全5話のサブタイトルも笑える。以下のような感じなのだが、「妖艶噴欲女」って……。
第壱手「妖艶噴欲女」
第弐手「巨烈根勃発男」
第参手「乱痴奇交戦島」
第四手「毒蛇性狂結合」
第伍手「破裂口悶絶死」

 とにかく気持ちがいいほどお馬鹿さんな漫画。笑えるのでぜひ一度読んでみてもらいたい。