「THE NEW MOVEMENT」 KASHIみちのく
KASHI MICHINOKU

「THE NEW MOVEMENT」
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 待望の初単行本。KASHIみちのくはコミックドルフィンなど司書房系の雑誌で活躍しており、最近非常に楽しみにしているエロ漫画家の一人。

 KASHIみちのくの作風はあっけらかんとして底抜けに明るい。絵柄もお話もめちゃくちゃに天真爛漫。巻頭の「蘇れ!ゴールデンチ○ポ伝説」は町でヘンな武術の道場を開いている近親相姦兄妹のお話で、この流派ではルーズソックスやブリーフにせーえきを染み込ませてベチョベチョにしたものを武器として闘う。こういった馬鹿げた発想が、なんだかものすごく楽しそうに展開される。女の子の身体とかは基本的に豊満で、弾むようなエロシーンの動きに合わせてぱゆんぱゆんとこれまた楽しそうに乱舞する。セリフの数々、ストーリー展開は豪快なまでに脳天気。ハイテンションで展開される脳みそがとろけそうに陽気な世界がなんともたまらない。

 掲載作品の中で一番好きなのは『「妹」ンムフフフ。』。妹が欲しくて欲しくてたまらない妹フェチの男の部屋に、リズミカルに踊りながらやってくる「妹シスターズ」。ズバリ言ってたいへんに馬鹿馬鹿しい。また、「BURNING」は人間のせーえきをエネルギーに動く「リッチドール」のぷりんちゃんが特設リング上で闘うというお話なのだが、ルールがまたダイナミックにおばかさんである。リングのロープサイド2面にはち○ぽの小型爆弾3人装置が配備され触れると射精する。さらにもう2面にはロープが張られておらず、下に落ちるとち○ぽ地雷バリケードマットが待ち受け3人がかりでレイプされてしまう。どこからこんなバカチンなルールが考え出されるのか、常人の想像を超えている。
 キャラクターたちのなんも考えていなさそうな暴走ぶりや、舌足らずなセリフ回しも頭悪げでとてもよろしい。無邪気で稚気にあふれて、ジメジメしたところなんてひとかけらもない。ここまで楽しそうにやられると読んでいるほうも楽しくならずにはおれない。

 これだけ陽気で頭足りなげで馬鹿っぽい作風の人はなかなか見ない。クセがあるので万人向けでは全然ないが、一見の価値はある。

●収録