オス単:2004年1月の日記より


 このページは、「OHPの日記から、その月に読んだ単行本の中でオススメのものをピックアップする」というコーナーです。

 日記形式だと、どうしても日にちが過ぎてしまうと大量の過去ログの中に個々の作品が埋もれてしまうため、このコーナーではダイジェスト的にまとめてみました。文章の中身は、すべて日記からのコピー&ぺーストです。加筆・改稿等は原則としてしませんので、普段日記を読んでくださっている方にとっては読む意味がないかもしれません。手抜きといえば手抜きなんですが、まあその点はご容赦ください。

 なお、ここで取り上げる単行本は「その月の日記で取り上げたもの」です。「その月に発売されたもの」ではありません。だから古い本でもどんどん入れていきます。ピックアップした単行本は多少分類してますが、これはあくまでページを見やすくするための便宜上の分類です。かなり適当に割り振ってますのであんまり気にしないでください。あとシリーズものの途中の巻は、わりと省略しがちです。


▼強くオススメ

【単行本】「サルハンター」 ツギ野ツギ雄 太田出版 B6 [bk1][Amzn]

 かつてヤングサンデーで連載された怪作。とにかくアクが強くて濃い。内容のほうは、高度な知能を持ったサルが人間たちを襲い始め、サルによって恋人を奪われた主人公がヤツらとの戦いに挑む、という話。サルというのは本気を出すと人間なんか相手にならないくらい強かったりするらしく、チンパンジーの握力は270kgくらいあるらしい。それがこの作品に出てくるサルのような知能を身につけて襲いかかってきたら……などと考えると、ものすごくぶっとんだ漫画でありながらリアルな怖さもあるといえるかもしれない。

 それはともかくとして、この作品の最大の魅力は出てくるサルたちは揃いもそろってやたら邪悪なこと。ちんこを激しくこすりながら中指をつきたて「やりてえあ〜!!」と絶叫したり、人間のメスをさらってきて性奴隷にしたりする。サルが人間のメスに首輪をつけて引きずり回している姿とかかなり凶悪。「スッパニタータ」もそうだったけど、この人の描く女人の体つきとかは、妙に生臭いエロさがあふれている。精液のツンとくる匂いが画面から漂っている。ハッキリいって絵は洗練されているとはいえない。雑然としてて荒削りではある。しかし端々の描き込みに異様な執念が感じられ、得体の知れないパワーに満ちている。そんなわけで読む人を選ぶ。でもこのロックでパンクな作風はツボにハマるとデカい。ずっと単行本化を待ち望んでいたが半分諦めていたので、久し振りに通しで読めてすごくうれしかった。できればビッグコミックスピリッツ増刊の新僧でやった「スッパニタータ」も単行本化してほしい。読切の「八王子機動メガネイバー」「サウナマン」あたりもついでに収録してくれるとなおグレート。

【単行本】「シグルイ」1巻 作:南條範夫+画:山口貴由 秋田書店 B6 [bk1][Amzn]

 残酷無惨時代劇の大家・南條範夫(読んだことがないので詳しくは知りません)の「駿河城御前試合」が原作。これは非常にカッコよく、おどろおどろしく、美しくもあっておもしれーです。この作品が題材としているのは暴虐であったとの伝説が多く残る駿河大納言・徳川忠長が催した御前試合の模様。22人が参加しながら6名しか生還しなかった、酸鼻を極めたその死合いぶりがつぶさに描かれていく。で、これがのっけからすごくテンションが高い。まず最初の対決からして隻腕の剣士と、盲目で片足が不自由な剣士。異形同士の鬼気迫るにらみ合いは迫力満点。そのほかの残虐描写もお見事。狂気に満ちた残酷世界を、血みどろの美学でもってアツく激しく描く山口貴由の作画も見事。「覚悟のススメ」以降の山口貴由はいまいちノレないことが多かったけど、これはストーリーと作画がばっちりマッチしててイケイケな作品となっている。

【単行本】「武装錬金」1巻 和月伸宏 集英社 新書判 [bk1][Amzn]

 今、週刊少年ジャンプで絶好調にブイブイいわせている「武装錬金」が単行本化。内容を要約すると、一度は殺された主人公・カズキや彼に命を与えた少女・斗貴子らが、錬金術によって作られたホムンクルスたちと戦うという伝奇アクションといったところ。この手の週刊少年誌連載の妖怪退治系アクションバトルものは、ほっとくとむちゃくちゃ長くなってしまいがちなんでうかつには手を出さないようにしてるんだけど、この作品は現在のところ非常にいい感じに盛り上がってる。基本的には熱血、しかも要所要所で飛ばすギャグのキレも抜群でシャレっ気たっぷり。典型的な熱血主人公タイプのカズキ、凜とした強さが魅力の斗貴子、それからおっとりしたボケ役的存在のカズキの妹まひろ。それぞれに味のあるキャラクターたちがみなイキイキと動き回っており、読んでて飽きない。物語の進行テンポも軽快でとってもいい。連載開始からあんまり時間は経ってないけど、ぐんぐん盛り上がっていてすごく楽しい作品になってる。素直に面白い。

【単行本】「少年少女ロマンス」3巻 ジョージ朝倉 講談社 新書判 [bk1][Amzn]

 おっもしろかったっ!←と、このように勢いをつけて語りたい作品。思い込みの激しすぎるバカ二人、蘭と右京の怒涛の恋愛物語もついに完結。いやーものすごく力強く、青春街道突っ走ってます。自分でもどうにも制御できないくらいの「好き」という感情に衝き動かされ振り回され、二人は反発したりラブラブになったり激突したり。その迷走っぷりが強力で、もう気持ちが良いくらい。このくらいやってくれたら清々しい。そしてこの巻では、蘭の側に常にあり彼女を見つめ続けた宗一の恋の決着もポイント。本編終了後に読切「少年ロマンス」「少女ロマンス」が収録されているが、とくに「少年ロマンス」で蘭と宗一が遊園地に行き、コーヒーカップに乗りながら会話する光景にはジーンときた。セリフも絵もビシッと決まってて感動した。ジョージ朝倉は本当に漫画うまい。少女漫画の単行本だけど性別を問わず訴えかけてくる力がある。何はともあれ堪能させてもらった。どうもありがとうございました!

【単行本】「覇王 Mahjong King Fighters」1巻 作:朽葉狂介+画:木村シュウジ 竹書房 B6 [bk1][Amzn]

 読む者すべてがポカーンとした! 2003年の麻雀漫画界最大の話題作がついに単行本化!! 内容としては実に簡単。「最強の雀師は誰か!?」という答えを出すために開催された、究極の麻雀大会の模様を描いていく(もちろんフィクション)。ミスター麻雀・小島武夫、卓上の舞姫・二階堂亜樹、亜空間作法・安藤満ら、実在の雀プロをモデルとしたキャラクターたちが、最強の称号を求めて激しいサバイバトルを繰り広げる。舞台は国技館。それはいいんだ。なんだかノリがK-1みたい。それもいいんだ。この作品のぶっとび度が爆発するのが第4話。実在の雀プロたちに混じって「伝説の男」が登場する。その名は───哭きの竜!!

 いやー、これまでこの作品の粗筋を描くときはネタバレを気遣ってハッキリとは書かなかったんだけど、単行本になったら表紙にも帯にもバッチリ竜が出てきてるんで、安心して書いちゃいますよ。「グラップラー刃牙」なんかでも実在の格闘家をモデルとして登場させるっていうのはよくあったけど、まさかプロ雀士を実名で登場させながら、竜を持ってくるとはさすがに驚いた。「ドカベンと王貞治、どちらが最強の打者なのか。プロ野球ファンなら誰もが気になるであろう」。気にならねえよ! でもそういうレベルのことをガチでやっちゃうのがこの作品。また実在の人物をモデルにしている部分にも関しても、二階堂亜樹もなぜか超巨乳だったりデフォルメが利きまくっている。無駄なくらいの盛り上げっぷりは、なんだかんだいって素直に面白かったりもする。ちなみに次の巻ではさらに「あの男」も登場したりしますよ。いやー、目が離せません。


▼一般

【単行本】「無宿狼人キバ吉」1巻 作:島本高雄+画:森野達弥 ワニブックス A5 [bk1][Amzn]

 水木しげるのお弟子さんだった森野達弥が作画を担当。流れ者の賞金稼ぎであるキバ吉が、妖怪にとりつかれて暴虐の限りを尽くす輩を討つ。キバ吉は普段は人間の姿をしているが、激昂するとその真の姿である人狼へと変化する。まあ基本的に和風の妖怪退治譚ではあるのだが、さすがに水木しげる門下だっただけあって、作画の雰囲気は抜群。妖怪の絵姿、ひたひたと迫る暗がりの様子など、なんともおどろおどろしく、かつ美しく描かれている。女性キャラが意外と可憐なのもポイント。いかにもしとやかで陰のある風情がたまらない。作品の中でしっかりと世界が出来上がっていて隙がない。面白うございました。

【単行本】「ガーデンオブエデン」 こいずみまり 祥伝社 A5 [bk1][Amzn]

 こいずみまりって普通のコマ割りの漫画も面白いんだよね。この作品集に収録された作品は、タイトルは「ガーデンオブエデン」で共通だけど、中身は大きく三つのエピソードに分かれている。主人公はいずれも女性で、彼女たちの名前から「taeko」「yuko」「keiko」というサブタイトルがつけられている。中でも一番読みごたえがあるのは、全7話ある「keiko」。とある青年が、ガラクタ屋で見つけたとある少女を映した古いポートレート。彼はその少女を題材に何枚もの絵を描いていたが、友人からその少女とそっくりの女の子が同じ学校にいると聞かされ、その相手である真島さんとの関係が始まっていく。このお話もそうだけど、いずれのエピソードも魔術っぽくミステリアスなところがあって、夢を見ているような、どこか曖昧な読み心地。その柔らかで不思議な感触が心地いい。主人公の女性たちはみんなキレイだけど、何か足りないという欠落感があって、そこらへんの儚げな雰囲気にもソソられる。描線自体はシンプルなんだけどここらへんはセンスを感じる。あと謎めいたところがありながらも、漫画として読みやすく作ってあるのもいい。

 ところで作者あとがきによると、この作品のタイトルはスパムメールのタイトルから取ったとのことだったんだけど、それで得心がいった。いや、実は雑誌掲載時にこの作品の感想を書いた後、ウチにも「Garden of Eden」ってタイトルのスパムが来るようになってて、「サイトの本文から語句を抜き出してタイトルにするスパム送信プログラムでもあるんかなあ」とか思っていたのだ。なるほど、スパムのほうが先だったのね。

【単行本】「かの人や月」1巻 いくえみ綾 集英社 新書判 [bk1][Amzn]

 とりとめもないお話ではある。でも面白く読ませちゃういくえみ綾の筆力はいつものことながら凄い。お話としてはジジババ父母男女女と、現代のなんてことない大家族を、ゆったり描いたお話。まあそれぞれの面々の恋やらなんやらの気持ちは描かれていくんだけど、どれ一つとってもそんなに珍しいことを描いているわけではない。でも間のとり方、美しい作画、気の利いたせりふなどなど読ませ方が抜群にうまい。とくに面白いことを描いているわけではないのに、漫画としては楽しくなっちゃうんだから怖いモンなしでしょう(作者がそう考えているとは思わないけど)。ここ数年少女漫画を読むようになったが、いくえみ綾はずっとハズレがないなー。

【単行本】「みたむらくん」 えりちん 白泉社 B6 [bk1][Amzn]

 ヤングアニマルで好評なんだかそうでないんだか知らないが、とにかく名物連載の一つになってきている……いや、それもどうなんだか知らない「みたむらくん」がついに単行本化。昼は契約社員としてヤングアニマル編集部で働き、夜は夜間高校に通う30歳、素人童貞オナニー大好きみたむらくんの生活を、熱くうっとうしくむさくるしく描いた一作。実在の人物がかなりモデルである、みたむらくんの存在感はすごい。とにかくウザいし生々しい。どこに行ってもイジメられそうなオーラ全開だけど、本人がかなり強靭で明るいので愉快な作品に仕上がってしまっている。すごく面白いのだが、ときどき「でもみたむらくんと俺の間にどの程度の差があるよ?」とか自問自答してしまうと切ない気分に。

【単行本】「医龍」1〜5巻 漫画:乃木坂太郎+原案:永井明 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 あらためて既刊を全部読んだけど面白い。タイトルを見れば分かるとおり内容は医者漫画。心臓の一部を切り取って心室を収縮させる難手術「バチスタ」。それを行うことで教授に昇りつめ、日本の医学界に風穴を開けることを企む女医・加藤が、かつて日本の医療界からはじき出されて海外に飛び出した天才外科医・朝田を手術チームに引き込む。奔放で日本の慣習からは外れているが、患者のことを第一に考えた朝田の振る舞いは、硬直した大学病院を揺さぶっていく……という物語。

 最近の医者漫画では佐藤秀峰「ブラックジャックによろしく」が大ヒットを飛ばしたが、あちらが医療の現実と立ちはだかる壁を読者につきつけてくるのに対し、こちらは朝田がその壁をバッサバッサと切り刻んでいく。「ブラックジャックによろしく」が大なたであるとすれば、こちらは研ぎ澄まされた日本刀の切れ味。朝田の天才的な手腕が存分に発揮された外科手術の模様は、まるでロックバンドの演奏のごとく激しく、またリズミカル。動き自体が痛快であるし、セリフのキレも鋭い。展開にスピード感があるので、つっかえるところが全然なくスルスルとハイスピードで読み進めていけるのが気持ちいい。コクもキレもある力作。

【単行本】「よつばと!」1巻 あずまきよひこ メディアワークス B6 [bk1][Amzn]

 なんとなく今さら購入。お父さんといっしょに引っ越してきた天真爛漫で元気いっぱいな女の子・よつばちゃんの生活をほのぼの楽しく描いた作品。すんごい事件が起こるわけではないけど、なんだか無性に楽しい作品。なんといっても気持ちいいのがよつばちゃんの言動。一般とは感覚がちと違うかもしれないけど、とにかくストレート。何か隠したり陰にこもったりするところが全然なくて、思ったことをそのまま大声で叫ぶ。そういう姿が、ひね曲がった大人の心にしみじみ浸みる。あと動きもいろいろ楽しい。たらーんとしているかと思えば、軽やかに跳ね回るし、何をやってくるか分からないので見てて飽きない。作画面でのアクのなさというか、暖かみのある透明感とでもいいますか、そんなのも気持ち良さにつながっている。このままのびのび育っていけば、いずれ大人物になりそうな感じ。


▼エロ漫画

【単行本】「北河TOUTAL」 北河トウタ 司書房 B5 [Amzn]

 B5で厚めな豪華版の単行本。といってもハードカバーとかじゃなくて、紙質については普通のA5版単行本と同じような感じ。ようするに判型がデカくてちと厚めになったものと考えてOK。中身は単行本未収録のちょっと古めな作品を中心に、描き下ろし新作、再録作品を加えたもの。北河トウタは、最近はキュートな絵柄とふくよかな巨乳、それからカバー裏に掲載された「OLフラストレーションズ」[Amzn]の宣伝にあるように「いやん、身体が勝手に感じちゃうよぉ…!」属性的な内容が特徴的。明るくてかわいくて、かつエッチもけっこうしっかりやっている。絵柄に関してはデビューしてからわりとよく変わっていて、古めの作品のほうはわりと淡白でつるぺたなのが多め。でもキュートであるという点については今と変わらぬ雰囲気は持っている。しっかりサービスしてくれる作風なので、個人的には気に入っております。

 ところでこの単行本の表紙を見て「北河」の読みが「キタカワ」だと気づいた。今までずっと「キタガワ」って読んでた。断固濁らんのです……か。

【単行本】「プリティサイズ」 井ノ本リカ子 晋遊舎 A5 [Amzn]

 とても甘〜いラブラブH漫画。内容は階段から落ちて一目惚れしあってしまった男女と、そしてその二人の友達である二人、2組のカップルがくっついてアツアツになる……というもの。まあ要約しちゃうと全編それだけ。でもこれがいいんだよね。出会ってから本当にカップルがHするまで3話かかったり、とにかく初々しい「好き」って気持ちが伝わってくる漫画となってる。そして井ノ本リカ子の、舌の上でふんわり溶ける砂糖菓子のような、はたまたマシュマロみたいな淡い絵柄も内容にマッチしててなんともいい雰囲気。それでいながらHシーンもけっこう充実。とくに事件らしい事件も起こらず、殺伐としたところが全然なくってとても気持ち良く読める。ヒロイン二人、天然系のほわほわした美少女タイプの百瀬さん、マジメでカタブツっぽいけど笑うと可愛い宮原さん、どっちもいい。全体としてかわいい漫画であります。

【単行本】「DREAM FITTER」 加賀美ふみを 平和出版 A5 [Amzn]

 いやー、毎度かわいいですなあ。今回は「DREAM FITTER」全5話と「song recycle」全3話、「Lovely Memory(rerun)」「いっしょにいたいね」を収録。いずれの作品も、トロットロにアツ〜い恋愛ムード満載の可愛い作品に仕上がっている。とくに「DREAM FITTER」は、お互いのHな姿を妄想しては興奮しているアツアツカップルがメインのお話で、なんとも幸せで妬けちゃうようなお話。そして毒のない絵柄のわりに、エロシーンでやってることは意外に過激なのもポイント。ラブラブな雰囲気にアテられつつ、ニヤニヤし、そのこっぱずかしさにゴロゴロ身悶えながら楽しく読める本であります。

【単行本】「先生が悪い!!」 高岡基文 ヒット出版社 A5 [Amzn]

 いつもながらしっかり実用本位な作品を描いている。高岡基文の場合は絵柄的には劇画っぽくなくあくまでいわゆる「アニメ絵」タッチながら、そのピチピチした質感を生かした瑞々しいエロを描いている。美少女系らしい明るい絵柄の絵でヌキたいって人にはオススメできる作家さん。今回の単行本は、巨乳メガネッ娘女教師とその生徒である高橋くんがメインの全4話と短編が2本。その中ではみんなで遊びに行った海で、高橋くんがほかの女子にモテモテなのにふてくされたセンセイが、同行のザコ男子2人にヤラれちゃう「シューティングスター」がとくにヒット。そこまでの3話で高橋クンと先生がラブラブになっているだけにエロさひとしお。全体で見るとヒット出版社の単行本の常として収録話数は少ないけれども、しっかり使えます。とくに女教師さんの巨乳は、作者自身「描けば描くほどでかくなる」というようにタイヘン大きい。そして柔らかそう。巨乳スキーな人間としては嬉しい乳だ。

【単行本】「VERY SWEET PORTION」 羽田としのり 司書房 A5 [Amzn]

【単行本】「Yell!」 羽田としのり FOX出版 A5 [楽天]

 最近非エロ系一般誌での活躍も目立つようになってきたんで、このさいだから買っとくかーというわけで。初版は「VERY SWEET PORTION」が2002年4月、「Yell!」が2003年9月。羽田としのりの特徴は、なんといっても瑞々しいフレッシュな作画。ちょっとうるんだような光のある大きな目の女の子たちは、健康的な魅力にあふれている。あとお話のほうも殺伐としたところがなく潤いがあって、甘く清々しいものが多い。実用性も何気に高くて、女の子のHな表情とかけっこう好き。エロ漫画入門者にとってもとっつきやすい作風といえるんじゃないでしょうか。

 じゃあなんでこれまで買ってなかったのかといえば、良くも悪くもスタンダードすぎるからかなあ。このころの作品は、よく出来ているんだけど強烈な色がないというか。ただ最近はさらに絵が洗練されてきて漫画的にもうまくなっていると思う。ラブラブムードもより強力に前面に押し出せるようになってきた。そんなわけで次の単行本が出たらたぶん買うだろうなーと思っていたんで、過去作品も揃えておこうと思って購入に踏みきったわけです。


ページの一番上へ