ユリイカ4月号
特集 J-コミック'97

 こ、これは凄い。いきなりよしもとよしともと古屋兎丸の対談。今の漫画で一番と言っていいほどとんがっている二人の、作画や話作りのルーツがたどれるとは。

 特集のコンセプトがふるっている。「マンガ家が語るマンガの現在」だから。漫画の現状について漫画家自身に語らせるという形式は今までないわけではなかったが、ここまで総合的にやるとは。

 扱う漫画家もイカシている。吉田戦車に町野変丸。安野モヨコに南Q太。東陽片岡に業田良家。そして当然山本直樹。荒木飛呂彦というメジャー系も忘れない(このインタヴューは凄い!)。少し人数的に少ないような気もするが、まあ押さえるべきところは押さえていて、企画力の鋭さとリサーチ能力の高さを感じさせる。

 記事の内容としては、中にはインタヴュアーの思い入れが先走りすぎてしまっているものもあるが、全体的に見て、今の漫画家が何をめざし、何を考えているのかが明快に示されていて非常に興味深いものになっている。

 次はスタジオボイスかな。

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