東西奇ッ怪紳士録 壱

水木しげる
小学館 ビッグコミックスゴールド

 

 「ビッグゴールド」でいつのまにかひっそりと始まっていた連載の単行本。あれ?魔界や霊界を紹介する漫画を描くんじゃなかったかな?まあよいとして、内容は相変わらずの水木節。この壱巻には平賀源内、二笑亭主人、貸本時代の漫画家たちといった変人たちが取り上げられている。視点の置き方は「ヒトラー」や「星をつかみそこねる男」のものをベースに、最近御執心の「幸福観察学」に拠ったものとなっている。人間の幸福とは何か?という。この幸福についての観念も、金とか地位とか名誉ではなく、「いかに脳内麻薬が分泌されているか?」といった(この説明では不十分だが…)、水木先生独特のものとなっており、普通の人には「何じゃこりゃ」、重度の水木マニアには「こりゃたまらん」といったものとなっている。他の人には決して真似のできないこのねぼけ感覚。相変わらずの「濃さ」。最近は特に調子良く我が道を行っている。さすがは妖怪。もう百年くらい漫画を描きつづけていって欲しいものだ。

 

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