アフタヌーン 2000年9月号

レヴュ担当 吉本松明
久遠永遠
音羽平八

クーの世界2

小田ひで次
吉本 7.5 クーの世界に入り込み、経験をつんだ礼寧だが、それがために周囲との軋轢を生じる。そして再びクーの世界へと入り込むれねい。まさかこんなに早く第二部が始まるとは。そして漫画的展開の巧みさも注目すべきところ。次の展開に含みを持たせたヒキと、魅力的で深みを持った登場人物。きちんと仕事をしているだけでなく、さらに面白くなっているところに驚きを感じる。巻頭に持ってくるのもさもありなんという内容。次も期待。
久遠    
音羽 おや?どうなってるんだ?夢の内容はリセットされてるのか?
BLAME!

弐瓶勉
吉本 相変わらず連続して訪れる危機。否応なく迫るタイムリミット。ちょっと連続しすぎているのでストレスが溜まるところではあるが、息もつかせぬスピード感は流石。
久遠    
音羽 シボがまたまたニューボディーだね。こんどはどんな新機能を見せてくれるのかな?
ヨコハマ買出し紀行

芦奈野ひとし
吉本 富士のふもとでとうもろこしを焼いて暮らすアルファさん、という描写は一見実にさりげないものの、実は背後に大きな意味を含んでいる。定住のときは終わりを告げ、あの喫茶店にアルファさんが戻るときは、もうかつてのアルファさんではないということが暗示されているのだ。それを直接的な話法で一切語らないところに、この作品の最大の徳目がある。
久遠    
音羽 平和な世界だねぇ。便利じゃなくても平和な世界でのんびり過ごせるってのが一番かもねぇ。
ああっ女神さまっ

藤島康介
吉本 く、くだらない展開!お父さんの引きこもり的部分に批判的視線を投げかけているところは好感が持てる。どうせやるならお父さんをテッテ的にいじめて欲しいものです。
久遠    
音羽 なんか・・・みごとなまでに繋ぎって感じだね〜。
女神調書

小原愼司
吉本 それにしても小原愼司に女神さまだから…。ミシンとこうもり傘的取り合わせにまずは嘆息するところであるが、小原はそれを逆手にとり、実に小原らしいエンターテイメントに仕上げている。自らの分を知っている人はこれだから強い。ビームでオリジナル作品を連載する、っちゅうのはどうすか。
久遠    
音羽 なんだ?これ続くのか?
勇午

真刈/赤名
吉本 そういうあなたもアップばっかり…
久遠    
音羽 話の先が見えないがなかなか興味深い展開になっていってるな。今回も期待を裏切らない結末になればよいのだが。
そんな奴ァいねえ!!

駒井悠
吉本 「ブルーハワイに〆サバだ!」を思い出したことですよ。
久遠    
音羽 なんでIn NYなんだろ・・・でも、これくらいユーモアのある連中がいればねぇ。すこしは変わるかもね。
G組のG

真右衛門
吉本 4コマを連続させるとインパクトが弱まるように思うのだが。読者も作者も慣れてきた感が強く、すんなり読めるようになってきていると思う。
久遠    
音羽 匂いの出るテレビ・・・あったら面白いだろな。
EDEN

遠藤浩輝
吉本 7.5 マフィアの巣窟になる学校、娼館の下働きに従事するエリヤ…。エリヤの「子どもらしい」一面を見る面白さに加えて、どん底(とされている場所)における人間同士のつながり、そしてそこから生まれるナマの経験が感じられるのが面白い。遠藤は常に上っ面をなでるだけでなく、人間存在の奥底まで描き出そうとする。その姿勢を高く評価したい。
久遠    
音羽 どんどん本筋から離れてる気が・・・
セラフィック・フェザー

武田/うたたね
吉本  
久遠    
音羽 ロボット・・・武器装備してないのか?なんかカッコ悪い戦い方だな。
無限の住人

沙村広明
吉本 真っ白な画面は実に気になるところだが、天津と彼を慕う女のふれあいのシーケンスは非常に痛くてよろしい。封建的メンタリティに由来するままならなさ。それを批判的に描くのではなく、美意識の面から、そして「そういうものだ」と描くところがよろしい。
久遠    
音羽 おや?いったい何がおきたのだ?またまた波乱の展開を見せてくれそうだな。
のぶみのえほん

のぶみ
吉本 CMYKのうち一色足りないのでは?
久遠    
音羽 これって・・・カラーページの無駄遣いでしかないよな。
ジョカ

大西巷一
吉本 復活第一作にして最初から劉備のピンチ。展開は悪くないと思うのだが、どうも背景になるテクノロジーが「燃えない」のだ。風水に基づいたかたちのマジック?うーん。演出で生きる面もあろうが、それも少々固い感が。
久遠    
音羽 次回あたりで再び呪術戦になるのかな?期待してるぞ。
ハトのおよめさん

ハグキ
吉本  
久遠    
音羽 なんなんだか・・・
なるたる

鬼頭莫宏
吉本 この作品もまた、幼いチビッコをいじめて楽しむ根ロリな作品なのであって。ごめんなさい、と許しを乞いても当然許されないのであって。絶望に泣き叫ぶ少女を見ることによって読者は楽しみを覚えるのであって。
久遠    
音羽 凄まじい展開になってるな。クラスの大半が惨殺されてしまうのかな?目が離せないな。
ぽちょむきん

北道正幸
吉本 大きなギャグこそないものの、次の展開に向けて着々と準備しているのが伺えて面白い。
久遠    
音羽 なんかシリアスな感じになってるな・・・ま、これはこれでいいかな〜。
神・風

士貴智志
吉本 まだ完全に覚醒していない八十八匹のケモノの頭=おとろし。それを利用しようという自衛隊といった描写は面白い。ただ、どちらにせよ大もとからして…。
久遠    
音羽 ケモノって封じられていた奴らだけじゃなくて、他にもいたんだね〜。心臓ってのはかずに限りがあるのかな?また謎がふえていくね〜。
犬神

外薗昌也
吉本 これもまたちょっとパッとしない展開。動きがないのがつらいところ。
久遠    
音羽 さてさて、どうなることやら。派手なバトルにでもなるのか?それにしても、どうやって話をまとめるのかな?
スズキ

安井雄一
吉本  
久遠    
音羽 これのなにが面白いのでしょうか・・・理解できぬなぁ。
砲神エグザクソン

園田健一
吉本 敵ロボにワイヤーで固定されるエグザクソン。このあたりの描写については音羽どのが存分にケチをつけてくれるだろう。本当の問題は展開のあきれるほどの遅さにあり。
久遠    
音羽 メカのデザインもダメだが戦い方もダメだなぁ。もっとなんとかならないものかね。
ニライカナイ

岡田芽武
吉本 圧倒的な絵柄で攻めているので分かりづらいが、実はかなり滅茶苦茶な(ご都合主義な)オハナシですよ!?感じさせない力量は流石だが。その意味で二重に楽しめる作品といえよう。
久遠    
音羽 なるほど、敵は神だけではないわけだね。
日本史の時間

松田啓宏
吉本 客観的に見るとネタが独り善がりになりすぎているのは否めないが、くすり、と笑ってしまうのは確か。そう、私も歴史は大好きなもので。
久遠    
音羽 うむむ・・・日本史って以外に面白いのかも・・・
ANGEL DOLL

都築和彦
吉本 なんでも都築自身がシナリオを書き、プログラムを組み、グラフィックを描くゲームになるそうで。都築の特徴はそのぷに性にあるわけだが、それを3DCGにしているのがもの凄い。しかもプレステ用にポリゴン数をやや落とした状態で。…悪夢的な様相??
久遠    
音羽 イラストとCGのギャップが・・・
ミルク クローゼット

富沢ひとし
吉本 チビッコいじめはまだまだ続く。今度はさらに回復不能を感じさせる大ダメージ。ミルク隊はわずか2回にして壊滅状態。やれねー! 少女たちは理不尽に絶望して泣き叫ぶ。そして我々はそれをニヤニヤしながら読むわけだ。
久遠    
音羽 どんどん追い詰められてるね。どうやって打開するのか楽しみだな。
ディスコミュニケーション

植芝理一
吉本 そしてこれもまたチビッコいじめ。随分と複雑に絡み合ったゴルディアスの結び目を断ち切るのではなく、ゆっくりとほどいていく展開なのだが、そこでワリを喰うのはやはりチビッコ。植芝渾身の展開に一方で感服しつつも、チビッコいじめの構造にニヤニヤしっぱなし。え、終わっちゃうの?
久遠    
音羽 猫と兎・・・どっちもいいなぁ。
イハーブの生活

小路啓之
吉本 周りが勝手に盛り上がっていく中イハーブはひとり考える。元気がいいのは女たち。この作品は「8 1/2」の孫であり「スクール(OKAMA)」の兄弟だ。そしてある意味この作品もいけすかねえイハーブというチビッコをいじめて楽しむ作品といえるかもしれない。
久遠    
音羽 ガンズの左手、いろんなのがあるな〜。次回はどんな手を見せてくれるのかな〜。
五年生

木尾士目
吉本 やっぱり痛えことこの上ない展開。ちょっと女に対してトラウマがありすぎるんじゃないの?と思わなくもないが、打算や大人的事情をきちんと描いているところに好感が持てる。手のひらを返したような女の描写に感じ入る。
久遠    
音羽 あらら。もっともめるかと思ったけど、意外に展開が早かったな。で、明夫と芳乃はもとに戻るのかな?
風林火嶄

小川雅史
吉本 やっぱりパスティーシュには節度が必要なのであって。展開が遅いのも問題なのであって。
久遠    
音羽 なんか・・・カッコ悪いぞ。足付いてる意味あるのか?
神戸在住

木村紺
吉本 銭湯シーンでテコ入れですか!いや、本当に他愛無い日常の出来事をきちんと描いているのだから感服する。そこにポエジイが生まれるわけですよ。
久遠    
音羽 なんか、平和で平凡な日常っていいなぁ。あこがれてしまう。
孤陋

銀峰瑞穂
吉本 10 ピストルを拾う女子高生。そして彼女の前に現れる元の持ち主と名乗る男。ピストルは力のメタファ。二人はそれぞれの立場から、その力をいかに使うか思案する。そして行使した結果は…。むつかしい言葉を弄し、思弁的になりすぎているきらいはある。だがそれは作者の真摯な姿勢の現れであるといえよう。普段入手できない力を手に入れたとき、人が考えることは、どうしても普段使っている言葉の範囲を逸脱してしまうのだから。また力をもつことによって(またはそれを空想/観想することによって)、それを持たない普段の状況が映し出されているところも着目すべきところ。「無力だからこそ 寛容になれるのだ」というフレーズに、静かに心を動かされる。それを上滑りさせない展開にも。絵柄の美しさ(キャッチーな可愛さ?)もいい印象をもたらす。これは凄い人が出てきたぞ、という印象。はやいところ修論を書き終え、次回作を発表して欲しいもの。
久遠    
音羽 良いね〜。人の心の弱いところが上手く表現されてるんじゃないかな。力ってのは持ってるだけじゃ飽き足らず使って見たくなるものだよなぁ。
なげやり

桜玉吉
吉本 あ、載ってる。
久遠    
音羽 玉七って・・・無理ありすぎじゃん・・・でも、アホっぽくていいなぁ。

<総評>

吉本 「チビッコいじめ雑誌」になってきているのが面白い。もっとやってくれ!
久遠  
音羽 少しは四季賞の入賞作を見習った方が良い方々がちらほらと・・・自らの現状に満足しないで常に上を目指してもらいたいものだな。

<ベスト>

吉本 やはり「孤陋」しかないであろう。次は主人公の特殊さや、日常には存在づらい状況に依拠しない作品を望みたいところ。小道具があれば、日常性に裂け目を入れることは比較的簡単。逃げ道のないところからオハナシをはじめてほしいものだと思う。
久遠  
音羽 さすがは大賞。ってことで、「孤陋」だな。

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Last-Update: Thursday, 13-Nov-2014 09:15:49 JST