アフタヌーン 98年11月号

*アフタヌーンは入手しやすいですし、漫画の量が途方もなく多いため、あらすじはつけません。ご了承下さい。

  吉本松明 久遠永遠 音羽平八
勇午

真刈信二/赤名修

巻頭からこれだとかなりがっくり来る。全く唾棄すべき低レベルの(二重の)オリエンタリズム。「ぢるぢる旅行記」からも分かるとおり、ヒンドゥーの人々は西欧近代とは無縁なところで幸せに生きている。それに薄っぺらいヒューマニズムを適用しようなどと浅はかなことこの上ない。その無自覚さにともかくもうんざりする。悔い改めよ!2 ふーむ、弱いよ、弱い。来月に持ち越しなのか?拷問。まあやるなら、ちんちんを血に飢えた蚊の入った袋につっこまれるくらいいってもらわなくてはな。5 相手の文化や考え方を熟知せずによく交渉ができるよな〜。5
なあゲームをやろうじゃないか(愛称なげやり)

桜玉吉

流石玉吉。ゲームと関連性を絶対に持たせないようにしようという強い強い意志が感じられる。どこがボーイズビーじゃい。キャラクタの造形も問答無用であるところが微笑ましい。ノリ的に「漫玉」と同じなのがほんの少し残念ではあるが、面白い。7 BOYSBE・・・あれはね、極限まで疲れている状態で読むと、脳にくるからね、玉吉のような心構えでやらにゃあなるまい。6 土地のシャーマン・・・思わず爆笑♪どっからそんな発想がでてくるんだかな〜。それにしても、ボーイズビーがゲームになってしまうとは世も末じゃの。6
EDEN

遠藤浩輝

久しぶりに生命に対する考察が感じられ、一安心。戦闘シーンが長すぎるのだ。遠藤浩輝の良いところは現状に対する視線の向け方にある。そちらに向かうように期待。6 嗚呼、ケルビムが壊れてしまう。それにしても、マナはまだ登場しないのか?6 戦況が把握しにくいな〜。6
ああっ女神さまっ

藤島康介

最近Niftyで「終わり時を逸した」論争があったが、そう見られても仕方のない部分はあると思う。ともかくも閉じた構造の繰り返しなのであるから。ただ、世界観や登場キャラクタに魅力があるので、それを乗り越えるのは比較的簡単なのではないだろうか。「ディスコミ」がやっているように。やれるかやれないかは作者のやる気と外部とのリンク次第。3 大事の前の小事の話だと思っていたが、案外引っ張るねえ。5 ようやくレース開始か〜。レースの結果よりウルドの動向の方が気になるな〜。6
ヨコハマ買い出し紀行

芦奈野ひとし

大トンネルの真ん中に茶店があるという描写は、強くこころ動かされる。太平洋と日本海の違いに敏感なところも。この繊細さが漫画を深いものにしている。7 実はアルファさんには、サイボーグじいちゃんGとサイボーグばあちゃんQとサイボーグ父ちゃんHとサイボーグ母ちゃんUとサイボーグ姉ちゃんIとサイボーグくそガキャKがいるというのはどうでしょう。6 トンネルの中で休憩所やってて、生計をたてられるほど儲かるのかな〜。4
風林火嶄

小川雅司

絵柄の伸びやかさは相変わらずで良いと思う。平野耕太のフォロワではあるが、この手の力ある線は今後主流になると思うので、けなさないでおこう。いかにもではあるものの、オハナシもちゃんと動かそうとしている。テンポがいいのも小気味よい。6.5 なんだかねえ、なんというか、自分の漫画に対する愛が少ないというか、足りないんじゃないかなあ。4 楯無ってスカートだけなのか?そのうち、上着やリボンも怪しげな動きをみせるのかな?5
なるたる

鬼頭莫宏

3話掲載で扉絵も3枚!嬉しくなってしまうではないですか。「ヴァンデミエール」で鍛えてきた描写なりオハナシの「つくり」なりが全開に生かされていて、とても「入り込める」。人気が高いのがまた嬉しい。もっとやれ!8.5 うおおおおおっ。3話もっ、3話も載っているのか。ああ、いいねえ。って、でも冷静に考えたら、3ヶ月でこれだけのすすみ具合だったら、ちょっと怒るかもしれんなあ。9 3話連載のおかげで、一気に話が見えてきたな〜。さとみ達の竜の子ってどんな形しれるんだろ?早く出て来ないかな〜。8
そんな奴ぁいねえ!!

駒井悠

「スポーツと気晴らし」はエリック・サティの曲です。5 言葉遊びみたいだなあ。5 おまじないも、心霊療法とも言え無くは無いか・・・7
セラフィック・フェザー

武田俊也/うたたねひろゆき

いきなり1ページ「いんちき」が入り込むのが良い。2 ふう、短い。しかも展開が遅い。読者をナメてんのか?3 宇宙船で1点加点♪そんだけ。3
いんちき

成人功

いつもの「すまなそうな漫画」で微笑ましい。好きだなぁ。テクを磨こうとしないように見えるところも。そうそう。我が道を往け!6 いつもどうり、でもなんかそのするめみたいな味がわかってきた感じがする。4 濃縮3ページね・・・もっと濃縮して0ページでもいいぞ・・・。2
犬神

外薗昌也

脳が大好き?と見られてしまうのはマイナスなのではないか。4 なんかより一層寄生獣化しているんですけど。5 擬態を操る犬神の真意が気になるな〜。擬態の次はどんな犬上が出てくるのかな・・・巨大なのとか出てきたりして・・・5
ガナパの手

雨宮慶太

新キャラ登場も、読みづらいことには変わりなし。いや、漫画じゃないんだけど。きれいな画面は良いのだが。4 特殊だねえ。前の話の印象が薄いんですけど。4 う〜ん・・・いつもながら、不思議なファンタジー♪6
幻蔵人形鬼話

高田裕三

可愛い娘さんの描き方は流石。お手の物といった感じ。単にハートウォーミングなだけでなくやや現代的な問題に接近しているところに、やる気を感じる。突っ込みが浅いのは否めないが、よくやっている方ではないか。6 うう、良いねえ。親子の愛情だねえ。この頃3*3EYESの絵があれていると思ったら、これをやっていたんだね。6 相変わらずいい雰囲気をだしてるよな〜。8
砲神エグザクソン

園田健一

そうですそうです。変な侵略風景なんか描かないで、純粋にイマジナシオンの産物であるロボットの殴り合いをやればいいのです。今回は「邪念」がないように見受けられるのでけっこう面白く読めますなあ。5 このまま狂っていた方が可愛いんじゃあないのか?3 叩いて作動停止に追い込む前にハッキングした方が早いんじゃないのか?1
神・風

士貴智志

ふ…ふう。ジャンプでもここまで都合のいい展開にはしないのでは?忙しいのは分からなくもないが、オハナシの展開に無自覚すぎるような気がする。絵がそれをカバーしてしまっているのも逆にいらだたしい。人気があると思うので、そんなに急がなくても良いような気がするのだが。3 絵は綺麗なんだけどねえ、お話を作る力が弱いんじゃあないかな。惜しいねえ。3 おつわ様再登場♪それだけでじゅうぶんです♪7
無限の住人

沙村広明

丁寧に描く必要があるところはきわめて丁寧に描く。当たり前のことではあるが、きちんと手を抜かずにやっているところが好もしい。オハナシも少しづつではあるが、着実に動かしている。安定した作品。7 天津結婚しちゃうのか?しかしどうやったら首筋に蝉の抜け殻がつくんだ?7 凛が完璧にギャグキャラになってるな・・・天津と密花がシリアスなだけに余計目立つな・・・6
地雷震

高橋ツトム

緊迫した展開は読み手に素晴らしい緊張感を与える。が、また時事問題を取り上げようとしている兆しが見えて不安。前回のエピソードのようなへっぽこを繰り返して欲しくないものだが。7 お話が動き出しましたねえ。鮮烈な展開をこれからも期待。8 去り際に、さらりと、「1.5倍で掛け合ってくれ」か・・・う〜ん・・・相変わらずクールでカッコ良いね〜。8
切支丹踊り秘話

ちらのブロン

うーん…あまりピンと来ないのだが…3 馬鹿である。いい意味はなく、馬鹿である。2 なんかおしいな・・・微妙な所で笑いのつぼからずれてるような気がするな・・・3
輝ける人々

坂町熊苺

こちらは絵こそ不安定ではあるものの、ネタが面白く笑える。4コマなどのショートコミックで生きそうな感じだ。6 良いじゃないですか。「そんな奴」をもっと馬鹿にしたような感じかな。6 つまらない・・・1
ディスコミュニケーション

植芝理一

どんな飛行機も想像力より高くは飛べない、と言ったのは、かの寺山修司である。そも想像力は重力(=日々の生活)から解き放たれても良いはずのもの。それに年齢や経験も想像力を深めはするが縛るものではない。想像力を制限するのは自分自身なのだ。飛べ!天高く。8 ほえー。相も変わらずすげえなあ。圧倒的な、黒さ、だなあ。いま、漫画かくのが楽しくて楽しくて仕方ないんじゃあないのかなあ。9 先月までの勢いに比べるとややパワーダウンを感じるな。本当に大切なものは心の奥底にねむっているのかもね・・・目や耳などの感覚器官からの情報に頼りきっていると、自分にとって何が本当に大切なことなのかを見つける事ができないかもな〜。7
五年生

木尾士目

借りてきたAVが駄目なものだったとしても、ついつい使ってしまうもの。全然「ダミな」生活を繰り返しているところがあまりにも微笑ましく、そのままであるが故にじわりと心に響く。完全に私小説になってしまっていないところも考慮されるべき点だろう。8 ふふふ、ダメ人間度、大炸裂って感じだねえ。22で恋煩ったていいじゃないか。7 浮気の前に恋患いか・・・まあ、なんにせよ、次回あたりに一悶着ありそうだな。楽しみだな〜♪6
仮面天使

若菜将平

そういや私も同じ様な内容のことを中学生の時にアジったことがあります。先生にぶっ飛ばされました。…大切なことは、「本当に」自分の心の中からわき起こってくるものに従って行動すること。借り物の思想は弱い。下手にアジることも薄っぺらになってしまうおそれがある。アジられたほうがその思想を信奉してしまったりするから。作者の求めるものの基本線には共感するが、やや方法がありきたりにすぎるきらいがある。6 相も変わらず、対立構造がワンパターンである。いっつもこんなんじゃあ、飽きるよ。5 真面目で大人の言うことにハイハイと頷いてるだけの子供はろくな大人になりそうもないよな〜。7
スカタン天国

北道正幸

2話続きのオハナシは新機軸で良し。6 めずらしいな、来月に続くなんて。新たなる試みか?6 一万年前の幽霊に現代の言葉が通じるのか?5
スズキ

安井雄一

4 まあ、こういうこともあるでしょう。2 1
電夢時空2 RUNNER

高山和雅

サスペンスものとしての基本構造はきちんとしている。味方だと思った人が全員信頼できない、という。下手なテクノロジー描写は脇においといて、サイコサスペンスものとしてせめてゆくと良いのではないか。5 ただのつまらない電脳物かと思っていたが、人間ドラマに持っていく訳ね。その方がいいんじゃないのかな。4 どっかにありそうな、ミステリー小説みたいになってきたな〜。新鮮味に欠けるよな〜。4
妖精事件

高河ゆん

うむ!常識的に見ればあまりといえばあまりな展開だが、少女主義的に言えば当然の帰結である。少女は「私のために争うのはやめて!」と言ってみたくなるものである。そのお膳立てを着々と整える高河ゆんは非常に少女主義に忠実である。評価しよう。(この項松明先生執筆)7 乙女の妄想は、ここまで進化するのか。4 命より大切なものってあるよな〜。それにしても、病んでるよな〜。6
ワッハマン

あさりよしとお

引っ張るねぇ。主役の再登場も上手く漫画的に処理している。次回が楽しみ。6 主要キャラがそろったか。もうそろそろだね。5 話が収束しそうでしないな〜。5
愛天明王物語

見田竜介

悪意を前面に押し出した展開により、今までの極楽蜻蛉的/表層的な展開がうまくひっくり返っている。まだ油断はできないが。善意だけでは救済は不可能だ。悪意を知る者こそ、本当に悪意の渦から人を助け出すことができる。頑張って欲しいものだ。4 ようやくぬるま湯に浸っていた漫画からの脱却をはかったか。5 おお!前回までとは一転してダークな感じがしてよろしい!予定調和に落ち着かずに、もっと琴乃が悪意に染まっていけばいい感じになってくるかもな〜。6
二軍昆虫記

森英利

「女神さま」と違い、終わらせようと努力しているところは評価できる。だがねぇ。成長って、そんな簡単なものじゃないんじゃないの?薄っぺらな表現に満足できるのは幸せなことだと思うが。3 早いところ幕を閉じてくれ。2 賞味期限のすぎたベビースターラーメンたべても食中毒はおこさないと思うけどな〜。5
よしえサン

須賀原洋行

いつものことながら、ほんとうにいつものことながら、この小市民でありながら小金持ちという描写と、それに対する無自覚には、反吐の出るような思いだ。向上心なき堕落しきった魂。0 いい加減この人には良質な漫画を書こうとか、そう言う心意気はないのだろうか。-2 子供の頃は恐竜にロマンを感じたものだが、今では全く興味が無くなってしまったな・・・1
カゲ切り男をめぐる冒険

犬塚康生

やや展開が冗長なきらいがあるが、絵柄、オハナシともに非常に読ませる。絵柄によって表現された都市世界は独特で魅力的だ。オハナシも「それでも彼女を愛せるか?」という辛い問いを投げかけ、それを上手く乗り越えている。もう少し線を洗練させる必要があるかもしれないが、大きな才能を感じる。次回作に期待。9 ああ、きちんとした話に収まった。きちんとした成長話になっているし。ああ、後それと、堕落していないむかしの藤崎竜の話の作り方に似ているなあ。8 心のカゲを表に出すものでなく、他人に心の明るい部分を見せている人ほど、心の裏側に濃いカゲが現れるのかもね。8
G組のG

真右衛門

やはり小さい方が良いような…4 4 機械の体ねぇ・・・確かに機械だが、なんか違う気が・・・2

<総評>

●吉本 ギャグの新人登用はやはり難しいようで。ここは焦らずゆっくりと育成してゆくべきなのだろう。「輝ける人々」はその点見込みがあると思う。
●久遠 今月もこぢんまりとした感じだ。一本一本の作品がパワーダウンした感じがする。
●音羽 先月に引き続き「なるたる」の贈ページは嬉しいが、人気作品に頼るのではなく、つまらない作品をさっさと打ち切ることで、雑誌のクオリティアップを”謀った”方がいいんじゃないかな〜

<ベスト>

●吉本 人間心理の辛い、つらい問題に正面から取り組んでしまった「カゲ切り男をめぐる冒険」にしよう。
●久遠 なるたる、なるたる、と心の底に思いながら、やけにノスタルジックなカゲ切り男にしましょう。
●音羽 う〜ん・・・今月は難しいな・・・静かな駆け引きが心地良い「地雷震」にしとくかな。

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