フラミンゴ 98年8月号

<総評>

●吉本 今回は特殊系のネタが少なかったせいもあってか(普通のエロ漫画の文脈で語れる作品が多い)、実用性は高い。が、その分物足りなくもある。どっちを取るべきかは営業上難しいところなのだろうが、わたしとしては徹底的に特殊に走って欲しいと思う。
●久遠 俺様ちゃんは基本的に「Xーペケー」とか、「ももいろシスターズ」とか、「私立T女学園」とかに心躍らせる純朴な人間なんです。この仕打ちはひどいです。

 

   

吉本松明

久遠永遠

催眠

海野やよい

家のお手伝いさんを好きになってしまった主人公。が、素直に告白することができない。かれは無理矢理自分を認めさせるために彼女を媚薬漬けにする… 確かに責めることによってしか表現されない愛の形もある。しかしそれが素直に言えないことの代償行為として行われるとなるとニュアンスが異なってくる。そのねじ曲がった行為を非・人間的とけなすべきか、そこにこそ人間性があると見るべきか。難しいところだ。松 こんな媚薬って簡単に手に入るものなのかねえ。少々安易。竹
正直なからだ

天竺浪人

主人公・淑子は小説を勉強する女子大生。彼女は大学の授業に出ようとするが、彼氏に求められてなかなか学校に行くことができない。それにその体はセックスを求めてしまう。心と体が分裂した彼女は、ついに首と体が分かれてしまう。 普通のエロ漫画になってしまっているようだが、心と体の分裂の良い寓話になっているし、顕れはしないが確かに存在する欲望を示したり、と、面白い構造になっている。さすが。竹+ 代原?設定は突拍子だが、普通のエロマンガっぽい。竹
欲情変体乳子

1ROO

アジトでマニアたちに愛され続ける乳子。今までにないエクスタシーに達した乳子は、大量の母乳を迸らせる。 ひとは、ひとたび理性のタガがはずれたら、どんどんエスカレートせざるを得ないもの。この作品はそれが実に良く描かれている。金閣寺だねぇ。松 すげえ、変。しかし、自らのフェチズムに正直なのが、今回の中で最もフラミンゴっぽいかな。松
girl Hunt

海明寺裕

生理の手当をしてもらった冴。しかし躾がなっていないとして、前後の穴に調教用タンポンを入れられてしまう。 さあ、本格的にわんこになってきたぞ!次回が楽しみ!高慢な女がじわじわとわんこになっていくあたり/それをねちっこく描くあたり、見ていてワクワクする。松 うにゃあ、こうやって壊れていくんですね。松
バージェスの乙女たち

蜈蚣Melibe

世界最大の娼館・ユグドラシルに拉致された、地中海の小国の王女、アルキエリア。彼女は処女でありながらもすさまじいフェラチオの技術を持つ商品というコンセプトの元、激しい調教を受ける。 あれ、有機人形は?まあボンデージものとして見ると非常に高いレベルにあるといえよう。が、少々今回は普通のエロ漫画の要素で語れすぎてしまうので、物足りない。竹 むう、今回はピンクハウスを着ていないから2月続けて載ったのだな。竹
激姦!!メガネっ娘▽

ウサギの月

眼鏡っ子でおとなしい委員長は、先生にも見放された3人組から毎日責めを受けていた。先生は最初から取り合ってくれそうもない。そして彼女は放課後に体育用具室に呼び出される… かなり描写が上手く、エロ度も高い。普通のエロ漫画としては及第点以上である。しかしフラミンゴで続けてゆけるか、というと、少々弱いかもしれない。訓練を積み、自分の欲望に素直になれなくてはね。選択を迫られるときが遠からず来るだろう。松- 使い古されているなあ。それに眼鏡っ子なのに、最後に眼鏡はずしてどうするんだ。竹
1000P

町野変丸

ゆみこちゃんは一人じゃ物足りなくって1000人の男と同時プレイしようとするが、一番乗りを争ってみんなで殺し合って最後には核爆発、ってオチでした。 タイトルだけでこのインパクト。よくもまあ考えられるものだと感服する。竹 相変わらずだなあ。BIRZの陰明師と、フラミンゴの町野変丸は、別格でしょ。竹
メイドさんが行く!!

童門冬児

メイドロボを「裏モード」にすべく、今や御法度となったチップをロボットに取り付ける二人。 マッチョで巨乳でコワモテのお姉さん、ちゅうのは悪くないが、やっぱり浮いてるからねぇ。梅 どうしょうもないなあ。雑誌にあってないんじゃあ・・・梅
還って来た男

駕籠真太郎

主人公の夫は、戦争で敵から逃げる際、巨人兵の胃袋に隠れたために、全身の皮膚が溶け、「渇く」ようになってしまった。主人公は最初は舐めることでそれを癒していたが、… 素晴らしい漫画だ。感じすぎるほど敏感になっている夫、どうにもならなく鈍感になってしまった妻。最終的にはその合一によってすべては収束する。丸尾末広にも似たひりひりするような感覚が強く感じられる。一般には勧められないが忘れられるべきでもない漫画。松 うぎゃああああああああああああああああああ。もう勘弁して下さい。助けて下さい。竹
笑って▽ぶたぱん

白井薫範

サドの女子高生に監札(ヴァギナを閉ざす南京錠)を入れられたぶたぱん。その姿をプリクラで撮られてしまう。そのときは逃げるぶたぱんだったが、その夜はこれまでになく高ぶってしまう。 これも海明寺先生同様のパターン物。だが今回は初期の段階からぶたぱんが『馴化』しているところが少々異なる。人気は低そうだが、それにめげずに徹底的にやって欲しい。竹 同じような話ばっかりやんけ。俺様ちゃんには合いません。梅
BLUE BLUE

しのざき嶺

アダルトショップに入る太った男と女子高生。女の子は我慢できなくなって先に外に出る。男はそんな女の子にスカートをめくるように命ずる。そこに現れたのは極限まで勃起したペニスだった… 今度はショタものですか、先生!「BLUE HEAVEN」と異なって、ヒロイン(?)の造形がどこにでもいそうな人、であるところが面白い。その分BHであったような内面性への探求は少なそうだが、より一般性を獲得しそうな予感である。いや、最近ここに出てくるヒロイン(?)とそっくりの状況にある男の子と知り合ったものだから、とてもフィクションには思えないんだよなぁ。松 ホモで、ショタ・・・。俺様ちゃんの中では、しのざき嶺のエロは認めません。梅

<ベスト>

●吉本 エロ、という点では「激姦!!メガネっ娘▽」がわたし的には一番。が、フラミンゴではやっぱりこれでは物足りない。そこで特殊性という点で「還って来た男」にする。
●久遠 そんなものは、ない。
●山辺  

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