ヤングキングアワーズ98年11月号

    吉本松明 久遠永遠 音羽平八
少年甲斐

森見明日

カメラが趣味の老人は、神社の境内で可愛い巫女と出会う。心惹かれる老人。恐る恐る話しかけてみると、驚くことに老人の姿は若者に戻っている。ときめきを取り戻す老人。 この人も連れてきたか、アワーズ。確かにエロ抜きでもできる人だと思っていたが。やや「つよさ」に欠けるような気もするが、ときめきを主軸においたオハナシ作りは好もしい。そう、人はときめきのために生きているようなものだ。7 良いなあ、このほんわかとしたときめき感。最近こういうお話に弱いんだよなあ。疲れてるのかな。えっと、点数は7プラス巫女さん基本点2でと。9 巫女さんじゃ〜!!それだけで満足じゃ〜!!7
ジオブリーダーズ

伊藤明弘

入江は新日本アビオニクスに入り込んだ猫の始末を完了する。一方、田波と蘭堂は名古屋のテレビ塔で猫の挟撃を受けてピンチに陥る。 相変わらずの流れるような画面展開に感心する。3つの場面の素早いカットバックなので分かりづらいのは否めないが、それでも流れがはっきりしているので読める。6.5 相変わらず流れるように進んでいるなあ。ページ数が少なく感じるよ。8 なんか、ごちゃごちゃしとるな〜。ちなみに、ボウガンの矢は何処に所持してるんだろ・・・それと、いつ矢をセットしてるんだ?もっと便利な武器はいくらでもあるんじゃないかな〜?6
トライガン・マキシマム

内藤泰弘

死にそうになりながらも次の町にたどりつくヴァッシュとウルフウッド。足腰立たない状況ながらも、宿の主人の復讐戦に手を貸すヴァッシュ。一方、ウルフウッドは自分の方法に疑念を抱く。これで良かったのかと。 絵が今回は荒れているようで。漫画的にカリカチュアライズされすぎているのもやや気になる。次なるエピソードへの布石、とでもいうべきオハナシなので仕方ないが。5.5 時間がなかったんだねえ。まあ、アニメと同じ展開にはしないだろうしね。6 いつも思うのだが、銃の弾っていつ補給してるんだろ?路銀もどうやって稼いでるのかな?7
コミックマスターJ

田畑由秋/余湖裕輝

漫画評論誌「ぽむ」のライター、新間は伝説のアシスタント、Jの事を知る。いわく、漫画家を陥れる呪いのアシスタントだと。ルポを始めたところ、Jの評価は真っ二つに分かれていることを知る。 今回は調子が悪いか?と思わせておいて、なかなかどうして素晴らしい出来。良薬は口に苦し。よい薬も、飲んだものにそれを受け入れるだけの力がなければ本当に効きはしない。成長してゆく人間の姿がかいま見られ心動かされる。俺も泣くよ!8.5 一流の中のでも、本物とそうでない者達の線を引くのが、Jなのか。そうだ、漫画だけでなく、人生も、バトルだっ。9 ふむふむ。なるほどね。真に才能を持った者は互いに啓蒙しあい、才能無き者はJという天才によって淘汰されていったのだな。4
Kazan

宮尾岳

今回はカザンとエルシィが別れ別れになる前の話。カザンは以前は引っ込み思案の少年だった。それをかばうエルシィ。エルシィはよそ者の子だ、とはやすいじめっ子に、カザンは戦いを挑む。 うーん、ちゃんと少年漫画ではないですか。ありきたりなオハナシではあるが、こういったものもたまには新鮮。線の繊細さもイカス。6 昔の話だねえ。しかし、喧嘩に刃物を持ち出すなんて、悪い子だったんだね。5 ふう・・・なんだかな〜4
エクセル・サーガ

六道神士

記憶を失って町をさまようエクセル。落下する注射器を見て涙するエクセルだが…「無意識の分際で本人に勝とうなんて10年早い!」 ラストはいつもの調子なれど、シリアスな展開に愕然。やはりやってくれます、見せてくれます。実力のある/引き出しを多く持っている作家は違う。8 そう、シリアスであってもシリアスでないのがエクセルの良い所だ。そんな中でもお話を進めるのは、さすがだ。8 記憶喪失になってもバカは治らないのね・・・5
スタンダードブルー

鵜川弘樹

潜水艇で潜水中、海底火山の噴火に巻き込まれ、消息を断った志磯の父親、一磯。幼い志磯は父の最後の言葉を聞く。 1回休みでどうなることかと思ったこの連載、調子を取り戻してきたようで。目の前で父を失った志磯の思いが伝わってくるような優れた画面構成。いい。この人はそれだけの才能を持っているのだから、急がせずにゆっくりとしたペースで作品を発表させれば良いのではなかろうか。7 こんなに速く終わらせるんなら、この間連載延長する必要があったのだろうか?やはり後半絵があれてきてるなあ。5 いい感じやな〜。船のカットがどこかでみたような構図になっているため、海を用意に認識できるしね。ただ、もう少し海洋の広がりを描いてほしかったな〜。8
うさぎちゃんでCue!

佐野タカシ

的木はミミカのなかに潜む稲葉(黒ウサギ、ね)の存在が気になってしかたがない。そこで動物科学者の祖父に見てもらおうとする。一方、生徒会は問題の生徒であった稲葉(=ミミカ)を打倒すべく動き始める。 今回も大馬鹿な展開が小気味よい。くわえて真剣な思いの描写がなかなか上手く調和し、ヘンテコながらも読ませる。骨抜き万歳!8 あのままのほほんとした日常を描いていくのかとも思ったが、さすがにそう言うわけにはいかんか。シリアス展開反対。7 いいね〜。ここまで、おやくそくでアホだと何も考えずにサクっと読めるよね♪7
だいらんど

がぁさん

「大人の国」に着いたチンピラの正。そこでは全員が鳥のかぶりものを被っている。曰く、「今日は小鳥の日だから」。王冠を持っていたために大統領になった正は、好き勝手な法律を次々と作る。そんな正も次第に縫いぐるみの姿に… 近年最高のホラー作品。先月の「調律師」よりはるかに怖い。自分の持っている常識が通用しないこともさりながら、いつしか自分が自分でないものに変化してゆく。もともと東洋的感性はこんなものかもしれないが、近代に触れてしまった私には恐ろしいことこの上ない。9 うがががああああああああっっ。怖いっ。怖すぎるっ。はじめは、ギャグかと思っていたが、これは、ホラーだったのかっ。恐ろしい。8 あら〜・・・同化してら・・・まあ、あんな連中といれば壊れるわな・・・4
ブルヴァール

日生かおる

晴子は次第にMTB研究会の片山に惹かれてゆく。横で見ている雪乃はそれが気になる。晴子のことを好きな入江の気持ちを裏切るのではないか、と。 いやまあ確かに気持ちの揺らぎは良く描けているとは思うのだがね。だが描く人間そのものにどうもリアリティがなくって…。実在しないような人を描くから良いのかも知れないが。4 27話ちゅう、後半7話ぐらいよんだんじゃ、ねえ。わからないよ。単行本も欲しくないし。4 話の流れが見えにくいな〜。キャラも変に狙った感じがあって中途半端だしな〜。キャラがたってるのは小夜くらいかな〜。5
夜の燈火と日向のにおい

鬼魔あづさ

父親に会いにゆく巧。てっきり説教を受けるものと思っていたが、妙にほのぼのした雰囲気で拍子抜け。 まさに雰囲気のみの作品。ここまで透徹した姿勢は評価せねばならぬだろう。オハナシが無内容?だから雰囲気が生きるのではないか。ただ、こうした話は終わらせたりするのが難しいのだろうなぁ。5 ゆーれーの着替えってどうなってるんだ?5 何か深い意味がありそうで無いところがポイントやね♪下手なこと考えずにサクサク読むのが正解かな〜。6
いつか旅立つぼくらの話

ちばじろう

高校生の主人公・青山は自立することを求め、クラスから離れ、自らの言葉を帳面に書き付ける毎日。そんな青山に興味を持つ白幡かなめ。彼女には悪い噂が立っているが、その肌は抜けるように白い。そんな彼女はいう。「青山くん、要するにさびしいんだ」 青い青い。だがこの青さを失ってしまうことは、我々にとって致命的なことなのではないだろうか。「人間」として生きてゆくときに。そのあたりきちんと師匠・島本和彦から受け継いでいるところが「よし!」。ラストの透明な行き違いにも、ゆっくりと心を動かされてよし。7.5 俺様ちゃんも妄想を表現する技術が欲しいなあ。まあ、俺様ちゃんの将来の目標も、ヒモです。5 生きていく事は辛いよな〜。誰かを好きになったとき、その人と一緒にいたいと思うのは、辛さから逃げるためだろうか?それとも、辛さに立ち向かうためかな?5

<総評>

●吉本 先月のハイテンションに比べるとやや劣るのは否めないが、エロからやってきた二人の作品がなかなか上手く脇を固めている。こうした人々は、エロで経験を積んできたからこその、心にグッとくる「なにか」を持っていることが多い。それを上手く生かしているように思う。…やはり「J」の存在は大きい。皆マジだ。
●久遠 来月は山秋か。エロマンガを主な活動の場としている人持ってくるねえ。次は田中亮太郎か?そんなになってきたら、まるで男屋だねえ。あ、でも当然のように来月の予告にHELLSINGねえや。
●音羽 総ページ数も多くないし、比較的あっさりと読めるかな。特に駄作も見あたらないが圧倒的な秀作もないかもな〜。できれば、スペオぺと4コマを追加してほしいかな。

<ベスト>

●吉本 今月こそ背筋が完全に凍り付いた「だいらんど」にしよう。
●久遠 どうしようかなあ。難しいなあ。じゃあ、表紙と罰神発見記念でにしましょう。
●音羽 う〜ん・・・難しいな・・・とりあえず、巫女さんが可愛かったから「少年甲斐」にしとくかな。

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