ヤングキングアワーズ99年8月号

トライガン・マキシマム
内藤泰弘
吉本 この物語が複雑で重層的になっているのは、ひとえにヴァッシュが「弱さ」を隠さないから。そしてその弱さは強さによって裏打ちされているから。強さと弱さは実に混在の難しい要素だが、内藤はそこから逃げることはない。だからテンションが高まるのだ。
久遠 ってゆうか、夜テレビを見ているとハレルヤが流れて、ウルフウッドが死にます。ってゆうか、死ぬ直前です。
音羽 長い時を生きてきて、これからも生き続けるから、いい事だけを覚えているのかな。
エクセル・サーガ
六道神士
吉本 段々とオハナシが動いてきて緊張感が高まっている。へっぽこなおちゃらけをやっているようだが、次の展開に向けての大きな伏線になっているようだ。楽しみである。
久遠 今回はぶっ飛んでますね。でも俺様ちゃんの友達のロリ者がこんなんじゃ萌えないっていってました。
音羽 良いね〜。やっぱりロボットの型は趣味で決めなきゃね〜。それでこそマッドサイエンティストだね!!
ジオブリーダーズ
伊藤明弘
吉本 今回は「なの字」については一切書かないぞ!
神楽の人々と全く関係のないところばかりでオハナシが動いているのが気になる。最後だけちょっと絡むというのでは主人公たちが生きないではないか。動きゆくオハナシにきちんと絡めてやって欲しいものだと思う。
久遠 そうか、必殺技だったからか。納得。
音羽 おお!!いきなりのサービス♪良いね〜。次回も派手なアクションになりそうだし、楽しみだね〜。
コミックマスターJ
田畑・余湖
吉本 これもオハナシが動いている。Jの戦う相手が現れて、緊張感が高まっている。だがJの戦う相手というのは何なのだ。漫画を滅ぼして喜ぶ連中なのか。まさか「影の教育委員会」?
久遠 MMRは今月中に終わるのかなあ。
音羽 タイムリーなネタではあるが、イマイチこの手のネタは好きになれないかもな〜。
KAZAN
宮尾岳
吉本 ファーナとカザンのニアミスに、実にやきもきさせられる。このあたり実に少年漫画していてココロ動かされる。
久遠 この子供はどうやって金を稼いでいるんだ?
音羽 さて、どうやって海を渡るのかな?
まつりの景色
やまむらはじめ
吉本 終わりでないのは複雑な気持ち。展開からいえば終わってはいけないのだが、軽く2回程度で終わる作品も読んでみたかったように思う。全体にオハナシがヌルめでややフラストレーションがたまる。次でどう展開するのか期待したい。せりふに頼っちゃあ駄目だぞ!
久遠 普通の漫画になってしまっている。エンブリヲンボケか?
音羽 う〜む・・・イマイチ見えてこないな・・・
LOAN WOLF
山田秋太郎
吉本 山田はやはり非常に几帳面な人なのだろうな。漫画の線そのものからそれが漂ってくる。清潔感のある画面は相変わらずだが良い。
久遠 うーん、これは巻末を飾るべきでしょう。いくら人気があっても10年ほど前のバスタードみたいに。
音羽 いいね〜。やっぱ、お金が絡まなきゃね〜。さらに借金増加かな〜?
だいらんど
がぁさん
吉本 ついに明かされるだいらんどの謎。それは迷惑な話ではないが、悪意に基づいたものでもない。だからこそ選択は辛い。安住することを捨てて、死をみずからのもとに受け入れなくてはならないのだから。…この作品の単行本は20世紀を代表するものとなろう。
久遠 遊んでばかりいたい大人もいます。ってゆうか遊んでばかりいたい。
音羽 最後まで、おもしろい仕掛けがあったな〜。いよいよ現実に帰還か〜。あの3人はどうなってしまうのかな?
T&T
大石まさる
吉本 ソフトタッチの冒険もの。少年の冒険を温かい目で描いている。「お父さんはあまり怒らなかった」ってのは作者の視線そのものだ。大石は少年のこころを持ちながら、それを上手く相対化して描くことができる能力を持っている。
久遠 トンネルズとトロールズですか?
音羽 ん?トンネルズ&トロールズじゃ無いよな?
円環の廃都
宇河弘樹
吉本 いつもの可愛い少女が出てくる作品と違い、一転してハードボイルドもの。これはこれで抽象的・観念的で面白い。…大昔の持ち込み原稿なんじゃないの?という疑念は残るものの。
久遠 こういうのも描けるっていうか、こういうのの方が好きなんだろうけど、バカスキルがあるんだから、そっちを活用しなきゃ。
音羽 良い感じではあるが、オリジナリティがほとんど感じられないかな。作中のキャラのようにつぎはぎの作品だよな〜。
鍵穴の世界
どざむら
吉本 常に鍵穴から世界を見ることを強いられる王女の物語。うむ。以前の作品は女の欲望の描き方が通り一遍で薄っぺらいものであったが、今回の作品は「鍵穴」という性的メタファーが上手く生きており、ヒリヒリするような欲望を感じる。面白いではないか。
久遠 うーん、うーん、パス、だな。
音羽 良いね〜。上手くまとまっているよな〜。カラーだと鍵穴のこちら側とあちら側の世界の色合いの違いが表現できてさらに良かったかもしれないな。
君のいる町僕のいる町
なかせよしみ
吉本 コミティアでおなじみの作家のデビュー作。人物がほとんど描かれていないので絵の魅力がやや弱くなっている。ちなみにオハナシもなんだか「やれん」もの(特に男にとっては)。同人誌で読めるような生き生きした作品が読みたいものだなぁ。絵の力はあるのだから。
久遠 コミティアで狩ってますねえ。でもくらちゃんとか出した方が良いんじゃないの?
音羽 なんだか不思議な感じだな〜。でも、こういうのも悪くないかもと思わせる何かがあるな〜
グレイトブリーダーNATUME
犬上すくね
吉本 10 正直に白状しましょう。私も前つきあっていた女性から「私が近づくとあなた尻尾を振るのね」と言われました。私もそんな人間ですのでこの作品については何も申すことはございません。
久遠 ああああああああっ、俺様ちゃんも犬になりたい。
音羽 平和だな〜〜。いちど、こんな平和な生活を味わってみたいものだ・・・
夜の燈火と日向のにおい
鬼魔あづさ
吉本 相変わらず観念的である。この人の面白いところはエロでやっているきわめてフェティッシュな漫画と、このようなエロをほとんど蒸発させた漫画と、どちらが「解毒」になっているか分からないところ(反対の例:お仕事の小野敏宏、解毒作業の上連雀三平)。単に表面的なだけではない作家だ。
久遠 ふう、今回もアワーズは充実していたな。
音羽 良いね〜〜。最後にさりげなく寂しさを残してるよな〜。
ブルヴァール
日生かおる
吉本 このまま「イニシャルD」になってもらった方が微笑ましくて良いです。
久遠 赤井孝美はいつまで経っても「プリメの」という枕詞が付くんだねえ。
音羽 もっと日々の日常に近いところで話を展開させれば少しはマシになるんじゃ無いかな〜。
迷彩君
竿尾悟
吉本 思い込みの激しい人は微笑ましいが一面迷惑だ。特にミリタリー系は。夏コミで第9SS装甲師団「ホーエンシュタウフェン」のスタンプを売りつけてきたナチ衣装(装甲兵中尉)のオナゴ、そうなんだよ。「ホーエンシュタウフェン?メジャーな師団じゃないですか」だと?そりゃマーケット・ガーデンでは決定的な役割を果たしたけどヨオ!真にメジャーなのは第8SS騎兵師団「フローリアン・ガイアー」とかのことを云うのだ!!
久遠 ゴルゴ西郷ですか?
音羽 良い感じだね〜。ポリシーをもって生きてる人ってカッコ良いよな〜。どうせなら読み切りにしないで連載して欲しいかったな。

<総評>

吉本 いくつかの連載作品でいっせいにオハナシが動いたのが気になる。こうした動きは休刊の前触れだったりするのだから。終わらないで欲しいものだが。
それから今回は「ウサギちゃんでキュッ!」が載ってないものだから、全体に馬鹿度が低いように思える。犬上すくねの骨抜きは一方で極めて強力だが、決して馬鹿ではないのだから。どうせみんな同じなんだから連載を整理させた方がいいんじゃないの?
久遠 上位連載陣は安定している上に物語りも動き始めてるし、相も変わらず目が離せません。でも何故に長谷川裕一?
音羽 相変わらず、良いものは良いし、ダメなのはダメなままだな。良い作品のパワーがかなり有るおかげで全体としてはかなりいい感じではあるが、ダメなものは早急に切って欲しい物だ。ジ・エンドでも現れないかな?

<ベスト>

吉本 「なの字」にもこころ動かされはしません。棗ちゃんも同様。ここは一発男らしく「鍵穴の世界」にしよう。随分化けたではないか。
久遠 犬上すくね先生以外に考えられようか?
音羽 迷彩君はかなり面白かったのだが、成沢のサービスが良い感じだったので「ジオブリーダー」にしよう。

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