零式6号(98年10月発売)

    吉本松明 久遠永遠
Flower and Children

尾崎未来

チカは家庭教師。忙しさのあまり最近彼氏ともすれ違い気味。そんな折りに生徒の一人からそのせつない気持ちを告白されて・・・ いつもの小ふざけたウェイ・ビー的アンリアルなオハナシではなく、今回の作品はちゃんと地に足がついている。これなら良いではないですか。オハナシが課題の人だと思っていたが、克服の兆しあり。エロは相変わらず流暢でよし。 絵は綺麗だし、そこそこエロいんだけどねえ、お話が、ねえ。うん、まあ。
Circle

すえひろがり

S気質のある殿岡はCIRCLEに無理矢理入会する、が、そこで彼は柳瀬の奴隷として扱われてしまう。 …単なるキレイキレイの世界ではなく、マッチョやプランパーにまで手を伸ばすとは。プレイも生理プレイなどかなりえげつない。脱皮したか…。フラミンゴまであと一歩。 はあ、すごいね。これは、本物じゃなきゃ描けないよ。
LETHERMAN

きお誠児

ある嵐の夜、一人の男が教会を訪れた。そこで一人神に仕えるシスターをその男は陵辱し続ける。 さすがはベテラン、エロ描写は円熟の域に達している。それに加えてオハナシも「空っぽをかかえる人」を描いていて深みがある。もっと生産量が多いといいのだが。 おり?こんな話なんだっけ?ども、こういうのじゃなくて、SFが読みたいなあ。
月下夜想綺譚

二階堂みつき

満月の夜、男は猫に誘われ一人の少女と出会う。男は少女に魅せられ、少女は心の空白を埋めるため、互いを求め合う。 オハナシはややあっさりとハッピー・エンドで終わってしまうが、絵の魅力はある。すがるような視線はよい。 幻想的な、そして、この手の漫画によくあるお話だねえ。
イカす総統(ヒューラー)天国

平野耕太

帝都は連合軍に包囲されてしまった。そこで総統は魔王アズモデウスを召還する。しかし、現れたのは、ケモノ系美少女(やはり眼鏡付き)であった。 エロを狙いつつもしっかりとギャグになっているところが素晴らしい。この調子で量産してくれないかなあ。 いつもの調子だねえ。山秋を1号とすると、平野耕太は2号だねえ。え?ライダーだよ。
Change!

たいらはじめ

橘晶はほんとうは男なのだが、現在は何の因果か女になってしまっている。最近はTVで人気なのだが、そこで出会ったアイドルグループに監禁されてしまう。 絵がやや単調にすぎるような。美和卯月を思い出すが、それほどのフェティシズムもないような… たいらはじめってファンタジー者じゃなかったけ?ファンタジー描けっ。剣と魔法を描けっ。
中央九州流行通信

SHあRP

妹は姉に服のデザインを頼んでいた。しかし、姉がデザインしていたのは、前張りであった。 ああ、ここにも今風のオタクの「型」が。リアリティの漂白の仕方が阿漕で鼻につく。ちょっと無自覚? 綺麗な、完成された絵を描く人だ。ぽあぽあーっとしていて良いですね。おはなしも、馬鹿だし。
Girl's Next Door

みほとこうじ

華井さんはいまどき女子高生。しかし、転校してきたオタク少女桃川さんに一目惚れをしてしまう。華井さんは桃川さんに近づこうと頑張って・・・ 特殊だ。でも世界を持っている人は強い。 こゆい絵だ。それにこまわりも少々見づらいのでは。お話もねえ、どこかにありそうだしねえ。
淫肉交姦日記

上連雀三平

昭乃ちゃんと良輔くんは、SEXの最中階段から転げ落ちてしまう。気がつくと、二人の身体が入れ替わってしまっていた。 …この人は本当におちんちんが好きなんだなぁ。常におちんちんに対する愛が感じられ心動かされる。 あいもかわらず、馬鹿です。だども、彼の他の作品に比べると、馬鹿さが足りねえべ?もっと、もっと馬鹿にっ。
メイドと坊ちゃん

寄道周世

ご主人様が他のメイドに手を出そうとするのを力ずくで止める一人のメイドがいた。ついにブちぎれたご主人様は、そのメイドを襲うのだが・・・ デビュー作だからこんなものでしょう。中堅どころは狙えるのでは。 パロスペシャル。この漫画の価値はそれだけ。
自爆超人ビザールマン

湯河原あたみ

ブルセラで稼ぎの少ない女がいた。彼女の前に店一番の売り上げの美少女が現れる。しかし、その美少女は実は、男だったのである。 段々と特殊系(=フラミンゴ系)の道を歩きそうな予感。もっとやれ! 新貝田の漫画にもこんなのなかったけ?ああ、それはビザレンジャーか。
あないもうと

舞登志郎

妹はお兄ちゃんのことが大好き。兄はそんな妹を相手にアナルセックスふけるのであった。 キレイキレイ系の絵柄でやってることはかなりえげつないところがナイス。7 明るいフラミンゴの漫画って感じがするねえ。それにしても、この人どっかで読んだ記憶があるぞ。
巨乳の町

目黒三吉

町内会長の前田は、町内の土地の値段の下落を防ぐために日夜パトロールを行っている。 …ちょっとこりゃあないんでないの。楽しみにしてたのに。「オデッセイ」がクケダイちゃんで終わったような感覚。 ダメだねえ。三吉は、エロもなくっちゃあ。ギャグだけだとダメだよ。忙しいのもわかるけどさあ、この雑誌の顔の一人なんだから、ガンバレや。
ももえサイズ

結城心一

ももえちゃんは死神女子高生。今宵は墓場で運動会。しかしそこはあこがれの先輩のうちで・・・ スクール水着、ブルマースといったフェチックなアイテムをちゃんと押さえているのがよい。 巻末エロなし漫画のなかでは、かなり良質の部類に入るねえ。話も馬鹿だし。馬鹿は良いねえ。

<総評>

●吉本 ふむ。作家の質といい、勢いといい、数あるエロ雑誌のなかではアタマひとつ飛び抜けた感がある。それに描かれているセクシュアリティも特殊系=濃厚系が多く、読んでいて(一方で頭を抱えながらも)満腹感がある。隔月なのが惜しいが、隔月だからこそこのクオリティが維持できるのであろう。今後ずっと追いかけることに決定。
●久遠 元気な雑誌だ。さすがに隔月だけあって内容が充実しているね。ただし、最も楽しみにしていた目黒三吉がこの調子なのが残念ではある。

<ベスト>

●吉本 もう死ぬほど笑い転げた「イカすヒューラー天国(古い)」にいたそう。やりたいことやってるよなぁ。
●久遠 うーん、どれにしようかなあ。神様の言うとうり。裏から回って三番目。ひよこがぴよぴよないているっと。うむ。とある同人誌を土壇場でバックレたshあrpにしましょう。

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