2000年1月上旬

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2001年1月11日 (木)

マガジンFRESH    講談社  <漫画・雑誌> 438円

 「月刊少年マガジン・別冊」とでも言うべき雑誌です。普段こういう雑誌は絶対に買わないのですが。なぜかといえば小田扉のギャグ漫画が載っているのですね。当然それだけでも買う価値はあるわけです。それにしても単行本は3月ですか。それにしてもタイトルは「こさめちゃん」ですか。それってコピー本じゃない!

コミック.H Vol.2   ロッキング・オン <漫画・雑誌> 648円

 ロッキンオンから出た「新感覚の」漫画雑誌です。イラスト畑の人に漫画を描かせる、というコンセプトがあるようで。「普通の」漫画としてよしもとよしともが載っていると書いてありますが、実際には漫画は載っておらず、インタビューが載っているだけです。最近の作品「4分33秒」(コミック・キュー9号収録)が非常に良かった*分だけ残念です。全体的に複雑な印象を持ちますね。一方で、新しい漫画の可能性を示している部分はあると思います。CGが漫画にとって欠かせないツールになったように、イラストレーションの技法も漫画に突破口をひらくかもしれないからです。ですがそう好意的に受け取れない部分もあります。この雑誌で取り上げられている作品は、いままでの漫画の文法とかけ離れているのですね。漫画の約束をすっ飛ばしている作品が多いのです。新しい試みなのは理解でき、漫画に新しい風を吹き込もうとしているのはわかるんですが、それはちょっと失礼なのではないでしょうか。「コミック」と銘打つのですから、もう少し既存の漫画を尊重すべきだと思います。

*この作品が「わかんなかった」人は多いみたいですが、私は評価したいと思います。漫画的「面白さ」という点ではつまらないとは思うのですが、現在のアクチュアルな問題に正面から取り組み、何らかの答えを出そうとしている点で考えさせられるものがあるからです。けなす前に「4分33秒」に込められている意味を考えてみろよな、と強く思います。

ヤングアニマル 2号   白泉社 <漫画・雑誌>

「愛人」があれば、あと多くは望みますまい。

コミックバーズ 2月号   ソニー・マガジンズ <漫画・雑誌> 467円

 さらに展開の緊張感が高まっている「Marieの奏でる音楽」。やはり聖なるものは性によってその性質を変えるというのでしょうか。前近代と近代との辛い争いを見るようです。それからいいのは「アクア・ステップ・アップ」「コドク・エクスペリメント」「極楽丸」といったところでしょうか。特に「コドク」はずいぶん化けたので吃驚。SFに真摯に接する星野の良心を感じます。

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2001年1月10日 (水)

恋するイトコ! 後藤羽矢子 竹書房 <漫画・単行本> 古書価300円

 じつに「女の子!」って作品ですね。目の大きい可愛い絵柄。ほほえましい限りの展開。そしてなにより作者の立脚点が自分の「女」という性にあるところが。どうしてもマッチョになりがちのエロ漫画において、こうした女性的な感性は実に魅力的に映ります。

カオスギア  ひのき一志 講談社  <漫画・単行本> 古書価300円

 えーっと、キャラクタはみんなどこを見ているんですか?なぜいつも口が半開きなんですか?どうしていつもパンツが見えているんですか?そのコスチュームデザインはなんなんですか?それを当然のように、いや当然のものとして描くひのき先生はかなり剛の者といえます。「間違った」オタク文化も「間違いきって」しまえばこちらのもの。強烈な迫力を持った作品といえましょう。

猟姫ナジャ  山本貴嗣  秋田書店  <漫画・単行本> 古書価300円

 高い戦闘力を持った傭兵・ナジャが、アラビアンな世界で様々な敵と戦います。相手になるのは荒淫にふける実力者の愛人、比類ない精度の投石を武器にする下品な男など。山本のフェティッシュであろう「戦う女」「苦悶する女」がイヤというほど出てきます。なんと業の深い…。まあ、ここに漫画が持つ「深み」があると思うのですが。

透明通信  鈴木翁二  青林堂  <漫画・単行本> 古書価900円

 これはラッキー。確かにブックオフで買ったにしては高めですが、行くところに行けば数千円の代物。なにより翁二の最盛期の作品ではないですか。ここで描かれる絶対少年のさまは今でもつよいイメージ喚起力を持っています。

小娘オーバードライブ 笹本祐一・むっちりむうにい 角川書店 <漫画・単行本> 520円

 主人公美帆は、町の発明家のぼるさんのもとで、ご町内の平和を守るバイトをしている。バニーガール風のパワードスーツを身につけて。ちなみに時給は500円…。分かりやすい80年代的ドタバタなんですが、のぼるさんのことが好きなお嬢様、麗華の活躍で俄然展開が締まります。そして絵の魅力的なこと。適度に読者の劣情をそそる一方、女性らしい清潔感にあふれています。いや、女性かどうかは知りませんが。「十兵衛ちゃん」もいい本でしたが、これもなかなかのものですよ。

チマタのオマタ 朔ユキ蔵 ワニマガジン社 <漫画・単行本> 505円

 久しぶりの単行本。手が早いのにまだ2冊目とはどういうことでしょうか。単行本にしない某出版社を呪い殺してやりたい気分です。この本は「快楽天」に載ったものを集めたものです。一通り読んでみると、朔ユキ蔵という作家が、高度に文学的な主題を探求していることが分かります。たとえば「せいきまつごっこ」。愛し合っている二人の女の子。いちおう二人の関係は安定しているものの、タチの子の方は、怪しい宗教に通うなど不審な行動が目立つ。それはどうにもならない思いを抱いていたため。その思いとは…。ここで描かれるのは、飛び越えることのできない無限遠の距離であったり、あらまほしい形とは限らない愛の形であったりします。あるいは「愛してやる」。女子高生にどうしようもなく恋してしまった主婦。ここにも動揺の「無限遠」を見て取ることができます。それはまさにいままで文学によって描かれてきたものです。つまり朔が描こうとするものは、エロ漫画の形を借りた文学なのです。そしてその訴求力は、ざっくりとしつつ、かつ迫力のある絵柄によって強められることになります。まさに鋭いナイフのような作品集。

脱芸術/脱資本主義論  熊倉敬聡  慶応義塾大学出版局  <漫画・単行本> 古書価1800円

 まだ読んでません。インターネット時代の芸術とテクノロジの相互関係を描いた本のようです。

アイラ Vol.4   三和出版  <漫画・雑誌> 552円

 破邪の「化け」には吃驚。確かにこういう劇画的な線を引ける人なのは知っていましたが、「美少女漫画」の普及に伴いそれを捨てたはず。時代が一回りした結果元に戻ったということでしょうか。「フラミンゴ」に比べてヌルくはあるのですが、一般性の高い作家構成はいいと思います。

桃姫 2月号   富士見出版  <漫画・雑誌> 505円

 ふぬけ傾向の強かった富士見ですが、この雑誌はハード系をめざし、実に力が入っています。今回は「バウンド」での連載を終え、久々の感がある胃之上奇嘉郎がよかったですね。罠にはめられた気丈な女性上司。へへへ、燃えますなあ!後は美女木、第六天魔王グレート、ぐんぱん先生がナイスです。「万引きなんかしてませんよーだ」って…。

ヤングHIP 2月号    ワニマガジン社 <漫画・雑誌> 362円

 リニューアルしてごく特殊な雑誌へと変貌し、きわめて嬉しい限りです。なんといっても西川魯介「初恋電動ファイト」ともっちー「プリティー美沙」が載っているのですから。西川は本格的にショタものを狙っているようで、嬉しくなってしまいます。業が深いですなあ。それからもっちーは相変わらずの大馬鹿漫画。プリティー美沙のコスの布の少なさには脱帽です。もっとやってくれ!てな訳で定期購読大決定。

零式 Vol.25   リイド社 <漫画・雑誌> 524円

 こちらはすでに出来上がった雑誌のカラーに従った内容。安定感があります。目立つのは中田ゆみ、まぐろ帝國といったところです。中田ゆみっていいよなあ、とつくづく思います。女性らしい線の柔らかさ。まぐろ帝國はそのぎこちなさがたまりません。自分の気持ちを素直に伝えることができない。これは基本です。

ルチル Vol.7 V.A. ソニー・マガジンズ <漫画・アンソロ> 950円

 これまた快調。南京ぐれ子といい、山田ユギといい。そしてなにより梶原にき!「季節の音」シリーズ「冬の音」が載っているのですが、これがものすごくいいのですね。細筆を使ったとおぼしき描線、意図的で大胆な空白の使用、そして静謐、としか評しようのないオハナシ。完全にノックアウトされたことですよ。それにしても南野ましろ先生って凄いよなあ…。

コミックビーム 2月号    エンターブレイン <漫画・雑誌> 552円

 今回も快調極まりないですね。クライマックスを迎えつつある「砂ぼうず」、よみきり「アゲハ」がいいです。

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2001年1月9日 (火)

エースネクスト 2月号   角川書店 <漫画・雑誌> 619円

 岩原「地球美沙紀」が素晴らしいですね。ネタと伸びやかな線が非常によくマッチしています。可愛い少年として描かれるニオも非常に魅力的。ああ、かようにショタ要素は当たり前のものになっているのですね!永山さん!後は、峰倉由比「Cross Cross(ダブルクロス)」に惹かれるところです。

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2001年1月8日 (月)

みこすり半劇場別館 4号   ぶんか社 <漫画・雑誌> 314円

 永野のりこ「みんな以外のうたR」、吾妻ひでお「クラッシュ奥さん」が見物です。四コマ漫画誌にふつうのコマ漫画を交える形式は良くあるものなのですが、この雑誌の場合コマ漫画が実にクセのあるものなんですね。普通載せないでしょ、ナガノとか。ぬるさを売りにする4コマ雑誌に新たな風を吹き込もうとする試みなのだと思います。昔懐かしいかの雑誌を思い出しますねえ。

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2001年1月7日 (日)

フィールヤング 2月号   祥伝社 <漫画・雑誌> 352円

 やっぱりやまじえびねがダントツにいいです。あっさりとした絵柄で女性のホモセクシュアルを描く。そこにあるのは気負ったりしない、自然な同性に対する愛です。もちろんそのために困難が生じたりするのですが、それに対しても逃げることなく真摯に向かっていっています。他には今月は宇仁田ゆみが登場。想像以上に紙面にマッチしていますね。ベテラン勢がぬるまりきっているのがひどく気になりますが。とくにやまだないと。同人のペーパーみたいなことやってるんじゃないよ!と言ってしまいたくもなります。

コミックフラッパー 2月号   メディアファクトリー <漫画・雑誌>

 雑誌の方向性が固まってきたようですね。「ブルーレスキュー」「そして船は行く」はやや問題ありと思うのですが、「雲のグラデュアーレ」「串やきp」「スカルマン」「韃靼タイフーン」と、迫力のある連載が続き、うまく読者を引きつけるのに成功していると思います。

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2001年1月5日 (金)

インターネット空間の社会学 吉田純  世界思想社  <一般> 1900円

 現在のネットワークにおけるコミュニティを考察し、成員の間に生じる関係性を社会学的見地から分析しています。そしてネットワーク社会においていかなる社会的合意が可能か、ということをハバマスの「公共性」という概念をひいて考察しています。良くまとまっていますね。ネタ本にしようっと。

モダニティとポストモダン文化 カルチュラル・スタディーズ入門 ジム・マグウィガン 彩流社  <一般> 2500円

 翻訳が待たれていたカルチュラル・スタディーズの教科書です。だいたいのことはすでに知っていることなのですが、ナショナリティとアイデンティティの問題については得るところが大きかったと思います。

デザインフレックス Vol.002   エクシードプレス <デザイン・ムック> 838円

 鈴木志保最登場。ムック全体としては前回のようなグルーヴがちょっと弱かったようにも思いますが、鈴木志保の作品が読めればよしとしましょう。この人の描く「空っぽさ」は、他の人に比べてもかなり魅力的なものですから。

気刊何の雑誌 02号   幻堂出版 <漫画?・雑誌> 667円

 今時森元暢之の単行本を出すなど奇特きわまりない出版活動を行っている幻堂。そこが発行する雑誌の2号がです。2号にして早くも資金不足が如実に感じられる内容。「金がなくてアンケート葉書がつけられなかった」そうで。内容が雑然としているのも同様で、読みづらいことといったら。ライターの質が玉石混交なのが痛いです。ですが可能性は強く感じますね。第一に大阪発信の雑誌であること。「ぷがじゃ」などに通じる大阪ならではのサブカルチャーが伝わってくるのです。第二に在阪作家の発表の場になっていること。福光しげゆきや川崎ゆきおを積極的に乗せようとしているところがナイスです。買って支援したいと思います。

少女まんが魂  藤本由香里  白泉社  <一般> 1500円

 「私の居場所はどこにあるの?」など、少女漫画評論で知られている作者。これは「プータオ」などに載ったインタビューを集めたものです。…力入ってますね。

夜をどうしよう 入江紀子  白泉社  <漫画・単行本> 286円

最近流行の廉価な本ですね。紙質悪すぎ!仕方ないことではありますが。まとめて読むタイプの本(かといって収集するまでもない本)ではこういった出版形態もアリなんでしょうが、ちょっと。インテルのCPUみたいな値段なんで仕方ないことではありますが。内容は、昔つきあっていた異性から、「HIV検査を受けてくれ」と言われたらどうする?というものです。社会派ですなあ。その分入江らしさは弱いように思いますが、さすがに手堅くまとめています。こういう本はきちんとした形で出版すべきだよなあ…。

カラフル萬福星 Vol.15   ビブロス  <漫画・雑誌> 371円

 去年の年末に出ていたもの。あるまじろう、篠房六郎といったところでしょうか。近頃ぐんぐん面白くなっているところが頼もしいです。

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2001年1月4日 (木)

The Battle of the Bulge バルジ大作戦   国際通信社  <ゲーム> 3200円

 昔エポック社から出ていたシミュレーションウォーゲームの再発です。昔のものは箱に入り、ユニットケースなどもついていたものですが、これはルールブックとユニットがビニール袋に入っているだけの簡易包装になってます。ですが実際はこれで十分。その分値段を安くした選択は素晴らしいと思います(同じ再発でも別の会社の「史上最大の作戦」は5000円ですし。簡易包装で)。内容は懐かしすぎて泣けてきます。何度プレイしたことか。鈴木銀一郎独特の絶妙のバランスもあって、非常に優れた名作ゲームになっていると思います。数ある「バルジ」ものの中でも最高にプレイアブルで、最高にスリリングなものになっているのではないでしょうか。オススメの一品。

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2001年1月2日 (火)

超人学園ゴウカイザー  村正帝  徳間書店  <漫画・単行本> 古書価300円

 ネオジオゲームのコミカライズで、「キャプテン」に載ったもののようですね。「ゴウカイザー」といえば大張正巳。ゲームのデモ画面アニメの「間違い方」には相当鬼気迫るものがあったので(ま、それ以前に大張先生は常にキていはするのですが)、「大張作品が読めるなら」と購入。中身は別の人が描いていたのでちとがっかりでしたが、これはこれで漫画としてきちんとまとまってます。田丸の寄稿もありますしね。あの濃い口の絵を一冊読むと考えると、これで良かったようにも思います。

ぼくはおとうと  小原愼司  講談社  <漫画・単行本> 古書価300円

これは確保しなくてはならないでしょう。

タコポン1・2 狩撫麻礼・いましろたかし 双葉社 <漫画・単行本> 古書価各300円

 ある契約に従い家族のふりをしている4人。父、母、女子高生、男の子。彼らは「タコポン」と名乗るものからの命令に基づきゲームを行う。だが次第に命令に疑問を持ち始める4人。名タッグによる不条理劇。まさに「ハード・コア」のプロトタイプといえる作品です。ち、2巻でおわりじゃないのか…。

国民クイズ 4 杉元伶一・加藤伸吉 講談社 <漫画・単行本> 古書価300円

 入手至難の4巻のみゲット。4巻セットで売っていたのですが、後で見つけた人はさぞや欝になるでしょうなあ。いやいや。メディアの効果を支配と結びつけようとする杉本脚本はやや古いように思いますが(それを革命の原動力にしようとするが見事に裏切られるというところはいいと思いますが)、絵はさすがに強力。加藤伸吉という優れた漫画家の絵を得たからこそ、この作品は優れたものになったと思います。つくづく過小評価されてる人だよなあ…。

妖都鎮魂歌(Tokyo Requiem)  今井秋芳・笠井あゆみ 角川書店 <漫画・単行本> 古書価300円

 内容はなんかのゲームに基づいているみたいですね。東京に現れる妖魔を退治する異能者集団、というごくありふれたものです。ですがそれが「耽美の女王」笠井先生の手で描かれると…これが強烈なギャグになるのですね。線が大真面目なのでちょっとしたギャグが極度に馬鹿馬鹿しく見えるのですね。あたかも原哲夫の漫画がそうであるように。ギャグを狙ったわけではないのにギャグになってしまった、不思議な本であるといえましょう。必読。

平安浄瑠璃物語 竹宮恵子  小学館  <漫画・単行本> 古書価300円

 確か持ってたはずですが。素晴らしい本なので(受けの美しい王子マンセー)、何冊持っていてもいいでしょう。ところでこの作品はシリーズものだったはず。第二部はいつからでしょうか?教授物語はもう結構ですから!

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2001年1月1日 (月)

見つめていたい  雨宮智子  講談社  <漫画・単行本> 古書価300円

 「バーズ」でもっとも注目していた作家。まったくの新人かと思っていたのですが、キャリアのある人だったのですね。絵は荒っぽいところがありますが、大人っぽいスマートさがあるところが魅力的です。なるほど、こうした積み重ねがあるから、いまのあの乾いた雰囲気が出てくるのですね。ふむふむ。

PARACELSUS しもがやぴくす&みらい戻 ビブロス <漫画・単行本> 古書価350円

 ユナイト双子のボーイズもの2冊目です。超人的な戦闘力をもつ少年と、その保護者ともいえるもと医師。二人は傭兵として激戦地をめぐる。なぜなら少年はパラケルススという強いドラッグの依存症で、常にそれを打ち続けていないと死んでしまう…という筋です。かなりリアルな戦闘も描いていますね。戦場ものボーイズ、という業の深い注文にきちんと応えているところに、作者のうまさを感じます。

いとおしい人 生嶋美弥  ビブロス  <漫画・単行本> 古書価350円

 生嶋お得意の文士もの。「人でなしの恋」の二巻になりますか。無頼派の小説家・天涯(長身、ワイルド、攻め)と彼が唯一心を許すカヲル(眼鏡、かわいい、受け)。天涯は気むずかしいことで知られているが、それには事情があった…という筋です。まあ設定はちょっといかにも、という感じですが、二人の心のふれあいを丁寧に描いているところがいいですね。そして絵柄の魅力!伸びやかな線と可愛いキャラクタ。多くの作家はオハナシか絵かの二択になってしまいがちですが、この作家はそうではありません。そんなわけで強く注目している次第です。

コンプレックス2 OVER18 まんだ林檎 ビブロス <漫画・単行本> 古書価350円

 大学生になってすっかり青年になった二人がホモります。淳一の方にはレズで同じ悩みを共有する女の友達もできます。ところがその子の悩みを聞くうちについついヤッてしまったものですから、彼女は妊娠してしまうのです…ほほう。なかなか痛い展開!相思相愛の安定した関係にうまく揺さぶりをかけることに成功していると思います。さすが。それからこの本には嬉しいボーナストラックが。ショタ漫画の奇跡、「機動少年ショタルダー」が収録されているのですね。このばかばかしさ(=面白さ)こそまんだ林檎の真骨頂。素晴らしすぎます。

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Last-Update: Thursday, 13-Nov-2014 09:16:50 JST