2000年1月下旬

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2001年1月31日 (水)
Marieの奏でる音楽 古屋兎丸 ソニー・マガジンズ 950
スピリッツ増刊IKKI 2号 小学館 524


2001年1月30日 (火)
真夜中の弥次さん喜多さん 5 しりあがり寿 エンターブレイン 1000
プラテネス 1 幸村誠 講談社 648
VERSION 下 坂口尚 講談社 780
OURs GIRL 2 少年画報社 343
歴史/修正主義 高橋哲哉 岩波書店 1200


2001年1月29日 (月)

屈折リーベ 西川魯介  白泉社 <漫画・単行本>

 「キャプテン」に連載され、雑誌休刊とともに宙づりになっていたこの作品。「たのみこむ」でも「OHP」の単行本化希望でも常に高得票を得ていたこの作品。ようやっと単行本になりました。眼鏡にしかリビドーが刺激されない男が、妙に古風な眼鏡美人に言い寄る。次第に心を許す美人だが、そのうち根元的な疑問が生じる。「私を好きなのは眼鏡だったから?眼鏡をとった私はどうなるの?」と。最初はタイトル通り屈折したアレでナニなラブで始まるのですが、次第に「本当に人を好きになるとはどういうことか」という、力あるテーマに移行していくのですね。しかも魯介は様々な煙幕を張って、ストレートにはそれを表現しない。ストレートな表現がおしなべて胡散臭くなってしまった現在、逆に力強い方法だと思います。そしてこういう姿勢は、オタクだから、屈折しているからこそ響いてくるではないですか。永野のりこの決定的名作「みすてないでデイジー」がまさにそうであるように。「デイジー」同様、長く語り継がれる名作となることでしょう。

ハチミツとクローバー 1 羽海野チカ 宝島社 <漫画・単行本>

 これまた待望の単行本。シュークリームが編集を降りてからの「キューティーコミック」最大の目玉にして、新世紀の漫画の間違いなく台風の目になるであろう作品です。とにかく目を惹くのはギャグの達者さ。ほとんど小動物扱いのはぐちゃんといい、モーゼも吃驚の森田先輩といい、男でもドキドキ(ハート)のローマイヤ先輩といい、実に良くギャグのツボを押さえているのですね。そうした一方で、見込みのない恋に涙する鉄人・山田、実は強いプレッシャーに悩むはぐちゃんと、ピシっと一本通ったオハナシを描く。このバランス感覚は尋常ではありません。きちんとデッサンを踏まえている絵の美しさも見逃せません。奇跡的な本といえましょう。とにかく私はもう山田にメロメロです。

約束の丘 生嶋美弥 芳文社 <漫画・単行本> 古書価300円

 新撰組もの。「私の考えた新撰組」になってて実にほほえましいです。沖田くん可愛すぎ!一方で芹沢が籐堂に対して「尻を貸せ」とかえぐい言葉を使ったりするところがアンバランスでいい感じ。沖田・藤堂総受けですか…。このままドンドン突っ走って欲しいところです。

error vol.00   美術出版社 <漫画・雑誌> 1500円

 方法論としては「アート/イラストレーションとしてのまんが」。その点で「コミック.H」と共通点を多く持っていると思います。ですがかの雑誌と異なり、この本は気取ってはいますが、あまり嫌な感じはしないのですね。それはひとえにこの雑誌に載っている作品が漫画として成立しているから、既存の漫画の文脈を踏まえているからだと思います。今後谷口ジローの「イカル」が載るんですって?絶対買います!

ティアズマガジン    COMITIA <即売会・カタログ> 892円

 今回のティアはきちんとP&Rを書こうと思ってます。乞うご期待。


2001年1月28日 (日)

ステンシル 3月号   エニックス <漫画・雑誌> 476円

 待望の復刊。少年誌と少女誌を結びつけようというコンセプトがこの雑誌の特徴だったわけですが、それは復刊後も健在。それにしてもこのラインナップを見ると、「新・少年誌」と「新・少女誌」のジェンダー差がいかに少なくなっているかがわかります。狙っている層はやはり少女なんでしょうが(最遊記の作家とか?)、内容は「エースネクスト」などの新・少年誌と少しも変わるところはありません。以前のようにもっと男の子にも売る努力をしてもいいのでは、と思います。
 待望のこがわみさき先生は次号から登場とのこと。待ち遠しいです。それから袴田めらの最登場を強く強く希望。同人誌の再録でも十二分に通用すると思うのですが。「宇宙に飛んでいきてー」とか。

いちばん上


2001年1月27日 (土)

マガジンZ 3月号   講談社  <漫画・雑誌> 457円

 あ、あのライカ犬ってザクレロって名前だったんだ!(雌だったはずなんていう人は嫌いです)これから「マイライフアズアドッグ」を見るたびに「シックルアーム…」とかいって吹き出してしまうことでしょう。

コミックガム 3月号   ワニブックス  <漫画・雑誌> 590円

 「まほろ」「月詠」「エンブリヲン」「プースー」。これだけあればじゅうぶんではないかと。

ヤングアニマル 3号   白泉社 <漫画・雑誌> 248円

 次の「愛人」は5月ですか…。しみじみと泣かせるいい作品ですから、早く読みたいところではあるのですが。

いちばん上


2001年1月26日 (金)

Salu Book 2000  水谷さるころ デジタローグ <個展カタログ> 480円

 「ベジェ部」や「コミックキュー」でおなじみ、水谷の個展のパンフです。Illustratorを使って主線を引いているせいでしょうか、非常にすっきりとした線が気持ちいいです。もちろん全体的なかわいさも。知り合いからのコメントがたくさん載っているのですが、町田ひらくのコメントが載っているのはびっくり。へえ…。あさの、パルコ、餅月あんこのコメントには萎えましたが。

DOLL 2 三原ミツカズ 祥伝社 <漫画・単行本> 905円

 ゴスロリって知ってますか?

 

 

 「フィールヤング」連載作品の早くも2巻。高価で感情のない機械人形、ドールをめぐる人間模様を描いています。注目すべきは、ドールを通じて常に人間を描いているところ。ニュートラルな存在であるドールは、如実にそれに関係する人の姿を映し出すのですね。人の良い面も、悪い面も。そうしてミツカズは「実存」に近づいていくわけです。オハナシの深みは相当なもの。いい作品です。

 

 

 ゴスロリって知ってますか?

快楽天 3月号   ワニマガジン社 <漫画・雑誌> 314円

 櫻見弘樹登場。以前のトランス・ジェンダーもの(セックスは♀だがジェンダーは♂というもの)がひどく良かったので期待していたのですが、これもなかなかいい感じ。よくもまあこう才能のある人を連れてくるものだと感心するところです。ところで、全部で11作品載ってるんですが、6作品が女性の手によるものなんですね。櫻見、米倉、伊藤、朔、松本、綾瀬。過半数が女性作家のエロマンガ雑誌とは初めて見ます。様々な点で感慨深いですね。男性向けエロにおける女性の進出=ポルノにおけるジェンダー差の減少と接近、女性の方が「読ませる」作品を描くようになっているという事実…「萌え」の浸透は決定的にジェンダーを変えているのですね。じつに象徴的だといえましょう。

激漫 3月号   ワニマガジン社 <漫画・雑誌> 371円

 さすがに平綴じなのできついかなとは思うのですが、もう少しボリュームがあってもいいかなと。

コミックメガストア 2月号   コアマガジン <漫画・雑誌> 648円

 随分遅れての購入。ヨネケンがないからいいかな、と思ったのですが、他の作品がいいんですね。特に榊原薫奈緒子。むかしのことは全然知りませんが、作品は面白いと思います。キュートな絵柄と悪意のこもったエロ描写がいい感じ。

プチフラワー 3月号   小学館  <漫画・雑誌> 467円

 塩川桐子久々に登場!山本周五郎を思わせる人情話。妙に現代風にアレンジするのではなく(フェミニズムとか使うのではなく)、かつてのオハナシのなかで現代でも通用するものを持ってくる、という姿勢が好ましいです。後はやはり赤石路代でしょうか。もう毎回ドキドキの展開!今回もまさに噴飯ものの展開で全く目が離せません。マジな意味でいいものといったら、吉野朔美、西炯子といったところでしょうか。西先生ってなんてお茶目…。

いちばん上


2001年1月25日 (木)

ホビージャパン 3月号    ホビージャパン <立体・雑誌> 743円

 特集は「0080」。ケンプファーがらみなので当然といったところでしょうか。見たことないのでピンときません。注目すべきは海洋堂がプロデュースする食玩の新シリーズ。「チョコラザウルス」と称して、恐竜とカンブリア紀の生物を出すとのこと(UHA味覚糖から)。「レッドデータアニマルズ」みたいにならないといいのですが。それからワンフェスが復活するとか。あまり関心はないのですが、おたく世界にとっては重要なこと。今後も注目したいと思います。

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2001年1月24日 (水)

いばら姫のおやつ 石田敦子 少年画報社  <漫画・単行本> 524円

 「石田敦子のイタイ短編集」と称するのが適切な本。イタイとは、作者がイタイのではありません。読者の心にズバリと突き刺さってくる痛さなのですね。あるいは内臓にくる、とでもいうのでしょうか。堕胎や心の空虚という必然的にドラマを作り出さざるを得ないネタを上手く活用しています。それは石田さまという「おんなのからだ」を通過して描かれるので、さらに痛さを増すわけです。まあ、女性の痛みを知り得ない男だからこそ、響いてくるものがあるのかも知れませんが。それでいて絵柄はキュート。「エースダッシュ」に載った短編は凄い、と聞いていましたが、これほどまでに強烈だったとは…。だぼっ…。

朝霧の巫女 1 宇河弘樹  少年画報社  <漫画・単行本> 505円

 これも待ちました。作者が満を持して放つ巫女ラブコメ。何か特別な血を引く忠尋(オッドアイ)。突然姿を消した母親の指示に従い、広島は三好にやってくる。そこには母方の親戚一家が住んでいる。むかしなじみの三姉妹が…。
 非常にキャッチーな要素を持った作品ですね。天孫光臨とサンカ。国つ神と天つ神。なんといっても巫女三姉妹。そして美少女天皇(!)、日瑠子陛下…。「今の日本に必要なのは巫女さんのラブコメです」。その通りですよ、ウガワさん!三姉妹と同居する忠尋、通う学校の先生の三姉妹の長女などといった「ラブコメのオヤクソク」をちゃーんと踏襲しているのが素晴らしいんですね。ですがいいところはそれだけではありません。霧深い山あいの街の情景の淡々とした描写や、表面的には照れてみせるものの、実は深く結びついている忠尋と柚子の様子が描かれているのがいいんです。ヒネてる面と素直な面が上手く同居しています。これは名作の予感。

リングの汁 花くまゆうさく アートン <エッセイ> 1500円

 「紙のプロレス」とは懐かしい…。創刊号から15号くらいまで欠かさず買ってましたね。この本は初代「紙プロ」に載ってたもの、その前身となったマイナー雑誌での連載、日刊ゲンダイに載ったプロレス評などを集めたものです。私はすっかり「プロレス者」じゃなくなってしまったのでイマイチよく分かりませんが、花くまの持つメンタリティ…何かささいな変なものに惹かれる魂…が感じられて微笑ましいです。巨頭の一角が崩れた今こそ、プロレスには注目しなくてはならないのかな、と思っています。「もちろん乱入だ」

星に願いを 入江紀子短編集2  入江紀子 集英社 <漫画・単行本> 505円

 なんだかとみに説教臭くなっているような…。描かれるラブの姿はかなりいい感じだと思うのですが。  

CUTiE COMIC 3月号   宝島社  <漫画・雑誌> 562円

 随分厚くなってます。なんてったってかわかみじゅんこ!さすがに「ワレワレハ」ほどではないですが、テンションの高い画面構成を見せてくれます。そして新人の作品が増えているのに加え、オーツカヒロキのボーイズラブ作品が…。

みこすり半劇場別館 vol.5   ぶんか社 <漫画・雑誌> 333円

 入手困難ですね。増田剛=うらまっくの登場も好ましいところですが、全体的にあの懐かしい「シャレダ!」の雰囲気があるのがいい感じです。間違いなく同じ人が作ってるんでしょうけど。吾妻ひでお!

ムーミン・コミックス7 まいごの火星人  トーベ&ラルス・ヤンソン 筑摩書房 <漫画・単行本> 1200円

ラルスがだんだん慣れてきているのが伺え、いい感じです。びっくりしたのは表題作。トーベの作品に火星人が登場するとは…。

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2001年1月23日 (火)

クリムゾン 3月号    集英社 <漫画・雑誌> 457円

 TONO先生目当て。ネタは「はだかの王様」なのですが、いかにもTONO先生らしいてらいのないエロが感じられていい塩梅。また連載をお願いしたいところです。後気になるのは楠桂&大橋薫の「Diabolo」。設定はありがちなものですが、人間の心の暗闇に迫るオハナシ、女おたくの悪しき部分に犯されていないすっきりした線、そして画面構成の巧みさに惹かれます。作画担当の大橋薫の力量でしょうか。がゆん先生とか「少年進化論」とかは、まあちょっと。

少年エースA 3月号   角川書店 <漫画・雑誌> 419円

 注目すべきは米倉静香「寒からす」。わずか8ページの代原なのですが、太く個性的な線、切り絵のような画面構成、カケアミ主体の絵など、ぐっと惹かれるところです。長い作品も見てみたいもの。あとは「ケロロ軍曹」「低俗霊」「桃ちゃん先生。」でしょうか。え〜?「桃ちゃん先生」終わっちゃうの?

アフタヌーン 3月号   講談社 <漫画・雑誌> 476円

 植芝理一の新作「夢使い」、四季賞の江戸沢敬史「僕の歌は君のうた」岡崎二郎「緑の黙示録」が引っかかるところです。岡崎二郎の起用には良心を感じますが、これっきりなんだろうなあ…。あと四季賞佳作に袴田めらの名が。一発で大賞というわけにはいかないのでしょうが、佳作止まりはもったいないはず。ていうかヒジョーに読みてえ!

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2001年1月22日 (月)

マスターグレード MS-18E ケンプファー   バンダイ <立体> 3200円

 アキバでは絶無だったのですが、ユザワヤでは山積みでしたね。組んであるのを見たのですが、確かにかっこいいですね。…知らないMSなので、思い入れはぜんぜんないのですが。

スカルマン 6 石ノ森章太郎・島本和彦 メディアファクトリー <漫画・単行本> 514円

 …なんたるハイテンション。ページのはしばしから、石ノ森御大に対するオマージュが感じられます。石ノ森は実験の作家だったのですね。それを島本はきちんとトレースしています。現在においても、石ノ森のアヴァンギャルディアがアクチュアルなものであることがわかります。そしてその一方で、島本自身のテイストを入れることも忘れてはいません。「これが力だっ!」とか。結果として二つの要素がうまくフュージョンし、ちょっとすごいことになっていると思います。面白い作品です。

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Last-Update: Thursday, 13-Nov-2014 09:16:50 JST