2000年2月中旬

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2000年2月19日(月)

OURs LITE 3月号   少年画報社 <漫画・雑誌> 305円

 うーん。テンション上がってますなあ。まずは水原賢治「紺碧の國」。寺山修司「事物のフォークロア」を引き合いに出して、描こうとするのは少年のイノセンスか、はたまた苦い挫折か。ともあれずっと深いところを目指しているのはひしひしと伝わってきます。青いといやあ青いのですが、水原ほどのキャリアのある、いい意味でひねくれた作家が、そう簡単な展開をすることはないでしょう。続いて犬上すくね「恋愛ディストーション」。今回はいつものような強度な骨抜きこそないものの、派手でないぶんじっくりと読ませてくれます。「どんなことをしてもしがみついていたい相手」ですか…。どこかにいるに違いない!と思いたい!あとは石田さまと「ヤマモト」もいい感じです。ダミなオハナシを予想させておいてちゃーんとイタく落とす石田さまの方法にはタマランものがあります。とまあいろいろいいのですが、とにかくダントツでいいのが伊藤伸平「素敵なラブリーボーイ」。淡々とオハナシを進めているために、それぞれのキャラクタの心の動きや決意が実に鮮やかに浮かび上がるのですね。SFなどのガジェットをあえて(表面的には)使わずに、じっくりとオハナシで攻める。しかもそのオハナシが実にいい。今後も楽しみな連載です。

ガロ 3月号   青林堂  <漫画・雑誌> 743

 会田誠ですか…。「昭和40年会」ですか…。確かにガロはサブカルチャーのアイコン。それがコンテンポラリーアートと接点を持つのはよく分かるのですが、もうちょい漫画という文脈から攻めて欲しいように思うのですが。会田誠をもっとバーンと取り上げても良いように思います。
 あと気になるのが漫画。駕籠、津野、いみり、大越、まどの一哉はいいんですね。パルコも自分の欲望に忠実になって、キレイゴトを言わなくなってきてから、だいぶ良くなってきてますし。ですが「大昔のわかんないガロ」的な作品を取り上げる傾向があるのが気になるんですね。何より端的なのは勝又まみ。確かに80年代のガロならこれがいいんでしょう。ですが今は何年ですか?何より作者にエンターテイメント志向が欠落しているのが(ように見えるのが)腹立たしい限りです。ガロといえど、エンターテイメント志向を持たなくてはならないと思うんですがね。なぜならその後活躍している作家は、例外なくエンターテイメント志向を持っていたわけですから。根本敬にしてもそうでした。古屋兎丸も東陽片岡もキクチヒロノリもそうでした。読者に媚びればいいというものではないですが、「恋の門」に出てくるような「石漫画」=「理解してもらおうとしない漫画」は、現代においては犯罪的であるとさえいえます。浅井麻里「ゴーゴーエロス」が最後にあるのでかなり救われていると思いますが。

Zipper Comic Vol.2   祥伝社  <漫画・雑誌> 371円

 名前が数字の人が載っているために、すべてが台無しになってしまっています。一片のゴミクズほどの価値もない雑誌。こうした編集方針は正直腹が立ちます。何も考えないエンスーをあつめてそれで良しとするような態度が。インチキなものを載せて客を引こうという態度が。もとから気になるところだったのですね。なんか教団を組織してみようとしたり。信者が欲しいんですか?盲目的に買ってくれる人がいればそれでいいんですか?そういう態度でクリエイティブやエッジを気取るんですか?
 また作品の選択や作り方そのものにも疑問を感じます。桜沢エリカについてはもはや何もいうことはありません。特に疑問なのは原田梨花原作、小野塚カホリ作画の「こうして猫は愛をむさぼる。」なんでこういうカップリングをするんでしょうかね。オハナシ最低じゃないですか。新しい革袋には新しいぶどう酒を入れるべきなのに、腐ったぶどう酒を入れてるのですから。小野塚があまりにもかわいそうというものです。
 一方でいい作品はいくつもあります。まずは栗生つぶら。間を生かした構成で、絵としてもほのぼのしています。ですが内容は思いっきりダーク。このコントラストがたまりません。それから海埜ゆうこ。久しぶりに読んだような気がします。他愛ないオハナシではあるのですが、絵の魅力と演出が冴えていて読ませます。次には三原ミツカズ。オハナシ以上に見た目の痛々しさが響いてきます。そしてかわかみじゅんこ。やっぱり変で素晴らしい出来。ですが…。
 こういういい作家・作品を集めているのに、肝心なところで決定的にやな感じなんですね。まあ私のような男性読者なんかぜんぜん対象にしていないんでしょうから、やな感じで当たり前なのかもしれませんが。とにかくシュークリームに対する信頼が極度に下落したのは間違いありません。こんなことやってちゃダメだよなあ、と強く強く思います。

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2001年2月17日(土)

メロディ 3月号   白泉社 <漫画・雑誌>

 「みかん絵日記」が表紙なので、全然別の雑誌だと思ったことですよ。シメに入っている「どいつもこいつも」もいいのですが、最近「修道士ファルコ」が随分好きになってきましたね。人を食った絵と展開、21世紀の世の中に中世の物語を作り出すこと、様々な点で浮世離れしていて落ち着くのですね。エンターテイメント志向もしっかりしてますし。

ウルトラジャンプ 3月号   集英社  <漫画・雑誌> 410円

 読める作品は結構あるんですが。「破壊魔定光」「火星人刑事」「BWH」「サムライガン月光」など。ですがこの雑誌がウリにしようとしている作品が読めないんですね。「天上天下」「銃夢」「バスタード」…これが続くとホントにがっくりきます。特に後者ふたつには心底「やれん」と思ってしまいます。「水中騎士」を復活させてくれヨォ!

サンデーGX 3月号   小学館 <漫画・雑誌> 410円

対してこちらは快調。まずはサービス満点の「Wake Up!」。ホントならスーパーキャラであるはずのところのかすみを、控えめでおどおどした性格に描くところが萌えるのですね。それから三鷹駅が印象的な「ネコの王」。対象年齢層は低いのですが、ワンダーがあるところがいいです。そして「ジャジャ」。キャラの魅力、メカの魅力を兼ね備えたこの作品が、読者をぐっと惹きつけるのですね。やっぱりえのあきらって上手いよなあ…。後は萩原玲二やイダタツヒコ(これはいい)が目立つところです。軌道エレベータって赤道上にしかないんだよ、というツッコミはナシです!

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2001年2月15日 (木)

電撃大王 3月号   メディアワークス  <漫画・雑誌> 590円

 「あずまんが」と「ドールマスター」ですか。特に後者はアクションがあったりしていい感じ。キャラの造形が古い?古いからいいんです!

アイラ Vol.5   三和出版  <漫画・雑誌> 552円

 そうま竜也、このどんと、堀骨砕三といったところが目立ちます。後はしのざき嶺先生でしょうか。ようやく吹っ切れてきたようで。応援してますぜ。

コミックメガストア 3月号   コアマガジン  <漫画・雑誌> 648円

 盛りだくさんな内容。最初に鬼ノ仁のドエロカラーで読者を引きつけ、月野定規でさらに魅せる。その後の作品も実用性たっぷり。ホットミルクはまさにこうした方向を目指すべきだったのだと思います。

THE SHOTAROH V.A.(まんだ林檎)   <漫画・同人誌> 1000円

 池袋のK-Booksにて。こういう情報が集中している場所は便利でいいですなあ。これはショタが盛り上がっていた96年の本。一線の漫画家へのアンケートを中心に、有馬啓太郎、陽気婢、山田参助(!)の漫画などが載ってます。よくもまあこれだけの編集作業をこなしたものです。当時を偲ぶ資料としても有効であるように思います。

微熱革命 鈴木せるぼ/穂波ゆきね 芳文社  <漫画・単行本> 古書価300円

 「麗人」で気に入った作者の本です。オハナシはまあ笑っちゃうようなものなんですが(受けの可愛い座敷わらしを竜王の息子が保護して攻める)、絵はいいですね、ホント。この可愛い座敷わらしには萌えざるを得ません。ちょっと集めてみようと。

赤の原遊技 茶屋町勝呂 大洋図書 <漫画・単行本> 古書価300円

 ナチっていいですなあ。退廃的で。一応ボーイズらしく男性同性愛が描かれていますが、焦点は現在だと非合理と考えられているナチズムへの耽溺にあります。ナチズムの危険で、かつ滑稽な点はまさにここにあり。緊張感のある作品になっていると思います。

Duron 800Mhz
AK73 Pro
  AMD
Aopen
<PC・部品> 11800円
14800円

 Windowsを再インストールしたはいいものの、あまりに調子が悪いので。でもやっぱりダメな感じ。なんで2000と98のデュアルブートが出来ないのじゃ!(今は直ってますが)

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2001年2月14日 (水)

ネムキ 3月号   朝日ソノラマ <漫画・雑誌> 543円

 やっぱりかまたきみこって才能です。伸びやかでしっかりした線。水没した世界という設定。そして環境に適応したダイバーたち。世界を作った上で、オハナシを築いていくという方法は、現在ほんとの意味でそれができる人が少なくなっているために目を引くところです。それからTONO。ノホホンとオハナシを始めたかと思いきや、クリップの痛い過去とからめてくるとは。TONOの筆は残酷な事柄を描き出しますが、その分救いが生きてくるのですね。マジで泣きそうになってしまったことですよ。それから諸星大二郎。エイリアンみたいな体になり、そのへんをカサカサ走り回り、なんでもスパスパ切ってしまうきとらさんに激しく萌え。「プランツ・ドール」がないことで怒っている人もいるようですが、あれはカミサマの助けが必要な作品。「降りて」こないとダメなんです。それに他にもこんなに読める作品があるじゃないですか。

花音 3月号   芳文社  <漫画・雑誌> 638円

 穂波ゆきね、山田ユギ。高口組の活躍が目立ちます。ライト系のボーイズなんで少々物足りないところ。

麗人 3月号   竹書房  <漫画・雑誌> 686円

 ユギ先生仕事してますねえ。他の雑誌に比べてハードな展開なんですが、ちゃんと読ませる内容になっているのがさすがです。後はC.J.Michaelsky(すごいペンネームですな)や、汗臭いオトコノコがセクースするという内田かおるが目立ちます。眉毛のぶっとい野球部少年があんなコトやこんなコトを…。

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2001年2月13日 (火)

ネガポジ 3 入江紀子  講談社  <漫画・単行本> 390円

 性格の対象的な双子を描いたストレスフルな連作もこれにて完結。いやあ、なんとも読むのが辛い作品でした。最終的には、愛を知らないがために性格のねじくれまくったリタが、自らの非を認めちょっと素直になるという救いがあるので、暗澹たる気分にならずにすんでいますが。
 やはり世の中には性格がねじけきった人がいるわけです。人が困っているところを見て楽しんだり、わざと意地悪をしたり。この作品はそうした「困った人」が身近にいたらどうなるか、という試みだったように思います。人間が不可避的に持つまっすぐな悪意。それを描くことによって、この作品は人間の「深み」とやりきれなさを描き出していると思います。人の進まない道、人の嫌がる道をあえて選択する入江紀子にはほとほと感服する次第です。結局はリタが改心してしまうのがちょっと物足りないですが。どうせならテッテ的にリタをやな地雷女として描いてくれたら…あ、そうしたら誰も最後までついてこれないか。

澱  櫻見弘樹  司書房 <漫画・単行本> 古書価500円

 へえ、こんな単行本が出てたんですね。そして(予想通り)女性だったんですね。前半は連作「Under the line」。パン屋の娘に恋する女。そこに現れる彼女の弟。悲惨な家庭環境に育った二人。女は男性恐怖を抱いており、一方でパン屋の娘に強い欲望を抱いている。弟は他者を傷つけることによって強い興奮を得るが、一方で強いマゾ性を持っている。暗闇に憑かれた姉弟が陥る果ては…という作品です。この姉さんが娘さんに抱く欲望が、とても男性には想像できないような、切ない、リアルなものなんですね。朔の登場人物が「男根がほしいよう」と叫ぶように。まさに女性にしか描けない描写だと思います。そしてひしひしと感じられる「絶対に到達できない無限遠」とこころの暗闇。実に文学的主題をエロに絡めてくるのですね。絵の鋭さもかなりのもの。この人は絶対に来ますね。

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2001年2月12日 (月)

零式 Vol.26 リイド社 <漫画・雑誌> 524円

 のおおお!小鳥さん!
 …と身悶えてしまう「としうえの魔女たち」。ちいさくてもオトナでセクサブル、という小鳥さんは、ホントーに発明だと思います。あとは之瀬ハルオ、中田ゆみ、まぐろ帝國でしょうか。一方で正当派でラブラブなエロマンガを載せる一方、之瀬やまぐろのような「変わった」一筋縄じゃ読めない作品を載せる。そのバランス感覚がいいと思います。加えて小石川ふに。可愛すぎて死ぬかもしんないです。

コミックバーズ 3月号   ソニー・マガジンズ <漫画・雑誌>

 全体的に読めるようになってると思うのですが。たしかに地味っぽいのは否めませんが、竹美家、田嶋などの女流が頑張ってますし、少年系も盛り上がってます。


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2001年2月11日 (日)

HGUC シャア専用ズゴック   バンダイ <立体> 560円

 4月にはジムが出るそうですね。ジムの画稿を見たのですが、私好みのどんくさい体型で実にいい感じ。B-Clubから穴あきパーツが2000円で出る、という「2ちゃん」のネタには大笑い。

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Last-Update: Thursday, 13-Nov-2014 09:16:51 JST