| 2001/08/04(土) 00:19:25 とりこ |
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●映画『千と千尋の神隠し』…宮崎駿監督・脚本(公開中)
面白かったです。
始まりは、草に埋もれた遊園地(のようなところ)です。 「お父さん、お母さん、ねえ、もう、帰ろうよう」 (既にこのあたりで、ノスタル信者やホラー愛好家は、目が離せなくなること請け合いですなあ)
見所はホカにも満載なんですが、私が一番心打たれたのは、海のシーンでした。 嬉しい事に、今回、「怖さ」にスポットが来てるんですわ。非常にナイスです。夏休み映画にふさわしい。
あと、パンフには「クラバート」や「ゲド戦記」の影響が、とありましたが、舟崎克彦「ぽっぺん先生と帰らずの沼」、松谷みよ子「龍の子太郎」、末吉暁子「星に帰った少女」、なんかも入れてよ。 民話ベースのホラーに心惹かれる向き、昭和初期の和洋折衷のキッチュなケバさ(擬洋風建築、深川たてもの園)のお好きな方々、観ないと勿体ないです。(イカちゃん、キミもだ!)
しっかし、この映画1本から、5本分くらいネタ取れそう。そのくらいギッシリ。ねえ、そんなに何でもかんでもいっぺんに詰め込んじゃってさ、ずるいよ。もっと小出しにしようよ!とか、思いましたよ。 |
| 2001/08/07(火) 21:41:53 とりこ |
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| 前回のとりイカで引き合いに出した、「ぽっぺん先生と帰らずの沼」(舟崎克彦/筑摩書房/1974年)について、書いちゃおうと思います。
あら筋は、大学敷地内にある、自然沼(「帰らずの沼」)の生態系(主に食物連鎖)に関しての論文を執筆中のぽっぺん先生が、ふと気づくと小動物に変身していて、沼の生態系に巻き込まれ、あたふたする…というものです。
物語内で、イキナリ恋が成就するんですが、そのくだりを今回大人の目で読むと「ひえー、ここまで暗示しちゃうんかあ??」と、なんか、今になって驚くのでありました。
今回再読して、ヤハリとーーっても面白かったのですが あ、今思いついた。このおハナシ、「明日から夏休みの、ガラガラの学校」が舞台なんだよね。もしかすると、「千と千尋・・・」で引っかかってきたのは、その辺りの『夏休み感』かも。
それから、「星に帰った少女」(末吉暁子/偕成社)は、主人公少女が、お下がりの服のポケットに入ってた、古い回数券でバスに乗ったら、過去にタイムスリップしてしまい・・・というおハナシで、要するに、「千と千尋」には、小道具でなにかが出てきたってことです。
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| 2001/08/08(水) 20:53:57 ヤマナ |
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| 「ぽっぺん先生」シリーズは私もなにやら怖かった印象があるのだけれど。そうか、今読むとそうでもないのか。なんかちょっぴり残念なような。恐がれる時期(小学校3〜4年くらい?)に読めてよかったような。
このシリーズ、たいていぽっぺん先生が異世界に迷い込むお話で、なんかこう「元の世界へ帰って来れなくなったらどうしよう」みたいな不安があったんだよね。それだけ異世界描写が優れていたってことなのかもしれません。舟崎克彦本人による挿絵もすごくよかったし。ていねいに描き込まれた線画で、情景を思い浮かべやすかったな。 シリーズ中私が一番好きなのは「ぽっぺん先生の日曜日」(1973年/筑摩書房)です。ぽっぺん先生がなぞなぞの本に迷い込むお話。ラストがちょっぴりリリカルでね。霧に景色がにじむさまが切なく美しかった。もちろん愉快で不気味(当時)なのはシリーズの他の作品と比べても遜色なし。というか「ぽっぺん先生の日曜日」と「ぽっぺん先生と帰らずの沼」が、やっぱりシリーズ中頭抜けて面白かったように思います。「ぽっぺん先生の動物事典」も好きだったなあ。 ●北野勇作「クラゲの海に浮かぶ舟」(1994/角川書店)
同じ作者の「かめくん」が面白かったので、過去の作品も読んでみました。絶版なので図書館で探すのがいいみたい。
蛇足ですが、章ごとに歌のタイトルが使われていて、そこそこ自分と趣味がかぶっていたのも嬉しかったです。「自転車でおいで」(矢野顕子)だの「雨は手のひらにいっぱい」(シュガーベイブ)だの。「クラゲの海」って時点でムーンライダーズファンは「九月の海はクラゲの海」って名曲を思い出すわけですが。その辺の音楽がお好きな方(かつ、SFオッケーな方)にもオススメかな。 |
| 2001/08/09(木) 21:49:23 とりこ |
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| そか、「ぽっぺん先生=コワイ」って記憶は、アタシだけの幻想もしくは勘違いとかではなかったのね(ちょっと安心しました)。 何しろ、書架に並んでる背表紙を見かけるだけで、なにやら暗いオーラを感じるほど、怖い印象だったのですが、今思うと、読んでいる間の奇妙な不安感、宙ぶらりんなカンジが怖かったんだと思います。 ハッピーエンドで終わるだろうという安心感を持ちにくくなかった?ぽっぺん先生って・・・。(予定調和の予測というか・・・。) ワタシも「日曜日」が一番スキだったので、キミもお気にだったと聞いて、嬉しいな。
小学生当時は、(当時の自分から見たら)「いい年をしたオトナ」な男性が、
さて、先日に引き続き、SF選集の3巻です。
今回はダントツに地味です。
本邦初訳の「イルカの流儀」(ゴードン・R・ディクスン)は、ファーストコンタクトモノなんですが、イルカとコンタクトするの。その先はヒミツ。君が読んでくれた高橋克彦「北斎の罪」所収の、「鬼追うもの」っぽいかも??既視感モノではないんだけど、・・・。とり的にツボなおハナシでした。
そういや、いつぞや紹介した「スノウ・クラッシュ」、この春早川で文庫化(上下巻で)してたのね。知らなかった。本屋で見かけました。
それからね、ついに北野勇作の「かめくん」図書館に届きました。ついでに「クラゲ」も見つけたんですが(※君より先に行けるかと思ったのに、甘かった・・・!)、どっち、先に読むべきかな?? |
| 2001/08/10(金) 11:07:03 ヤマナ |
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| ハッピーエンドで終わる安心感ってたしかに持ちにくかったよね。ぽっぺん先生。おはなしが終わりに近づけば近づくほど、どんどんのっぴきならない状況になっていく感じ。 「ぽっぺん先生とどろの王子」とか「ぽっぺん先生地獄へようこそ」とか、思い出せばタイトルもすごいのだった。 北野勇作ですが「かめくん」でも「クラゲの海に浮かぶ舟」でも、どっち先に読んでも大丈夫。共通する要素はいろいろあるけど、どちらかがどちらかのネタバラシになることはないです。どっちも面白いから読んでね★とだけ言っておきます。 翻訳家のエッセイを2冊紹介。どちらも翻訳についての話はあまり出てこない本だけど。 ●岸本佐知子「気になる部分」(2000/白水社)
岸本佐知子さん。ニコルソン・ベイカーとかミルハウザーとか、ディティールにこだわった小説をよく訳している方、という印象があったのですが。いや、ご本人もディティールというか些事へのこだわりがもんのすげえ方でした。些末な日常のものごとからもわもわふくらんでいく妄想っぷりが素晴らしいです。 お笑い方面だけじゃなくて、胸の痛むような子供時代の追憶とか、さすがのセレクトの書評とか(笙野頼子を大プッシュ!)、岸本テイストは貫きつつ話題に幅のある楽しい本でした。 ●柴田元幸「死んでいるかしら」(1997/新書館)
みんな大好き(?)柴田元幸さん。岸本さんの「気になる部分」に比べると、こちらはちょっと雑学寄りかな。でも、新元号に不安になったり、奥さんを殺しそうになったり、日常も大忙しなのでした。 |
| 2001/08/11(土) 11:01:51 とりこ |
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| 「愛の見切り発車」、読もうと思っては先送りしててさ。 やっぱ、面白いですか。そか。 じゃ、チェックしなきゃ。&岸本さんもだ! ●「この部屋に友だちはいますか?」/「M色のS景」 (三浦俊彦/河出文庫/1994年、1993年)
イカちゃんは、三浦作品はもう既読ですか?
※友気=真の友達同士の間に発生する、神秘のパワー。オーラとなって目に見えたりもする。修行により高めることが可能。これ持ってる人は、色々とスゴイ。
2作とも、笙野頼子の毒エキスを清水義範で薄め、赤坂真理になったトコロを久米宏の喋りに…、てな印象です。
●「ラジオ デイズ」・・・鈴木清剛/河出文庫/初出1997年
この感触は、最近では平野啓一郎氏の「日蝕」読んだ時、古くはサガンの「悲しみよこんにちは」を読んで感じたアレで、要するに、とてもジューシイなのです。 |
| 2001/08/12(日) 15:49:42 とりこ |
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| ●「クラゲの海に浮かぶ舟」(北野勇作/角川書店/1994年)
とりあえず古い方からと思って、読んでみました。
SF且つFTで、文系なんだか理系なんだか判然とせんトコロに、非常にそそられました。その上、仕立てがこの柔らかな語り。キミのおっしゃるように、小道具がまたステキですね。大体、リトルホラー入ってんじゃん、これ。(やられたよもー) ●パトリック・オリアリー「時間旅行者は緑の海に漂う」(中原尚哉訳/ハヤカワSF文庫/1997年)
この際だから、類似系で連想したこちらを、オススメいたしましょう。
まあ、そんなわけで、これから「かめくん」読みますわ。楽しみ〜〜。 |
| 2001/08/14(火) 23:22:09 とりこ |
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| ●「かめくん」・・・北野勇作/徳間デュアル文庫/2001年
面白かったです。
読者の等身大の日常に、どう見ても明らかな異端者(※この場合、かめくん)が混ざってて、その異端者が主役。
そんなかめくんの日常が、淡々と綴られています。
●「20世紀SF(4) 1970年代 接続された女」
乾いた印象の3巻に比べ、ガラリと変わって華やかです。女性作家も多く、物語内の女性の扱いや人物像も全然違ってきてます(社会進出ていうか、男性と肩並べたカンジ)。
U・K・ル・グィンの「アカシア種子の著者をめぐる考察ほか、『動物言語学会誌』からの抜粋」(長い…)は、ショートショート3本で構成されてるのですが、1本目だけだって大したネタなのに、3本目までテンション上がり続けです。才媛というコトバは彼女のためにあるようなカンジ。これだけでも読んで欲しいよ。
あと、「情けを分かつ者たちの館」(マイクル・ビショップ)は、抑えた筆致で、でも烈しくて、ちょっと退廃で、良かったです。 |
| 2001/08/15(水) 15:07:24 ヤマナ |
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| おお!浜松を離れている間にいっぱい書いてくれてありがとう。とりあえず返事だけ書いておくね。
●ぽっぺん先生岩波少年文庫版 去年の終わりに「ぽっぺん先生の日曜日」、今年の始めに「ぽっぺん先生と帰らずの沼」が、それぞれ岩波少年文庫で出ています。ということを、上京ついでに寄った本屋さんで知りました。どちらも表紙や本文の絵は昔のままで、下手に書き下ろしにしなかった岩波書店をほめてあげたいです。
「ぽっぺん先生の日曜日」は、本のたたずまいそれ自身からお話が始まっているようなものなので、やっぱりあの見返しで!あの奥付で!と思ったけれどそれは叶わず。でも、今の子供達にも手軽に手にとってもらえるようになったのは本当にめでたいことです。 ●鈴木清剛
「ロックンロールミシン」(1998/河出書房新社)だけ読みました。 ●三浦俊彦 未読です。友気…。なんじゃそりゃ。すごい気になります。 ●「クラゲの海に浮かぶ舟」
円環型の「ドグラマグラ」とはちょっと違うかなと思うのだけど、言いたいことはわかります。なんかこう、お話の構成自体に興奮できる小説だよね。もちろん、物語内容も切なくてステキです。 |