2001年11月

2001/11/02(金) 14:00:55 ヤマナ
タイトル 「ウォーターボーイズ」ノベライズ/陰陽師 今日の気分頭痛がスゴイ
●「ひみつの花園」

親もそれぞれなので、断言は出来ませんが、うちの母親はいたく気に入ってビデオで2回も観てました。なので、多分、心配は無用ではないかと。

ところで「ウォーターボーイズ」バナシ、もいっこ追加。ゴメン。

●矢口史靖「ウォーターボーイズ」(2001/角川文庫)

矢口監督自らの手による「ウォーターボーイズ」ノベライズ版。映画の台本にちょちょっと手を入れた程度のもので、小説として読むには絶対的に描写量が足りない感じです。登場人物の気持ちがわかりやすくなってる箇所もあるんだけど、全体的に密度が薄いので映画観る4分の1ぐらいの時間で読み終わっちゃうよ。正直、映画観た人が「思い出す用」以上のモノではないです。

ただ、矢口監督が描いた挿絵が、かなりイイ感じ。基本的にコンテの流用ぽいんだけど。細い線の素朴でポップな漫画絵でね。この絵のために買いましたよワタシ。

ページの左隅ではパラパラマンガで感動のシンクロシーンを再現。「ひみつの花園」では映画中にパラパラマンガを効果的に使っていた矢口監督なのでこのオマケはちょっと嬉しかったり。

●滝田洋二郎監督「陰陽師」

とりこのオススメで観てきました。押さえどころをびしっと押さえた娯楽作ですね。原作も漫画版も読んだことなかったけど、充分楽しんできました。

見所はやっぱなんと言っても野村萬斎演じる安部晴明でしょう!「あやかし」という言葉がこんなに似合ってよいのでしょうか。確かに狐の子と言われたら信じてしまいますよ、これは。アクションシーンも白い狩衣(でいいのかな?)がゆれる様が、そこからちらりと紫の衣が覗く様が美しい。(衣装デザイン天野嘉孝なのね。ナルホド。)
とりこ注目の真田広之のワルワルっぷりも清々しくてよいし、伊藤英明はホント少女漫画的王子様を思いっきり体現してるし、美青年鑑賞映画でもありますな。
光量に気を配ったとおぼしき画面作りの美しさを含めて、アクションで特撮で伝奇ロマンで、だけど、むしろ少女漫画好きに薦めたい気がしますね。

ところで私はボーイズラブ道にはまだまだ疎いのですが、「道尊×博雅」はアリかしら。どうかしら。道尊が博雅をいたぶるシーンが妙に色っぽかったもので。エヘ。


2001/11/09(金) 00:54:45 とりこ
タイトル 幽界森娘異聞 今日の気分更新遅れててスミマセン

●笙野頼子「幽界森娘異聞」(2001年/講談社)

「森娘」とは「森茉莉」嬢です。『贅沢貧乏』で有名なあの方。
ですが笙野さま、折に触れ「これはあくまで私見、評伝ではない、ふふん」と言い切られ、素晴らしく自由自在です。
どうかそのまま。もっともっと。

例えば笙野さまに谷崎潤一郎「痴人の愛」をご解説いただくと、こんな風。

……このお話は、女が好きなのに交際がなく自分で「男前も普通(って言ってる奴の容貌印象がまともだった例しなんてひとつもないぞっ―笙野勝手に注)」と言ってる程度な容貌の、小柄な独身オタク譲治が、カフェの見習で十五の小娘を、十分品定めした上で「小鳥」兼女中という扱いで同棲相手に選び、彼女を「西洋人」のような「偉い女」に育てようとする、という源氏にさえ出来んことを馬鹿がやるリサイクルジャンク小説であります。

(中略)

「西洋人のやう」な、「偉い女」の男性制圧話。でも育てられた女が育てた男制圧したっても別に女が男越えたって読後感ではない。(部分抜粋)

今回もスロースターターで、湾内は穏やかなものですが、一度沖合いに出てしまうと、でかい波!でかい波!毒吐きの大波がこれでもかこれでもか…独特なリズムの文体は冴え渡りそしてうねり、ワシらはもう上がったり下がったり、大時化の中を頼りなく揺れる小船同然。
怒涛の愛は森茉莉嬢ご当人にすら、容赦ないのでした。

…そもそも男前のフランス文学の大学教授ってなにさ。顔の綺麗な学者なんて信用せんよわしは。あっ差別だっ・そうよ。全日本顔の綺麗なフランス文学者連盟の先生方ごめんなさいだよ。でもこの現実離れ感がちらっと気になってしまったのだよ。
(略)
それでもってオリヴィオはすっごく怖い悪い男だからお水も氷も入れないでコップも気にしないでまんまのウイスキイをお茶碗で飲むのよ。まあ乱暴。
この本読んで、森茉莉作品に興味持たずにおらりょーか。
で、今読んでます。おもろいですホント(※初心者でスミマセン…)。
凡庸なテキスト読みたる我々、もう、どう足掻いたって、笙野様の足元にも及びません。
今年の笙野さん、絶好調です。

舌鋒と潔さ、かすかな違和感も見逃さない的確さに、改めて惚れ&萌えでした。

…良ければまた補足して。
(>イカちゃん)

※谷崎評へはフォロー入ってますが、実際、相当読み込まなければココまで書けないと思います。


2001/11/09(金) 18:26:14 ヤマナ
タイトル 時間旅行者は緑の海に漂う 今日の気分更新してる場合なのか
今月の「とりイカ」、イカサイドの更新はかなりまばらになりそうな気がします。「森娘」補足、ちょっと待っててね。

●「マーズアタック!」(「とりイカ」10月24日)

大馬鹿野郎であることにおいて完璧な映画ですね。大好き。
衝撃のラストは本当に衝撃でしたが、この映画観た後読んだ海野十三の児童向けSF(タイトル忘れました。スマン。)でかなり類似したラストのものがあって、これまた口あんぐりでした。海野十三の場合おそらく笑わせようとしないでやってる辺りがまた。

●「アイアン・ジャイアント」(「とりイカ」10月31日)

よいよね。少年のわくわくを見守る大人がいい感じに描かれているところもポイント高いです。

●パトリック・オリアリー「時間旅行者は緑の海に漂う」(中原尚哉訳/ハヤカワSF文庫/1997年)

8月12日のとりこのオススメ。えらくスケールのでかい自分探し小説です。詩的なタイトルから想像していたよりも骨太な展開の小説で(強引とも言う)、ぐいぐい引き込まれながら読みました。

が、正直この世界にハマれたかと言うと、私はちょっとダメだったかも。エイリアンの四角い××に代表されるような謎のオモシロ描写がたくさんあるのに、最終的に連れて行かれる地点はずいぶん地に足のついた場所で、なんだか「あれあれあれ?」って感じでした。冒頭を読む限りではもっと高い、未知の場所へ連れていってくれそうな雰囲気だったんだけど。

うーん。イカ的にはへんてこりんな部品をいっぱい組み上げて作ってあるのに、妙に常識の範囲内でおさまりかえっちゃった小説って印象かな。
とりこがヴォネガットや、ディック、久作(あと北野勇作)を挙げて紹介してくれた気持ちはものすごくわかるんだけど(ソール爺さんが主役だったら、えらくヴォネガットっぽくなりそうだよね。)、でもヴォネガットとかと比べるにはなんだか根っこの部分がまともすぎる気がします。ただ「親と子の葛藤を描いた心理学的小説」と割り切るにはあまりにへんてこりんだし、そういう意味ではかなりとらえどころのない小説ではあるのかもしれません。

冒頭の美しさとか、途中の迷走ぶりはホント読めてよかったなあと思ってます。タイムマシンがプールの底に沈んでる辺りで萌え(ちょっぴり「マジンガーZ」ぽくて)、ソール爺さんの消失っぷりに萌えました。


2001/11/11(日) 01:49:20 とりこ
タイトル ネコ弾きのオルオラネ 今日の気分めっきり冷えますねえ

>11月は更新まばらかも

森娘補足、気長に待ってるね。
他にもレス、沢山有難う。
さっき矢口監督の「ひみつの花園」ついに観たとこです。
その辺併せて、次回報告書きますね。

●夢枕獏「ネコ弾きのオルオラネ 完全版」(ハヤカワ文庫/1996年)

『陰陽師』で話題の夢枕氏の、ネコ大活躍本をご紹介いただいたので、イカちゃんにもお裾分け(?)するね。

ヨコジュン(横田順彌)氏から「ハチャハチャ」さを、或いはカジシン(梶尾慎治)氏からSFを抜いたものに、洋酒系チョコレートをたーっぷり加えたような・・・。
80年代リリカル系の一種独特の臭みって言うか、要するにベタで大甘で、うわ、直視できねーってな向きもありそうなんですが、でもなんか、こう、一線を越えて来るっていうか。
きっとイカちゃんも、照れながらもちょっと立ち止まってくれるんじゃ…なんて思いました。
大変若々しい作品集です。それって、決して悪いことじゃないと思うのよ。

シリーズ短編集です。初め図書館で「集英社コバルトセレクション」版借りて、結局ハヤカワから出てる「完全版」入手しました。
読みやすいです。デュアル文庫に収録されてても良さそう。

多少SFがかってますが、微妙だなあ(JA収録だしね)。
ヒトの心の奥底に潜む、ふとした「気」が集まって、もののけとなる・・・というくだりは、サスガ陰陽師の作者さんなのでした。
でも、ホラー・オカルト味は殆どないです。あったかい不思議リリカルに徹してて、ただ、物語中起こる「フシギ」の理由づけがコレなの(※あくまでこの設定って辺りが、夢枕氏たるゆえんかも)。
でも、嫌味がなく自然な感じで、素直に読めます。

たいそう官能的で、その辺はサスガなものです。視点がね、エッチ=背伸び、ではないのだよ。これ読んだコバルト読者って、大丈夫だったのかなあ…現役で読まれた方に聞いてみたいです。

ネコ弾きって何?それは読んでいただかないと・・・。
ヒント:音楽は、物語の核です。恥ずかしいホドに。(笑)

そして注目のネコ描写は、実際ホント、読みどころでした。
オルオラネじいさんと3匹のネコたち。
いきいきとしなやかで、懐っこくて…。
読んでてネコいじりしたくなること請け合い!な本でした。


2001/11/14(水) 01:03:34 とりこ
タイトル 玩具修理者/グリンプス/他 今日の気分まずはレスから

●『時間旅行者は緑の海に漂う』
(イカちゃんへのレス)

そうなの、まずあの出だしは惹きつけるよね。エイリアンの四角い××(ブウ!)にしろ(笑)。
ワタシも、ソール爺さんがお気にです。てか活躍足りんぞって言うか、もっと暴れてくれヨと言うか。
2年ホド前に読んだきりなので、読み直してみようかな。当時は今より「自分探し」小説に、反応が強かったので。
また印象チガウかも…。

●小林泰三『玩具修理者』(角川書店/1996)

ソール爺さんとちょっと似た仕掛けってんで、これに併録の「酔歩する男」を思い出しました。
これは面白かったよ。
短編ですが、怖くってね。

ついでに言えば表題の「玩具修理者」も怖いよ。グロ系にビジュアルイメージ強いホラーだから、キミにおススメして大丈夫か判らんですが…キッチリと「怖さ」狙いで、しかも成功してます。
玩具=一種ベルメールや四谷シモンの人形っぽいんだけどね、もっとずっとえぐいの。ホラーファンとして読んで相当ナイスでした。

そういやこれ、今冬田中麗奈主演で映画化されるらしいですね。
(漫画化もされてますが、未見なので判らないです…スミマセン)

ところで。
タイムスリップ且つ自分探し系、と言えば、一発隠し玉が。
この際だし、ご紹介するね。

●ルイス・シャイナー/小川隆訳『グリンプス』(東京創元社/1993)

読んだ当時、とりこ的にはかなりヒットだったので、お気に召してくれたらウレシイな。
でも、文庫で1020円(昨日見たところ)の厚さなのよね……時間的余裕のある時にでも、ゼヒ。
親との軋轢を含む「自分探し」の痛々しさ(父子モノです。主役男性だし)、音楽への愛、ノスタルジー、センチメンタリズム、執着恋着の盛り上がりっぷり、いいんじゃないかなあ。世界幻想文学大賞授賞してるし、訳もいいし、(てか、訳者さんの愛がすごい!)読み応え期待できると思いましてよ。

60年代ロック(ビーチボーイズ、ドアーズ、ジミヘン、ビートルズ)に愛のある方は泣いてヨロコブと思われます。そこまで愛がない人でもつられて泣けるような、いい愛です。

『盗まれた街』『ゲイルズバーグ…』でお奨めした、J・フィニィの『時の旅人』『マリオンの壁』とネタ的にかぶってるんですが、そこはまあ、さして重要じゃないと思う(ワタシ両方にファンだし…)。


2001/11/14(水) 07:42:24 とりこ
タイトル ひみつの花園/バカとゴッホ 今日の気分もう会社だヤバイ

●「ひみつの花園」矢口史靖監督/1997年

おススメ有難う。
面白かったです。
独特のゆるいテンポに初め戸惑いましたが、イカちゃん曰くの「低予算映画」っぽいトコは却ってヒットでした。
それを逆手に取る茶目っ気・才気というか。
ウォーターボーイズに繋がってるんだな、って、納得しました。

「ウッフンなシーンはなかったよ」との知人のコメントに意を決し、「ギャラクシー・クエスト」で泣くクセに「千と千尋」はダメなmyハハ(うるさいことこの上なし)にビデオ付き合って貰いましたが、主人公がランジェリー・パブでバイトしたり、酔っ払って男性宅に泊まったりする辺りが気に食わない母。曰く「女の子がふしだらな・・・」(・・・。)
ワタシ的には「典型的な敵役の女の子」が別方向で成功するのが、なんだかタイヘン嬉しかった。いいぞねーちゃん頑張れー。(笑)

実はイイ奴なヒネクレ眼鏡君(※老け気味)が、一途でまっすぐな猪突猛進女の子についつい振り回されちゃうところ、そしてココロが段々ほどけていく様子、この辺り非常にナイスでした。
で、女の子の一途さはさまざまな副産物を生むんですが、わき目もふらぬ彼女の無欲さが非常にユカイでした。
金欲丸出しのクセに。(笑)

●加藤伸吉『バカとゴッホ(全2巻)』(講談社/2000)

ゴッホってのは女の子のあだ名です。
ここにもまた、芯の強い、やりたいことに真っ直ぐな女の子がいて(だから「ゴッホ」)、彼女の勁さに惹かれる自己模索中の若者達、の異色青春モノ(?)です。
方向性がバラバラな感じもしますが、絵は相変わらずカッコイイです。特に下巻の展開には賛否両論あるのかもですが、要所要所の説得力には心打たれました。
「俺のゴッホ」ってさあ。
参っちゃうよ。(笑)

そうだ、『バカ』こと堺クンって『ドカベン』の岩鬼に似てない?
作者さんにめっちゃ愛されてそう・・・(勝手な憶測)

『ひみつの花園』のパラパラ漫画、お奨め通りグウ!でしたが(真似して作ってみたくなるね、アレ)とても素敵なパラパラ漫画マンガが併録されてました(『L&P』)。
※パラパラマンガを扱ったマンガってことです。ややこしいなあ、もう。
並行世界ネタで心響いたの、久しぶり。噴水のある中庭の情景がイイな…M・エンデっぽいムードで、ちょっと怖くて。
本編より、好きかも…(コラコラ)。


2001/11/16(金) 00:49:54 とりこ
タイトル 20世紀SF(6)1990年代 遺伝子戦争 今日の気分今月、本買い過ぎ>自分

●『20世紀SF(6)1990年代 遺伝子戦争』
     …中村融・山岸真編/河出文庫/2001年

ついに、完結巻読了…あーあ。(笑)

今回は、巻末収録の「20世紀SF年表」だけでも相当燃えました。
SFファンにこの年表見せたら、絶対延々と語られます。
危険です。
マジで。

だって、この作品・作家名の羅列…。
見てるだけ・思い出すだけで、熱くなってくるというか。
勿論ヴォネガットもコードウェイナー・スミスも何度も登場してますし、「虎よ!虎よ!」も、「ソラリスの陽のもとに」も、ゲド戦記だってちゃーんと出て来る。
そりゃ萌えるはずだわ。
って今思ったでしょ>イカちゃん。
1941〜99年まで、60年分もの「各年の代表作」。
いいガイドです。

さて本編ですが、あちこちで好評なグレッグ・イーガン「しあわせの理由」は、ホント良かったです。
「自分探し」ってキーワードがイーガン作品では常に大きく位置を占めてるのですが、今回も「SFの醍醐味」溢れつつ、現代風にアレンジされた古典(普遍)的命題(今回は「自分とは何か?」)が乗っけてあります。
ハイテクに依拠した説得力といい、サイエンスな夢を見せてくれる、SFらしいSFなのです。
それに、人間らしさ、だもんね。
うまく出来てますホント。

持ち上げて落として、また持ち上げて落とされるラストは、地に足が着いてて、やっぱ、良く出来てます。トホホ。

後を引くと言えば、D・シモンズの「ケンタウルスの死」。
これは読んでいただくしかないなあ。
物語中挿入されるお話の魅力だけで泣けます。学校の先生(大学出たて。若い)が生徒(小4)に自作のお話を語り聞かせてくれるって話なんだけどね。
アタシ的にはこの巻1番の愛でした。
イカちゃんにもご一読、おススメしたいです。

シモンズ=「夜の子供たち」=ホラー作家、と認識してて、SF作品で好評な「ハイぺリオン」シリーズは未読でした今まで。
アタシが悪かったです。
反省。
即読みます。
&読み次第、ご報告しますね。(笑)

他、W・B・スペンサー「真夜中をダウンロード」、G・A・ランディス「日の下を歩いて」、表題作のP・J・マコーリィ「遺伝子戦争」、面白かったです。
あと、A・スティール「マジンラ世紀末最終大決戦」もお茶目です。題から察せられる通り、ジャパニメーションの影響大なアレ。
ゆうきまさみって、偉大だなあ…。


2001/11/26(月) 23:50:20 とりこ
タイトル お知らせ/西城秀樹のおかげです 今日の気分疲れましたトホホ

●お知らせ

11月17・8日と、「京都SFフェスティバル」を覗いて参りました。
田中麗奈主演の「玩具修理者」(2002年正月・公開予定)の予告フィルム上映など、豪華企画を色々堪能してきました。
当日の模様をまとめましたので、ご興味のある向きは、どうぞご覧ください。

●森奈津子「西城秀樹のおかげです」(イーストプレス/2000年)

上記「京フェス」にて、著者の森奈津子さんと牧野修さんの対談企画があり、その時牧野さんから、この本の大プッシュがありました。

初めてお姿を拝見する森さんは、小さくて華奢で、髪がさらさらで(「天使の輪」な感じ・・・おお、古い表現だ)色白で睫毛が長くて、体温が低そうで、握手なんかしたらきっと指が冷たくて、薄く香水のいい匂いしちゃったりしそうな(おいおい)、こりゃ「本人萌え」なファン(男女不問)多いだろうな、ってカンジの方でした。
ですが、作品は、力強くバカです。

「語弊ありますけど、でも、女性の書く『バカ』って、今ひとつ吹っ切れてないものが多いように思うんだけど、(※女性の立場から申し上げますが、確かに語弊ありますが、ご尤もなご意見だと思います。)
こう言っちゃあ何だけど、いやあ、森さんのは、突き抜けてバカだね。」
(牧野さん:談)
「特に巻末の『エロチカ79』。これがあれば、死ぬまで笑えるね。」
(ここで言う「死ぬまで」とは「死に至る」ではなく、「墓場まで」のようです)
巻末の『エロチカ79』は、本当に、突き抜けたバカです。
アホです。
おもろいです。

「こういうタイトルの場合、普通ヒデキに関して物凄く沢山書かれてるか、全く書かれてないかのどっちかだと思うんだけど、
この本の凄いトコは、ちゃんとヒデキが出てくるとこだね」
(牧野さん:談)
「でも、芸能コーナーに置かれてるのは、間違ってるね。」
(とり:激しく頷く)
エロ描写も冴えてます。サービス満点。
エロってのは、マゾヒズムに悶える女性、及びレズ。冷酷な美しいおねえさまと、性の目覚め(ブ)に「いけませんワタシったら」とか言いながらどーたらなってゆくコムスメ、の図が多いかなあ。
(おいおい)

表題、「地球娘による地球外クッキング」、前述の「エロチカ79」が、特におかしかったです。


2001/11/27(火) 15:41:03 ヤマナ
タイトル バカとゴッホ 今日の気分久々の更新が文句タレでゴメン
●加藤伸吉「バカとゴッホ」全2巻(モーニングKC・講談社/2000年)

とりこのコメントを読んで一年ぶりに読み返しました。
頑固で一徹な女の子「ゴッホ」、考えるより前に暴走しがち、異常なまでに一本気な男の子「バカ」、比較的常識人の正二。デザイナーにバンド、それぞれの夢に向かって突き進み、立ち止まりする彼らの熱い青春漫画。

迷う走る笑う。思春期の(いや、人生の、とか言っちゃうよワタシは!)大切なものが炸裂している第一話が大好きです。自分たちなりに「カッコイイもの」を見つけて信じて進んでいく主人公達がいとおしい。絵もネームも完璧。ラストの一言なんてたまらなくポップでそれゆえに胸を打ちます。

なので2話以降、特に下巻の展開にはやっぱり賛否両論の「否」とか言ってしまいたくなる衝動が…。あわわ。「否」と言うと言葉が強すぎるので「もったいない」っていうのが近いかな。なんだろ、「ゴッホちゃんは素敵な女の子だね」って話だったのが、後半「女は神秘だ!すごいんだ!」的な方向にシフトチェンジされてしまっている気がして、正直違和感を持ってしまうのです。だってそれじゃあ記号に落ちちゃうじゃないですか。あんなに魅力的だったゴッホちゃんが!
バカと正二がゴッホちゃんを喪失していく展開については全然オッケー(むしろ必然)なので、その辺彼らの葛藤&迷走をもっとしっかり読ませてもらいたかった気がします。

併録の読切はどれも素晴らしいです。特に好きなのは一巻収録の「MY MHz」。不思議なラジオ番組がもたらした素敵な出会い。サイケでポップでファンタジー。そんでもって熱いよ。音楽が聴こえるよ。
友達の形見のヘルメットを片時も外さない男の話「イサミダイヤリー」もスゴイ。きったねえハナシなんだけどどうにもカッコイイ。なんと言ってもラストシーンの空!謎の地平に連れっていってくれます。

あ、「バカ」、確かに岩鬼に似てるね。岩鬼の方がより一層バカだった気もしますが。どちらもいとしいバカであることかな。ゴッホに惚れたあたりのだらしない顔とかいいんだよなあ。あーやっぱ二話以降続くならもっとバカのバカっぷりをたっぷり見たかったです。(今回のワタシ、ないものねだりでしつこいですね。ゴメンナサイ。)

(*この文章言葉足らずだったかなと思い、一度アップした後、すこし手を加えました。)


2001/11/29(木) 09:26:46 ヤマナ
タイトル 裸足のピクニック/日本おみくじ紀行 今日の気分吉凶相交
●矢口史靖監督「裸足のピクニック」(1993年)

「ひみつの花園」はとりこ母上のお気に召しませんでしたか。残念。まあとりこのお気に召せばオッケーなんだけどね。

しかし「ひみつの花園」でダメなら「裸足のピクニック」はいよいよとりこ一人で観てもらうしかないだろうなあ。ぼんやりおもろい不幸少女映画、なのですが女子としてはかなりしんどい展開があるのですよ。

そこを越えてなおかつのほほんと力強いラストが待っていて私はやっぱり大好きな映画なのですが。それでも観ててツラくなる人がいても仕方ないだろうなあとか思わされてしまうんだよな。とりこにも強力には勧められないかな。でもちょっと観て欲しいかな。んー、興味持ったらこっそり観て下さい。

矢口映画らしくここでも主人公のはげしくもぼやぼやな流されっぷりが堪能できます。ヒロイン、雪だるま式に不幸なんだけど、途中、流された先で妙になじんじゃったりするあたり、なかなかいい感じですよ。
不幸ではあるけど「悲惨」ではないところに、フツーの人間が持つ妙な生命力をぽわんと感じさせられたりもします。

●島武史「日本おみくじ紀行」(2001/ちくま文庫)

著者の島さんが、日本全国の神社を巡って集めたおみくじを大公開。基本は淡々とした旅行記なんだけど、一度おみくじへ話題が移ると淡々とした中に妙な熱気が加わります。

各神社ごとの吉凶の種類や数がそれぞれ几帳面に記されていて、これがなかなかおもろいです。「凶」はおみくじに入れない甘ーい神社がある一方、東大寺では凶が2割とやたらシビアだったり。数字の向こうに神社ごとの運勢感がほんのりうかがえるようです。

あと運勢なんて「吉」や「凶」のバリエーションくらいしか知らなかったけど、実はいろいろあるのですね。「平」「吉凶相交」「大悪」なんてこの本読んで初めて知りました。しかし「吉凶相交」。「晴れときどき曇」みたいなものでしょうか。おみくじのくせにあいまいだな、君は!でもコレ出たらきっとヒトに見せたくなるだろうな。

実際のおみくじが図版として豊富におさめられていて、これが一番の目玉かも。イラスト付きだったり物語付きだったり、もちろんスタンダードなものもありで、眺めてるだけで楽しいです。ヒネリのない感想ですが、読んだあと、無性におみくじがひきたくなる一冊でした。


2001/11/30(金) 00:21:49 とりこ
タイトル 呪禁官/他 今日の気分何だか冷えるねえ

●バカとゴッホ(レス)

愛ある「文句」だなあ。

一応タイトル「バカとゴッホ」だし、50%50%、順序から行けばバカ75%でも全然OKだろうに、1巻の後半から何だか「ゴッホとバカ」で、しかもゴッホ比90%ってカンジだよね。
我らがステキなバカ、ヤツの泥だらけの暴れっぷりを、あんなモノローグだけなんて言わずもっと沢山見せて欲しかった、とアタシも思いました。

読み切りは、DJ漫画もヘルメット被りっ放し漫画も「夜ゲラ」も、ホントどれも面白かったです。
本編も読みきりと同じくらい破壊的だったら、かなりスゴかったろうに、と思われます。

でもやっぱ、バカ、いいよね。憧れだねえ。
(笑)

●牧野修「呪禁官」(祥伝社/2001年)

爽やか青春ホラー、という新しいジャンルです。
ホラー、と言うよりオカルトで、ホラー描写はさほどえぐくないです。
「呪禁官」養成学校に入りたての、中学生年齢の男子4人(寮で同室)が、主役、ハカセ役、デブ君、喧嘩に強い硬派、と揃ってて、まあ、各種トラブルを乗り越えてくお話です。
学園モノみたいじゃん。
ええ、そうとも言う。
爽やかです。オカルトだし、ヒトも死ぬのに。

女先生がヒドイ目に遭うので、アタシは驚きました。
ヒドイよ! ●は女の命だよ!(?)
(笑)

作中世界ではリアルに有効な手段として、九字切ったりマントラ唱えたり、魔方陣描いて聖水撒いたり(しかもたどたどしく4人で協力したり)なので、伝奇系がラブで且つ学園モノ好きは、お楽しみ間違いなしと思われます。

「王の眠る丘」こそ牧野さんだわ、とお思いの向きは、この本で「ああ、やっぱり牧野さんね!」とお思いになるに違いあるまい。
ステキジュブナイルです。
アタクシ的には、ひょっとしてこれって裏「ハリポタ」かなあ、とか思いました。
(※ハリポタ未読です。勝手なことを申しましてスミマセン)

詳しくは避けますが、実は、アタクシ、なんだかめちゃめちゃ「天使」萌えでした。
あれ、絶対絶対、かわいいいー!!(?)

●「日本おみくじ紀行」

「大悪」ってそれなに…引きたくねー!
そして「平」って何だ!
年始に引いたら、1年間超つまんなそう。
(笑)

「吉凶未分」はたまに聞くけど、「相交」は初めて聞きました。
そんなん引いたら、いいコトあっても油断ならなさそう。素直に喜べなくなりそうだね。

コレ相当面白そうですね。今度探してみます。



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