| 2002/01/18(金) 01:20:20 とりこ |
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| ●SF Japan 冬季号 vol.3…徳間書店/2001年12月 手塚治虫特集号。読了に一ヶ月かかりました。 いやあ、確っ実に1700円の元は取れたよ。 のっけから優れものイラスト盛り沢山で鼻血です。 羽海野チカ版メルモちゃん(かわいい)! 菅原芳人版Big-X(かっこええ)! あさりよしとおW3、違和感なさ過ぎ。 安彦良和の三つ目も大ハマリだなあ。 字の方も豪華。 冒頭にカジシンの「アトム」。 ホカのどの作品より、素直に手塚が立ちあがってきます。 文体の匂いのせいかな。 草上仁の「ミクロイドS」。 素直におもろかったです。安倍吉俊さんのイラストも好き。 牧野修「Big-X」。 ホラーでマッドで怖いです。ステキ。 田中啓文「三つ目がとおる」。 …。「見なさい」「来なさい」でもうやられてます。 和登さんめっちゃかわいくてグー。 手塚なのに確実に田中で(どっかで聞いたな…サムライ・レンズマンか。) でもホントお見事です。 森奈津子の「リボンの騎士」。 えげつないのかと思ったら、全然そんなことなくて、むしろかわいいです。 「女の子らしくしなさい」への反発には、覚えが…(今ですら多少)。 ヘケート(魔女の娘)はワタシもファンでした。 大塚英志「メルモ」。 ベタで、嫌んなる。でもくすぐりのツボはバッチリなのです。 ずるいなあ、もう。 若木未生「ルードヴィヒ・B」。 モロ、手塚哀悼な作品です。 収録作すべてがこうだと辛かろうと思いますが、これ1本ココにあると、とても引き立ちます。 この作品だけじゃないけど、続きが読めないことは、とても悲しかったです。思い入れに移入しながら読みました。 小説は計11本。 喜多哲士氏の各作品解説も、詳しくて判り易く、良かったです。 更に1Pコラム14本。 古橋秀之安永航一郎わかつきめぐみ藤原ヨウコウ有栖川有栖伊藤伸平… 書ききれん! マンガ2本。とり・みき&唐沢なお虫。 水玉蛍之丞のとにかくロック愛なイラストエッセイ(がきロック青年ロック女装ロック裸ネクタイロック…)。 コミケ主催者米澤嘉博氏の寄稿含め、評論2本。 対談2本(※杉井ギサブロー×富野由悠季はおもろかったです)。 現役時代の手塚を知る方々の回顧録3本。 文庫化されてる手塚作品30作ガイド。 そして「COM版 火の鳥 望郷編」幻の第1話、全掲載。 いやあ濃い濃い。 ホント〜に豪華版でした。 |
| 2002/01/19(土) 01:53:46 とりこ |
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| 2002年1月16日、児童文学作家の、いぬいとみこ(乾富子)さんがお亡くなりになりました。 さっき新聞読んで、知ったとこです。 ガーン… 亡くなると言えば、つい先日(1月10日)田中一光(Gデザイナー。ファンだったのだ)氏の急逝も、ショックでした。 がーん…。 ダブルパンチ。 いぬいさんの「北極のムーシカミーシカ」、子どもの頃、本当に大好きでした。 北極熊の兄妹のお話です。 アニメ映画にもなった(って、アニメの方は観たことないですが…)。 これを読みすぎると、「アジサシ」という鳥に妙な思い入れが出来てしまうぞ。 児童文学ヲタな知識を書くと、いぬいさんは長崎源之助さん (「つりばしわたれ」とかの。)と、 佐藤さとるさん(そう、コロボックルシリーズの。村上勉さんの挿絵とセットで思い出される、あの。)と、同人をやってらしたのだ。 (スゲエ時代だ) 三者に大ファンなアタクシは、これ知った時、衝撃を受けつつ、でもたいそう「なるホドぅ!!」と思ったものでした。 有名ドコロの「ながいながいペンギンの話」、 「木かげの家の小人たち」 「くらやみ谷の小人たち」もスキでした。 あ、「トビウオのぼうやはびょうきです」 も挙げときたいなあ。 反戦・反原爆モノなのですが。 この手の作品って、まあ、臭みがありますが、同種でもR・ブリッグズの「風が吹くとき」よりは、こっちの方が、ワタシはずっとスキです。 (って、でもブリッグズの絵本、3冊持ってるけどね) 一応SF寄りな話題を入れると、いぬいさんはヨゼフ・チャペック作品の翻訳もなさってます(共訳ですが)。 (※ヨゼフ・チャペック=「R.U.R」等で有名なカレル・チャペックの兄) ホントは、1月18日ってイギリスの児童文学作家、アーサー・ランサムの誕生日でね。 とか、明るい(?)ニュースネタ狙える筈が。 追悼モノになった上、日付まで変わってしまった…(遅筆)。 ちなみに18日って、「くまのプーさん」挿絵のA.A.ミルンの誕生日でもある。 プーさん、愛読したよね。>イカちゃん にしても。 やはり、寂しいです。 |
| 2002/01/19(土) 13:08:26 ヤマナ |
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| いぬいとみこさん訃報は私もショックでした。(田中一光も)。享年77歳とのことなので長生きなさった方ではないかとは思うのですが。 いぬいさんの小説って、タイトルのかわいらしさにひかれて読みはじめると、過酷なこともしっかり書きこまれていて、実はこどもの頃、それほど楽しく読んだ記憶はないのです。でも、何か惹かれるものがあったのか、ただ単に懲りない子供だったのか、代表作はそれなりに読んでいるのかな。そして、とりこほど熱心な読者ではなかった私にしても、「いぬいとみこ」という名前はやっぱり特別なものとして、心に刻まれているのです。大好きだったとは言えないまでも、衝撃的だったのも、力強い小説だったのも本当に確かなことだもの。 「北極のムーシカミーシカ」も「ながいながいペンギンの話」も期待していたより、暗い寒いおはなしだな、と思いつつ繰り返し読んだ記憶があります。まあ、どちらも氷の世界のお話なのでそりゃあ、寒くなって正解だったわけですが。 「小人」シリーズは小人たちのこまごました生活描写がとても好きでした。 ところで、作家の誕生日なんてよくご存じであるな、とりこ。感心。そうかあ、アーサー・ランサムとA.A.ミルン、誕生日一緒なのかあ。なんか好きな作家がつながると妙に嬉しいですね。偶然とはいえ。 ●佐伯一麦「少年詩篇」(1997/新潮社) 北国の少年が出会う小さな出来事を断片的に描いた短編集。ここで描かれている世界は多分3〜40年ほどむかしのこと。でも、作者は過去形ではなく、現在形で世界を書く。ことさら、あたたかくもなく、かと言って突き放すでもなく、平らかな視線で。今、ここに少年がいて、その姿を活写するかのように、強い口調で、えがく。 ゼニゴケを集めてちいさな自分の庭を作ったり、野球の練習に躍起になったり。 大人になったわたしたちにとって、それらは既知の世界。でも作者の筆によって確実に未知の世界へと変わる。未知の世界へと出会う少年の喜びが驚きが怯えが自分のものとして取り戻せる。いや、元々あれらの出来事は本当に既知の世界だったのかしら、なんて、大人だったつもりの足元が、揺らぐ。楽しく、揺らぐ。 ささやかだけど、とても、あざやかな作品。 梶井基次郎の「城のある町にて」を読み返したくなりました。 本全体にちりばめられた切り絵調の挿絵も繊細で硬質で、とても美しいです。 |
| 2002/01/19(土) 21:42:46 とりこ |
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| ●いぬいとみこ作品・レス 「ムーシカミーシカ」、過酷な内容てのは、心当たる。 思い返すと、うん、そうだね。 予定調和への収束に慣れた頭で読むと、いつまでたっても安心する展開がこないかも。 子どもの頃はあまり意識しないで読んだと思います。本筋以外の部分に惹かれたようなキオクもある。当時、既に「過酷」さを感じたのなら、カナリオトナな目で読めているということではないかな。 凄いね。 今考えると、「自分の足で立つ」準備のお話なのでは、とも思います。 「ムーシカミーシカ」アニメ版て、調べたら虫プロ製作なのね。知らなかった。 佐伯一麦「少年詩篇」は、未読です。今度探してみるね。 そういやイカ強力プッシュの「首の信長」、一度図書館で借りたのですが、時間切れで、未読のまま返してちゃった…ごめん。 近いうちて読むね。ちょっと待ってて。 ●穴埋め雑記(?) 児童文学ついで。 黒井健さんの画集「ハートランド」を、誕生日にいただきました。 黒井健といえば「ごんぎつね」挿絵。あ、新見南吉さんの「てぶくろを買いに」もあるよね。 黒井さんのイラストは、ファンシー&ポエジーでちょっと照れちゃうけど、絵本はとても好きだったです。 本を下すった方は、「予約」なんて知恵のない頃、地元図書館で 「ツバメ号を何時何分に返しにきて。次の人が来る前に、さっ。とあたしが取るから」 とか示し合わせた仲です。 (※当時、子どもの本は、借りた人が書架に返す決まりだった) 彼女はSFは苦手と仰るけど、アーシュラ・K・ル=グィンは読んでくれるので、ル=グィンネタで盛り上がってきました。 児童文学年齢で「ゲド戦記」にハマる →その後、ハヤカワSF文庫のル=グィンに手を出す。 そう言うルートだよねー。だよねー。 『闇の左手』(1969/小尾芙佐訳/ハヤカワSF文庫/邦訳1978)は古いし、物語世界に入り込むまで相当しんどいけど、やっぱ衝撃的だよね。 ラスト響くよね。 異文化間どーたらってテーマは心そそるよね。ねー。あたしなんか泣いちゃって。え、アタシも。てか、アレ泣くとこだから。やっぱそっか。 とかとか。 (※会話中継のふりしつつ「闇の左手」プッシュ狙ってみました) ●予告(?) 『アワーズライト 3月号 (少年画報社)』、今月号はおもろいね。 明日あたり、レビューしますね。 |
| 2002/01/19(土) 22:01:56 とりこ |
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| ●梨木果歩『裏庭』…新潮文庫/初出1996年 児童文学ファンタジー大賞受賞作です。 言いにくいトコから書こう。 まず、ところどころ説教ぽさを感じてしまいました。 イカちゃんの言葉を借りると「ネームを早く出しすぎ」というか。 もっと深い部分まで降ろして、見えなくして、いいと思う。 「深読み」も結構ですが、透けて見えちゃあ、深くないって。きょーいく的にクサくなっちゃ、勿体無いと思うのです。 主人公は13歳少女。 でも、「色々なものが未分化な状態」の描出に、たまたま13歳が適当だった、って印象です。 あまり児童文学めいてない。 そこがよくもあるのですが、中途半端な印象も少々あります。 さて、イントロ。 近所に「バーンズ屋敷」という古い洋館がある。その庭には何やら秘密があるようだ。 勿論禁止されているけど、いつだって子供たちは忍び込むのはお手のもの。 石塀に抜け穴がある。主役少女はもっと小さい頃、その抜け穴をくぐり、よくこの庭に忍び込んだ。今はもういない、双子の弟と一緒に。 そんな出だし。 で、タイトル通り、「裏庭」が舞台となります。 しかし、泣かすんだ。この本。 特に、パパのエピソードと、ラストの橋のエピソードは、展開が読めても関係なく泣かされる。 求心度、矢印の強さ、引っ張るなあ。 まるでバイオリンの弦を思いきり弓で弾いたかのように、鮮やかに響くものがあります。 物語の道案内役のスナッフ君は、屈折しててキュートです。 彼の不安定さ。 夢の中の道案内に相応しく、彼もまた本当は自信がなく、揺れ、迷っています。 迷いがちな案内人を頼らなければ進めない主人公。 そう、このお話の最大の魅力は、揺れ・不安感にある。と思います。 「裏庭」の異世界感は、村上春樹「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」がツボな向きには、お勧めかな。 異世界度は、もうちょっと濃い方が、アタクシは嬉しいです。 「からくりからくさ」「りかさん」も読みましたが、確かに、完成度は後者2作に軍配だと思います。 でも、この3作品では、ワタシは「裏庭」が好きです。 てか、ちょっとカラー違う…「裏庭」のファンて、多分、完成度を求めているわけではないと思うのです。 これは『西の魔女が死んだ』も読まねばなりませんなあ。 |
| 2002/01/20(日) 11:48:25 ヤマナ |
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| ●黒井健と言えば 色鉛筆でふんわりしたイラストを描かれる方だよね。昔、黒井さんが講師に招かれているイラスト入門書を持ってました。たしかNHK教育の「イラスト入門」って番組のテキストだったかな。監修はやなせたかし。 黒井さんは作例に、野の花の揺れる風景画を描いてらしたと記憶しています。小さな花の表現に電動消しゴムを使ってました。色鉛筆でこれだけいろいろ表現できるんだ…ということもオドロキだったけど、「電動消しゴム」という存在がなぜだか異常にショックでな。黒井健と言われると今でも反射的に「電動消しゴム」という言葉が浮かぶのでした。 いや、それだけなんですけど。 ●恩田陸「月の裏側」(2000/幻冬社) ここ半年ぐらいとりこに勧められ続けていたホラー小説。やっと読みました。 水に囲まれた小さな町に起こる奇妙な連続失踪事件が静かに昏く、かつ平明に描かれています。 平明な文体がうまく利いていて、ゆったり、じわりと追いつめられていく感じ。とくに水の描写が素晴らしく、質感・温度・てざわり等、すべてにある「予感」が秘められているかのようです。なんというか、穏やかに脅かされました。雨の季節に読んだら眠れなくなること必至かも。 |
| 2002/01/21(月) 12:04:41 ヤマナ |
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| ●川上弘美「センセイの鞄」(2001/平凡社) とりこによる感想文は「とりイカ」1月9日分参照。 一人暮らしの、もうそれほど若くない女性ツキコさんと、ふとしたことから再会した学生時代の恩師「センセイ」の少しかわった交友のおはなし。恋愛のおはなし。 ときにたのしく、ときにくるしく、ゆっくりしみじみと味わいました。 とても、まめやかな小説だと思います。月刊誌連載という出自も関係するのかな?それぞれの季節のにおいが「歳時記」の紋切り型とは違うかたちでかおりたってきます。きのこ狩りのぐるぐる感。縁日の異世界感。風景が、日常が、やさしい言葉で描写されているだけなのに、とんでもない場所につれていかれるようなあの感じ。 「恋愛小説」としてももちろん一級品です。おたがいの言葉をオウム返しに繰り返しているだけの会話の中にひそむ、こころのまめやかさ。そしてあわあわと、いい年した大人が自分の抱えてしまった感情に戸惑いまくるみっともないさまは、それはもう掛け値なしに「恋愛」であるよなと思います。 そのくせ「恋愛小説」なんて枠に閉じこめるのはもったいない小説でもあるのでなかなか始末におえません。「恋愛を前提におつきあいしていただけませんか」(ゴメン。今、手元になくてうろ覚え。)なんて言葉は、むしろ恋愛の枠組みを脅かすものではないでしょうか。つーか、センセイ、何それ何それ。 とりこも書いてましたが、「センセイ」はとても素敵でした。生真面目で、唐突で、底が知れなくて。そして、間違いなく生身の老人だ。パジャマ代わりのTシャツの文字のあざやかなかなしさ。 うん、この小説は「せつない」なんて通り越してかなしくもある。まめやかな恋情をもってしても届かない場所もきちんと書かれているから。センセイとツキコさんが尽きないお酒を飲み交わした、あのさびしい場所はどこだったんだろう。 読み終わったあとは、胸にぽっかりと穴があいたようでした。ぽっかりとあいた穴はさびしいようでもあたたかいようでもあって、混乱しました。混乱して、涙が出ました。 川上弘美さんはいつもふわりゆらりと、私を知らない場所に連れていきます。この小説もそう。なじみやすいのに、なじめきれない。確実にこつんと違和感を残していきます。その違和感が私にはとてもここちよいです。 |
| 2002/01/21(月) 12:06:33 ヤマナ |
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| ● 「センセイの鞄」追記 とりこ感想文の終わりに引用してある筒井康隆の発言はどこでなされたものなのかしら。谷崎潤一郎賞選考会かな?ちょっと今更ですが、教えてもらえると嬉しいです。全文読めるとなおうれし。 ついでに「日本経済新聞」のくだんの記事も、もうちょっと引用ないし要約を記してくれると、イカリが共有できてよろし。怒るのに「よろし」もなにもないものだが。 |
| 2002/01/21(月) 23:55:15 とりこ |
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| まず新聞記事の方から 前も書いたけど、日経の2001年12月8日の40面です。 (図書館で調べられるようなら、調べて見て?もしむりそうなら、FAXとか送るけど) 記事では他にも多くの作品が扱われてるので、一応当該箇所引用しますが、部分だけだと語弊があるかも。 文学における「青春の終焉」が話題になっている。文学賞を受賞した小説をみても、過ぎ去った青春を回顧したり、老人に青年の影を見たりする作品が目立つ。青春が輝いた時代が去り、年齢を問わず、いかに豊かな人生を過ごすかに人々の関心が向かっている。 (続けて、三浦雅士の『青春の終焉』、古屋健三の『青春という亡霊』を紹介。) 「30代と老人の愛描く」 ことしの谷崎潤一郎賞を受賞した川上弘美の『センセイの鞄』(平凡社)は「青春の終焉」を反映した作品といえる。主人公はもはや青年ではない。三十七歳の独身女性、ツキコさんと、彼女が「センセイ」と呼ぶ高校時代の恩師だ。 近代は恋愛を発見したといわれ、青春小説の多くが恋愛小説だ。しかし『センセイの鞄』は青春小説ではない。「若い女性の主観でとらえた老人文学」(筒井康隆)だ。作者はドロドロした性があふれる現代において三十代女性と老人との淡くせつない愛と別れをつづることで、人生の豊かさ、美しさ、寂しさをさし示す。 ・・・うーん、違和感を感じたので書いたんですが、そ、そこまで「怒りを感じて」いるってホドでもないかも・・・。 で、問題の筒井発言(?)ですが、受賞の選評には、上記の発言は影も形も含まれてないです。 ので、私にも、出典、判らないのです。 何しろ筒井さんなので、いろいろ踏まえた上でこういうコトバになるのではと思ったのね。その「いろいろ」が記事からは判らないのですが、とり的には「違う文脈だったのでは?」と思ったのです。 イロイロコトバ足りないようで、済まんことです。 参考までに(てかこの記事とは全然関連ないと思いますが) 受賞の際の筒井氏の選評も、引用しますね。 |
| 2002/01/22(火) 00:13:14 とりこ |
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| まず新聞記事の方から中央公論2001年11月号 P320〜321 「平成13年度谷崎潤一郎賞発表 選評」より全文引用です。 『情緒連綿たる透明感 筒井康隆 川上弘美がパスカル短篇文学新人賞で最初の受賞をしたのは「神様」という作品だった。このときの選考委員が小生で、授賞式のあと、十数枚のこの作品を朗読したのであったが、だから内容もよく憶えている。主人公の女性のいるマンションに、熊が引っ越してくる。この熊がある日、デートをいたしましょうといってやってくる。ふたりで川原へ行き、一日楽しく過ごし、マンションに帰宅するというだけの話である。 この熊と、今回の受賞作『センセイの鞄』の松本春綱先生とが、話し方といい態度物腰といい、そっくりなのである。つまり川上弘美にとってこのキャラクターは永遠の異性の理想像なのである。しかし今回は彼女の今までの作品と違い、ファンタジーではない。お相手も熊ではなくて人間だ。しかしこんな人間――松本先生などというキャラクターは現実には存在しない。存在しないがゆえに作者の描写は、リアリティ目指してより精緻になり、情緒連綿としてくる。ところが不思議に文章そのものは、従来の如く簡潔であり透明である。 この作品の成功は、作者が今までのファンタジーの文体、手法のままで、通常の恋愛小説を書いたことに起因している。そのため、ちょっと今までお眼にかかったことのない、異様な傑作となった。「神様」のときも、老大家の手すさびではないか、などという噂がとんだが、なんと川上弘美、デビューしてからたった七年で本ものの大家になってしまった。驚嘆するしかない。』 ※連綿の「連」が原文では旧字になってます。 ※※資料提供、ホントにホントに有難う>たまちゃん ※※※「パスカル文学賞」選考のモヨウは「パスカルへの道」(中公文庫)に詳しいです。 このほんはおもろかった。 |
| 2002/01/22(火) 09:42:54 ヤマナ |
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| ●「センセイの鞄」記事関連 補足、いろいろありがとう。特に、筒井康隆の選評はこんなに長いと思ってなかったので、恐縮です。ごめんね。おつかれさまでした。 しかし、記事はともかく(ゴメン)、選評おもろいな。めんどうかけた甲斐がありました。比較の例に「神様」をひょいと出してくるあたり、サスガであります。 ●川上弘美「ゆっくりさよならをとなえる」(2001/新潮社) 川上弘美さん最新エッセイ集。今回は比較的、川上さんが読んだ(読んできた)本の話題が多めです。 外国の児童文学に出てくる食べ物についてのエッセイが、個人的には出色。うんうん「きいちごのジャム」、私も黄色いと思ってましたよ!でも「あるあるバナシ」では終わらないのね。 あとともだちのともだちがともだちになるはなしとか、ええなあ。 「とりイカ」でも取り上げた岸田佐知子さんの「気になる部分」にもちょこっと触れられていて、ちょっとしてやったりな気分。うんうん川上さんならお好きだと思ってましたよ。えっへん。(ていうか「気になる部分」、川上ファンならきっとお気に召す本だと思うのでここで再度オススメします。) 巻末に掲載の表題作は、ちょっとくやしくなるくらい、切ないです。ゆっくりとかぞえる日常、の喪失感。まいりました。 |
| 2002/01/24(木) 00:00:25 とりこ |
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| 2002/01/24(木) 00:35:59 とりこ |
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| ●佐藤信介監督『修羅雪姫』(上映中)
女子同士ぞろぞろ観ました。 千円て、高いよ! とかわめきつつ、結局パンフ買っちゃった。くそう。釈ちゃんフィギュアも売ってました(劇場売店で)。←それは買ってません
パンフに「超ハイパーSFアクション!」と書いてあるのでした。
ガードの上を走り抜ける超高速列車。 →言わば抜け忍な釈ちゃんに、追っ手が!
釈ちゃんは「20歳」という物語設定より、随分と若く見えました。
釈ちゃんは剣道初段とのことですが、収録中、左手中指を骨折したそうです(お疲れ様…)。
小池一夫・上村一夫の原作漫画は未読です。スミマセン。
●『アワーズライト 3月号』(少年画報社)
・犬上すくね『恋愛ディストーション』・・・今回怖くてカッコいいです。
・山名沢湖『ヨル ノビル』
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| 2002/01/25(金) 11:58:15 ヤマナ |
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| ●横溝正史「真珠郎」(2000/扶桑社文庫・昭和ミステリ秘宝) 湖の畔の奇妙な館で起きた不可解な殺人事件。 耽美だ猟奇だ殺人美少年(!)だ。わーい。 数年前から知人に薦められていて(あと、楠本まきの「耽美生活百科」というエッセイ漫画にも理想の息子として(?)登場していて)、ずっと探していたのですが、ついに、やっと、読むことができました。横溝正史は、原作をしている映画やドラマの方はいくつか観ているのですが、実は小説で読むのは初めてです。 初出は昭和11年、探偵小説(この頃は「推理小説」ではないのね)黎明期の作ということで、トリックとかはなんかこう、衝撃!!というよりは懐かしい感じではあるのですが、殺人事件に怪奇と浪漫を求める向きには、なかなかオススメであります。メロドラマもあるでよ。 今読んでも面白い、というより、今読むからこその味わいが面白い、かな。懐古主義と言いたくば言え。この文庫版では、漢字・かな遣いは現代のものになっていますが、旧かな遣いで読めていたら更にええ感じだったろうな。 真珠郎はどこにいる。 あの素晴らしい美貌の尊厳を身にまとい、如法闇夜よりまっくろな謎の翼にうちまたがり、突如として世間の視聴のまえに躍りだしたかと思うと最初は人里離れた片山蔭に、そしてその次には帝都のまっただ中に、世にも恐ろしい血の戦慄を描き出した奇怪な殺人美少年。いったい、あいつは、どこへ消えてしまったのだろう。 なんて書き出しに心惹かれる方は是非どうぞ。一度、読み終わった後に、この「序詞」を読み返すと微妙に味わいが変わっていてまたええ感じであります。 美少年美少年書いてますが、ちゃあんと美少女も出てきますよ!謎の老婆もアリ!至れり尽くせりです。 |
| 2002/01/29(火) 21:53:00 とりこ |
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| 児童文学作家の、アストリッド・リンドグレーン女史が、お亡くなりになりました。 岩波から出ている全集は、本当に愛読しました。いつどこで借りて読んだか、くっきり、ちゃんと憶えているのだ。 あまりにも図書館の「長くつ下のピッピ」を愛読するので、見かねたお爺ちゃんが買ってくれたのはしかし、集英社版であった。私の愛する岩波版ではなく。 (ありがちな悲劇) (※集英社からも出ていたのです。「子どものための世界名作文学」という全集物に入っていた。あまり知られてないが。当時の自分としては「偽のピッピ」と認識していた←スミマセン… まだちゃんとウチにあります。) 「名探偵カッレくん」は小学校4年生の時に学校図書館で。友だちとコトバの間に「ろろ」を挟んで喋りあったものです。「わたしたちの島で」は地域の図書館で5年になってから。鎮痛剤が鼻の裏にはいるハナシだよね(チガウ!)。 「はるかな国の兄弟」を読みながら、バスの中で泣いてしまったこと。友達に面白かったと勧めたら、読んでくれた上「面白くないじゃん!かわいそうなんじゃん!」と叱られたこと。 「やかまし村」に「おもしろ荘」の各シリーズ。これで復活祭という行事のことを覚えたなあ。 …キリがないのでやめますが、本当にダイスキでありました。 「トーベ・ヤンソンさんが亡くなっても、いぬいさんがお亡くなりになっても、でも、まだ、リンドグレーンさんがいるさ!」 と思ったのは、たった2週間前のことであるというのに。 (※ヤンソン女史は2001年6月に死去されました。) 実は今ワタクシは風邪をひいておりまして、電波酔いが激しいのでまた改めて書きます。 しかし。ますます具合悪くなりそうだ。 ※今回作品紹介になってなくてスミマセン。更新する予定じゃなかったんですが、書かずにおれなかった、サスガに。 ●レス 過去ログの件は有難う。 真珠郎は、おもろそうだ。スゲエ。 |