2002年3月(2)

2002/03/12 ・・・ヤマナ
みづゑ/特集:絵本(2002年春号)
「みづゑ」(2002年春号/美術出版社)

「みづゑ」って、老舗の渋い美術雑誌だった筈なのですが。知らない間に休刊して、知らない間にリニューアルしてました。これは新装刊第2号。久しぶりに目にした「みづゑ」は若者向きのちょっとオシャレな手作りアート雑誌と化していたのでした。びっくりだ!

で、新装「みづゑ」、今回は絵本特集です。エリック・カールの表紙に惹かれて手に取りました。エリック・カールはアトリエ写真とインタビューも載ってます。「はらぺこあおむし」大好きなのでうれしいうれしい。

福音館創立メンバーのひとり、松井直さんのインタビューがとても興味深かったです。「ぐりとぐら」の編集もなさった方だそうで、含蓄のある言葉が次々と。
長くなるけれど、イカ的に目からウロコだったあたりを引用してみます。

僕の編集方針は「絵本は子供に読ませる本ではない」ということです。大人が子供に読んであげるものです。子供は大人に読んでもらうと文章を耳で聞きますね。そして、まったく同時に絵を見ています。絵を読むんです。絵は説明ではなくて、全部言葉ですから。言葉にならない絵はないんです。目で読む言葉の世界と耳で聞く言葉の世界が、ぴたっと子供の中でひとつになったところに絵本が出来るんです。
巻頭にパラパラ漫画の付録がついていたり、日本津々浦々の手作り絵本を紹介したり、手作りゴコロをくすぐるコーナーもええ感じです。飛び出す絵本の作り方とか、ナルホドナルホド〜って感じ。いろいろな国の人に訊ねる絵本の思い出のコーナーもおもしろかった。

全体を通して、今風のセンスを取り入れつつも、浮き足立たない、堅実ないい雑誌になっていると思いました。まあ、昔の「みづゑ」とはまるで別人なのは確かですが。

5月下旬発売の次号の特集テーマは「ピクニック」だそうです。うーん、乙女ゴコロ狙い撃ちだな。


2002/03/13 ・・・ヤマナ
なみだ研究所へようこそ!
鯨統一郎「なみだ研究所へようこそ!」(祥伝社NON NOVEL/2001年)

2001年12月7日のとりこのオススメ。心理療法士の波田煌子(なみだきらこ)先生が探偵役のユーモア・ミステリ。ですが。

各章ごとに出てくる心理学のうんちくは読み飛ばしでオッケー!推理だってしなくてオッケー、難問珍問、波田先生にまかせとけ!
ていうか、読者が真面目に推理しようと思うとバカを見ます。だってこれ推理小説じゃないもん!とんち小説とか、なぞなぞ小説とか、そういうものでしょう。これは!

版形のせいもあってか、この本を読んで真っ先に連想したのはどんな推理小説よりカッパブックスの「頭の体操シリーズ」(多胡輝著)でした。

なぞなぞ度MAXの第一章がやっぱりベストかな。とりこは「おとぼけ風味」と紹介してくれましたが、そんな生やさしいモノじゃないです。ぼけぼけです。「まともじゃねえ…アンタらまともじゃねえ!」です。

正直、あまり好きなセンスの小説ではないのですが、この脱力感と破壊力にはシャッポを脱ぐしか。
衝撃と脱力を共有したくて夫にも読ませてしまいましたよ。夫は一章でリタイアしてました。ちょっぴり同情。もちろん私も夫も解決編を読む間、口は開きっぱなしでした。


2002/03/14(Th) ・・・とりこ
「みづゑ 2002年春号」/「FRONT 2002年3月号」

●「季刊 みづゑ 2002年春号」美術出版社

私も買いました。
こりゃ、かわいいや!
どこ開いてもキレイだし、版型も装丁も手に取りやすくてよいね。めくり易いし、見易いです。このサイズなら保存もラクだし。

イカちゃんも書いてらっしゃるように、「各国の絵本」特集も、「手作り絵本で、日本一周ぐるり旅」も、とっても楽しいです。
後者は、『日本手作り絵本ネットワーク』の2001年展覧会レポートで、全国各地の絵本クリエイターの創意工夫溢れる作品が、色々紹介されてます。
例えば、おばあちゃんを主役とした「こうしてふえたぞ かおのしわ」は、おばあちゃんの顔部分に和紙を貼って作ってあって、ページめくる度にしわしわするの(ひっでえ!)(笑)。

手作り絵本Workshopの取材とか(広告も入ってるけどさ)、ホント、手作りのユメあふれてます。
みていて楽しいねえ。

・雑談
手に入れるまで、何軒か本屋回ったんですが、途中、MOEの新刊を見かけました。 表紙にでっかくフロド(「指輪」映画版の)のアップで、これまた相当驚いたです。
中見れば意外ではないですが、しかし。
だってMOEだよ??

●「FRONT 水の文化情報誌 特集 渦巻」
 2002年3月号/財団法人リバーフロント整備センター

発行団体がそういうとこなんで、「水」及び「水辺」が主テーマな雑誌です。 「みず」がかぶってますが「みづゑ」とはぜんぜん関係ナイ(そりゃそーだ)。
「みづゑ」の充実ぶりに比べると、1553円は少々高価く感じてしまいますが(みづゑは1200円)、通常書店では取り扱いのない(LIBRO等、一部では置いてるらしい)、定期購読が主体の雑誌のようです。

しかし、この、特集「渦巻」って…。
「螺旋と渦巻のシンボリズム」、「ケルトの渦巻文様」、「螺旋の軌跡」、「渦巻と河童考」、「迷宮と都市、そして渦巻のあいだ」
…アンモナイト・土器・土偶・銅鐸、銀河・くもの巣・指紋・建築の螺旋・印度の曼荼羅、
果ては、東京都東村山市の地下水道(※)まで、
自然界の渦巻が、人工の渦巻が、渦巻ゲイジュツが、渦巻薀蓄が・いっぱい。
…どう見てもこれ、あの「遊」を意識した造り…(何人かに見せびらかしたんですが、見たヒトは、みなそう言うですよ)。

連載は、文化人類学者の西江雅之氏の「川を歩く」に始まり、「川のトータルデザイン」、「水辺のシネマ館」、「水をめぐる断想」、「水と生活の現場から」(ちなみに今回のトピックは「水あり印刷と水なし印刷」)、…
コラム執筆陣も、ワタシに判る有名どころだと池内了、池内紀、そうそう、イカちゃんご贔屓の別役実サンもおいでです。
読みでがあります。 てか、白水社から出てる別役さんの「さんずいづくし」って、ここでの連載なのね。

(※…この写真は、マジかっこいい。海外かと思ったです。都内にもこんなSFビジョンが…しかも地下水道。
編集後記によると、撮影はメチャメチャタイヘンだったようですが、でも、こりゃあ浪漫です。わくわく心をそそるー。)


2002/03/15 (FRI)・・・ヤマナ
MOEレス
●MOEレス

「MOE」の表紙がフロドかあ…。うーん。
でもたまに図書館で手に取ってみたりするんだけど、ココ数年の「MOE」って結構ミーハーっぽかったので(さくらももこ特集とかアランジアロンゾ特集とか)、今ブームのファンタジーものを表紙に持ってくるのはさもありなんという気もしたり。
ただ、ミーハーっていってもファンシー方面に特化してたし、「ロード・オブ・ザ・リング」なかなか硬派な映画だったのでそういう意味では意外だったり。

で、ここから「ロード・オブ・ザ・リング」バナシにつなげたいところなのですが(観てきましたよー。ついでに「モンスターインク」も観ようかと思ってたけど、さすがにそんな体力はなかったわ…。)、ちょっと体調が悪いので、今日は「MOE」バナシだけにさせていただきますー。

しかし特集「渦巻」って。立ち読みだけでもしてみたいけど、浜松じゃ機会なさそうだなあ、「FRONT」。


2002/03/15(F) ・・・とりこ
S-Fマガジン 2002年4月号

「S-Fマガジン考課評」に参加させていただいております。
(→林@不純粋科学研究所)
※連載の採点はパスしました。スミマセン。
※+3〜-3で評価、というキマリです。

■「S-Fマガジン 2002年4月号」(早川書房)
◆「イモリの歯車」北野勇作…+1
タイトルからして北野調…「イモリ」に「歯車」ですよ。
世界観も、期待通り、どこか暝くちょっとおセンチ。「歯車」というメカっぽい語で結局あんまりメカっぽくない。有機的で濡れたカンジ。ちょっぴり愛らしい(だってイモリだもん)。ちょっぴりユーモラスで。
ラスト、やや食い足りない印象でした。
もっと残酷なヤツがいいなー(オイ…)

◆「愛撫」グレッグ・イーガン/山岸真訳…+2
任務遂行のため薬物使用が義務化されていて、フラッシュバックに苦しむ、という職業病を背負った警察官が主人公。
一見同じ日常に還ったのに、もう元には戻れない…な雰囲気がよいです。
(※以下3行ちょっとネタばれ)
主人公がキチガイに、なんかよくわからん目に遭わされる、というおハナシなのですが「見立て」が絡むのでちょっとミステリ風味もあります。

◆「空からの風が止む時」小林泰三…+2
これこそ、説明イコールネタばれなので、全然語れない…
風が吹く場所、風がエネルギー源という世界観がナイスです(風の谷みたい?)。
ワタシは今SFMを読んでいるなあ、と思いながら、愉しんで読みました。

◆「あの言葉」田中啓文…0
キャリアウーマンのコワモテな横顔(挿絵)が、主役女性のイメージに合ってます。
オチが読めてしまうので、世界観(「修羅雪姫」になんとなく似てます)を楽しんで読むといいかも…共産とか社会主義とか旧東欧とか地下活動とか、その手のアレ。
「UMAハンター馬子」では児童怪奇本を連想しましたが、今回は岩崎書店の「児童SFシリーズ(70年代頃出てたヤツ)」を思い出しました。

◆「恩返し」
(ことのはの海、カタシロノ庭)
田中哲弥/藤原ヨウコウ…-1

字数が足りないような。
字と絵のリズムが噛み合ってないのと、尻切れトンボなカンジで、ヤハリちょっとつらいかも。
(次Pに続くかと思ったらオワリなのでした。ありゃー)

■以下は、採点対象外のものです。
◆表紙イラスト
持ち歩く時、あまり人目を気にせずに済むので、こういう絵柄は助かるです(よく見るとカナリ凶悪ですが…)。

◆特集「ふじプロジェクト」
巻頭記事はどうもウソっぽいんですが(写真のせいだと思う…)、まごうかたなき真実で、日本独自の有人宇宙船構想「ふじ」計画のレポートです。
「宇宙作家クラブ」の面々による寄稿は、とても読みごたえがあります。

◆永瀬唯「デッド・フューチャーRiMix」
19世紀フランスにおけるハッカーの話。
A・ランサム愛読者(モールスや手旗信号に萌えた輩)として、興味深々で拝読しました。

◆横田順彌「近代日本奇想小説史
 または、失われたナンジャモンジャを求めて」

コレは、やっぱ、超、おもろかったです。ホントに。
原稿内でヨコジュン氏ご本人が愚痴っておいでですが、ホントこれタイヘンだろうと思います。出血大サービス過ぎ。
 妄想(うそ)と真実(まこと)を換骨奪胎(とりまぜ)て。
 (本文引用)どうよ。このルビ。
「ユーモア」「諧謔」「風刺」「滑稽」「皮肉」の定義分類、私も知りたいよー。
(「未来趣味9号」、買おうかな…)


2002/03/16(Sat) ・・・とりこ
九つの殺人メルヘン

○「なみだ研究所へようこそ」(3/13イカちゃんへのレス)
…そうか・コレはとんちか!(腑に落ちたよ。スバラシイ!)

●鯨統一郎「九つの殺人メルヘン」
光文社カッパ・ノベルス/2001年

主役の警察関係者が、顔なじみのバーで、友人に突っ込まれるまま、迷宮入り事件を具体的に愚痴っていると、居合わせた女性客(清楚なお嬢さま系)が、「グリム童話の新解釈になぞらえ」(カバー見返し引用)た名推理を、披露してくれるの。

「なみだ研」よりはマイルドです。つーか、もうちょっとは「推理小説のフリ」をしようとしているよ。
「これがOKな自分にウットリ」するにはもってこいかも。 オノレの寛容さにちょっと自信が持てない向きはやめたほうがいいのかも?
フクロウが首を180度くらい回転させるじゃん。
ああいうことをやりたくなるです。

こういうのが売られてる世の中って、個人的には大スキだけどな。

○保坂和志さん
数年前、朝日新聞の夕刊で連載なさった時、「季節の記憶」とあと1冊読みました(題忘れた、ゴメン…)。
なんか、微妙に読めなくて・・・かすかに反発を覚えたような記憶があるです。

笙野っぽいと聞いちゃあ、再トライせんといかんなあ。
芥川賞作品は未読だし、ネコの話も面白そうだし。


2002/03/17(SUN)・・・ヤマナ
季節の記憶/生きる歓び
■保坂和志

その後「生きる歓び」と「季節の記憶」を読みました。

●保坂和志「季節の記憶」(1996/講談社)

妻と別れた主人公が息子やちょっと変わったご近所さんと過ごす、何気なくも濃密な毎日のおはなし。
日常描写や自然描写は、すごく細やかではっとさせられたりするのだけれど、主人公の教育観というか世界観というかが、ちょっとおキレイというかご清潔というか。とりこが反発するのもなんとなくわかりました。

●保坂和志「生きる歓び」(2000/新潮社)

病気の子猫を拾った夫婦のおはなし。「明け方の猫」の姉妹編。佳品。
笙野頼子の「愛別外猫雑記」のような熾烈さはないけれど、小さな猫を通して世界の枠組みがほんのすこし変わっていく感じとか、すんなり感じよく読めました。
大島弓子の猫エッセイまんがが好きな方とか、「愛別外猫雑記」がちょっと激しすぎたという方にオススメしたい感じかな。

しかし、こうやって何冊か読みすすめてみると、「明け方の猫」は保坂作品としては異色作だったのかもという気がしてきました。そんでもって、保坂和志が笙野頼子っぽいのではなくて、「明け方の猫」は笙野作品と共通するところがある、というのが正解という気が。

それでも保坂さんの、いちど感じたこと、語ったことを常に点検しているかのような、ちょっとまわりくどいような語り口は個人的にはかなり心地よいです。

あと、このまえ感想を書いた「明け方の猫」は個人の内部で異種間コミュニケーションを試みているみたいな、かなり風変わりな小説なので、これは好き嫌いを越えて一読の価値あるかなと思います。いまのところ、この小説が一番好きだなあ。

■鯨統一郎

とりこのご意見、「こういうのが売られてる世の中って、個人的には大スキだけどな。」というのは同意。ただ私はむしろ自分の心の狭さにウットリしがちなところがあるからなー。一読者としては「鯨統一郎はもうこりごりだあ」(静止画像)てな気分でございます。

もし、また読むとしたらマイルド路線より、「なみだ研」を凌駕するハードコアぼけぼけ路線の方がいいな。 新刊の「タイムスリップ森鴎外」はちょっぴり興味があるけれど、日本近代文学専攻だった身には、なんかすさまじく地雷なのでは?という予感もします。


2002/03/17(Sun) ・・・とりこ
ウイルスメール/映画版「指輪」雑談 ホカ

■ウイルスメール

翻訳家・内田昌之さまのHPにて言及のあったウイルスメール
(3/14付)が、うちにも届きました。
一見、友達からのメールで、うっかり引っかかるとこでした(危なかったー)。
空のメールに、「patch.exe」という添付ファイルがくっついていたら、それは ウイルスかも。 イカちゃんも、気をつけて!
※詳細→こちら(ワタシの場合「RE:例の件」って標題でした)。

14日に書いた「FRONT 2002年3月号 特集渦巻」の追記

「遊」っぽいと書きましたが、実際、立ち上げ時に関係者が関わってた、ちょっと「遊」の流れを汲む雑誌なのだそうです。
まだ先ですが、5月1日から1ヶ月間、池袋ジュンク堂でバックナンバーフェアの予定があるそうです。
過去10年の120号分が揃うそうなので、イカちゃん、もし5月頃上京するならチャンスだ!
私も、コレはゼヒ行こうと思ってます。
(※企画が潰れない事を祈ル。)

○「ロード・オブ・ザ・リング」ネタ (※ただの雑談)

映画館で「CD-ROM付菓子」をGetしたんですが、このCD、役者さんへのインタビュー映像が入ってました。
「ロン毛でなく髭もない上(当たり前だけど…)、眼鏡紳士なガンダルフ」(一瞬わからなかったよ)とか「エルフの姫君の格好をしていないほうが全然美しいアルウェン」とか、色々驚きがあったのですが、レゴラス役のO・ブルーム君が、なんというか、大胆に頭髪に剃りの入った「モヒカンちっく」な髪型なのには、正直のけぞりました。

いや、いいんだ。それだけなんだけどさ。

○保坂さん

了解です。
じゃあ、とりあえず「明け方の猫」は読むね。


2002/03/19(TUE)・・・ヤマナ
多湖輝HP
■多湖輝HP

鯨統一郎関連でちょっぴり話題に出ましたが、多湖輝HPなんてあったのですね。見下げ果てた日々の企てtopics)
しかし、驚くほどフツーのHPだ。しかもつくりかけだ。
もっと発想の転換を!!


2002/03/19(Tue) ・・・とりこ
黄泉がえり

●梶尾真治「黄泉がえり」(新潮社/2000年)

過去ログ見てたら、読了報告だけしかしてなかった。てか、カジシン作品ていっこも紹介してないじゃんアタシ(不覚…)。
とりあえずフォロー。イキナリでスマン。

「死者が蘇る」おハナシです(表題まんまだな)。
色んな死者が、見境なくぼこぼこ蘇ってくるの。
蘇り現象は地域限定発生、つまり舞台は九州、熊本。つーかもろ熊本市内。生き生きとクマモト弁が活写されてます。ワンダフォー!
ワタシ、カジシン作品て、熊本弁小説としても、とってもお楽しみいただけると思うの。絶対。

社長さんの熊本弁。腰の低い県庁職員さんの熊本弁。多分天草(長崎に近い方)出の、荒っぽい熊本弁。元気なおばちゃんの熊本弁。カオや体型やら、目に浮かぶよ…。

コレ、熊本日々新聞の連載小説でした。
そのせいか、SFだけど、結構一般のヒトにも楽しめる作品だと思います。 あまり奇想天外なアレではなく(※死者が蘇るのが奇想天外でないならば、ですが)、ワリと地に足のついた、日常にありえそうなリクツ(説得力をもつハイテク・つまりはSFなんだけどさ)をフシギ(魔法)のタネに使ってます。
そうそう、ノスタルジーあり。おおいにあり。だって「懐かしい死者」が帰って来るんだよ?

「死者が還る」のは、嬉しくもあり・でも・恐ろしくもあり。
だからお話も、懐しかったりユーモラスだったり、ぞっとしたり…

分厚いけど、リーダビリティは高いです。方向としてはフィニィの「盗まれた町」がOKなら、OKかと思う。なんて言うとまた贔屓目とかいって怒られるかな…ラストも、カタルシスがあって好きです。

カジシンと言えばセンチメンタル&リリカル、なのかな。
ワタシ的には、有名な短編は、ホントよく出来ているなとは思うんですが、どうも、硬いというかぎこちない印象があって。
滑らかな筆運びで書かれているバカSFや郷愁系に、実は、もっとも愛があるよ…(…不埒ものでスミマセン…)。

多湖センセイHP、何やら胡散臭いような。センセイの・あの往年の輝きは、一体どこへー。しくしく…。



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