2002年6月(2)

2002/06/16(Sun) ・・・とりこ
「ザ・ワン」

●「ザ・ワン」/ジェームズ・ウォン監督/ 主演:ジェット・リー/公開中

「ブレイド2」を観る予定、を変更して、もう一回観て来ました。
(木曜観た、長いバージョンの予告編がかなりヤバそうで、予定変えて2度目。
こちらを拝読する限り、予感、的中っぽい…)

さて、内容は。
125(※1)ある多元宇宙。それぞれの世界に別の自分がいる。別の世界の自分を倒すと、その分自分が強くなる(※2)、というので別世界の自分を片っ端から殺した悪いヤツ(ジェット・リー)が、最後の一人(ジェット・リー)を倒し・世界で一番強く(ザ・ワン←タイトル)ならんとして、やってくる…!
(※1 たったそれだけ?)
(※2 そういうものらしい。)

既に殺害がなされた123人、分のパワーを二人で分け合っているので、彼ら、やたら強くなっております。時速80キロで走るとか。弾丸を見切ってスウェーでよけるとか。でも、いくら「時速80キロで走れるスゴさ」を観客に示したいからといって、パトカーから走って逃げることはないだろう。と思うんですがイカガなものか。

追うのも追われるのもジェット・リー! 勝つのも負けるのもジェット・リー! 善玉ジェット・リーも悪玉ジェット・リーも楽しめるよ! てか登場人物のやたら少ない映画(というか…)であります。
展開のご都合主義っぷりと言ったら。なぜ今ココでそこが爆発するの? とか、伏線かと思ったら全然・とか。映画館の椅子の上で身をよじって苦しむこと請け合い。

「多次元宇宙捜査局(MVA)」とやらが、多元宇宙のバランスを崩す悪のジェット・リーを許すまじ! と絡んでくるんですが、…「多元宇宙でも、きっと、警察は無能なのだろう。」としか思われん。彼らは一体ナニがしたいのか。

「見る前に彼を感じた、この僕を」「君とやつの波長は合ってる」「僕はやつだ」 
「俺は無駄なエネルギーを集め、一つの容器に入れた この俺にだ」「俺の他の俺たちが結合し 永遠に一体化する」「2つの点の最短の距離は、常に真っ直ぐの線だ」「今のこの俺になったものはいない」(パンフ引用)

「…コレさあ、カッコいいと思って作ってんの?」
(同行の方のお言葉)

…いやあ・おバカ映画って・スバラシイですね! 
(※「ザ・ワン」公式HP→こちら

2002/06/22(Sun) ・・・とりこ
S-Fマガジン7月号

●S-Fマガジン7月号/早川書房

「暗号/数学SF特集」です。暗号はともかく、スーガクよアナタ…かつて「基礎解析」でX点を取ったワタクシに判るのか? 10年前なら飛び上がって逃げてたジャンル? とか思いつつ読みました。 答…たいして怖くなかった。ほっ。(笑)
ちなみに、その答案は、ソッコー丸めて捨てたよ!(いやあ、見たくないと丸めるものだね。実感したよ。)

でも、そんなヤツでも、塾講師バイトで、小中学生にさんすーやらすーがくを3年も教えてた…カナリ成績上げてやったぞ。エッヘン。※ゴメンよキミたち! オトナを信じちゃいかんよ!(笑)

巻頭、ニール=スティーブンスン「クリプトノミコン」シリーズ(早川文庫SF/全4巻・既刊2巻)が暗号小説としてまず紹介されていて、本人インタビューも掲載されてました。おおっ…。
「暗号/数学を解く10冊」ブックガイド(森山和道)では、サイモン・シン「暗号解読」って流行の発端らしいのですが、あちこちから評判聞いてるし、ここでも誉められていて、読みたいなあ。とか思いました。

◆ルーディ・ラッカー&ポール・ディ・フィリポ
「ピュタゴラスの平方根」…+0

スーガク判らなくても読める数学SFだと思います。ピュタゴラス、なんか脂っぽいおっさんだなあ…。

◆ノーマン・ケーガン「数理飛行士」…+2
全然古さを感じなかったです。新訳とのことで、その為かも。あと、大学生ライフっぽいカンジ、それは同時に例えば「ブレイク・エイジ」(馬頭ちーめい作の漫画)の「部活」の印象なんかとも被るのですが、そういう「研究室」ムードも嬉しいかも。
SFの仕掛けというか根拠というか、リクツの部分を「数学」(公式とか。)が支える、という「数学小説」な部分も、たいへん面白かったです。てか、理解しきれてなくとも、面白がることは可能だろう。と思う。多分…

◆北原尚彦「鏡迷宮」…-2
「不思議の国のアリス」「鏡の国(略)」を題材とした暗号小説です。何せアリスなので読み易い。でも、折角アリスなのに、あんまり面白くなかった…(ゴメンなさい!)アリスへの薀蓄は身につくかも。です。

◆マイクル・ビショップ「エイリアン・グラフィティ」…+1
落ちがないトコがオチという気もするですよ。ビジョンはウツクシイなあ。広義で言えば暗号小説かも…暗号解けてなくても。

◆小林泰三「きらきらした小路」…+0
ワタシは児童文学ファンなので、「童話」「寓話」っぽいと、却って辛目かも、なのですが、コレは「寓話」っぽさに媚がない点は、好印象でした。 ネタに言及するとネタばれなので言えないのですが、ネタにあまりピンと来なかったので、こんな点ですが…。

◆箱組みたち(ことのはの海、カタシロノ庭)
浅暮三文/藤原ヨウコウ…+1

絵が…絵がカワイイ! 探偵がニヒルだ! ネタ(文)も楽しかったです。

◆志村弘之「数学SFの中のサイエンス」
このエッセイのお蔭で「数理飛行士」がより楽しめます。てか、スーガクのデキル人はスーガク小説をこのように愉しむのか…と判ります。お楽しみを分けて貰ったカンジでした。

2002/06/24(Mon) ・・・とりこ
スパイダーマン

●サム・ライミ監督「スパイダーマン」/公開中

イカちゃんは「アメリ」好きスギて感想書きそびれたそうですが(デンワでそう聞いた)、私は「スパイダーマン」、ややそんなカンジ(…←自分がちょっとやだ)。でもそろそろ上映終わっちゃいそうだし… イカちゃんの感想 とかぶる部分もありますが、まあ、書いてみました。ゴメンよ(>イカちゃん)。

「少林サッカー」だと「変身に失敗する女子(※でも別の変身により自己実現に成功!)(ネタばれの為伏字)が登場しますが、要は、誰にだって変身願望、あるよね。一瞬で違う自分を手に入れて、こんなことやあんなこと。 

でも、例えばお祭りの屋台で駄々こねて手に入れたお面、かぶってみて違和感なかった? カオだけヒーローになったって、実のトコ「自分」には全然変化ないという…つまり、人間、そうカンタンに違った自分なんざ手に入らないのであります。そう・クモに噛まれて発現したスーパー能力には、自己プレゼン能力は含まれてなかった。そこがリアルのポイント。

主役クンの「変身前」と「変身後」の性格が、まったく地続きなトコが、たいへん良いです。スパイダーマンになったって、ピーターくんは内気なまんま。
ラブストーリーとしてもそう。こういう風に、恋は進んでいくと思う。誰かにとってのトクベツであることが「ハイグレードな美人女優」を使わないことで、より際立ってるなあと思いました。MJがなんでモテるか。全然不自然じゃない。ああいうコはその辺にいる。そしてやっぱりあんな風にモテてるよ。きっと。

とりこ家には、マーベルコミックの邦訳版が4冊あります。(光文社刊/現在絶版。揃ってれば自慢だろうけど…詰めが甘かった)って、ウチにあるのは15年以上前に集めたもので、米国の最新版の方は判りませんが。 スミマセン…
でもまあアニメも意識して観てたし(夏休みとか、朝9時頃やってたよ・確か)、実はファン暦長いかも…って、弟がファンだったのです。my功績じゃありません…有難う・マイブラザー! 
ちなみに、叔父さんを喪うエピソードと「大いなる力には大いなる責任が伴う」のコピーは、1巻冒頭にちゃんとあります。あとは…「SPA!」で柳田氏から突っ込みが入ってたクモ糸、アレはコミックではピーター君の発明品てことになってます。接着剤ホカで出来ている設定。ので、戦闘中使い切って「しまった! 糸がもうない!」なんて場面も。

コミック版のスパイダーマンは「自分は社会の嫌われ者」としての自覚があるヒーロー。映画とは、だから微妙に路線が違う。もう少し「悲しみヒーロー」度・強いかな。でも、陽のあたるヒーローとも完全なダークサイドのヒーローとも違う等身大さは、やはり原作を知った、判ってるヤツの功績だ、サム=ライミ、よぉし! とか思うのでありました(←エラそうだな)

あと、笑う緑の派手ハデ悪党、グリーン・ゴブリン。魅力的です。もくもくと煙吐きつつ登場するグライダー(不安定な動きもたいへんナイス。)。マンガっぽいけどさ。愛嬌あるワルモノっていいよね! 勿論、ウィレム・デフォーの名演もね。
また、ハリー・オズボーン(主役の親友クン)役のジェームズ・フランコ君はとても甘い系のハンサムですが、なんか伊藤英明クンに似てるよ(と思う…)
伊藤クンと言や「陰陽師」でも「修羅雪姫」でもああいう役。なんかもう、大ハマリでした。やっぱ・ああいうカオってああいう役ドコロになるのね・なんつて(…)。ちなみに原作では、ハリー、カッコいいどころかかなりヒドイご面相です。映画化で得したね、ハリー!

あと、スパイダーマンの驚異的な身体の柔軟性(真後ろへのスウェーとか)、糸によるスウィングや逆さ吊り、独特のジャンプ、クモっぽさは、原作でもアニメでも馴染みのアレで、アニメで一度視覚化されたそれらを、CGによるスピード感や迫力でリニューアルパワーアップという印象でした。
あとねえ、新聞社の編集長はコミックとクリソツ。ホントに。

伏線の処理もいいし、娯楽も満載。クモ糸でビルの間を抜けて行くスピーディな気持ち良さ等、隅々まで手抜きがなく、安心して観られます。非常にバランスのいい映画だと思います。人気出たみたいで、良かったなあ。結局2度観たよ。2度目でもまだワクワクしました。

2002/06/25(TUE)・・・ヤマナ
イリヤの空 UFOの夏
秋山瑞人「イリヤの空、UFOの夏」その1・その2(2001/電撃文庫・メディアワークス)

6月24日は全世界的にUFOの日。そしてあのその…ヤマナさんの誕生日…てへ。

いや、なんちゅーか、自分の誕生日がこんなに大々的にフューチャーされてる小説を生まれて初めて読みました。や、UFO記念日というのは知ってたし、自慢だったんだけど。ひやー。あなた、そこまで…って感じ。(特に「その1」)全6月24日生まれ必読の書かもしれません。ひやー。

まあ、私の個人的すぎるおどろきは置いといて、感想をば。とりこの感想はこちらです。

すぐそこに戦争があって。それがいつか自分たちの元にやってくるのはわかっていて。でもまだ、日常のごたごたの方がリアルに感じられて。そんな中での中学生活。退屈な授業、気になる女の子、ばかばかしくてでも楽しい部活動。

上手いなーと思うのは「日常のごたごた」が戦争と地続きかも・しれないということが、さらっと匂わせてあるところ。深刻すぎず、でも確実に不安を残していく、そんな感じ。青春で下駄箱でデートで文化祭で…っていうラブコメ定番がキラキラと楽しく描かれる一方で、それらの出来事がどこか儚い、取り戻しようもないものとしても感じられるようになっているんだよね。特に文化祭のフォークダンスのあたりは、あんまり美しくて切なくて驚いてしまいました。

中学生キャラクター達の造形がまた、いいなーと思います。幼さと鋭さのアンバランスさがよく出てます。主人公浅羽くんの微妙に「分かってない」感じ。晶穂ちゃんの切ない虚勢。浅羽くん妹、夕子ちゃんのお兄ちゃんへの突然のわだかまり。(とりこも言ってたけど「正しい原チャリの盗み方」イイネ!)
イリヤは確かに綾波レイでしたが(私の頭の中では、セリフが全て林原めぐみさんの声で聞こえてきます…)レイちゃんよりちゃんと小娘っぽいとこがめんこいです。水前寺君はまあ、中学生じゃなくなってもずっとああなんじゃないかという気もしますが。(今のところ彼はちょっとスーパーマンな感じもする…。)

先に、「ラブコメ定番」と書いちゃいましたが、イベントは定番、でもエピソードは秋山節としかいいようのないものになってます。フォークダンスもそうなんですが、「下駄箱にお手紙」とかがまたなー。「こう来たかー」って感じの連続です。定番でありつつ、いかに新しさを盛り込むかがラブコメの腕の見せ所、だと思うので、これは正しいというか、少女漫画好きとしても嬉しい限り。
この先、秋山流「定番ラブコメ」としてのありようがどう続いていくのか、どう壊れていくのか(壊れちゃうよね、きっとね)、はらはらと見守り続けたいと思います。


2002/06/30(Sun) ・・・とりこ
「陽はまた昇る」

●佐々部 清監督「陽はまた昇る」/公開中 →公式サイト

タダ券があるから、と誘い出されて観たんですが、そうでもなきゃ行かなかったとは思います。
とはいえ、我々(女子二人)以外、カップルが3組(しかも40代以上)、それで全部。というなかなかな客の入りっぷりでした。公開まだ3週目? これじゃ「ザ・ワン」より空いてるよ…

粗筋は、VHS(日本ビクター)がβ(ソニー)に勝利する物語。
定年間近にして、非採算部門の「日本ビクタービデオ開発工場」事業部長に就いた、技術者あがりの主人公(西田敏行)。大幅な人員削減を命じられるも、上部の圧力に負けず、リストラを阻止。開発を断行して試作機を完成させ、しかし通産省の規格統一でベータが採用になるとの噂が…

「プロジェクトX」の映画版てトコです。実際、予告編では中島みゆきのあの歌が流れてたとか。←本編では、使われてなかった。

素直な話で、思ってたよりちゃんと観ました。結構うるうるしますよ。多少のでこぼこ(火事の時の「10箱」は伏線じゃないの? とか、米国に行ったのはナゼ? とか、全員制服着用なのはその為? とか、女子の制服がスカートじゃないのは不自然なのでは? 他色々)も、西田敏行の熱演でなんか吸収されてしまって、「まあいいか」と思えてしまうのでありました。
どっちが勝つか初めっから判ってる話なんで、見ていて非常にラクでした(アタマ何にも使わなくっていい)。

しかし。
最後の最後、クレジットで「この話はフィクションであり、事実ではありません」とでっかく出すのはちょっと淋しいかも。てか、一気に冷める…難しいなあ。折角実企業名で引っ張って盛り上がってたのに…

「この映画はビデオの話ですが、ビデオではなく、ぜひ映画館で見て欲しいです」(西田敏行談) うん、もうちょっとお客さん入っても良いかも。とは思いました。あと、西田敏行の息子役に樹音、て、どうかな(笑)。客寄せ(?)としてもさ…似てない親子?


2002/06/30(Sun) ・・・とりこ
「MEN IN BLACK 2」

●バリー・ソネンフェルド監督「MEN IN BLACK 2」
→公式サイト

「陽はまた…」から出てきたら、丁度、隣りで先行上映が始まるところでした。
とり 「これ、観ろってコトかなあ?」
A嬢 「そう? じゃあ、観ようか。」

…「ノリで地球を守る男」たちの映画を「行き当たったので、ノリで」観てきてしまいました。てか・こうなるとどっちがメインイベントかさっぱり不明…先行上映キャンペーンとやらで「メン(麺)・イン・ブラック2」(新製品)まで貰っちゃったよ。←カップ麺の。今回は「焦がしニンニクが香ばしい 黒マー油・とんこつ」味だ!

2元々、突っ込まずお気楽に楽しむべき映画だと思います。今回もお気楽で楽しいです。エージェントが二人とも年を食ったなあとしみじみ思いました。1ではかわいかったウィル・スミスのほっぺのあたり、今回はえらくシャープ。クールなトミー・リー・ジョーンズが、今回は丸くなってて立場逆転するんですが、再逆転するあたりがユカイかな。

粗筋は、…予告でお馴染み、エージェント・Kのご帰還です。「帰ってくる」までに結構かかります。いや、登場は早いんですが。
エージェント・Mも出てきます。そうか・彼は宇宙人だったのか…←見た人皆が納得するコト受け合い。

あとは…ビックリなラストが(※安直さに驚く)!例の如くピカッとするのはユカイですよ。そういうんでなくて…こう…脱力するから。

スターウォーズのパロディ他、パロディ映画のパロディ、といったシーンも散見されました。そもそも冒頭、SFのTV番組場面だし。←脚本/原案が「ギャラクシー・クエスト」のロバート・ゴードンと知って納得。自作もネタにしたっぽい? パンフ巻末に、ネタ元考察のヒント? (斉藤守彦)のサービスも。…「マーズ・アタック」の美女と今回の蛇女比較、そりゃ思いつかなかった…。

ヒロイン役のロザリオ・ドーソン、可愛いです! あと、ロッカーの王国のネタはユカイでした。水曜日の戒律とか。
葉巻くわえたエージェント・Fもラブリーでしたよ。

■おまけエピソード
ワタクシは実家住まいなのですが、カバンを替えて出たら鍵を忘れてしまい、なんと締め出されたまま、ドアの外で1時間半、待たされたのでした。
電話かけてもベル鳴らしても気づいてもらえなかった。
家族 「だって、サッカー観てたのよ」
とり 「サッカーに間に合うように帰ったんだってばー!!」
…最後まで予期せぬ展開でした。てか、恨むよ…(涙)


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