2003年2月

2003/2/3(Mon) ・・・とりこ
龍の柩

●高橋克彦「龍の柩」/祥伝社/1989年

「龍」とは何か? 
西洋では悪魔的、一方東洋では聖的象徴とされているのは、一体何故なのか? (※1)
TVディレクター・九鬼虹人は、ある事件の取材を期に、津軽十三湊、長野皆神山ピラミッド、諏訪、出雲と、古代文化跡に「龍」の痕跡を追い始める。
謎を追う九鬼は、仲間を伴い、やがてインドへと旅立ち……

…コレ「SF」なのかなあ?? スケールは超弩級だけど……ううーん、超A級なB級、ってカンジなのですが(なんじゃそりゃ)。

ちなみに、各章タイトルはこんな具合。

・プロローグ
・津軽
・飛竜眠土(ピラミッド)
・信濃
・龍神
・出雲
・奔流
・ノア
・シヴァ
・モヘンジョ・ダロ
・アナトリア
・アララト
・エピローグ

一目瞭然な、この字面……日本各地のオカルト巡りからスタートし、国外までスケール拡大。そして地球規模、最後には宇宙規模へ発展しちゃうのだ。
デニケンの宇宙考古学(※2)をベースに、世界各地の竜伝承を絡め、古代文明史に新解釈を与えてしまう。オカルトなんだけど、歴史的新解釈がなされてしまう。もう、とにっかく、力技なんであります。

…けどワタクシにとっては、コレ、人生におけるキーブックなのです。ハハハ。クラシックな「名作系」と同時期に読んで(※3)、でも当時はイワユルマジメな本より「傾聴に値するかも」なんて思ったりしました。
例えば、「歴史的資料は、当時の君主に都合いいように(時には改竄を厭わず)書かれてあるから注意(※4)」みたいな視点がある。
今じゃ常識化してますが、1990年頃は、こういうのワリと大胆だった。て気がします。で、そういう「新しいものの見方」を、敢えて娯楽作品で使ってる、てのも、高校生だったワタクシには痛快でした。マジメにマジメなことされるより信用度高い、というか。
それに、名作とか文学とか、いわばゴハンみたいなもんでしたが、ニンゲン、ジャンクフード食べたいじゃん。しかも高校生だよ。「B級」「悪食」を憶え始める時期でもあったし。

※1…とも限んないけど、まあまあ・ここはおいといて。

※2…太古の地球にエイリアンが訪れ、人類の基となったとか知恵を授けたとか。ナスカの地上絵やエジプトのピラミッドとか古代遺跡にその証拠がどうたら、とかそういうアレ。

※3…当時、「新潮の百選」を潰し中だった。

※4…権力者による(歴)史書の編纂は数多行われているが、「覇者たる自分の正統(正当)性、後ろ盾の強化」等、政治的腹蔵を孕む場合が多い。と高橋氏は仰るのでした。
ごモットモ。てか、ワタクシが君主であれば、都合悪い部分は都合よく修正したい。書く側だったら(レジスタンスに燃えそうな気もするけど)適度におべっか使うかも、とも思うし。
「資料読むときはそこらへん考えて読め」と高橋氏は、真剣に熱烈に、我流の解釈を正当化なさるわけです。曲解だとしても、考え方自体には一面の真実隠れていそう、そう思わざるを得ないじゃん。

この本の中に、例えば嘘が100個あるなら、そのうち1つくらいはホントが混じってるんじゃないか。もし、結局全部嘘なんだとしても、誰もここに書かれたウソを100%「ウソ」だとは、断定できない筈で、なら、それを敢えて支持するという選択肢もありじゃん、なんて思ってた。
→ヒトはそれをかぶれると呼ぶ。 つまりかぶれていた。そしてその後、こんな風に育ってしまったわけですが(うーむ)。

高校生時代のハナシ。当時のワタクシにはその位衝撃的で、破壊力がありましたのよ。

とか書くと、なんだかカタイ本みたいですが、リーダビリティは超・高いです。てか、いっそ、誰か漫画化しちゃえばいいのに…(10年ホド、ずっとそう思ってるのでした)。

2003/2/5(Wed) ・・・とりこ
「ガメラ4<完全版>・真実」上映会 ミニレポート
自主制作特撮映画「ガメラ4<完全版>・真実」
上映会 ミニレポート

2003年1月31日(金)於・中野ZERO視聴覚ホール
制作・監督:落語家・林屋しん平(→公式HPshinpei.net
友情出演(※大迫役):蛍雪次郎
ゲスト:木原浩勝、若狭新一、ホカ

「ガメラ3のラストには納得がいかん! 何故続編がないのか?! …いっそこの俺サマが、この手で撮ってやる。ホントウの、ガメラの戦いというものを…!!」
…こうして林家氏は、特撮映画の自主制作、という禁断の世界に踏み入ることとなったのでした。(?)
熱く燃ゆる怪獣魂を胸に、監督自ら、怪獣の着ぐるみ&ギミック(ガメラ、ギャオス)を、全て、手作りで制作。時に塗料のカホリにウットリしつつ←(※)、絵コンテを切り、不肖の弟子・カズオくん(?)に無理難題を押し付け、CGの人材をネゲットし(??)(注:人材=男性)、慰問で訪れた自○隊富○駐屯地の某方に協力を仰ぎ、八面六臂の大活躍…

※…溶剤がトルエンなんだとか。

昨年9月に、新宿「ロフトプラス1」で上映した試写会版に、更なる磨きをかけ、併映も2本追加(「とっとこミニマムズ」及び、メイキングフィルム「プロジェクトX〜ガメラへの道」)。より一層「ホンモノらしく」なった「完全版・ガメラ4」が、ついに、ここに…!

フィルムの粗筋。
新たなギャオスの誕生が確認された。アルビノ、変種だ。ガメラを失った今、我々はどのようにして、あの白いギャオスに立ち向かえばよいのか。
ガメラの復活、東京を舞台に繰り広げられる、ギャオスとガメラの激しい死闘。
「プラズマの照準をガメラにセット」「違う、違うんだガメラは敵じゃない」「復唱します。プラズマの照準をガメラにセット」「やめろ、やめてくれええ!」(※スミマセン、うろ覚えかも))

CGを駆使した空中戦の果て。
日本列島は壊滅的な怪獣被害を受けるのだった……

そりゃ、「プロの作品とは異なる目で見てね」(林家氏・談)って部分は、あります。
でも、例えば、お一人で全CGを担当された、福岡の某氏の、地味ながらも切実な苦労譚(「毎夜22時ごろ帰宅して、3時くらいまで頑張って、寝てる間中レンダリングかけて、朝チェックして、出かけてる間もレンダリングかけて、帰ってきたらチェックして、また作業……ってのを延々数ヶ月」…)、「ガメラの甲羅は、コンビニやスーパーで貰った段ボールに、特殊な絵の具を3回アツ塗りして作りました」といった、着グルミ制作の詳細話、うわあこの人たち、なんて楽しそうで、面白そうなんだろう! 

コドモには敵わないオトナの行動力で、しかし小学生とタメを張れるようなワクワクと集中力で、私財と余暇を熱烈に注ぎ込み、力の限りを尽くし、全身で、全力で、フラフラになって倒れるまで、ただただひたすらに、力いっぱい遊んだ!! という様に、一体どうして、ココロ動かずにおれましょうか。

てか、「力いっぱい遊ぶ」のって、実は、結構ムヅカシくない? とワタクシは思うのです。徹底的にやれるか、というと、そうカンタンにはうまく行かない(ナニ言ってるか判るかな、判るよね…)。上映後のトークイベントでも、飛び入りゲストの発言を受け、司会の木原氏が「完成した、そのことが、先ず凄い」と仰っておいででした。

撮り終えて得意満面の林家氏、及びスタッフ一同のお姿は、そんなわけで、たいへん清清しさに溢れておいでなのでした。うわあ、羨ましーい!


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