「新世紀SFの想像力」ハヤカワSFシリーズ Jコレクション刊行記念フォーラム
(主催・早川書房/2002年10月31日 於・新宿紀伊國屋サザンシアター)


◆はじめに

去る10月31日、新シリーズ「Jコレクション」創刊を記念して、早川書房主催の講演会が開催されました。
同シリーズ収録作家を中心に、豪華ゲストが13名。「これほどの規模(しかも無料)のイベントは、勿論初めてですし、最初で最後…かもしれない」(S-Fマガジン編集長) とのこと。
上京中だった、サイト管理人相方のイカちゃん(山名沢湖)と、「とりイカ」揃って行って参りました。当日の様子をちょっぴりご報告いたします。

※ちなみに、イカちゃんの当日の日記→ココ


◆会場到着

イカちゃんと、新宿で待ち合わせしました。とりあえず、イカちゃん元気そうでホッとしました。秘蔵のスカート(初めて拝見)はウワサ通り可愛かったので誉める。ベリキュー! イエー。

歩きながら「(当日のワタクシのいでたちを、まるで女子高生のようだ、等とイカちゃんが言うので)ある程度、年いった女子がセーラー服着るのが犯罪なら、ある程度年いった男子が学ランを着るのは、犯罪かどうか…」とか考えてた。

道に迷いました。

※イカちゃんの短編に『迷子になる』という作品がある。マジで。←人のせいにすんな。

でもまあ、紀伊國屋到着。エレベーター前で「ハリポタ4売切れ」の貼り紙を発見。手書きポップ(というのかしら…)に「ハリーのトリコ!」と書いてある。「ノーリー」に見える。とか言ううち、エレベーターの中で先日DASAでご一緒した、「ねこち」様に遭遇。
「笙野頼子仲間」とイカちゃんに教える。言い忘れてたけど、牧野修ファンでもいらっしゃいます。スバラシイご趣味だ…(いやまったく)。

会場ロビーで、現在山梨県にお住まいの筈のK林氏にお会いする。
とり:「?! 山梨からいらしたんですか?!」
K林:「…ハッ・まあね。当然でしょう」
スゲエ…。


◆オープニングアニメ
■DATE:制作・監督…西島大介/4分20秒/音楽…宮崎貴士「オズマ計画」

そう、このフォーラムはOpアニメつき、だったのでした。主役のロボ人形は、ハヤカワ「HOT HIT 100」キャンペーンのマスコットキャラクター。人気イラストレーター西島大介氏の制作・監督で、アニメといってもセル画ではなく、ロボ人形をコマ撮りしたもの。制作日数は僅か5日間だとか…。

冒頭、宇宙空間、ラストのお昼寝、ラブリーでした。ロボがバラバラに分解していくくだりは、結構ショッキング(と思った)。
今後、全国の一部書店でも、Jコレの販促に使われる予定だとか。
途中、ちょっと長いなあというか、真中はもちょっと短くてもいいかな、という気がしました。←アニメ詳しくない癖にエラソウですね。スミマセン。

※宮崎貴士氏=岸野雄一バンドのメンバーだそうです(当日配布のチラシ情報)。


◆早川社長による挨拶

時代がSFに追いついた、とか、新シリーズ創刊に当たっての抱負とか。
個人的には、最もオドロキの企画でした。
だってまさか、早川の社長のお姿を、ナマで拝見する日が来ようとは…


◆第1部「最先端科学とフィクション」

「2001年宇宙の旅」テーマ曲と共に幕が上がったのでした。文字通り、幕が上がったのです。壇上の。ジャジャーン、でするするって。……笑うトコかと思ったのに、誰も笑わないのでした。何故…(←不謹慎モノ)

「あっ、でも、今年ってもう2002年じゃん。」←聞こえないフリ。

壇上には左から、S-Fマガジンの塩澤編集長、野尻抱介、小林泰三、林譲治、平谷美樹、菅浩江、神林長平の各氏。
「早速ですが、時間がないので。」。
という塩澤氏のスピーディなリードで対談に突入しました。

:最先端科学を小説に取り入れる理由、スタンスは?

野尻: なるべく新しいものを使えば、ネタがかぶらなくて済む。
小林: 先ず世界ありき。整合性のために科学。
林: 大体、そもそも先端科学は面白い。自分にとって面白いものは、他の人にとっても面白いんじゃないかと思うので…
平谷: 科学は、添え物ですね。どのくらい書くとリアリティが出るか考えつつ書いてます。
菅: 恥ずかしいようなものを、SFにすることで極限状態を作って、あからさまに書いちゃうのがシュミでございます。
神林: 方法論としてSFを使ってる。ボクはね。
塩澤: 神林さん、リハーサルと違いますけど。

神林: 「…ボクはね、昔から考えているのよ。物質を構成する最小単位である素粒子、これは、ホントウに一つ一つ同じで、置換可能なのだろうか。素粒子に、個性があったらどうだろうか。
その状況を可能にするには、名前をつけるって方法が考えられる。これは外から見た場合…他に、素粒子自身が自己主張する、という内側からの場合も考えられる。
このどちらかの状況を科学的に説明できれば、おもしろいじゃないかと。」
塩澤:「これ、ダレに話ふればいいんですか。じゃあ、野尻さん」
野尻:「…ええと…名前……見分ける為の名札、とすると、それ作るのに素粒子が要りますよね。…とすると、結局倍倍ゲームになってしまいますし…」

(一同が、困る。)

…6名で1時間ではあまりにも短く、発言が、わずか数周したかな…という間に、もう、締めとなってしまうのでした。早!


◆「闇を娶る」

脚本:牧野修、朗読:北野勇作、サックス:田中啓文。ユメのトリオによるマボロシのセッション・もとい「隠し芸の披露」。
…こう、聴衆の、色んなトコロを痛くする(耳とか胃とか…ココロとか)たいへんデンジャラスな出し物でした。…キケンすぎる。いや危なかった。ふう。客席に緊張を強いることはなはだし。あの中で居眠り(又は中座)できたら尊敬します。色んな意味で、もう誰も身じろぎすら出来ない……

舞台のお二人のご様子を一言で表現すると、…ええと…、ああ!
「ヤブレカブレ」。
はう!(脇からはたかれる)……ええと、この音量なら、マイクは、不要なのでは。 と、幾度も、思いました。


◆休憩時間

定員にまだ余裕が…との噂も耳にしていましたが、蓋を開けてみれば、結構な人出。というかほぼ満席のようでした。パネリスト以外の作家諸氏や業界関係者も、大勢お見かけしました。そもそも前方四分の一くらいが「関係者席」として確保されてました。
「あっ…あそこ。ほら、ミーコちゃん」「あの人、もしかして…」云々。

東浩紀氏もおいででした。オレンジの縞縞セーターと、お揃いの縞縞帽子をお召しでした。奥様がご一緒でした(初めてお姿を拝見したワタクシ)。…ご自慢の奥様は、可愛い帽子を被った、たいへん、可愛らしい方なのでした。……ガックリ。…ちぇ、ワタシも冬帽子買ぅ……。←買え買え。


◆第2部「想像しえないことを想像する」

今度はロック音楽に合わせて幕が上がりました(※1) 。SF映画で統一かな、と思ってたのですが…この曲もSF映画で使われてたりするのかな??

第1部同様、左端に塩澤編集長、そして北野勇作、牧野修、佐藤哲也、飛浩隆、高野史緒、田中啓文、山田正紀の各氏。
同行3人の真中に座っていたワタクシは、左右両方から「田中啓文がオチの位置に…!」と囁かれてしまう罠。アナタ方そんなに田中啓文がおスキですか。ワタクシもですぜ。てかとりこ家なんか姉弟で愛読だぜ。どうだ・参ったか!(なにがじゃ)

<‐‐‐以下・工事中‐‐‐>(※2)

山田正紀氏による「総括」は、素晴らしかったです。

山田: つまり、世界と自分との向き合いかたというのを、皆さんそれぞれ模索していらっしゃる。それぞれがお持ちのリアリズムを材料に…。ダジャレはおいときますけど。
牧野: 世界と向き合ったときの違和感、不安感が先に来る、というあたりが、第1部と第2部の違うところですかね。
塩澤: では、ダジャレと世界の関係について…
(沈黙が流れる。)
塩澤: …リハーサルで、仰ってましたよね。田中さん。
田中: イイエ?

:では今後、世界とどうつきあっていくのか。次作構想含めお願いします。

北野: え? 僕はいままで締め切りアリの仕事って、一度もしたことナイですけど。
牧野: やらなくてはならないシゴト。を。やらなくてはならないなあと。
…そういうツライ話を。した方がいいですかね? 
佐藤: 先週、指を怪我しまして。治るまで暫くキーボードが打てない、と。
飛: 完成している作品は、ありません。書きかけの作品も、ありません。
高野: プラトン的なものを求めずにいられない人間というものを書いてみよう、書くことになるのでは。と、思っています。
田中: 落語のDVDを。ダビングするのに忙しくて。小説書いてるヒマ。ないです。
山田: ボクはもう年なので…書けるものを書いて逃げ込む。ということで。

「今後世界とどうつきあっていくのか」という塩澤編集長の問いかけは、なんだか詠嘆にも聞こえてしまったり。(※幻聴かも) …編集長って、タイヘンそうだなあ。

※1:「I love Rock'n'Roll」だそうです(@おおたさま
※2:スミマセン。ちょっと力尽きました。暫くしたら書き足す…かも。
てか、U-kiさまのレポートが詳しい&スバラシイので、どうぞそちらをご参照下さい。


◆エンディング

舞台のカーテンコールの如く、作家諸氏13人ズラリ揃って挨拶、というエンディング。その内のお二人が普段着であることは(セッションの際に)既に見知っておりましたが、自然、それ以外の作家諸氏の衣装に注目が集まるのでした。

そして、神林氏が第1部(イワユルハードSF)の、トリの位置においでだった根拠も、ココで明らかになるのでした。アレって伏線だったのか…!(違)

※当日の神林ファッション:黒の皮ジャケット・黒のビニールパンツ・黒ブーツ。イコール、当日ダレよりもハード(な服装の)SF作家…


◆終わりに

アットホームな(言い換えれば、かなり内輪感の濃い)印象でした。でも、思い返すにワタクシは、当日、おおいに楽しんだのでありました。キチンと「正しく」楽しんだか、は、…自信ない…ような気もしますが…

第1部第2部共に、あまりにも時間が足りなかったように思います。折角ですので、もう少し突っ込んだお話もお伺いしたかった…でも、アコガレの作家諸氏がおいでというのは、ヤハリ、それだけで「豪華」でした。楽しかったです。

それだけに、恩田陸氏のご欠席はたいへん残念に思いました。「最初で最後」でなく、今後もまたこういう催しがあればいいな、と思いました。



◆このレポートは、ヤマナととりこの読書交換日記「とりイカ」の1コーナーです。
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