つれづれなるマンガ感想文7月後半

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一気に下まで行きたい

・「スーパージャンプ」16号(1999、集英社)
・「ヤングチャンピオン」16号(1999、秋田書店)
・「週刊ポスト」8月6日号
・「鉄火の巻平」(2) 原作:大林悠一郎、劇画:たがわ靖之(1978、芳文社)
・「右手の女神様」 湯河原あたみ(1997、桜桃書房)
・「COMIC隷嬢天国」(1996、桜桃書房)
・「早川さんとあそぼう」 乙川霞月(1995、青磁ビブロス)
・「ザ ヒストリー オブ ザ ワールド パートゼロ」乙川霞月(1997、青 磁ビブロス)
・「グラップラー刃牙」(41) 板垣恵介(1999、集英社)
・「ヤングマガジン アッパーズ」(現在売りのもの)
・「別冊コロコロSpecial8月号」(1999、小学館)
・「秘密警察ホームズ」(4) 原作・立神敦、作画・犬木栄治(1997、小学館)
・「秘密警察ホームズ」(3) 原作・立神敦、作画・犬木栄治(1997、小学館)
・「パチンカーワールド」8月15日号(1999、白夜書房)





・「スーパージャンプ」16号(1999、集英社)

・「マーダーライセンス牙&ブラックエンジェルズ」(前編) 平松伸二

今号の目玉は、なんといってもコレでしょう。こういうの、燃えますよね。古くは「デビルマン対マジンガーZ」の頃から……(表記逆だっけ???)。
日本に大量に銃が蔓延したことから起きる事件に、牙(……で名前いいんスよね?)雪藤が挑む。
雪藤がナニゲにヒモかなんかやって生活しているところを見ると、「ああ、生きてたんだなあ」ってなんか泣けてきちゃいますよ。

「たそかれの夢」 巻来巧士

本誌を毎号購入しているわけではない私にはイマイチ話が見えないんだけど、なんだか「ゴッドサイダー」みたいな妖怪モノ。「たそかれ」っていうのは妖怪のコトらしい。いずれまとめて読まねば、と思わせる作品。

「開運同盟 Ange Passe(あんじゅぽっせ)」 富沢順

今回で第二回目。第一回目を読んでいないのでイマイチ話が見えないんだが、「先見(フォーサイト)」という一種の予知能力を持つ占い師の美少女・杏珠(あんじゅ)と、彼女のボディガード? を引き受けることになったチンピラっぽい男・ツナヨシのコンビが事件を解決する……ような話らしい。
今回は、「決められたレールの上に乗りたくない」と感じた女子高生がインターネットの爆弾サイトを見て父親の悪事を暴くために爆破させようとする、という展開。

そりゃ富沢順ですから、「一本スジの取った不良のポリシー」と、まっとうすぎるくらいにまっとうな生き方をテーマに打ち出しているんだけど、ヘタに「制服少女たちのうんぬんかんぬん」なイマ風の理論を展開するよりはオッサンの私にはよほど気持ちイイ、納得のいく展開でした。
聖女の杏珠とあわよくば金儲けをたくらむツナヨシのコンビ、ってのもナイス。

「DESIRE」 小谷憲一

ハイクォリティエッチな男の願望充足マンガ。今回は幼稚園の先生にと〜ってもイイ意味での性的いたずらを受けるという展開。

「狂四郎2030」 徳弘正也

コレも断片的にしか読んだことがないんだが、毎回つい読んでしまうテンションを持つ作品。いずれまとめて読みたい……。

「人事課長鬼塚」 渡辺獏人

会社で悩んでいる人に手をさしのべてあげる、コワモテ課長鬼塚を主人公とした1話完結のサラリーマンマンガ。これも断片的にしか読んだことがなくて、そのたびに結局「性善説」にのっとった結末。「そんなわけないだろ」と思いつつも、つい「そうあってほしい」と願ってしまう。それほどまでに世知辛い現実の会社社会。オソロシイ。

「竹田副部長」 とがしやすたか

私はとがしやすたかのマンガが好きだ。何より、4コマ目のツッコミの言葉がイイ。
「ヤングチャンピオン」のところで書き忘れたけど、同誌に連載中の「わがままみっちゃん」もおもしろいス。(99.0730、滑川)



・「ヤングチャンピオン」16号(1999、秋田書店)

まずグラビアは「赤坂七恵」というコ。
この写真を見る限りカワイイじゃねーか。

この小悪魔!!

・「松田優作物語」 作:宮崎 克、画:高岩ヨシヒロ

ドラマ「探偵物語」編。もともと旧来のハードボイルド路線を要望していた制作者側の意図に反し、徹底してコミカルなキャラクターづくりをする松田優作。「こんなのちっともハードボイルドじゃない……」頭を抱えるスタッフだったが、松田優作演じる工藤俊作はカッコよかった。

「ハードボイルドはもう古い! これからはハートボイルドの時代ですっ!」
という脚本家丸山昇一の言葉どおり(作中では山口剛プロデューサーの言葉になっている)、「探偵物語」は現在見ても(この間再放送で見たの)、20年も前の作品なのにまったく古さを感じさせないものとなった。……というところを本作はおさえているところがウレシイ。
それは松田優作が役づくりに新境地を見いだしたいということもあったのだろうけれど、スタッフの間にある種のカンのようなものもあったに違いない。

……って、こっから先はドラマ「探偵物語」の話になっちゃうんだけど、コミカルで、物事を真剣に考えていなそうで、でもキメるときはキメる。この「一見ふまじめ」なカッコよさは、まさしく眉間にしわ寄せた「ハードボイルド」とは違ったカッコよさを提示した。陳腐で申し訳ないが、「軽薄短小」な世の中にフィットした、と言えるだろう。

でもその後はどうなんだろうか。私はドラマや映画のことはよく知らないが、80年代に入り、工藤俊作的なコメディキャラクターすら居場所がなくなってしまったように、あくまで個人的な感覚としては感じる。
すなわち、工藤俊作は(テレビドラマにかぎって)ハードボイルドの尻尾をひきずりつつ、軽薄な面も持ち合わせた70年代と80年代をつなぐミッシング・リンクだったのではなかろうか。その後、時代は「ひょうきん族」大ブームになり、怒濤のナンセンスとトレンディドラマに席巻される(ように、私には見えた)のだから。

同じように、「ダイターン3」の波瀾万丈も細々としか出てこなくなり、ルパン三世はドラマとしては「カリ城」で終わってしまった。そして時代は一周して「カウボーイ・ビバップ」「オースティン・パワーズ」になる、ってのは少々うがちすぎかな。

・「エイリアン9」 富沢ひとし

こっちの世界と少しだけ違う世界(近未来?)の、飼育係のようにめんどくさがられている「エイリアン対策係」に任じられた少女の物語。
これがなかなかどうして一筋縄ではいかぬ展開で、ひさしぶりに読んだんだけれども、お話を完全に把握できていなくても、何かワクワクハラハラドキドキするマンガなのだ。
そして、コレはチャンピオンの「グラップラー刃牙」、「満天の星」、「どうぎんぐ」などと少しだけ共通する感覚だと思う。編集部がそういう方法論を掴んでいるのか。偶然か。私の深読みのしすぎか。(99.0728、滑川)

……まあ、むかしチャンピオンでやってた「備前屋十兵衛」(富沢ひとし)を間に挟まないと、そんな発想ヘンか。



・「週刊ポスト」8月6日号

・「職の狩人(マタギ)【創仕労】群像 リストラの太陽」
  第1話「背広を着たホームレス8」 作:ケニー鍋島、画:長尾ともひさ

「『創仕労』とは、人として生きるための仕事とは何かを追求し、自ら仕事を創り、労、つまり自分のために働くことを意味する造語です」とある。チョコチョコとしか読んでいないので物語の全体像をイマイチ知らないのだが、とにかくリストラにあったサラリーマンがホームレス生活をする話。
この「創仕労」という概念に興味をひかれた。福利厚生施設華やかなりし頃や、学生時代ならいざ知らず、リストラにあった中年男性が、「自分のために働く」ことをテーマにしたマンガだとしたら、ちょっと興味をひかれるじゃありませんか。(99.0728、滑川)



・「鉄火の巻平」(2) 原作:大林悠一郎、劇画:たがわ靖之(1978、芳文社)

根性寿司マンガ。腕のいい寿司職人だった亡き父の後を継ぐべく、父の職人仲間だった興兵衛の元に弟子入りし、厳しい修行に励む巻平。2巻では海苔の選定から父栄蔵のあみだした「盛り込み」(寿司の盛りつけの方法)華厳くずしで寿司コンクールに出る巻平が描かれる。
そして巻平の出生の秘密をめぐっての父栄蔵、師匠興兵衛、「蛇の目傘ずし」の親方との人間模様。

実はあまりに膨大なために、グルメマンガパチンコマンガにはあまり手は出さないと決めていたのだが、ひょんなことから読むことに。
厳しい親方、意地悪なヨソの店の寿司職人、影ながら見守るカワイイ親方の娘、芸者衆、そして過去の因縁ばなしが展開されていく過程は「梶原一騎文法」といってよく、その物語類型の「強靱さ」に思いをはせるとともに、「将太の寿司」の前に「鉄火の巻平あり」ということはマンガ史にとどめられていいんじゃないかと思いました。
いっそ全部読みたいのだが、確か何回か再刊されているので、どれで読むかは迷うところだ。(99.0726、滑川)



・「右手の女神様」 湯河原あたみ(1997、桜桃書房)

成年コミック。タイトルから「おしかけ女房モノ」かと思っていたら、違っていました。

タイトルは単行本全体に付けられたものらしく、表題作はナシの短編集。

「青い三角定規」ほか数編は、「エヴァ」のシンジくんモドキ・松戸とカオルくんモドキ・川崎のホモホモ関係に気の強い女の子・花月園がカラむ。

「オマージュ!」は、厳しいミッション系の学校のシスターと女生徒と男の子の三角関係を連作短編で描く。

本作に限らず、「シスターもの」というのは某教になじみがない私にはどうも背景がわからず、すなわちタブー度やリアリティがわからなくて個人的にアレなんですが、この作者の描く女の子はスラッとしててシャープで、キャラクターのポーズや構図なども大胆にビシッ、ビシッと決めていく感じで小気味いい。

基本的に、気が強くて元気な女の子を描くのが得意なヒトようだ。(99.0726、滑川)



・「COMIC隷嬢天国」(1996、桜桃書房)

成年コミック。調教モノのアンソロジーなんだけど、ゾイドさんのところでよく紹介されている「ゴブリン」という人のエロマンガ(読みきり:「中出し奴隷ちゃん」)、初めて読んだんだけどなんだかスゴイ。
「エロマンガでスゴイ」っつってもいろんな表現があるんだけど、滑川&新田的な表現を使わせていただくなら平日チックにスゴイ」ね。

中学1年生の女の子2人がセンパイたちに輪姦されるというハナシなんだが、サラッと読んだだけでは、これが陵辱なのか、女の子の覚悟の行為なのか、女の子がイヤがっているのか、ヨガっているのか、さっぱりわからない。
しかもラストは「母親もインラン」というギャグオチで、どこに着地点を見いだしていいのかわかりません。絵は女の子以外、男性キャラクターはなんだか 「新田たつお」みたいだし。いえ、個性がないよりはよっぽどイイんですが。かといって、ヘタというわけではない。おとしどころがわからない多面的なマンガ、名実ともに「平日マンガ」であります。

コラムでは「絶版おふれ書」が面白い。
どうやら毎回「絶版になった名作の復刻を!!」と訴える? コーナーらしいんだけど、今回取り上げられている桜多吾作の「グレートマジンガー」と「マジンガーZ」は現在すでに復刻されているし、単にリアルタイム読者が成長して送り手になったから、というコトもあると思うが70年代〜80年代マンガの再評価がいたるところで「胎動」していたことの傍証になりはしませんでしょうか。
(99.0724、滑川)



・「早川さんとあそぼう」 乙川霞月(1995、青磁ビブロス)

成年コミック。カラフルBee連載。
たった一人の肉親であるが病死してしまった女子高生・芦田明日香
彼女は、兄の親友である「早川さん」(注:男)と暮らすことになる。ヤルことはヤってるが、義理の妹のような恋人のような中途半端な関係が続く、その日々を描く。

私は乙川霞月の描くロリな女の子と、ラブコメちっくな展開がキライではない。
ラブコメぎらいの滑川としてはめずらしいことである。
「早川さん」は明日香の兄に強烈な友情と義理を感じており、そのために明日香をひきとった。その後、早川と明日香の中途半端な関係に観月という会社の新人OLがからみ、三角関係となる。

「亡き兄」というファクターで明日香と早川がつながっているのなら、いっそのこと早川を「両刀」にして、明日香のライバルを「存在しない兄」にしてしまえばよかったかもしれない。その方が展開にムリがない。……というか、そもそも「死んでしまった親友の妹をひきとる」という初期設定をムリなく活かすにはそれ以外ないように思う。でなければ、基本設定がただ「女子高生と同居する妄想」のためだけ、ということになってしまうからだ。
まあ外野からの余計なタワゴトかもしれませんが……。

なお、早川の「浮気相手」、「観月」という女性はめがねをかけている。かつて「めがねを取ったら美人だ」と恋人に言われたことがあるが、
「今思えば本当の私を見てくれなかった証拠だったみたい……」とつぶやく。
彼女にとっては「めがねをかけた自分」が愛されることが、「本当に愛されること」だったのだ。
「めがねを取ったら美人に、ハッピーに」という図式はそれほど多くない、という説があるが、本作もまたその仮説を追認することになった。

また「早川さん」と「明日香」は言うまでもなく「快傑ズバット」から。以上蛇足。(99.0623、0724、滑川)



・「ザ ヒストリー オブ ザ ワールド パートゼロ」乙川霞月(1997、青 磁ビブロス)

成年コミック。短編集。
ほとんどがたわいない、ストーリーもあってないようなお話。ラブコメちっく展開のものも、「あと一歩」踏み込みが足りないように感じた。ただし絵はとってもカワイイ。

本書の短編中では、「つながってたいの」がイイ。
理代子という彼女がいる少年・。ある日、自室の電話にかかってきた名乗らない少女が、自分を好いていると感じる。なにしろ、森の声に感じ、テレホンセックス(オナニー?)しているらしいのだ。
たびたびかかってくる電話から、声の主がおとなしいクラスメイトの「紺野さん」ではないかと思うが、確証はつかめない。

「謎の少女」の感触を楽しむ森。ある日自宅で理代子とのセックスの最中、また「謎の少女」から電話がかかってくる。そして理代子と「つながっていながら」、電話口の「少女(紺野さん)」の声でイッてしまうのだった。

積極的で森にもベタベタしない、カラッとした理代子と、好きな男の子に声もかけられない、電話で自分の名を名乗ることもできない紺野。理代子と「普通の恋愛」をしている森は、いつしか紺野かもしれない「電話の少女」にひかれていく。

……よくできている。しみじみ。(99.0623、0724、滑川)



・「グラップラー刃牙」(41) 板垣恵介(1999、集英社)

地下闘技場トーナメント編のクライマックス。
刃牙ジャック双方とも今まで戦ってきたライバルたちの必殺技を会得、繰り出していく。
定番とはいえ盛り上がる展開だ!!

この単行本では、刃牙の彼女? のセリフ:

「イチバン強いから何なのよッ
イチバン強かったらどうだっていうの!?
殴って蹴って傷つけてッ
自分が一番なりたくない姿に相手をさせて
自分は一切の痛みを感じることなく
それを観てみんなで大喜びッッ
あなたたちは大馬鹿よッッ」

が浸み入るなあ。

コレは選手へとも観客へとも取れる、ちょっと中途半端な物言いだけど、まあ比重は観客批判だよね。そういう「場」を成立させている観客の空気への抗議。
そう、システマティックに動いている格闘家に比べ(対戦相手をなぶりものにでもしないかぎり、格闘家は残虐行為をしようとしているのではなく、マシーンのように敵を倒すことを考えているだけだから)、「やれやれ〜ッ!!」なんて無責任にヤジを飛ばす観客こそ、より残虐であり、無責任な大馬鹿なのだ。

でもみんなそれを自覚しつつ、それでも観ずにはいられない……。
それが格闘技というものだと、個人的には解釈してる。
(あ、マンガでなく実戦の場合は、興業サイドでマジでケガ対策などもしておいてほしいスね。)(99.0723、滑川)



・「ヤングマガジン アッパーズ」(現在売りのもの)

「コミックバーズ」がなくなってしまったために、いくつかの作品は他誌へ
引っ越した。
で、「餓狼伝」はアッパーズに来た。

新雑誌になったという意気込みからか、初回からとにかくスゴイ。
盲目のレスラー? 登場。生まれてからほとんど涙を流したことがないという不気味な男だ。こいつがグレート巽(猪木がモデル)とヤるらしい。

この盲目のレスラー? の過剰さ、餓え、それらの表現がスゴイ。
読んでいて呑まれてしまう。

コミカライズ「餓狼伝」は、原作者の夢枕獏板垣恵介の「イイ関係」がそのままマンガに反映されている。
滑川ぐらいの世代だと大いに考えさせられるところのあった、原作を大幅に逸脱した、またはテキストに新解釈を加えた、またあるいは忠実に物語を展開しつつ、作家の個性を出した、そんなスリリングなコミカライズがかなり過激になった状態をコミック版「餓狼伝」に見ることができる。

そういう意味で原作「餓狼伝」に当たることは、「原典をチェックする」以上の意味を持つ。これはすでに原作版とコミック版の「戦い」なのだから。
また多少コミック版の方が原作とは何の関係もないストーリー展開になったとしても、それがどのように「餓狼伝的」なるものへ昇華していくのかを、我々は見守らなければならない。

そんな、通常マンガを読むという体験以上のスリルを味わうことができる。
それがコミック版餓狼伝と原作との関係だ、と思う。(99.0723、滑川)



・「別冊コロコロSpecial8月号」(1999、小学館)

実は本当にひさしぶりの購入なのだ。
だが別冊が必ずそうであるように、実験的色合いが強く、かつての……私がリアルタイムで読んでいた頃の、よい意味で方向の定まらぬコロコロのニオイがする。

・「電撃! ピカチュウ」(おのとしひろ)
とにかく出てくる女性がメチャエロである、という点がポイントのひとつであり、大胆にアレンジしたカスミにラブラブだったのだが、アニメの人気が定着してからカスミの髪の色やコスチュームが統一され、また過剰にエロエロな身体つきにするのはやめたようである。非常に残念だ。
だが、なんだかんだいってもおのとしひろは絵がうまい。

・「カスタムロボ」(こしたてつひろ)
64で発売予定のゲームのストーリーをコミカライズしたもの。
全長30センチのロボット「カスタムロボ」を操り戦わせるロボバトルを描いたマンガ。ありていに言って「プラレス三四郎」な内容である。
でもま、「ニューホビーマンガ」のワクワク感は伝わってくる。

・「爆転シュート ベイブレード」(青木たかお)
ゲームボーイ用ソフト「次世代ベーゴマバトル ベイブレード」のコミカライズ。「ベイブレード」という新手のベーゴマでバトルするタカオら少年たちの姿を描く。
ベイブレードの極意を教える、ニンジャみたいなヤツがグーだ!!

その後、実際の「ベイブレード」が存在することを確認。これだからオッサン(自分)はのォ(^_^)。しかも「おはスタ」の「おはスタ番長」を見て知ったという流行遅れ人間が私だ!! ゴメンゴメン。(7/22)

・「つるピカハゲ丸21」(のむらしんぼ)
なんとあの「つるピカハゲ丸」が復活。しかもすべて21世紀ネタ、未来ネタだ!!

「未来派ギャグの決定版!! 21世紀も超セコイ!!」と言われたら、もう何も返す言葉がナイ。

・「超速スピナー 外伝」(橋口隆志)
話題のヨーヨーマンガの外伝。りあん(ヒロイン)とラブラブになろうと、「ヨーヨー肝試し」を避暑地で開催する弁慶のたくらみ。
りあんがとてもカワイイ。まあ「モデルはエヴァのアスカ」ということは小学生でもわかっていると思うが、それでもこれくらいの年頃の女の子のボキボキした感じがよく表れていますな。
内容も、外伝らしくすっとんでてイイ感じ。

・「熱血! どリトル先生」(徳島早苗)
ものすご〜く小さい(ミクロマンくらい)がマッチョな熱血教師・どリトル先生の活躍。このように、なんのタイアップもないマンガがガッチリ載っているのを見ると、かつてちゃんとした読者対象として(笑)、自分がコロコロを買っていたことを思い出しますよ。

・「GO! GO! ピット」(わたなべたもつ)
チョロQマンガ。今回で最終回。非常に残念である。
まさか体感ホビーは下火、なんてことはないだろうね??? (99.0721、滑川)



・「秘密警察ホームズ」(4) 原作・立神敦、作画・犬木栄治(1997、小学館)

コロコロコミック連載の1話完結形式推理マンガ。

「ハッピーバースデー」、「放火」、「凶器の行方」、「遺書」を収録。
「ワンパターンの推理クイズ的トリック」と思わせておいて、ひとひねりあるときがウレシイ。なおどれとは言えないが「探偵の推理の限界」を結果的に表現している作品もある……というと大ゲサだし別に作者にもその意図はないのだろうが、でもそうなっちゃってる。推理マニアには自明のことななんだろうが。なにぶん推理モノなので詳しく説明できなくてスイマセン。(99.0719、滑川)



・「秘密警察ホームズ」(3) 原作・立神敦、作画・犬木栄治(1997、小学館)

コロコロコミック連載の、1話完結形式推理マンガ。

「窓から消えた殺人者」、「雨の岩風呂殺人事件」、「真犯人」、「朝日にさけべ
殺人事件」
収録。どれとはいわんが、あまりにトラディショナルな「推理クイズ」的展開にワンパターンを通り越して「なぜこのトリックが常套手段として使われるのだろう?」という日本人の集合無意識にまで思いをはせる(ちょっとウソ)話も。逆に、「ほう」って思うのもあるけど。(99.0719、滑川)



・「パチンカーワールド」8月15日号(1999、白夜書房)

・「玉男(たまおとこ)」(原作:尾上龍太郎、劇画:ふくしま政美)

話題作、第2回。
超大物パチンコ店経営者・銀大寺無道に楯突く巨漢パチプロ・風見零がパチンコを打つ!!

第1回でイメージ的に描写された部分がより詳しく、すなわちゼロと無道との確執やゼロがパチンコを打つシーンなどが活写される。
デジタル化されたパチンコを嘆き、「釘が泣いている」と呟くゼロ、怒りのあまりパチンコ台に頭突きを食らわす!!

パチンコ玉の音で母親にあやされていた赤ん坊の頃の回想やファックしながらのパチンコシーン、そしてエキセントリックな風体のばーさんのやっている、荒野の中に立っているかのようなパチンコホール、
「東京のパチンコがおもしろくなってきやがった」と呟くその他大勢の客たち……。

ううんこれは燃える! 燃えすぎる!!
サブタイトル「ババアのホール」も最高。
これは何かを感じる。感じますよ〜。
(99.00716、滑川)




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