◆ 1998年8月中旬 ◆

8/11〜20
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8/20(木)……猫笊饂飩

【雑誌】モーニング 9/3 No.38 講談社
 山本康人「内線893」、作:高橋三千綱+画:きくち正太「ブル田さん」の2作品が最終回。両方とも最近ちょっと低調気味だったので仕方ないかな。「ブル田さん」に関しては、モーニングオンラインの掲示板における高橋三千綱の書き込みによると、どうやら編集部の意向で打ち切られたらしい。以下その書き込みから抜粋して引用。

残念ながら、ブル田さんは新編集部の意向により、打ち切りになりました。
創刊以来の編集長、栗原良幸氏の解任にともない、単行本の売り上げの伸びないものは、なくすという方針により消え去ることになりました。無念。
 出版業界も不景気だねえ。
「魅惑のトップス」の村上もとか「メロドラマ」も最終回。いきなり最後のところで宇宙に飛んでいくのにはびっくりしたが、まあまあの終わり方だったと思う。荒唐無稽になりそうな展開を、強引にねじ伏せる腕はベテランならでは。山下和美「天才柳沢教授の生活」。前から気になっていたのだが、同人誌界では「紅茶本」と呼ばれる、紅茶のおいしい入れ方なんぞに関することを述べた本が、一つのジャンルとして定着している。紅茶ってそんなに年がら年中語ることがあるもんなのだろうか、とか思うのだが、どうやら深いものらしい。あと、プレゼントページで例のデブ専漫画家・友沢ミミヨが漫画を描いているので、ファンはチェックすべし。このプレゼントコーナーって、けっこうマニア筋注目の作家がときどき登場するので要注意だったりする。

【雑誌】ヤングサンデー 9/3 No.38 小学館
 山本英夫「殺し屋-1-」が再開。今回も痛そう。若頭・垣原は相変わらずの武闘派。板垣恵介「メイカー」。化粧により、不細工な人たちをあっという間に美しく変身させる「メイカー」のお話……なんだけども、さすがに今回のは強引なのでは。でもまあそこらへんの力づくなところが味ではあるんだけどね。竹下堅次朗「カケル」は修学旅行中に、事件が始まりそうな気配。それにしても竹下堅次朗の描く女の子はかわいいな。カサギヒロシの集中連載「鉄壁電飾城」は最終回。わりと普通の終わり方。この人の絵は独特の垢抜けなさはあるんだが、女の子は妙に色っぽくて好きだ。

【雑誌】ウルトラジャンプ No.21 集英社
 大暮維人「天上天下」。だんだん面白くなってきた。今回はアクションバリバリ。もう少し派手に乳をゆさぶると、馬鹿っぽくていいと思う。松本嵩春「AGHARTA」。毎度、完成度の高い美しい画面。かっちょいいなあ。藤原カムイ「福神町綺譚」は、今回は銭湯を舞台に行われる福神町独特の格闘技のお話。力強く、かつ間抜けてて面白い。そういえば福神町ってば、なんとインターネットの独自ドメインhttp://www.fukujin.com/をとっちゃったんだよね。といっても福神町プロジェクトスタート時からのメンバー、びぃさんが勝手にとっちゃっただけみたいだけど。俺もgashuuin@fukujin.comとかいうメールアドレスがほしー。イラ姫「hinageshi」。最後のほうでぷわーっと見開きで見せるあたりがすごくキモチ良かった。楽しく面白い。

【雑誌】アリスくらぶ Vol.7 コアマガジン
 末高大河「あたしたちははかなくなんかない」は、近所のおにーさんに犯され続け「妊娠しちゃうかも」と泣く親友の少女を慰めるため、自分も兄を誘惑してSEXする女の子の話。センチメンタルでもの哀しくてなかなか。絵もきれいだし。町田ひらく「高原天上楽」。白黒のコントラストが利いていて、やっぱりほかのコミカルな絵柄の人たちとは一線を画している。冷淡な視点で因果を描くストーリー回し、描写はさすが。「笑顔☆レボリューション」(黒崎まいり)は、ちょっと知恵遅れ気味の少女と、彼女を守る少年のお話。絵の完成度はそんなに高くないけど、心暖まっていい感じ。
 雪待小町「デンジャラスシスター」。たぶん馴染しんだと思うんだけど、ペンネーム変えたのかな? 椿三九郎「妄想機関車」。ブルマー少女に妄想を突っ走らせる教師のお話。ブルマーのしわの描き方とか、裏っかえして匂いを嗅ぐとか、素材表示のタグとか、ディテールが何気に細かく、ホンモノの香りがちょっと漂う。タカハシマコ「髪長姫」。白泉社系の少女漫画雑誌に載っていそうな、かわいくてきれいでキラキラした絵柄。細いペンタッチがきれい。
(↑その後、雪待小町さんご本人からご指摘いただき、馴染しんさんとは別人だということが判明しました。お二方にご迷惑をおかけしましたことをお詫びいたします)

【単行本】「ねこぢるせんべい」 ねこぢる 集英社 判型:A5
 いつものにゃーことにゃっ太の話。最後の1話は、ねこぢるの原作をもとにねこぢる夫・山野一が描いたものだそうだが、彼も同じ絵を描けることがこれで完全に証明されたわけだ。ねこぢるブランドにおける、妻と夫の役割分担がどうのこうのいう人がいるけど、知ったからっていって作品が面白くなるわけじゃないんで、俺にとっては正直なところどーでもいー。

【単行本】「運び屋ケン」1巻 深谷陽 集英社 判型:B6
 アジアを股にかけて、「武器と麻薬以外ならなんでも運ぶ」を信条に、運び屋を営むワイルドでイキな日本人・ケンの物語。エスニックで、オリエントで、シルクロードな感じの雰囲気が出ていて非常にいい。エピソードごとに変わる素敵なヒロインをからませつつ魅力的にお話を進めていく。地味な作風だけど地に足の着いた面白さがある。

【ムック】マンガ夜話 Vol.1 松本大洋「花男」 キネマ旬報社 判型:A5
 キネマ旬報から創刊された、漫画研究ムック。まだパラパラとしか見てないんだけど、掘り下げが深いし、データ面も充実度が非常に高い。現時点で松本大洋を扱った書評本では、ナンバーワンの出来では。漫画関係の評論本を見ていて久々にジェラシーを感じた1冊。細かいことは松本大洋ページに書いておいたのでそちらを参照のこと。なお、次号は萩尾望都「ポーの一族」。発売日は書いてなかったのでよく分からない。



8/19(水)……プリンスが

【雑誌】ヤングマガジンUppers 9/2 No.10 講談社
 創刊当初は非常に期待していたUppersなのだが、今のところちょっと低調な気がする。B級をうたっているんだから、もうちょっと荒々しさが欲しいところ。作:山本英夫+画:こしばてつや「援助交際撲滅運動」。オヤジも狩られてばかりではなく、猛反撃。それにしてもこの漫画は濃くていいわ。単行本が出たらたぶん買う。玉置勉強「恋人プレイ」は好調。玉置勉強作品の中では今までで一番好き。

【雑誌】ヤングマガジン増刊赤BUTA No.19 講談社
 ヤンマガの増刊枠はヘタクソな人は多いが、ほかでは見られない野蛮な力強さを持っている作品が掲載されていて俺にとってはすごく面白い。
 激漫(ワニマガジン)で「LIZARD KING」を連載している馬場康士が巻頭カラー。タイトルは「セニョール・ペルフェクト」。プロレスを馬鹿にするブラジル柔術系警察官と、プロレス最強論者の、どちらにせよ変質的な男たち(いちおう断っておくが、プロレスファンたちかが変質的ってわけじゃなく、このキャラクターたちが変質的なだけ)が戦うというお話。激漫同様、暑苦しい作風は健在。これを期に多少メジャー化するのかな?
 作:具大雄・金美環+画:安京益「RAD-RIDER」は、バイクのパーツの残骸を拾ってきて組み立て、自分だけの車体を組み上げて走る男の話。絵も骨太でうまいし、話もなかなか読ませる。面白かった。藤本青心「不発のミサイル」はパチンコ漫画。非常にリスクの高い、骨のある一発台、「ミサイル7-7-6D」に賭ける男たちの話。ポリシーに殉じるパチンコ野郎たちの姿が熱くカッコよかった。俺も昔はパチンコをけっこうやっていて、こういうタイプの「なかなか当たらないが、一発入れればデッカく当たる」一発台が好きだった。何より、出ないときはまったく出ず、当たるとデカいという潔さが良かった。時間もかからないし。一発台がなくなってから、俺もパチンコをやらなくなってしまった。「ギャンブル性が高い」なんて大きなお世話だよなあ。
 まちぞう「下之森丈」は今回で最終回。どっちみち長く続ける話でもないのでこんなところだろう。今回は怪しいキチガイ系オバサンが良かった。このイカれた作風を大切に、これからもヘンな作品を描き続けてほしいもの。祭丘日出雪「マンマイマー」はスプラッターアクション系の新連載。出だしはなかなか。小田原ドラゴン「ドラゴン日記」は小田原ドラゴンの私生活を描いた日記系漫画。「おやすみなさい。」と同じように、オドオドとした情けない展開がすごくいい。好きだぜドラゴン。石川雅之「カタリベ」はようやく救いのある展開になってきた感じ。ペンタッチとかわりと好みだし面白いと思う。
 タイム涼介「新人日記」。タイム君はあっという間に転落。マーライオン先生がいいなー。そして小松大幹「薄情青年」。青臭い作品なんだけど、この青臭さは非常に力強くて大好きだ。今回は今までの中でもかなりハードな展開。放浪する二人組のうち、ナサケの過去が明らかに。来月の青BUTAで最終回。新人、花田ともこ「お宝少女」は、アイドルを目指す少女とその幼馴染みの少年のお話。まだまだな部分はあるけど、けっこう面白い。「ペン入れ3作目デビュー」とあるがそれでこれなら上出来。これから楽しみ。

【雑誌】オールマン 9/2 No.17 集英社
 六田登「親愛なるMへ」は第2話。人を殺したことに罪悪感をまったく持たぬ少年。なかなか業が深くなりそうな展開でこれからもすごく楽しみ。このままどんどんダーク路線を突っ走って行ってほしい。作:美都原海+画:御厨さとみ「なんぼやねん」。ヒロインの葉緒里がかっちょよくてイキイキしてていい。深谷陽「運び屋ケン」。いつも面白い。そういえば単行本1巻が発売されているみたいだが、まだ買ってなかったような気がする。買わなきゃ。
 もともと集英社系ベテラン+彼らのアシスタントと思われる人が多い雑誌だが、今号の巻頭カラー、周良貨+能田茂「監査役野崎修平」は本宮ひろしそっくり。もちろん本宮ひろしのほうがうまいけど。
 以下余談。こういう作品を見ると、やれ「本宮ひろしのマネだ」「やめさせろ」みたいにいう人がいるが、アシスタントの人がようやく勝ち取った(この作品がそうなのかは知らない)連載枠なんだし、それだけのページをもらえるようになるまでの苦労を想像すると俺は非難する気になれない。漫画家として食っていくことを夢見ている人がどんな形でもいいから漫画を描き、細々と夢をつなぎながら生きているってのはいい話だと思うのだ。
 漫画というメディアのいいところの一つに、つまらなそうだと思ったらとばすことができるというのがあるんだから、読む気にならなかったらほっとけばいい。雑誌ならコンビニかなんかで立ち読みできるわけだから、気にくわなければ買わなきゃいい。自分の読んでる雑誌に好みでない作品が載っているとものすごくいやがる人がいるが、それは「自分の好きな雑誌は自分の好きなタイプの作品で埋まってなければいけない」といってるみたいなもんで、いかにも心の狭い意見だと思う。ほかの人がそういうふうにいうのは別にかまわないけど、自分だけはそういった心の狭いことはいいたくない。

【雑誌】週刊少年サンデー 9/2 No.38 小学館
 皆川亮二「スプリガン」が映画化記念ということで、特別読切掲載。そんなわけで「ARMS」はお休み。今回は前編。御神苗は大学生になっている。本連載時よりもさらに絵がかっこよくなっているのでファンは要チェックなり。「俺たちのフィールド」(村枝賢一)は今回は騎場が主役。過剰で熱い。あんな汚いプレーしたらW杯では退場だと思うんだけど、漫画だから多少の過剰さはオッケーだよん。久米田康治「かってに改蔵」。無人島に流された地丹が、錯乱して自分の思いついたギャグを人々に伝えようと悪戦苦闘するというしょーもない展開。下らなくて楽しい。

【雑誌】週刊少年マガジン 9/2 No.38 講談社
「勝負師伝説哲也」(原案:さいふうめい+画:星野泰視)はダンチが完全復活。力強い話作りで面白い。大島司「シュート!熱き挑戦」。やはりというかなんというか、最後の最後で田仲投入。次号はファントムドリブルしまくりかな。本島幸久「蒼き神話マルス」。「犀川先生」だの、「京極堂」だの「塗仏」だの、その筋の人はピクピクくるような言葉がちりばめられている。オタクだねえ。


8/18(火)……NAME KEY

 今日はヤンマガ赤BUTAの発売日だと思って、コンビニをいくつか覗いたのだがどこにも置いてない。たしかに8月18日発売となってたんだけど。明日もう一度探すなり。

【雑誌】ネムキ 9月号 朝日ソノラマ
 全般的にレベルが高く読んでて楽しい。抑えた調子でカラリと、摩訶不思議で味付けをした感じの作品が多い。一作品ごとのページ数も多めで読みごたえバッチシ。魅力を言葉で説明しにくいタイプの作品もけっこうあるので、一読をオススメする。瑞々しさや革新性はそれほどないけど、上品で落ち着いた感じでおくゆかしい魅力がある雑誌という印象を受けた。
 まず今市子「百鬼夜行抄」。確かな作画力、丁寧な話運び。面白いなあ。今市子は面白いとよく聞いていて、読み出したらきっとババババと買ってしまうんだろうなと思いつつもまだ単行本には手を出してない。ということはこれからのお楽しみが残されてるってこと。焦らずのんびり行くですよ。川原由美子「観用少女」は連載再開。こちらも単行本を買おう買おうと思いつつ、なんとなくまだ手を出してない。でもどうせいずれ買っちゃうのだろう。
 諸星大二郎「栞と紙魚子 ペットの散歩」はいつもながらの飄々とした味。ほのぼの諸星もまた面白い。波津彬子「夕暮れにはばたく」。贋作師をダマそうとする少女を陰で見守る親友の意外な正体。ファンタジックでなかなか良かった。TONO「チキタ★GUGU」は可愛らしくて楽しくて和む。軽部華子「くみちゃんのおつかい」。三原ミツカズっぽいシャープなタッチで、ちょっとグロテスクなところが楽しい作品。新連載だが、今後も楽しみ。あと「イカしたマスターのいる店」(オガツカツオ)が、ちょいとアナクロなタッチで淡々とした、それでいて丁寧な絵柄で気になった。ページ数が少なめなのがちと残念。

【雑誌】漫画ばんがいち 9月号 コアマガジン
 表紙がおおしまひろゆきになって、だいぶ雰囲気がオシャレな感じ。中身の作品は絵も話もどれも一定水準。Hシーンもそれなりに色っぽくそこそこ読める作品が揃っているものの、これは、と思う作品が見当たらない。桜餅きなこ「Cherry」はオシャレな絵柄でわりと好き。才谷ウメタロウは初単行本「NEGATIVE」が9月5日に発売決定。たぶん買う。


8/17(月)……滑稽の一年

 おかげさまでこのホームページも1周年。1年間ほとんど毎日、雨の日も風の日も更新し続けてきたが、どうせホームページの作成は室内でやるので、雪だろうと雷だろうと関係ないわけだ。それはともかくとして、1年間ほとんど休まずやったというのは自分としてもよく飽きなかったもんだと思う反面、俺は旅行の一つもしてないんかい、となんだか青春無駄遣いな感じもする。でも無駄遣いってリッチでいいよね。
 単に1年間経ったというだけのことだが、とりあえず一区切りがついたので、これを期にOHPは閉鎖します……などといっても誰も信じちゃくれないと思うけどむろんウソだ。余談だが、俺はウソをつくのは大好きだけど、つきとおすのはヘタクソだ。今のところページ作っててそれなりに楽しいし、いろいろな人と知りあえたり書評仕事が来たりと、いいことトもあったのでまあ当分はやめることはないと思う。というわけでこれからもよろしくお願いします。

【雑誌】モーニング 9/2増刊 新マグナム増刊 講談社
 なんか非常に充実していて、頼もしい増刊。難をいえば発行部数が少ないのか、取り扱い店がけっこう限られているみたい。駅の売店ではあまり見かけず、コンビニ売りが多い感じ。
 今回の「ネオデビルマン」は永野のりこ。明と美樹のほのぼのぶりはいい感じではあるが、デビルマンにちと迫力が足らない。「電波オデッセイ」でやっているような、キャラクターに対する激しい追い込みがも少しあると良かったかも。巻頭カラー「CITY OF METABOLISM」(木内亨)は大友克洋を思い出す、細かく描き込まれた非常に達者な絵。壊滅した東京を舞台に繰り広げられるSFアクションモノって感じ。今回は導入編だが、前述のように絵はすごくうまいし、期待できそう。鶴田謙二「Forget me not」。相変わらずすごくうまい。カラーも、モノクロも実に美しい。新マグナム増刊では毎回連載になるらしい。最近はアニマルでのピンナップといい、仕事してるなあ。この程度のペースで感心されてしまう仕事ペースというのも鶴田謙二ならではだが、何はともあれコンスタントに作品を読めるようになるってのはうれしい限り。
 加藤伸吉「バカとゴッホ」第2話。力強く青春していて楽しんで読める。松田洋子「お母さんといっそ」は相変わらずの嫌味ったらしい、爽やかならざる作風。このヒネこび方は松田洋子ならではの味。冬目景「文車館来訪記」。カラーが素晴らしく美しい耽美な世界。さすが。荒巻圭子「王国物語Sphinks」は順調に進展。妖しく美しい。このまま掲載され続けていってほしい。
 次号、新マグナム増刊は10月19日発売。「ネオデビルマン」は高寺彰彦とヒロモト森一。これだけでもマニア垂涎ものなのに、さらに清田聡、曾根富美子まで掲載。う〜ん、楽しみ。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 9/17増刊 Manpuku! 小学館
 最初はギャグが中心だったManpuku!だが、徐々に元のスピリッツ21と同じようなノンジャンル雑誌に戻りつつあるように思える。山本直樹「夜組」は実にいつもの通りの山本直樹的お話。淡々と物語が進み、退屈な日常、けだるいSEXの日々が過ぎていく。本当にいつもの通りなんだけど、やっぱりうまいなあ。吉田戦車「山田シリーズ〜レギュラー〜」では、あの動物、山田が帰ってきた。太い眉毛、ほおに生えたヒゲ、小太りの身体、ムチムチの肉体を持つあの動物が。あの動物ファンは必見だ。ちなみに俺はこの動物に似ているといわれることがわりとよくある。ほりのぶゆき「電光シズマ」は「あ´お´ぬ´ま´し´どぅ ま´だ」というセリフで名高いヒーロー、シズマが主役。良きこと聞く。こういう執拗にダメを押すギャグをやらせるとやっぱりうまいなあ。

【雑誌】ヤングジャンプ 9/20増刊 漫革 Vol.15 集英社
 ん〜、今回は駕籠真太郎が載っていなくて残念。漫革では俺注目度が一番高かった作家だけに、なんか読むところがますます減っちゃった感あり。きたがわ翔「夏がいそいでる」。本誌連載の「ホットマン」あたりから、だいぶ線が太くなってきたように思う。その分、シンプルで無駄がなくなってきた感じ。絵的にも話的にも俺としては最近の作品のほうが好み。あと気になったのは、新人の岡野恵。昨年の12月12日にビッグコミックオリジナルの増刊号で作品を読んだことがあるが、そのときにも気になった人。一色まことによく似た絵で、勢いのある作品を描いている。さわやかで力強く、アツイ漫画。なかなか力のありそうな人だと思う。

【単行本】「Jドリーム完全燃焼編」2巻 塀内夏子 講談社 判型:新書判
 データは塀内夏子のページのほうに追加しといたので、そっち参照。この巻に収録の話だと、前回予選のメンバーは北村と鷹しかスタメンに残ってないのだが、上條とか黒崎は残してあげたかったなあと思う。とくに黒崎みたいなキープができ、運動量のある選手って貴重だと思うんだけど。


8/16(日)……傲慢アクセス

 昨日書き忘れてたけど、アクセス数が5万を突破。もうすぐこのホームページも1周年だったりするのだが、1年間でこれだけ見てもらえたというのはありがたい限り。

 まとまった休みがとれなかったので今年のお盆は単なる週末に過ぎなかった俺だが、漫画が出なくてヒマなので(本当はネムキも買っておきたかったけど、地元にはなかった。明日どこぞで買ってこよう)、たまりにたまっていた雑誌を整理する。単行本化されにくい作品や、気になる読切を切り抜き、ひもでしばって廃棄。しばらくこの作業をサボっていたので、すでに尋常でない量になっていた。
 このホームページの更新頻度を見れば分かってもらえると思うが、俺は手の届く範囲のことでは几帳面な人間だ(とはいえ俺は面倒なことが何より嫌いな人間なので、手の届かない範囲とか、几帳面でなくても当面自分が困らないような事項についてはかなり大ざっぱでもある)。そんなわけでサボっていたといっても2ヶ月くらいなのだが、これまではあまりにも量が多いため、余計に作業がおっくうになってまた雑誌がたまり……という悪循環に陥っていた。さすがにヤバい量になってきたので一念発起。ついでに、読切作品や単行本収録確率が低い作品が多く、切り抜き量もハンパでなくなると予想されていたエロ漫画雑誌にも手をつけることにする。
 夜の9時過ぎから始めたのだが、結局深夜3時くらいまでかかってしまう。あとで数えてみたら整理した雑誌の冊数は267冊。これをいちおう全部パラパラとめくってみて、気になる作品は切り抜いてホッチキスで綴じ、雑誌を束ねて縛る……という作業を延々とやっていたわけだ。背中を丸めて作業をしていたせいか、途中でなんだか吐き気さえしてきた。
 束ねた本の山のサイズを測ってみたところ、約50cm×50cm×1mくらいの量があった。でも、実は最近読み始めた女性向け雑誌に関しては、まだ不案内なので読み返すかもしれないと思って手つかずのまま置いてある。こちらも100冊以上はあるんだよなあ。これからは1週間に一度くらい整理しないとダメかも。

 エロ漫画雑誌を切り抜いてみて思ったのだが、どうも実用系の作品で切り抜いておきたい作品が少なかった。たまたま実用方面で弱い雑誌を俺が買うことが多いのかもしれないが、それだけでもないような気がする。現在のエロ漫画は、かわいい女の子を描くという方面ではすっごく進歩していて、話のバリエーションも増えてきていると思うのだが、実用面ではフニャチンなのが増えてきたなーって感じがする。快楽天の成功以来、その傾向が強まってきたような。OKAMAみたいなニューウェイブもそれひはそれでいいし、結果的に面白ければなんでもいいんだけど、ガッツンガッツン抜かせるようなそんな作品も、もっともっと読みたいなー。
 少年誌で一番切り抜き率が高かったのは週刊少年ジャンプ。この雑誌は新人を登用することが、ほかの少年誌に比べて多い。全般的に、少年誌の作品は単行本化される率が高いので切り抜く必要がある作品は少なかったりする。

【雑誌】フラミンゴ 98年2月号 三和出版
 古本屋をぷらぷらしていたら置いてあった。海明寺裕「volunteer Bleednig」とか、蜈蚣Melibe「仮面のナターシャ」とか、すでに単行本収録済の作品もいくつかあるのだが、駕籠真太郎が描いている号なので購入しておく。
 駕籠真太郎「戦火の果て」はお得意のヒト型戦車モノ。人間の身体をおもちゃにして遊び倒す冷酷さはいつもどおり。白井薫範「ひとひらの花さえすべて君に」はすでに連載終了している作品。そのうち単行本にまとまることだろう。この号では第5話。ちんちんがベキベキに折られてて、男としては「イテテテ」って感じ。読者の身体感覚に訴えかけてくる。あと、最近注目の北原武志、「Human Being(後編)」。この人らしい、唾の匂いがツーンとくる作品。とにかくヒロインのイジメられっぷりが陰湿で臭そうで、屈辱的で素晴らしいなーと思う。それでいてエンディングがハッピーエンドであるというヌルさがまたたまらん。

【画集】「4C」 桂正和 集英社 判型:A4
 俺は画集って、普段はあんまりというかほとんど買わないんだけど、これはなんとなく買わないと後悔しそうな気がしたので買っておいた。桂正和は昔っからうまいと思っていたが、それでも上達が今に至ってもまだ止まっていないというのが凄いと思う。女の子描きとしては日本一じゃなかろうか。全体的には漫画絵なんだけど個々のアイテムは写実っぽかったりと、漫画絵と写実絵の幸福なる融合とでもいうべき形が見られる。……とかいっているが、実のところしちめんどうくさい言葉はいらない。眺めてほうっと感嘆すればそれでいいと思う。いやー、ホントうまいわ。


8/15(土)……フクヤマヨ氏

 この前、地元の本屋さんにデビルマンのBOXが置いてあったのだが、1万3000円という値段に買おうかどうしようか迷っていた。で、今日同じ本屋さんに行ってみたところなくなっていたので、どうやら売れてしまったらしい。さすがにあのサイズ(B4だと思う。で厚さが10cmくらい?)だと、地元もしくは車で移動してるときでないと買いにくい。いつも酷使しているカバンでもアレは入んないしなあ。

【単行本】「誘拐ローン」 福山庸治 双葉社 判型:B6
 パソコン通信で知り合った方からウチの兄貴が譲ってもらった単行本。
 これは発行が1980年とかなり古い作品。それだけに作風もさすがに時代を感じる。今読んでもすごく面白いってもんでもないので、どうしても手に入れるべきってほどではない。ただ、やっぱりこのころから作画はしっかりしているし、シニカルさのあるストーリー運びは今と共通するものがある。

【単行本】「ある朝パニック」 福山庸治 朝日ソノラマ 判型:A5
 これも譲ってもらった奴なのだが、すでに持っていたかもしれない。読んだんだか読んでないんだかごっちゃになってしまっている。……とか書いている間に兄の蔵書リストを調べたところ、やっぱりすでに持っていたみたい。でも読んだ覚えはあんまりないんだよな。こちらは1992年発行で、作風としては現在のものに近い。日常のドタバタの中に非日常の香りを漂わせ、一筋縄ではいかない展開を見せる。福山庸治らしい作品集。ああ、それにしても「臥夢羅館」の単行本出ないかなあ。


8/14(金)……夏ガレイ

 お盆でも毎日漫画を読んできたが、さすがに雑誌はそろそろ読み尽くしてきたぞ。電車に乗って駅でゴミ箱漁っても、ほとんど収穫ないし。こういうときは同人誌だな!というわけでコミケに……行ってきてないよーん。カタログも買ってないし。夏は暑くてつらいので、冬コミはそのうち行こうかな。

【雑誌】SUPER JUMP 8/26 No.17 集英社
 徳弘正也「狂四郎2030」があやしい展開。ヒロイン・ユリカに迫っていた八木の恐ろしさが見え始めてきた。エロシーンも色っぽいし面白い。高見まこ「ロマンス」。こちらは、毎度なんか肌に吸いついて来るようなねっちりとしたいやらしさがある。吾郎はつくづくジゴロよのう。

【雑誌】ぶ〜け 9月号 集英社
 柏屋コッコ「柏屋コッコの人生漫才」が今回も楽しい。内容もそうなんだけど、今回注目は集中線。サブタイトルが「集中線の嵐事件!!」であることからも分かるとおり集中線使いまくりなんだが、その出現頻度はハンパじゃない。ほぼすべてのコマに集中線が描かれるという徹底ぶりなのだ。勢いあっていいなあ。あとは聖千秋「サークルゲーム」がわりと好み。主人公の女の子がスラリとしてキレイなんだけど乱暴なあたりが。

【単行本】「でんでんユミコ」 森真理 竹書房 判型:A5
 森真理はいつも気になってはいるんだけど、なんとなく今まで買ってなかった。でもけっこう好きだったりする。この作品は背中にでんでん虫の殻がくっついていて、ものすごく内気でびっくりするとすぐに殻に閉じこもってしまう、でも麻雀は激強の女の子、ユミコが主人公。全編微笑ましくて、ユミコがかわいい。読んでて頬がゆるむ楽しい作品。


8/13(木)……蛇ロってなんじゃロ?

【雑誌】LaLa DX 9月号 白泉社
 A5ぶ厚い系雑誌。森生まさみ「聖・はいぱあ警備隊」が今どきなかなかキスもできない二人のラブラブ話で、可愛らしく楽しい。えもとよう子「できね〜女」。別の漫画で脇役をやっている男と女が、この漫画内で恋愛するという、いっぷう変わった筋立て。主人公二人も、ほかの漫画に出演中は主役を引き立てる「その他大勢の一人」でしかなかったりするところが面白い。
 第18回LMGゴールドデビュー賞というなんだかすごい名前の賞を受賞した作品(ちなみにLMGは「ララまんがグランプリ」の略)の、高里くるみ「andante」は、クラスに出席するのが煩わしくてずっと保健室に閉じこもっている少年と、元気のいいまっすぐな少年である主人公の友情モノ。爽やかで絵もこぎれいでなかなかいい。田中メカ「LightRightラビット」は、人が好くて子供好きの男子高校生が、幼稚園の保母さんを元気づけようとするお話。こっちはLMGフレッシュデビュー賞。こちらもなかなか気持ちのいいお話。油っ気のあんまりない涼しげな絵で楽しんで読めた。筑波さくら「雨の中」は雨の中で出会った、ガチガチマジメの眼鏡娘と、遅刻魔の少年のお話。整った絵柄でお話もきっちり読ませる。眼鏡娘がかわいくていいなあ。

【雑誌】コットンコミック 9月号 東京三世社
 やっぱり駕籠真太郎オンリーに近いが、それでも350円は惜しくない。とくに駕籠真太郎の単行本はそう簡単には出ないことだし。今回の「駅前配管」も駕籠真太郎らしい不条理世界。そこら中に蛇口があり、なんでもかんでも蛇口から出して供給するという世界がなんの説明もなく呈示されている。カレーもみそ汁も、コーヒーもサラダ油も、お湯も水も、すべて専用の蛇口から出てくる。圧倒的な奇想と世界観。あんまり安易に使いたくない言葉ではあるが、やっぱり天才。

【単行本】「姫ごと倶楽部」 じゃみんぐ 司書房 判型:A5
 あんまりきれいな絵柄じゃないし、身体の描き方とかはそんなに好みでないんだけど、実用度抜群でサービスもたっぷり。体液も粘性が高くて重たい汁って感じ。実用重視で割り切った作風は胸がすくものがあって、非常にいいと思う。っていうか素晴らしいッス。最近、「美少女漫画」って感じの実用軽視型の作品が増えてきていてそれはそれで面白いのもあって好きなんだが、こういうトラディショナルなエロ、実用一本槍って感じのも大好きだ。フニャチンな作品が増えてきた中で、実用・肉弾を貫いている司書房の姿勢はけっこう貴重だと思う。


8/12(水)……休みクチュクチュもん惰眠

 学校はもちろん夏休みの真っ最中だが、そろそろ会社も休みシーズン。俺もドカッと休みたいとこなんだけど、現在まとまった休みが取りづらい状況。俺が関わっている雑誌は月2回発行なんだが、今までは片方だけしか担当してなかったんだけど、ここのところ体制の変更があって連載は月2回両方の号に関わらなきゃならなくなった。1回1回の労働量はさほどでもないんだけど、1週間まとめて休むというのがしにくい。しかたないので、今年の夏休みはバラで取ることに決定。具体的には8月は毎週水曜日に休むつもり。
 まあどうせ旅行に行くつもりとかもないし、逆にこっちのほうが楽だったりもする。なんといっても2日仕事して1日休み、2日仕事して2日休む、というパターンになるわけだから。というわけでさっそく今日は1日休みをとって惰眠を貪った。惰眠はいいぜ、惰眠は。惰眠サイコーッ!

【雑誌】コミックビーム 9月号 アスペクト
 掲載作品リストはコミックビームのページ参照。
 迫り来る最終回の嵐。まずは「くるぶし武勇伝」が今回で最終回。次号では「新ハイパーあんな」が最終回で、「BREAK-AGE」もあと6回とのこと。各作品のファンの人にとっては悲しいかもしれないが、自分が好きな作品を描いた作家さんがまた新たな作品を描けるチャンスが来たとポジティブに考えるべし。
 竹谷州史「PLANET 7」は第2回め。なかなかいい感じで来ていると思う。ラフさが気持ちいい描線で、キャラクターもイキイキしている。肉柱ミゲル「イヌガヨ」。唐突な展開が良かった。今までの肉柱ミゲル作品の中では一番いいかも。少年と犬が合体して生まれた奇跡の巨大ヒーロー、イヌガヨがうちゅうじんを惨殺するというお話。
「敷居の住人」(志村貴子)は脇役のメガネっ娘がなかなかかわいくていい。最近だんだん面白くなってきたような気がする。羽生生純「恋の門」。相変わらずのあぶなっかしい展開。イッちゃってるなあ。いましろたかし「釣れんボーイ」は盛り上がりもなくカタルシスもない作風がたまらない。金平守人「代原」は毎回毎回いろいろ仕掛けてきて飽きない。
 そして次号は、なんと小池桂一が連載開始!……といっても一般にはまったくといっていいくらい知られてない作家だとは思うけど。とにかくすごい作画力を持った人なんで要注目。
 あ、それと前号と今号を買った人にはポストカードの読者全員プレゼントがある。近藤るるる、桜玉吉、馬頭ちーめい、梁慶一、竹本泉、須藤真澄の6枚がセット。というわけで欲しい人は申し込むべし。俺としては、新谷明弘、金平守人、安井誠太郎、羽生生純、茶谷明茂、竹谷州史とかいう組み合わせだったら超絶欲しいところなんだけど。

【雑誌】ヤングアニマル 8/28 No.16 白泉社
 今回は「ももいろシスターズ」アニメ化記念ってことで、プレゼントが行われている。その中で鶴田謙二テレカがあるんだが、これは欲しいなー。応募しようかな。ちなみに競争率が上がるので、ほかの人は21型テレビやHi-Fiビデオ、桃の天然水等でガマンするように。まあ、そんなわけで今号は鶴田謙二ピンナップも付いているので欲しい人は雑誌をゲット。
 三浦建太郎「ベルセルク」では、聖鉄鎖騎士団団長の少女、ファルネーゼがサディスティックな肉欲に身を焦がす。うーん、いやらしーなあ。「ナイーヴ」(二宮ひかる)も毎度色っぽくていい。山口よしのぶ「名物!たびてつ友の会」。今回もお弁当がおいしそうだ。うーん、腹減ってきた。新人の辻松宏志「日本ドクロ伝説」は、絵が松本大洋系。松本大洋っぽいとそれだけでマイナスだから辛いところではある。話はわりと読めるので、独自の武器を身につけて伸びてくれればって感じ。それから巻末ページで、こいずみまり「コイズミ学習デスク」が連載化。今回はバイブ屋さんに取材しての下品話。個人的には男根崇拝者なので、ちんこは生のほうがいい。アダルトビデオとか見てても、バイブが出てくると速攻で早送りな俺だ。偽モンじゃ燃えねえんだよっ!(力説してどうする)

【雑誌】メロディ 9月号 白泉社
 気づけば毎号買っているこの雑誌。俺的にはわりと読むところが多くて肌に合う。巻頭カラーは日渡早紀「ちょっと月まで」。少しノスタルジックでファンタジック。最後も気持ちよく泣かせて締めて鮮やかな出来。柳原望「連・鎖」。謎の男によって、町が火の海に。ちょっとミステリアスな展開がなかなか面白い。桑田乃梨子「男の華園」は毎度、ちまちまとした可愛らしさで楽しい。和田育子の女子アナウンサー成長物語「シャベリタガール」(原案:田代親世)は今回で最終回。爽やかで楽しくて面白かった。雁須磨子の自衛隊ラブコメ「どいつもこいつも」も最終回。この雑誌では一番楽しみにしていたのだが。さっぱりした絵柄で、コロコロと転がっていくお話が気持ちいい作品だった。次回作期待。我孫子三和「楽園へ行こう!」も毎度、ハッピーで賑やかで楽しい。
 あと、なんか次号で「スケバン刑事」(和田慎二)の特別編があるらしい。麻宮サキと海槌麗美の本編とは関係ないバトルを描くとのこと。

【雑誌】別冊マーガレット 9月号 集英社
 最初は少女漫画らしいゴチャゴチャしたコマ割りの作品が多くて、かなりダメだったのだが、もうすっかり慣れてきてしまった。で、慣れちまえば面白いジヤアアンって感じ。やっぱり食わず嫌いはいけねえよ。
 中原アヤ「ラブ!ラブ!ラブ!」はいつも他愛なくて楽しい作品。フキダシが多いのは相変わらず気になるんだが、面白ければそれでよしだ。河原和音「先生!」もなんか毎号読ます。俺的には単行本買うほどではなく、雑誌で楽しんで満足ってタイプ。いくえみ綾「バラ色の明日」は毎度うまい。絵もかっちょいいしね。
 上野愛「彼女のキーマン」。昔は眼鏡をかけてたカタブツの女の子が高校デビュー、三つ編みだった髪をほどきコンタクトに変えていきなり美人に。で、中学校のころフラれた男にも一目ぼれされるほどに……という感じのお話。そんなにうまくいくわけねー、などという無粋なことはいうまい。トキメキがあって面白いのじゃよー。山田雨月「明日の空は晴ればれ」もエー感じに可愛らしいラブラブ話で楽しかった。で、岩田江利子「ウルフ物語」はいつもの調子ですっ頓狂。甘いラブの嵐の中で、一つだけ異次元な感じで、箸休めに最適。

【雑誌】ZetuMan 9月号 笠倉出版社
 最近、エロ漫画雑誌ってどこもピンナップつけてるなー。この雑誌は藤倉和音。なかなか美しいCGでござった。巻頭カラー、かんとりー・ふぁーむ「MILK IMPACT」もCGによる肌の質感が美しい。やたらデカくて美しい乳が素晴らしい。E-Opper。隅田かずあさ「ディレクトカレント」は、写実的で線が細く、ちょっと劇画タッチな画風が目を惹く。なかなか。G=ヒコロウ「鬼灯」。非常にいつもな感じ。G=ヒコロウってギャグも好きだけど、絵も女の子とかけっこうかわいい。


8/11(火)……木材

 現在、中野のタコシェでトオジョオミホみぎわパンの原画展がやっているらしい。俺的にはなかなか豪華なカップリング。期間は、先週の土曜日から1週間らしいので興味がある人は行ってみるといいだろう。なお、タコシェの場所等は、トオジョオミホのホームページ「POPPY」を参照のこと。

【雑誌】ヤングサンデー大漫王 9/11 No.22 小学館
 山口かつみ「モザイク」の復活がなんといってもうれしい。ずっと前の大漫王で「次号最終回」と予告されたまま掲載されなかったのだが、ようやく続きが読めた。今度こそ、次号で最終回らしい。閉塞した自分たちの世界の中で、追い詰められ行き場を失っていく少女たちの物語。彼女たちを追い詰めていくうちの一人、イジメられっこでストーカーなイカ太郎の圧倒的な存在感がすごい。終わらない悪意と不信。邪悪だ。
 カイトモアキ「裸のふたり」は毎度強烈で楽しみ。意味がないくらい力が入りまくって、血管が切れそうな、それこそアッパー系の薬物でもやってそうなビチビチに張り詰めた顔つきのキャラクターたちが凶悪。濃くて素晴らしい。単行本にまとまってくれないもんかな。ラスト4色、阿部潤のマッドサイエンティストもの、「プチ」もコンスタントなイカレぶりが楽しい。こちらは比較的安心感のあるイカレぶり。「裸のふたり」はどうしようもない不安さ、不吉さがステキだ。

【雑誌】ヤングチャンピオン 8/2 No.17 秋田書店
 村生ミオ「サークルゲーム」が200回記念。妄執がすさまじいこの連載、村生ミオ作品の中で最長になってしまったらしい。富沢ひとし「エイリアン9」。今回も女の子たちがかわいくて楽しい。コマ割りとかには未熟さをちょっと感じないでもないが。「職業・AV監督」(作:カンパニー松尾+画:井浦秀夫)は第一部完。ちょっと説明的すぎるきらいはなきにしもあらずだけど、やっぱり読ます。

【雑誌】ビジネスジャンプ 9/1 No.18 集英社
 巻頭カラーで冬目景「イエスタデイをうたって」が再開。中断前がちょっと中途半端な感じだったので、再開してくれてうれしい。これから5号連続掲載とのこと。それだけやれば、単行本にまとまる分量が揃いそう。それにしても4色原稿が美しいなー。にじみ具合が非常にいい感じ。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 9/1 No.17 小学館
 小山ゆう「あずみ」は、毒矢で撃たれたあずみが大ピンチに。骨太に面白いなあ。岡崎二郎「国立博物館物語」。こちらも安定して面白い。一編一編丁寧に仕上げてくるところが職人の技って感じ。前号で「Strain」が終了した、作:武論尊+画:池上遼一のコンビが早くも始動。10/1発売号で連載スタートする「HEAT」の予告編的読切が掲載。バイオレンスな感じで面白そう。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 9月増刊号 小学館
「職業・AV監督」が第一部完結したばかりの井浦秀夫がこっちでも似たようなことをやっている「AV烈伝」。濃い業界だけに内幕話も面白い。似たような話でも面白ければそれでいいのだ。業田良家「真実」。この人ってギャグもできるけど、シリアスなヒューマン・ドラマが実にうまい。ギャグをこなせる人って、ほかのジャンルもうまいパターンがけっこう多い。それから、今号では花輪和一が掲載。「舌切り雀」というタイトルどおり、舌切り雀ベースのお話。俺の好みとしては、もっとグロテスクなのをやってほしいところではあるけれど、何はともあれ作品が掲載されるというのはうれしい限り。10月12日発売の次号でもまた掲載されるとのこと。

【雑誌】コーラススペシャル 集英社
 相模なつき「悲しき雨音」がゆったりした感じで、独自のリズムがあって楽しめた。佐々木潤子「えんじぇるポリス」は達者な絵が魅力。あとは、やまじえびね「じゅずつなぎ」が静かな雰囲気ながら、間の取り方が独特で良かった。空間の描き方がいい感じだ。

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